リームはいつのまにか夢から出ていて
コビーと合流する為、予定の場所へと向かっていた
「急がないと、スリープに夢の中じゃ勝ち目が無い
ルフィがやられちゃう」
基地内を走るリームは廊下を歩いていた男達とぶつかって倒れてしまった
「おっと、悪いお嬢ちゃん
紙一重だったな…
怪我は無かったかい?」
倒れたリームに手を差し伸べられた
助けを求めようと思ったリームだが、この場にいる人間なら海軍関係者のはず
今の状況を助けてもらえるはずがないとすぐに走り去った
「…?
なぜ、あんな子がこんなところにいたんだ?」
「さぁ?」
その頃スリープも夢から出てきていて、自分の部下にリームの裏切りを伝えリームを探させていた
本来なら自分で探しに行きたいところだったが、ルフィの処刑の準備があったため部下に任せた
『ダボがぁ
リームのヤツ、まさかこんなタイミングで裏切るとは…
まったくよぉ、
廊下を早歩きで進みつつ、今後を考える
("麦わら"の処刑の準備は順調に行ってるが、離れるわけにはいかねぇ
ムートに任せるってのは流石にマズイか?
リームの方はデラに任せていいだろう)
しばらく歩いていると、少し早足気味で歩く将校とすれ違う
スリープはチラッと顔を見てすぐに目線を戻した
(ん?
今のは…コビー?
まさか、ヤツが今回の事に絡んでるってこたぁ…
いや、考えすぎか…)
その後スリープは、自分の部隊に合流しムートと処刑の準備の確認をし、デラにはリームの捜索を命令した
『全くぅ、リームちゃんたらぁ
何もこんな時に変な事しなくても良いのにぃ
でもぉ、スリープさんのお願いだからぁ
仕方ないか…』
デラは10人ほど部下を連れてリームの捜索にあたる
まずは2人を基地の出口に配置し、4人を通路の捜索
残りの4人を空き部屋の捜索に向かわせた
『デラ中佐!』
1人の部下が敬礼をしデラに進言する
『空き部屋の捜索との事でしたが、
部下の言葉にデラは少し考える
空き部屋は、単純に誰も使っていない部屋
空室は本来使用者がいる部屋だが、今任務中などで人がいない部屋
『空室ねぇ…
確かに、可能性はあるわねぇ
でもぉ、私たちってぇ
周りからあんまり良く思われてないじゃなぁい?
秘密主義みたいでぇ
その上で別の部隊の方々の部屋の捜索なんてしたら、また嫌われちゃうわよねぇ』
デラは、髪をかきあげため息をつきながら言葉を続けた
『ノックとカギが掛かっているかだけ確認してちょうだい
何か言われたら、元帥様からの命令って事でぇ』
デラの指示を受け海兵は敬礼をし走っていった
『かくれんぼなんて、やってる場合じゃないのにぃ…』
デラはぼやきながら、自らもリームの捜索に向かった
あらかじめ、合流の予定をしていた場所
処刑の広場に近い廊下、そこにリームは到着したが、コビーの姿はなかった
「はぁ、はぁ、はぁ…
コビーさんは?」
辺りを見回してみたがコビーはいない
仕方なく、リームは近くの柱の影に、隠れてコビーを待った
タッタッタッタッと走る音が聞こえ、リームはコビーが来たと思いそっと顔を覗かせた
しかし、そこにいたのはコビーではなくデラだった
『見〜つけた!
