俺ラディッツは弟を絶対に守り抜く   作:ドゥナシオン

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広まれペンギン村の陽の気よ!

千兵衛が天津飯とマークと共に、倒れているアラレ達のところに着いた時、妻のミドリは必死になってアラレとオボッチャマンの名を呼んでいるのを見ると、いつもの様に心が痛む

 

アラレとオボッチャマンはロボットで、単に燃料切れですと言えない

 

アラレがロボットだと知られたく無いと思った理由は、今となっては思い出せず、今更言えることでもなかった。

 

アラレを人の中で人として生きていて欲しいから

 

ペンギン村の皆なら、もしかしてアラレがなんであってもと言ってくれるかもしれないが一本気なところがあるアカネあたりが、親友だっていう自分に長年隠し事していたと大激怒してアラレとの友情が壊れてしまうと思うと怖くて。

 

そして今度もまた

 

「力の使いすぎでお腹が空いて目を回したんでしょう。

この千兵衛印の栄養剤を飲めば大丈夫ですよミドリさん!!」

「千兵衛さん!良かった!!二人もこれを飲めばきっと・・」

「はい!ターボ君はオボッチャマンの方にあげておくれ。」

「え、でも。」

 

ターボはふわりと浮きながら、いつもの様にロボビタンAをあげるのを躊躇う。

母とマークという少年だけならまだしも、どう見ても常人とは思えない力を備えてると察知できる人(天津飯)の前で、アラレ達を再起動する事が躊躇われる。

 

もしかしたらお姉さんの秘密が、

 

「大丈夫だよターボ君。」

 

何がとは父は言わないが、自分の懸念を汲み取ってくれたであろう父は優しいながらもきっぱりと言って来た。

普段はスチャラカでとんでもなくヘンテコな発明をして大騒ぎして、母がいるのにスケベな本を太郎さんと読んでアカネさんに怒られる父なのに、こういう時は頼もしい人になる。

 

何もかも上手くいくよ、なんの根拠もないのに優しく笑う

 

不思議だけど何故か安心する。

きっとお父さんの言うとおりに何もかもが大丈夫な気がしてくる。

 

だからアカネさんもみんなもどうしようもなくなった最後には自分ではなくアラレお姉さんと同じくらいに父を頼るのだろうか?

 

そう思いながらもターボは千兵衛の言うとおりオボッチャマンにロボビタンAを与え、アラレと同時に再起動されても、母とマークという少年は良かった良かったと喜んで、背の高い人は何かを察して驚いた様でも追求してはこずに、アラレちゃん達が無事で良かったと母達の中に加わってくれただけで

 

「いやぁ、アラレ達がお騒がせして。」

「何言ってるのよ千兵衛さん!二人のおかげで・・」

「俺も何もできなくてアラレちゃん達に助けられて・・」

「アラレさん、どこかお怪我は?

あ!お洋服が破けて!!」

「これくらい大丈夫だよ。オボッチャマン君は大丈夫?」

 

なんて事のない、いつもの光景がターボの前に広がる。

 

自分はお父さんにまだ勝てないな〜と思ってしまう天才赤ん坊・ターボであった。

 

 

「マシリトの奴、アラレ達に勝てないのに懲りないよな〜。

アラレ達がいれば世界征服なんて無理なのによ〜。」

「あいつが懲りる日なんて来るのかね〜。」

「ここの警察では取り締まらないのか?」

「ん〜、アラレが危なくなった時は緊急出動かける様にしてるけど、今の所はアラレかオボッチャマンがぶっ壊して俺ら出番ないのよね〜。」

 

ヤムチャの質問に答えた太郎の内容に、税金泥棒とアカネに言われても、その通りなので太郎はにゃはと笑って誤魔化す。

 

基本ペンギン村の悪党はアラレかオボッチャマンが倒して終わってしまうので仕方ない。

ここの警察の仕事は迷子を助けるのと自然災害時の救助が専らで、地域密着型なのでそれでいいのである。

 

今回はターボがこっそりとテレキネシスで足止めをしてアラレのんちゃ砲とオボッチャマンのごあいさつ砲でぶっ壊して終わったのを、見ていた餃子は気がついて、ターボに覚えたての念話を使ってテレキネシス持ち同士の話をしている間に、千兵衛がまたみんなの分のお茶を淹れにいくのをオボッチャマンが手伝って台所に行くと、天津飯もついていき

 

「あのマシリトという悪党を捕まえて来ましょうか?」

 

なんの前置きもなく千兵衛に話を切り出せば、千兵衛は驚いた顔をされた天津飯は不思議そうにするのを、

 

「あんな悪党はここにいてはいけない者でしょう。」

「いては駄目かね?」

 

再度問えばまた不思議な答えが返される事に天津飯こそが驚く。

平和の中にあんな危険人物がいていいはずがない!

