エイジ754 地球
・・・・ターレスが地球に来て一年の間、兎に角地球のそれもラディッツとその周辺は大変であった。
まずターレス本人がラディッツの周りの奴等を煽るように喧嘩を吹っかけては勝って何かを巻き取り、ブチギレたジュニアがターレスといい勝負するようにまでなってしまった・・・
もともとの素質なのかターレスに憎しからなのか、ジュニアの戦闘センスは一級品である。
もうとっくに親父を抜かしたといってもいいレベルになってターレスの面をぶん殴って来たという息子に、親馬鹿はアンニン様から頂いた、食べれば寿命が延びるという有難い仙桃丸ごと一つを使って息子にももジュースを作り、悟空とクリリンもジュニアの快挙に大喜びをしてその日の夕食は豪華になった。
・・・・殴られた当人の目の前でのお祝いに孫悟飯は苦笑していたが、全員が何かしらの予定が入って一人で飯食いたくないって言って来た奴が悪い、というのがラディッツ以下一同の想いであったが、きちんとご飯は食べさせてやるのが孫家なのであり、ついでに風呂と寝どこも提供してやったのだから文句は無かろう!!
「・・・・爺さんよ、俺が言うのもなんだがお前達もっと危機感もてよ?」
俺以上に強くて悪い奴なんて宇宙にはごまんといて、もしも騙されたらどうすんだというターレスの言葉に、
「その時はどうしようもないから仕方が無いのう~。」
ターレス以上の力を持った悪い奴等はどうにもならんじゃろうと、悟飯はラディッツと同じような事を言う。
「人もいつかは死ぬが、殺される事は確かに悲しいし守れん事は辛い。」
だから抗って足掻いて足掻き抜くが、どうしても死んでしまった時はあの世で詫びるしかないのうと・・・・長兄孫の影響で煙管を吸う悟飯はプカリと吐いた煙が輪になって悟飯の頭を辿った時・・
「・・・・縁起でもねぇや・・・・」
ターレスは煙を払いながら嫌な顔をする。
それは煙が死人の頭にあるという輪に見えたからなのか、それとも悟飯の言葉にかはわからないが、ターレスは孫悟飯という男を気に入っている。
自分が来てものんびりとした気配を崩さず、かといってどうでもいいおざなりな態度ではなくいつも顔を見せれば自分を気にかけるような事を必ず言ってくれる奇妙な爺さんに弱くなってきている・・・・この星にいると心が腐るような丸くなるような奇妙な気分にさせられる・・・・
ターレスがこの調子であり、クラッシャーターレス軍団の他の面々はというと
ダイーズとアモンドはリーダーをぶっ飛ばす事に成功したジュニアと本気の勝負をするのが楽しく、ジュニアの予定を聞いては荒野で本気の死合いをしている日が多く、カカオは意外にも金の髪のランチと共にレーザー銃と弾丸を加えて何かとんでもない銃が作れないかをカプセルコーポレーションで研究しており、レズンとラカセイは鶴仙流の高弟達の要望するような重力トレーニングを改良しては、桃白白が何を仕出かしてかは知らんがぶっ壊すのを怒りながら改良する毎日が続いている。
・・・・そんな凄い奴等と死合っているジュニアは無論の事、レズンとラカセイの作る重力室トレーニングをしている桃白白も他の鶴仙流の特にヤムチャと天津飯の成長度合いが・・・・バグっとる・・・・若いピッコロ大魔王にももう勝てるのは当然で・・・・
「・・・・親父、今日俺達の肉体寄こせとかいう変な機械野郎に襲われたぞ・・」
「もう何だったんだよあいつは!!」
「もういいじゃねえか二人共、あいつは粉みじんになったんだしよ~。」
エイジ754の春の出来事であった。
疲れ切ったジュニアとクリリンと立派な青年の体に成長したカカロットにどうしたと聞けば、とんでもない答えを聞いたお父さんは瞬時にとなりのおうち(ゲロ宅)に突貫
「・・・・・貴様・・・俺の息子と弟達にに手を出して許されると思ってるのか?」
近頃は大人しいから甘くなりすぎたかという悪鬼羅刹の形相を突きつけられたゲロは、全く身に覚えがなく無実だと叫んだところで物凄く慌ててジュニアも弟達も突っ込んできて
「この駄目父!話を最後まで聞きやがれ!!!」
「悟雲兄さん多分ゲロさん無関係です!!」
「ゲボ兄ちゃんわりい!兄ちゃん暴走しちまっただけなんだ!!」
駄目父の頭をはたいて弟達が家主のゲロにではなく、息子のゲボの方に騒がせたと頭を下げる。
(ゲロは色んな意味で有罪野郎なので謝罪はせん!)
