マジシャンズ / 奪われたロストロギア 作:紅乃 晴@小説アカ
空中へと浮かび上がったジュエルシードとは、碧眼の瞳を思わせる色と形状をした宝石であり、その名前も21個ある全てをまとめて呼ばれる総称である。
個々にシリアルナンバーが刻まれているが、空に浮かんでいるのは21個中の12個で、内9個は、過去にフェイトの母親が引き起こした「プレシア・テスタロッサ事件」で、主犯のプレシアが伝説上の世界「アルハザード」への道を開こうとした際に使用され、そのまま所在がわからなくなってしまい、残りは管理局が回収に成功していた。
ファーンたちに与えられた任務は、その事件後に回収できた残り12個のジュエルシードをより安全な場所へ運び込むための護衛だったのだが、最悪なことにこの12個全てが活性化し、今まさに猛威を振るおうとしていた。
「ダメ……止められられない……!?」
どんどん空へと上がるジュエルシードにフェイトは手を伸ばすが、今の彼女には空を飛ぶ力も、ましてや活性化したジュエルシードをどうにかする力を発揮することもできない。
すると、先ほどまではやてを相手にしていたディアーチェが空を駆って浮かび上がってゆくジュエルシードへと迫った。
「馬鹿者!こんなところでソレを目覚めさせて良いものじゃ……」
活性化するだけならまだしも、臨界状態になるのはまずい。過去の事件で「伝説上の世界」へ繋がるための扉を開くために使用されたように、ジュエルシードには途方もない魔力が宿っている。
なにせ、その原料とされているのがディアーチェたち騎士団が使う魔石と同じものだからだ。
魔石の中にも純度というものが存在していて、それは「カテゴリーレベル」として管理されている。魔石騎士団が扱う魔剣に使われる魔石は「カテゴリー3」と呼ばれるもので、粗悪品は「カテゴリー1」となる。
そして、ジュエルシードの原料となった魔石のカテゴリーは「7」。
粗悪品であるカテゴリー1でも、ミッドチルダのエネルギー消費量を一ヶ月は持ちこたえるほどの魔力を内包しているのが魔石だ。カテゴリー5以上となると人が扱っていいものではなくなる。まさに扱いを間違えれば、それこそ文明や世界そのものを滅ぼしかねない代物となるのだ。
そして、そんな危険なものをジュエルシードに加工するなど……もはや狂気の沙汰だ。
だからこそ、ディアーチェたち魔石騎士団は、ジュエルシードを手にし、厳正に封印、管理している。世捨て人がいたずらに手にしていい物ではない。その危険性と脅威を誰よりも身を持って理解しているから。
だが、事態は悪化の一途を辿っている。
封印措置をしようとしたディアーチェはそれを拒む膨大な魔力の暴風に阻まれ、ジュエルシードに辿り着くことすらも許されなかった。
反動で吹き飛ばされつつもなんとか空中で踏みとどまった王は、手がつけられなりつつあるジュエルシードを睨みつける。
「厄介なことになった。本当に!」
見るからして危険な状態になりつつあるジュエルシードに、能力を解除したクロフォードが声を上げる。
「このままじゃどうなるんですか?」
「臨界に達して……最悪、この世界を巻き込んで次元震を引き起こすことになります」
ファーンから帰ってきた答えに言葉を失うクロフォード。状況を正しく理解できている管理局の面々とは違い、聞きなれない言葉に合流したジャンやサガミには疑問しか生まれない。
「おい、クロフォード。その場合はなんだ?どうなるんだ?」
「この世界ごと、我々も終わりということです」