 

「貴方方は優しすぎる!あんな悪党がもっと危険な物を作ったらどうするのです!

今はいいかもしれませんが!もし万が一あのマシリトとかいう奴が作った物で貴方方に危害が及んでからでは遅いのですよ!?」

 

台所の扉を閉めて、外に聞こえない声で天津飯は二人を説得しようとしたその時、

 

「天津飯さん・・・」

 

先程互いに名乗り合って挨拶を交わしたオボッチャマンが、俯いて震え始める。

自分の声で怖がらせてしまったのか?

・・そのつもりがなくとも少し強面で迫力があるとヤムチャに注意されてるのをやってしまったかと焦りかけるが

 

「マシリト博士を捕まえるのであれば、私も捕まえてくださいませ・・」

 

・・・・どうしてだ?

 

 

▲▲▲

 

あの後、天津飯は沢山の話を千兵衛から聞かされ様々な思いを聞かされた後、マーク達とどうやってペンギン村で一泊二日を過ごしたか覚えていない。

 

ただ、千兵衛に言われた事をグルグルと考えて鶴仙流の本部に戻った

 

 

・・・・・・

 

ラディッツは久しぶりに本部の書類仕事をしている。

 

本部で修行している弟子達が、ターレス超えたい熱に取り憑かれて重力装置の部屋をもっと実践的な訓練をできる様にしたいので拡張と改良許可くださいに、どうしたもんかなと悩んでいる。

 

無論みんなが強くなるのは大歓迎だが、義務の様に強くなるのは武闘家ではなくてまるで・・・そんなつもりで鶴仙流を広めたのではないのだが、自分のエゴで意欲をそぐのは駄目な気がするしと、行儀悪く煙管を咥えて吹かせながら目を半眼にして頭の中でグルグルと悩んでいると

 

コトリ

 

「あ、ありがとう・・天?」

 

お茶が目の前に置かれて、てっきりジュニアだと思ったら近頃更に自分を避けていた天津飯であった。

 

「その、どうぞ。」

「ありがとう天・・・ジャスミンは天が淹れてくれるのが一番美味しいな。」

 

世辞ではなく本心から言って呑む兄に、天津飯は質問をした。

 

「あの兄者、」

「ん?どうした?」

「その・・・変な質問ですが・・・兄者は熱湯を用意したら人にかけるのをどう思いますか?」

 

とんでもなく奇妙な質問をした天津飯は馬鹿みたいだと自身で思うので赤くなるが

 

「は!?それダメなやつだろ!?そりゃ強盗だか危険人物が迫って来たなら正解だが・・・熱湯俺にぶっかけたくなる事何か俺はしてしまったか?」

「え!?いえ!!俺も熱湯を人にぶっかけたらダメだと思います!!」

 

五日前、ペンギン村の悪党のマシリトを捕まえると天津飯が言った時にオボッチャマンという非常に良い子そうな少年の悲痛な決意を秘めた声に天津飯は何を言っているんだと困惑するのを、

 

「オボッチャマン、お湯が沸いたから向こうでお茶の支度を頼む。」

 

千兵衛が凍りついた場を破る様にのんびりとオボッチャマンにお湯の入ったやかんと茶の一式を押しテーブルに乗せて台所から出し

 

「天津飯さん、少しワシの話を聞いて欲しい。」

 

心配そうに振り返るオボッチャマンをいいからいいからと笑って押し出した千兵衛台所の扉を二度閉めて、キッチンの腰掛け椅子を二つ出して小さなテーブルに天津飯と自分の分のお茶を出して天津飯に座る様に促した。

 

「君はもしかしたら気がついたかもしれない。」

 

アラレとオボッチャマンがロボットである事を、腰を掛けた天津飯に問う。

 