話を聞けば、最近荒野で三人仲良く修行していたせいか付近の動物たちが怯えるようになってきた。
これは不味いともっと無人で動物達がいなさそうな北のツルマイツブリ山で三つ巴バトルしてたら衝撃のせいで割れないと思っていた永久氷壁が割れてしまい、
「・・・・割れた氷壁の向こう側に偶々ドクターウィローの研究室があって奴を起動させてしまったとは・・・・普通ないぞそんな偶然?」
「いやぁ・・・俺の光輪で氷にヒビ入れてその後に悟空とジュニアの本気の気功弾の撃ち合いで氷がぶっ壊れて・・・」
三人の話を聞いたゲロは本気で呆れた。
ドクターウィローと言えば、不世出の天才と呼ばれていたが自分と違って表の世界での擬態が出来ない輩で、学界からも世間からも爪弾きにされた悪の科学者であり、機械工学の権威で第一人者でもあったのだが
「そんな奴を相手に良くお前達は無事だったな。」
怒れるラディッツも誤解してすまないとゲロ宅でお詫びにおさんどんしているのを横目で見ながら、どうやって撃退したのだと詳しい話を聞きだせば
悟空とジュニアが肉弾戦を仕掛けている合間合間にクリリンが光輪で関節部分を攻撃しては二人が引き千切り、光輪の威力に気が付かれドクターウィローが赤い気を纏ってクリリンに突撃を仕掛けてきたのを
「悟空が俺の横にすっ飛んできて、二人でかめはめ波を合わせたんすよ。」
ウィローという機械野郎の勢いと、悟空とクリリンの合わせかめはめ波の威力で突進した事で無防備状態が噛み合った。
寸前でウィローも回避しようとしたが、ウィローの背後からジュニアの後押しするような蹴りのせいで加速に勢いが増した事で脳を守っていたガラスに合わせかめはめ波が当たり、ヒビが入った途端にウィローが冷静さを失ったのを見たジュニアがひびの入ったガラスに二本の指先に気を込めて割り入れた。
ドクターウィローはあくまでも科学者であり戦闘の素人だったのが当人にとって不幸であり
「ま・・・待て!!!」
命乞いをした相手がジュニアであったのが運の尽きであったろう
これが悟空かクリリンであったならば止まってくれたかもしれないが
「知るか。」
無表情でどどん波に回転を加えたまだ名前の無い技でウィローの脳を破壊し、活動を停止した残骸をクリリンの光輪で分解した後、もう一度合わせかめはめ波で塵も残さずに消して来た。
・・・・・こ奴等・・・・孫悟雲以上に強くなっておりはせんか?
おそらくドクターウィローは氷壁内部でも生き残るように己の脳を生命維持装置か何かで守り抜き、その間も奴の事だからコーチンとかいう助手と共に数十年研究をしてきたであろう機械の肉体をたったの三人、それも一時間足らずで破壊しつくして来たという!
孫悟空も青年らしい体になってからというもの戦闘力が計り知れなくなってきている!