真っ青な顔色でそう言うクロフォードに、ようやく状況が理解できたジャンは隣にいるサガミの肩を掴んで大声で叫ぶ。
「そりゃあ一大事だ!サガミ!何とかできんか!?」
「いや、話が規格外すぎてどうしようもないだろ、普通に考えて」
サガミの持つ直剣「ドワーズ」もジャンから見れば規格外な剣ではあるのだが、まさか世界の終わりに直面することになるとは。厄介ごとだとは思っていたが、ここまで酷いと逆に冷静なるものだ。
騒ぐジャンと冷静なサガミの後ろで、戻ってきたなのはとフェイトが空に浮かぶジュエルシードを見つめている。過去に彼女たちが目撃したものと同じ光を放つソレに、なのはは握っていたレイジングハートをギュッと握りしめる。
(レイジングハートが使えれば……)
頭に浮かぶのは出来ないことばかりの可能性。魔法が万全に使える状況なら、ジュエルシードが目覚める前にこの星から脱出できたはずなのに。
魔法が充分に使えないなら、臨界間際となったジュエルシードを前に出来ることは何もないと言える。再度封印するにしても強力なエネルギーで、蓄えられたエネルギーを飽和させ、その隙に封印しなければならない。ただ、今の環境下だと強力なエネルギー……通常の砲撃魔法を一発打つのが限界。しかも撃った後はレイジングハートがオーバーロードし、何もできない状況になってしまう。
ただ、それで12個のジュエルシードを抑えられるかと問えば答えは否である。すべての臨界状態をどうにかするのなら、フルチャージの上でスターライトブレイカーなどの収束魔法を叩き込むしかない。
はっきり言って、絶望的な状況。そんな中、自身のデバイスを起動させたファーンが前に歩み出た。
「皆さん、時間を稼いでください。私がジュエルシードを封印します」
彼女の言葉の意味を知る者たちは、それを聞いて唖然とする。
相手は一つでも世界を滅ぼすには充分な力を有したロストロギア。そんなものが12個もある。そしてこちらは満足に魔法も使えない状況なのだ。
「先生!?でも、どうやって!?魔法はこの世界じゃ……」
「このまま指を咥えて世界の終わりを待つわけには行きません。正直、できるかどうかはわかりませんが……やるだけのことはします」
諦めるのなら、全ての手段をやり尽くしてから。
ファーンの目は諦めていなかった。このまま何もできないと諦めて、世界の終わりと自分たちの最後を受け入れるつもりはない。だから、最後まで足掻く。その決意に満ちた目をしていた。
「皆さん、助力願います!」
そう言ってデバイスを構えるファーンに触発されるように、まずは生徒であるエリッサやクラリス、メリーが反応する。不安定ながらも魔力スフィアを形成し、空中に浮遊するジュエルシード目掛けて打ち出す。
いくつかのソレらが着弾するものの、反応はない。
それどころか二人の汎用デバイスは瞬く間のうちにオーバーロードを引き起こし、追加で打ち出された魔力スフィアは形を保てずに空中で飛散していく。
「くそっ……やっぱりダメか……」
オーバーロードし強制的に待機状態となった自身のデバイスを見つめながら歯を食いしばるメリー。
そんな彼女の横からなのはとフェイトが飛び出し、レイジングハートとバルディッシュを構える。
「いこう、フェイトちゃん!」
「わかった、なのは!」
チャージをすればオーバーロードしてしまう危険性が上がる。でも、そんなことを考えている余裕はない。なのはもフェイトも出来うる限りの力をそれぞれのデバイスに込めていく。
(できるのは一発だけ。外したら終わり……だから……!)