こんなど田舎であっても、サイエンスの世界を狭めない為に都や外の情報を積極的に取り入れている千兵衛は、ペンギン村の外にはスッパマンなどではない本物の空を飛べる英雄達の話を知っている。

 

人外の強さを持つ鶴仙流の天津飯達は有名で、そんなお人ならと問えば

 

「はい、アラレちゃん達が起きようとした時・・生命エネルギー、我々が呼ぶ気は感じられずに、代わりに機械の動作音がしました・・」

「そうか、申し訳なく思わなくていい。

君はいい人そうだからアラレ達のことを詮索しないと思ってね。」

 

ワシは天才だし人を見る目があるんだよとからりと笑う千兵衛に、何やら武天老師様に似ているなと毒気を抜かれた天津飯は、

 

「実はな、オボッチャマンはワシが作ったのではなくあのマシリトが作った子なんだよ。」

「・・・え?」

 

同じ様に飄々とした声で告げられた事に頭が追いつかなかった。

 

だって、悪党があんなに良い子を生み出すなんて・・・

 

「天津飯君は、悪党はずっと悪党のままだと思うかい?」

「そ、それは!・・・それは」

 

そうですとは天津飯とて言えない

 

彼自身がそんな悪党の改心を手伝っているのだから、しかしなんの罰も受けずに追い出しもされない事に、天津飯は許せないし作った物は危険だと思うが、

 

「オボッチャマンがマシリトの作った子だというのが不思議かな?」

「・・はい、貴方が作ったと言う方がしっくりときます。」

「・・・マシリトが作ったオボッチャマンも、はじめはワシとアラレを倒そうとして来たんだよ。」

 

無論それはマシリトの嘘、即ちアラレ達は悪だと吹き込まれたせいだがまかり間違えれば倒され掛けたのを千兵衛は思い出して苦笑しながら

 

「誤解が解けて今はああしてワシ等と仲良く暮らしているんだよ。」

「そうですか、しかし、」

「分かっとるよ、マシリトとは大前提が違うとな。

しかしな、過去と今がダメでもアラレ達にやられ続けてマシリトが諦める日が来るかもしれないだろう?」

 

かつて【ちたま】を征服すると気炎を上げていたニコちゃん大王が、今では時折り思い出した様に行動するだけで普段は地球文明を楽しんでいるのは内緒だが、もしかしたらと千兵衛は思っている。

 

「科学もな、過去の成功や失敗をを紐解き未来を思って手を伸ばすが、本当に大切なのはー今ー起きている事だと思うんだよ。

今、何をして何が起きて成功したらそれを記録して、失敗したら原因を究明するが今何を成して・・・これは少し分かりづらいな・・・

そうだな、例えばお湯を沸かせたら人にかけて人に酷い事をしてしまった奴が、自分の悪行を悔いて」

 

こんな風にお茶を人に注ぐ事にお湯を使いながら、罪を償う日が来るかもしれないと千兵衛は天津飯の空になった湯呑みにお茶をまた注ぐ。

 

あいつもいつかそうなってくれたら嬉しいんだかと、どこか寂しそうに言っていた千兵衛に、自分はなんと答えたのか覚えていないが、兄者・悟雲はー今ー熱湯を沢山の人に美味しいお茶に淹れるのに使う人で、

 

「兄者・・・俺は、昔の文官長補佐官のラディッツは死ぬほど嫌いです!」

「うん、」

「ですが!孫悟雲兄者は死ぬほど好きなんです!!」

 

過去も今も未来もどちらもラディッツで、孫悟雲だが、それでも丸ごとは好きになれなくても兄者が好きですと、大好きなんですとボロボロと泣く天津飯を、ラディッツは立ち上がり抱きしめる。

 

「ありがとう天・・・」

「兄者!兄者!!」

 

状況が違うだけで、立場が違うだけで者も物も善悪どちらにもなり得る世界がある事を、天津飯はペンギン村で教えられた。

 

優しいオボッチャマンも一つ間違えば悪の道に引き摺り込まれ掛けたのをアラレちゃん達に救われて事なきを得て、そして自分は兄者に出会えて鶴仙流に入れて正道をなんの憂いもなく走れるのはきっと幸せな事なのだと知ったのだ。

 

兄者は誰に言われる事なく、己の罪に苦悩しそして償う様に生きていて、

 

「俺もお前が大好きだよ天津飯。」

 