・・・・だが、-計画-は最早自分の手から離れており、作品も最早自立しているのか送りつけていた人造人間の報告も無い。
恐らくは気性の荒い奴が誕生したのであろうか・・・・いずれにしても、孫悟雲以上の力を持っていたとしても最初に植え付けたプログラム通りにしか作品は動かんじゃろうとゲロはラディッツの作った夕飯を食べながらつらつらと思う・・・・自分の命ある内に己が生み出した作品が孫悟雲を倒す姿を見たいと・・・
それは兎も角として地球に潜む悪の科学者ドクターウィローの野望は目覚めと同時に潰え、宇宙からもターレス達を追って来た賞金稼ぎが円盤に乗って飛来してきた。
だが地球側は誰も慌てなかった
宇宙からの侵入者を直ぐに察知できるようにとカプセルコーポレーションとゲロとなんと則巻一家の天才科学者組と共同で探知衛星を開発して軍と国王の許可をとって東西南北に地球をレーダーで覆っていた実験中に突っ込んできて、早速成果が出たと喜ぶちょっとアレなブルマに苦笑しながらラディッツとジュニアと悟空とクリリンが対応した。
ターレスは兎も角としてダイーズが自分達を追って来たのだから無償で戦うぞという申し出を受けたが、今後もこう言う外からの侵入者が来るだろうから自分達で対処してみると言うラディッツの言葉に引き下がる。
自分の知る宇宙船よりもボロイ円盤形に(フリーザ軍の最高峰宇宙ポッドと比べてやるなや・・・)、ラディッツ達は上に回り込み、放たれるレーザーをシールドを張ってそのまま無視して三人で突貫し、円盤に近づいたところで悟空とクリリンとジュニアが前に出て
「伸びろ如意棒!!!」
悟空が如意棒に気を巡らせて円盤に突き立て、無論宇宙を駆け抜ける宇宙船がその程度で貫通できる筈も無いがひびが入ればクリリンには十分であり
「小光輪・円舞!!」
小さな光輪は少しの日々の隙間から入り込み内部を荒らしまわり食い破り、ひびから煙が上がった時
「二人共上に行け!!風切羽!」
「爆裂閃光弾!!!」
ラディッツとジュニアの親子技で円盤の表面をぼろぼろにし尽くした。
さらに広がったひびの間にラディッツの細かな粒子の気功弾とジュニアの拳大の多数の気功弾が炸裂しては円盤の表面も持たずにボロボロになり航行不能になったのを
「俺にも撃たせろ!!」
・・・・ここでランチと共同開発したエネルギー榴弾砲というとんでもないバズーカ砲?をカカオがぶっ放せば・・・・円盤は内部にいた者達もろともに焼き尽くされた・・・
「・・・・なんだありゃ・・・」
普段は表情を滅多に崩さないターレスとても呆然とする威力・・・・カカオの奴・・カプセルコーポレーションのお嬢さんと金髪の姉ちゃんと組んでなに作ったんだ?
円盤を立った一発で燃やし尽くす武器ってなんだよ其れは・・・それも宇宙船に備え付けてある砲とかじゃねえんだぞ?
地球人の平均的な(超人じゃないぞ!)軍人でも持てるバズーカ砲だぞ?
・・・・・なに作っちまったんだ本当に?
・・・・・まぁいいか、フリーザ達が地球に来んのは確定してんだから戦力はいくらあってもいい訳だし・・・・
そう思えるターレスは幸せだ・・・・共に見ていたラディッツ達は武器の威力に唖然として、科学に負けたとラディッツ以外が呟いたとかで・・・・猛特訓に励む事になったのがエイジ754の夏の出来事で・・・
「兄ちゃん、おらとクリリンは来年の春にチチとモンブランと合同結婚式すっけどいいだろう?」
・・・・・弟達から目出度いような凄い事を言われた時でもあった・・・
いつの間にそんなに話が進んでたの?
確かに!確かに弟達は大きくなって!社会で働いてるよ!!??
クリリンとカカロットは十六の時に周りから俺あてにうちで働いてくださいの手紙が多数来たよ?
サイヤンℱからは口頭と自宅まで来て本人たち口説こうとして、何なら二人のお師匠様の武天老師様にまで口添え頼もうとしたけど、本人達と武天老師様から丁重にお断りされてあえなく玉砕したのを、他の民間警備会社や何なら中の都の軍から正式オファー来たけどそれも断って
「俺は南の都で警察官になれる様に警察学校に入ります。」
とはクリリンであった。
なんでも西の都とその一帯はカプセルコーポレーションと中の都の軍のお陰で、東の都と北の都は俺の範囲内で治安はばっちりだが、南の都はそこからの目が届きにくくて犯罪組織の温室になりかねないと、時折足を運ぶ多林寺から聞こえてきたという。
クリリンが育った多林寺の近くの都が犯罪組織が蔓延るのは阻止したいという言葉に、師匠の武天老師は勿論、兄弟の悟空も皆も応援して警察学校に送り出したが
「免許が取れればその日の内から警察官の最前線で働いてほしい!」
・・・・クリリン達の予想よりも早く南の都の水面下は不味い事になっていたらしく、いち早く撲滅したい南の都の警察官・署長の鶴の一声でクリリンは免許を取った即日の内に全線で地下組織壊滅に従事(全部クリリンがぶっ倒したのは・・・まぁ・・)したという伝説を残した。
一方悟空はというと
「・・・・・まさかお前もシネマキーンさんの仕事をするとはな・・・」
「いやぁ!おらの場合は兄ちゃんと違って無口で不器用ながらも優しいお助け役をしてほしいって注文ばかりだから是非やってくれって・・・」
ラディッツを諦めたシネマキーンは、弟に目を付け十五歳を過ぎたあたりからラディッツにきちんと仁義をきって!(・・・ヤーさんやん・・)悟空にやってみないかと言い続け、背がぐんと伸びてからのシネマキーンの猛攻は本当に凄かった!
