コビーに手を振り、仲間達の元へ戻ろうとルフィが振り返った瞬間その男は戦場に現れた
誰もが戦いの終結と思い、全員の気が緩んだその一瞬、
その男は、能力を発動し拳を振り上げていた
"赤犬"サカズキ
『逃がさんと言うちょろうが‼︎』
サカズキの拳が振り下ろされる
誰も動けない
声をあげるのが精一杯の刹那の時間
「あ…」
「ル…」
「……」
「ルフィー‼︎」
その中で唯一声をあげたのは、スリープを倒した時からずっとルフィを見ていたリーム
ルフィの危機に自分ができる唯一の声を上げると言う行動
自分を助けるために、命をかけて戦ってくれた
夢の中でしか会っていないのに、自分の事を友達だと言ってくれた
スリープに捕まってからは、海軍の中にいて友達なんていなかった自分の事を友達だと呼んでくれた人を助けたい
その想いは奇跡を起こす
リームの叫びの瞬間、スリープの持つ"夢球"の1つが強く輝き炎のような物が飛んで行った
一瞬の出来事だったが、リームにはゆっくりとした時間の様に感じた
その炎は、ルフィの前まで来ると人の様な形を成す
サカズキの振るった拳は、ルフィを捉えたはずだったが炎の人型に阻まれる
ルフィを庇うようにサカズキの拳を受け止める
『なんじゃあ⁉︎』
ルフィは、目の前の出来事が理解できなかったが、何かが自分を守ってくれた事だけは理解した
「………」
炎の人はこちらを向き、ルフィに何かを話したような気がする
「ありがとう!」
ルフィは思わず礼を言う
ルフィが助かった事をようやく理解したサボが"子伝電虫"で合図をする
「コアラ、今だ!」
すると、海軍の建物の方で次々と爆発が起こる
『今度は、なんじゃあ⁉︎』
「行くぞ!」
サカズキが爆発に気を取られた隙に、サボの掛け声で全員が一斉に走り出す
一味の仲間達も船を目指し走り出す
「リームちゃん捕まって」
サンジはリームに手を出し、その手をリームがとると抱き上げてお姫様抱っこで走り出す
サニー号で待機していた、フランキーとナミもすぐに発信できるように準備を始める
『絶対に逃すな‼︎』
サカズキの怒号で、海兵達は慌ててルフィ達を追いかける
前方にいた海兵達は行手を遮る
退路が海兵に塞がれ一味は戸惑い足を止める
すると背後から炎の塊が飛んできて前方の海兵達を吹き飛ばし炎上網で道を作った
全員がサボを振り返るが、サボも驚きの表情をしている
そんなサボの近くに小さな火の粉が落ちる
「長男2人に弟1人…俺達の弟だ…よろしく頼む」
サボは振り返りサカズキの前にいた人のようなものを見ると、そこにはもう何もいなかった
船から様子を見ていたナミは理解は出来なかったが、退路が確保された事で声を上げる
「全員急いで船に乗って‼︎」
サボはルフィの横に並び声を掛ける
「ルフィ
あの船で飛んでいくんだろ?
俺たちも乗せてくれ」
「もちろん!」
全員が船に乗ったところでルフィがフランキーの名を呼ぶ
「了解だぜ!」
「待ってくれ」
サボがフランキーを止める
「アゥッ!
急がねえと海軍が来ちまう」
サボは船から身を乗り出しハックとコアラを探す
「まだ、俺の仲間が…」
その姿にフランキーは冷静になり親指で船の甲板を指さす
「アイツらの事か?」
指さされた方向にいるハックとコアラを見つけサボは目を点にする
「なんなら、ゾロ達よりも先に乗りこんで来たけど」
ナミの言葉に少しバツが悪そうに笑うコアラ
「えへへ〜」
改めてルフィが掛け声を上げる
「よしっ!行くぞぉ‼︎」
「行くぜぇ
勢いよく飛び出したサニー号は空を飛びあっという間に海軍本部から離れて行った
「もう行っちゃうのか?」
ルフィは寂しそうにサボに声をかける
海軍の追手が来なくなった事を確認して、サボ達は革命軍のアジトに戻ると言って、サニー号にくくりつけていた自分達の船に乗り込んだ
「一応、革命軍も今は大事な時期なんでな
あまり、長くは離れられないんだ」
「そっか、じゃあまたなサボ!」
ルフィもサボの話に納得し笑顔で別れを告げた
「ルフィ…
2年前のあの時、お前を助けたのはエースの"意志"だ…
そして、アイツの"炎"は俺が…」
そう言って指先に火を灯す
「俺とお前が生きている限り、エースの"意志"と"炎"は…
無限に続いている…」
夢幻の炎 fin
これにて私の拙いストーリーは終わりです
辿々しく、下手くそな表現での投稿
元ネタがあるから、技名だけで想像できる事にどれだけ助けられたことか…
幾つかオリジナルで技を作らせていただきましたが、原作忠実でなく申し訳ないです
私が描きたかったシーンは、チョッパーの夢と、ラストのサボのセリフ、本当はサボとエースの火拳を描きたかったのですが、投稿していたサイトで閲覧出来なくなり、その間に映画で映像化されてしまったのでやめておきました
一ファンとして、見たいシーンを作る為に小説を書いてみましたが、おそらくこれ以上作る事はないでしょう
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。