もぉ、リームちゃんてばぁ
ドゥしたのよぉ?』
ようやくリームを見つけて、デラはいつもの様子でリームに近づいてきた
その様子にリームは戸惑う
スリープを裏切った事がわかっているハズなのに、デラの様子はいつもと変わらない
裏切り者に対する態度ではなかった
『ごめんなさいねぇ
島に置いてっちゃったのは謝るからぁ
機嫌直してちょぉだい
アナタは正規の海軍ではナイけどぉ
所属としてはぁ、私達と同じなんだしぃ
今は、とぉっても大切なトキなのよぅ
大人しく、部屋で待っててねぃん』
リームは戸惑いながらも返事をした
その後デラはスリープに電伝虫を使ってスリープに連絡を入れた
『大佐ぁ、リームちゃん見つけましたわよぉ
とりあえず、お部屋に戻ってもらえばいいわよねぇ?』
『よくやってくれたデラ
だが、リームは一緒に連れて来い』
少し強めの口調でスリープが返答する
『でもぉ、"麦わら"の処刑にはいらないんじゃあないかしらん?』
必要性を感じないデラは少し言葉を否定した
『いいから!とっとと連れて来いやぁ‼︎』
更に言葉を強めたためデラは少し体をビクッとさせた
『怒らないでよぉ
了解よん』
電伝虫を切ったデラは首をかしげながらもリームを連れて処刑の広場に向かった
『さぁ、行くわよぉ
リームちゃん』
リームはそのままデラについて行った
広場では、準備が進んでおり
ルフィを処刑する為の高台が建てられ
2年前の"頂上決戦"の時のように海に向けられてる
そのすぐ下でムートが指揮を取り、時折処刑台の奥の方にいるスリープに確認を取っていた
デラはモモンガ中将の部隊の後ろを通りスリープの元へ向かった
『もぅ、リームちゃんたらぁ
早くしてちょおだいよぉ
なんでか知らないけど、スリープさん怒っちゃってたしぃ
急いで行かないと、また怒られちゃうじゃなぁい?』
そう言って足取りの重いリームを急かしながらスリープの元までリームを連れてきた
『お・ま・た・せぇ〜』
リームを連れて来たデラがスリープに声をかける
スリープはデラに視線を向け、その少し後ろのリームに視線を向けるとニヤリと笑った
『よぉ、リーム
会いたかったぜぇ?』
そう声をかけながらリームに近づく
リームは恐怖で震えながら一歩下がった
その姿を見てデラはリームを庇うようにスリープに話しかける
『もぅ!
スリープさんったらぁ、怖がらせちゃダメよぅ
そんなに怒る事無いじゃなぁい?
今回は、島に置いて来ちゃった私達が悪いんだからぁ
リームちゃんがヘソ曲げても仕方がないじゃなぁい?』
リームを庇うデラを見てスリープは少し力を抜いてデラの肩を叩いた
『わかってるよぉ
ちっと、この後のことでピリついてただけよ
ありがとよ、デラ』
その言葉で、デラは振り返りリームにウィンクをした
その後、スリープに自分の持ち場の確認をし去っていった
『さて、どう言うつもりだったか?
なんて事を聞くつもりは無ぇ…』
スリープは大きく口角をあげ、ニヤリと笑う
その笑みを見てリームは震えが止まらなくなる
『わかってるよなぁ?リーーームゥ
?』
言葉の圧力で、リームは涙が出てきた
家族が、村のみんなが
自分が捕まったせいで…
そう考えると、涙が止まらない
『おいおいおい、泣くなよリーム
まるで、俺が脅してンみてぇじゃねぇか
俺ぁよォ、お前の事は買ってんだヨ
お前の能力が有りゃあ、俺の能力は更に伸びる
お前がいてこその、俺なんだからよぉ
ここは1つ、今回の事は水に流してやっからよぉ、仲良くやろぉぜぇ?』
その言葉にリームは考える
やっぱり、私がスリープの下で大人しくしておけば村の人達も、家族も平和に暮らしていける
私が我慢すれば、私さえ…
「はい…」
リームは俯いたまま震えながらとても小さな声で答えた
『そうだなぁ…
だがリーム、スジってモンは通さなきゃいけねえよなぁ?
キチンと謝って、今後の事をちゃ〜んとよぉ?』
「はい…
も、もう2度と…
スリープさんには…
逆らいま…せん」
リームの答えを聞きスリープは大きく笑う
『はーっはっはっはっはっ‼︎
よ〜〜くできたじゃねぇか!
リームぅ?』