「最大火力を叩き込む!」
不安定ながらもバルディッシュから魔力光刃を出現させるフェイトと、いくつもの魔力スフィアを周囲に展開させるなのは。レイジングハートから警告音が発せられるが、そのギリギリの領域が今のなのはたちには必要なものだった。
「コンビネーション、ブラストカラミティ!」
「シュートォ!」
蓄えられた魔力が極光として打ち出され、ジュエルシードを包み込んだ。同時になのはとフェイトのデバイスもオーバーロードを引き起こし、強制的に待機状態へと戻ってしまう。
ただ、手応えはあった。
ブラストカラミティによる極光が消えるとジュエルシードの反応に僅かにだが変化があった。防衛反応か、周囲には魔力による風が吹き始め、放っていた光の強みが増した。
「リィン、やるだけやるで!」
「わかりましたです!」
出し惜しみはなしだ。夜天の魔導書を展開したはやてはリインフォース・ツヴァイのアシストを受けて杖を構える。
「クラウ・ソラス!」
クラウ・ソラスははやてが使う魔法の中でも高威力の直射型砲撃魔法であり、命中さえすれば球状の衝撃波が展開し、追い討ちをかける。
「これが……限界……ですぅ!」
だが、その光も徐々に力を失っていく。リインフォース・ツヴァイもこの世界の魔力による影響で満足に力を発揮できない。確実にダメージは与えているのだが、それでもジュエルシードを止めるには力が足りなさすぎる。
「通常時の半分以下……このままじゃ」
はやての攻撃が終わってしまえば、もう攻撃の手立てはない。振り絞るように力を込めるが、それも虚しく光は徐々に力を失っていく。
そこに、突如として漆黒の閃光が迸った。はやてが目を剥く。彼女の頭上では、王であるディアーチェがジュエルシードを見下ろしていた。
「な、なんで……」
「勘違いするな、塵芥。あれは我らのモノだ。こんなところで暴走されては敵わんからな」
魔石を宿す「エルシニアクロイツ」をジュエルシードに向け、再び漆黒の魔力で模られた直射型砲撃魔法を放つ。なのはたちのモノとは異なる攻撃にジュエルシードが反撃を試みようとするが、すぐさま別方向から閃光が飛来する。
王が攻撃を加えたと言うことは、それに従うモノたちもジュエルシードを敵と定めたと言うこと。
従者であるシュテルとレヴィが王の後に続くのは必然。そして騎士たちも同じくであった。
「こちらにはこちらの目的があるのです」
「それが偶然に一致してるということ!」
この世界の魔力に依存しない魔石から放たれる攻撃は無尽蔵で強大だった。絶え間ない攻撃の連打。圧倒的な力というのは実にシンプルだ。
「とにかく攻撃をすれば良いってことだな!シンプルで実に良い!気に入った!」
ズルズルと音を立てて何かを引きずる音が聞こえる。はやてやなのはが振り向くと、そこには倒壊した廃墟の柱や瓦礫を引きずっているジャンの姿があった。
「え、それで何をするつもりなんですか……?」
隣にいるジェイクが引き攣った顔でそう問いかけてくるが、ジャンは手頃な柱を持ち上げて構え、簡潔に答えた。
「援護射撃ってやつだ」
フィジカル面で言えば彼はこの世界でトップクラスの胆力を持っていて、その身につける武術もそれを全面に押し出したパワーファイターである。そして彼の持つ技には武器を投擲するものがあるのだが、手持ちのものを投げると怒られるから、戦士であるジャンはこう考えた。
その辺の手頃な瓦礫なら投げてもいいじゃない、と。
「もう!もぉー!相変わらず脳筋なんですからぁ!?」
「何もしないより、した方がマシってなぁ!真のハムナマの戦士は武器を選ばない!我がハムナマの名に伝わる.……必死の一撃!クォッカ・コダ・ノンッ!」