何度も兄者を避けている自分を嫌わずにいてくれて可愛い俺の弟弟子と、言ってくれる兄者に天津飯がぎゅうぎゅうに抱きつくのを、部屋の外で盗み見ているヤムチャとジュニアと鶴仙人はそっとその場を離れてほっとする。

 

「あいつは本当に真面目だよな〜。」

「あの位の奴がいないと世の中困るだろう?」

「でも、天は兄様大好きだから良かったよ。」

「儂もこれで一安心じゃわい。」

 

天津飯とラディッツがギクシャクしては、ああやって仲直りするのが通例になったら堪らんわいという鶴仙流創始者の言葉に、一同苦笑する。

 

真面目な天津飯と、やばい過去持ちの上に現在は風天野郎な悟雲ならあり得ると

 

「しかし、天津飯を諭した男に会ってみたいのう。」

「・・・俺は天津飯を吹っ飛ばしたアラレという子の方に興味がある。」

「ん?とっても良い子だぞ?」

「ターボ君ていう子もね、」

 

天津飯がラディッツと仲直りできて一同ホッとした。

 

そして面白い事に天津飯は千兵衛と、餃子はターボと文通をする事になった。

人生経験が長く、あらゆる意味でお師匠様よりも多様な人達と接している千兵衛に天津飯は季節の挨拶とその中に時折りお悩み相談をし、餃子は自分よりも多角的にテレキネシスを使えるターボに教えを請うている。

 

ペンギン村の事を聞きつけた小妹・ブルマに天才科学者の事を教えれば、ブルマも凄い人がいるんだと天津飯の文通に乗っかって交流を図り始める始末。

 

当然天才科学者を自負はしているが、超有名なお嬢様からのいきなりな手紙にはびっくらこいたが、そこは科学者同士通じるものがありブルマと直接文通する様になった千兵衛と、いつしがターボ君も混じってやがては地球規模の凄いものが出来るのはほんの少しのお話しで、

 

ペンギン村に行った事で見聞を広めたマークが本格的に修行に勤しみ、ミゲルもお前の声は歌に向いてんじゃねとアカネに言われてそちらの道を本当に行ってみようかと足を踏み入れ、植物に博識なオボッチャマンとトニーも薬学の話しで盛り上がり文通を始め、ペンギン村との交流が始まったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして表の世界が、陽の気で満ちている時

 

「****!」

「ふむ、相も変わらず何を言っているのかは分からんが、お前はまだしばらく生かしてやるのだから騒ぐな。」

 

ー生まれて半月後ーに初めて外に出てこの娘を見つけた時、いきなり気攻弾を撃たれて驚いた。

 

死にかけの娘が放つには強くて本当に驚いた。

 

死なない程度に更に痛めつけて連れ帰り、この洞窟に備え付けているコンピュータに調べさせてみれば、この女の気は一般人五百人分あり、吸ってまた回復させていれば人を大量に狩って世間とアレの注目を集めずに済むので便利なものを見つけられたものだ。

 

未確認の宇宙船よりも更に北の果ての洞窟で、オレンジのふわりとした髪を振り乱して抵抗する女の口を、癖っ毛の酷い長髪の黒髪を背に流している男が強引に口付ける。

 

面倒だがー製造主ーの脳の限界で、気を奪い取るには相手の口からしか吸えないのが難点だと、気を吸う男は煩わしい表情を崩さずに吸っている。

掌からの吸収とかもっとメカを組み入れられなかったのだろうか?

 

しかし吸われている女の方こそが酷い事をされている被害者で、泣き喚いて男を殺してやりたいが!自分の名前も何故自分がボロボロであるのかも分からない中逃げようがない!!

 

何も覚えていないが、それでも自分を好き勝手にする男の唇を噛んでやった!

こんな奴死ねばいいのに!!!

 

そんな射殺しそうな目に、男は興奮する。

 

なんて気の強い娘だ!素晴らしい!!

 

もう少しすれば、自分は製造主の望む戦闘力に達する。

その為に最低限の回復しか娘には施していないのに、娘の心は折れずに反抗心を失わないのは見事だ

 

もしもその時がきてもこの娘の心が折れていなければ、、

 

 

「**!(死ねよ!)」

 

その前に言葉でも教えてやろうか?

その方が暇つぶしにもなるというものだ

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