「台詞なんて君には不要だ!!
君のその優しい眼差しが!戦う時の瞳の鋭さに変わる!!あの雰囲気がいるのだよ!!!」
ラディッツの時と同じく、シネマキーンの勘が悟空の天性の戦士としての才を見抜いたのだ。
天下一武道会ファンである彼は当然前回とその前にも悟空をしっかりと見ており、インタヴューの時の優しい彼と、本気で戦う時の悟空の落差に惚れたのだ!
主役を常にどこからともなく助ける隠れたヒーローであれば、悟空の精悍な顔つきと謎めいた雰囲気にピッタリである。
世の中を見てその中で育ちながらも、兄以上に大自然を愛し動物を友とし、自然の息吹の中にいる事を好んだ悟空は生来の野生を喪うことが無かった故に、兄とは違う意味で浮世離れしているところがあるのがシネマキーンを虜にしたのかもしれない。
そんな熱意に絆された悟空は、試すだけでいいならばと一度映画撮影に参加してそして
「兄ちゃん!映画って作るの面白えな!!」
それまで兄の作品を見ているだけであった悟空は、自分も誰かを元気にするかもしれない作品を共に作る事が楽しくなり、そのまま兄と祖父の立会いの下でシネマキーンの映画会社で俳優として仕事をする事になった。
それは修行がしたい悟空にとっては良い条件を提示された事もあったからだ。
基本悟空の登場シーンは映画の見せ場が多いが、悟空自身の出番は意外に少なく、自分の登場意義や意味合いをきちんとイメージできるのであれば、出番の前後だけを見て後は自由にしていてよい事が提示された。
つまりそれ以外の時間はフリーであり、通信機器を持っていれば修行していてもいいのだ!
以来悟空は台本を貰えばその日はご飯もそこそこにして熟読し、自分が何故そこで主人公なり他の者を助けるのかを理解しようとして、女性を助けるシーンがある時は何とチチに断りを入れに行くほどであった!
「そのなチチ・・・おらこういう仕事で・・・」
困った顔の悟空に、チチは最初聞いた時の嫌な気分が吹き飛んでしまう
「お仕事ならしょうがないべ・・・・んでもその前におらの頬にキスしてけろ!」
「チチ・・・・もう無理だ!来年の春に結婚しよう!!!」
・・・・・・えええ!!!????
チチの可愛さに、仕事してんだから嫁貰っていいだろうと悟空の気持ちは爆発して兄弟のクリリンも巻き込んだ!!
「クリリン!!おらもうチチと結婚してえぞ!!おめえだってモンブランとイチャイチャしてえだろう!!??」
「・・・・お前な・・・確かにモンブランも心臓が丈夫になって来て少しずつ外でデートしてるけど・・・分かったよ、ナーリキンさんとモンブランに相談してみるよ・・・」
ちょっと早すぎやしないかというクリリンの想いとは裏腹に次の日に・・
「是非してほしいって・・・」
「そっか!!!まだまだ時間があっからさ!おらが貰った契約金で出来る範囲で探してみようぜ!!
クリリンもたしか・・・」
「おう!最初の仕事で出た感謝状と一緒の貰った特別ボーナス丸っととってあるぞ!」
でかくなくてもいいのだ、身内だけでもいいとチチの方もモンブランの方の父達は言ってくれている。
ナーリキンの会社はモンブランに継がせずに、一般的なお嫁さんとして幸せになってほしいからというナーリキンの親心であり、病弱であった娘の晴れ姿が見られると号泣していたという。
「悟空!絶対に良い結婚式にしようぜ!!!」
「おう!皆で幸せになっぞ!!!」