絶叫にも似たジェイクの言葉を、雄叫びと共に吹き飛ばしジャンの片腕から射出された柱は空気の膜を突き破った。柱そのものを自壊させるほどの凄まじい速さでジュエルシードへと突き刺さる。目に見えない壁に阻まれたものの、その勢いと威力は着実にダメージとした積み上げられる。
「まったく、本当に想定外よ、こんなこと!」
「だが、世界の危機だ!エクサランス!魔剣抜刀ォッ!」
追撃で更に瓦礫を投げつける原始人戦法を繰り広げるジャンに呆れながらも、敵であったリリアナやストラッカーも、魔剣を翻して臨界を維持し続けるジュエルシードへ攻撃を繰り出していく。
「これもこれでまた実に面白いですねぇ!魔剣抜刀……グランティード!」
「だが、今回限りだ!やるぞ、ドワーズ!」
飛燕閃、剣舞斬。
ニコニコと微笑むアルネストの魔剣抜刀によるエネルギー放出に合わせる形でサガミもドワーズに蓄えた魔力による斬撃を飛翔させる。
片方は直射のエネルギー放出、もう片方は半月上に纏められた斬撃性を持つエネルギー。四方八方から物理も魔法も含んだ攻撃が飛来する中、圧倒的な力を有し、有利であったはずのジュエルシードの力に緩みが生じた。
「臨界状態が和らぎました!今です、先生!」
その緩みをしっかりと捉えていたクラリス・ハートライナーは、ファーンの生徒の中でも相手の魔力を捉えるセンスは一流である。彼女の報告に充分に、最小限の魔力を愛機に込めていたファーンは緩やかに手を振るう。
「リミットキャンセレーション。コード解放…〝ティルフィング〟」
課していたリミットを取り外し、汎用的なデバイスと同じ姿をしていたファーンのデバイスは、その姿を変貌させた。その姿は青と白を基調にし、特徴的な先端部は、どこかレイジングハートと似ている姿をしていた。
なのはたちの視線を集める中、ファーンの周囲には三基の独立浮遊ユニット「X-03ビット」が出現する。
「X-03限定解除。ブレイクスルーモード、フルパワー!」
これこそがファーン・コラードの切り札。
本来は六基であるX-03ビットだが、歴戦の強者である彼女でも使用条件を限定した上でも同時制御は三基が限界だった。
それでも、封印という限られた条件下であるなら、ビットを用いた措置は他を圧倒する能力を発揮する。
(ティルフィング……私に力を貸して下さい……!)
相手の魔法防護を中和する「ブレイクスルーモード」を起動したビットが12個のビットを囲み、編み込まれた封印術式を展開。放出された魔力はビットを介して複写、増強されてゆく。
「ジュエルシード、封印!」
その声と共に増強された魔力が一気にジュエルシードを封印していく。ひとつ、ふたつ、みっつと臨界に達していたジュエルシードは徐々に安定域へと落ち着いていき、残りも後少しで封印できるところまできた。
「よし、このまま封印を……」
後少し。最後の一つが臨界状態を脱した瞬間だった。
「あ……?」
ファーンの脇腹を鋭い切先が引き裂く。突如として起こった出来事にファーンはもちろん、周りにいた面々も呆気にとられる。
「完全に封印するのはこちらにとっても都合が悪いのよね」
ファーンを手にかけた相手は、騎士団長であるリリアナであった。スラリと血濡れた切先を振るうと同時に、封印を施すため力強く踏ん張っていたファーンが地面に倒れる。
それを皮切りに、ジュエルシードの早取り合戦が始まった。
「共闘はここまでってことか!」
「ええい、察しのいい塵芥め!手を離さんか!」
「お断りだ!」
手を伸ばしたディアーチェと、ソレを察して飛び上がったサガミ。咄嗟のことに硬直する他のメンバーをよそに、空中に漂うジュエルシードを奪い合う二人だったが……。
「何ぃ!?」
封印措置が未完成だったことから、奪おうとしたジュエルシードの内、4つが天高くへ打ち上がり、そして弾け飛ぶように四方へと飛び散ってゆく。
あっという間の出来事だった。手をすり抜けたそれを見上げるサガミを他所に、ディアーチェは自身の手で握りしめる3つの宝石を見下す。
「12つのうち3つか。まぁ、無いよりはマシと言ったところだな」
「返して!それは!」
それに気付いたはやてが咄嗟に声を上げるが、相手は空の上。何もできないなんてわかりきっていた。エルシニアクロイツの穂先を見上げるはやてたちに向けて王は悠然と語った。
「言ったはずだ、塵芥。これは我らの管理すべきものだと。抵抗するなら力を持って奪うと」
脇腹を切り裂かれ倒れるファーンを必死に手当てする者たち。騎士たちも飛び散ったジュエルシードを見て、撤退を開始している。二人の従者を連れる王の姿は、この戦いの勝者は誰かを示していた。
「その結果がこれだ。それと、貴様達も皆、逃げた方がいいぞ?」
ニヤリと笑みを浮かべる王。その言葉と共に地底から何かの唸り声が響く。鳴り響いている場所はどこか……探すまでもなく、音源は自分たちが立っている場所の真下だった。
「ここをどこか、忘れたわけではあるまい?」
蜘蛛の子を散らすように撤退する騎士たちを見て思い出すべきだったと、サガミは顔を青くした。
それと同時に唸り声は地鳴りに変わり、地響きへと進化し、突如として地面は隆起し、そして割れた。その割れた大地から現れたソレは、自分たちはおろか、周囲の瓦礫すらも影で覆い隠すほど巨大なものだった。
「サ、サンドワームだぁ!」
文字通り地を割って飛び上がったサンドワームは瓦礫をものともせず地面に巨体を叩きつけて、再度地中へと戻ってゆく。あたりが砂煙に覆われる中、サガミとジャン、ジェイクがそれぞれ二、三人ほど担いで大急ぎで逃げ出していた。
「撤退!てったーーーい!」
「さっさと砂船に戻れ!」
後ろを見ると怒り狂うサンドワームの影響か、これまで平凡を保っていた旧拠点の街並みが次々と陥没したり、地中に引き摺り込まれたり、サンドワームの跳躍で破壊されたりしているのが見えた。
「でも!ジュエルシードが!」
「んなこと言ってる場合か!?後ろ見ろ!後ろ!命あっての何とやらだ!今は逃げるぞ!」
「幼体も出てきてるゾォ!?」
「うわぁ!?何あれ気持ち悪い!?」
怪我を負ったファーンを横抱きにしながら全力疾走するクロフォードを先頭に逃げる面々。
サガミに担がれたなのはとフェイト、はやてが背後からわらわらと迫ってくるサンドワームの幼体を見て恐怖に顔を歪める。
追いつかれたらどうなるか、想像しようにも未体験のものすぎてイメージが全くわかない。今できることは信じられない速度で瓦礫を乗り越えて疾走するサガミから振り落とされないようにしっかりと持ちやすい場所を握り、堪えることしかできなかった。
だが、そんな彼らの脱出劇も終わりを迎える。
「ダメだ、道がもう……」
砂船が停泊する拠点のはずれへ続く道が、サンドワームの回遊によって液状化し完全に寸断されていたのだ。前には遥かに続く砂漠と砂の中を泳ぐサンドワームの群れ、群れ、群れ……。
そんな中、一隻の砂船が切り抜け、茫然としているサガミたちの前に急停止する。ガタイのいい黒く焼けた顔に白い歯の笑みを浮かべる船長が親指で船を指した。
「よぉ、お客さん。最終便が出るけど乗るかあ?」
「乗りまぁす!」
すぐさまサガミたちは船に乗り込む。乱雑に船に降ろされたなのはたちはベシャリと甲板に倒れ伏せるが、文句を言う間もなく船はジェットエンジンを唸らせ、怒り狂うサンドワームの群れの渦中から脱出を目指した。
「イカれてると思っていたが、どうやらぶっ飛んでイカれてるな、お前ら!しっかり捕まっとけ!ここからの腕が砂船の見せどころヨォ!」
帆を広げ、声を上げる船長の腕は凄まじく。途中、サガミ、ジャン、ジェイクの援護を受けつつも、船は荒ぶる砂の王たちの追撃をなんとか躱し、地獄の蓋の上からなんとか脱出を果たすのだった。