マジシャンズ / 奪われたロストロギア 作:紅乃 晴@小説アカ
次元航行船。
そう言われて真っ先に思い浮かぶ船といえば、次元航行船の中でも屈指の名艦艇と呼ばれるL級次元航行艦だろう。新暦40年頃に第一艦艇のロールアウトがされて以降、ネームシップであるアースラを始め、数多くの同型艦が建造されており、輸送性を向上させたL2級や、航行速度を向上させたLX級なども開発されたが、そのどれもがL級艦をベースに製造されている。
しかし、あくまで傑作艦であるL級をベースとした次元航行艦が多いと言うだけであり、高性能、汎用性を追求するため時空管理局主導で開発されたL級以外にも、多くの艦艇が次元航行艦として活躍している。
その中でもL級に次いで有名な艦艇が、F506ティラー級 ストライクヴェクター輸送艇だ。
F級や、ティラー級と呼ばれるこの船は、第四管理世界「カルナログ」にあるワイズナリー・バイエンス社(WB社)が開発した輸送艇であり、一世代前のヴェクター輸送艇までは評価がいまひとつであったが、WB社がF級を開発していた企業を買収してから大幅にモデルチェンジを行い、ストライクヴェクター輸送艇が販売され、一気に人気を獲得したのだ。
この船が何がいいか?そう聞かれればまず答えるのは汎用性の高さと耐久性だ。
ヴェクター輸送艇の基礎フレームから見直され、船体には高い剛性を持ちつつ、軽くしなやかな素材が採用され、徹底した軽量化と強度を高める設計がされている。
その基礎設計のおかげか、ストライクヴェクターは単独での大気圏突入も可能で、オプションパックを装備さえすれば離脱もできる。
しかも定員10名かつ、貨物輸送も可能と、従来の輸送艇と比較しても破格の性能を有していた。推進モジュールについても、魔力装置による反重力ユニットとジェットエンジンの二種から選択することができるという汎用性の高さから、次元世界における探索任務で活用される輸送艇の中で、このストライクヴェクターはロングヒットした船であり、現在もマイナーモデルチェンジを繰り返しながら運用され続けている。
そんな船の性能面を熟知しているエンジニア、レイカ・S・ヴァーンは、この船に万が一の時のために積んでいたストライクヴェクター輸送船、「ランダー号」に人生最大の感謝を述べていた。
彼女は管理局の中でも次元世界の端と言われる「外縁世界」での輸送、および調査を目的とした外縁調査部に所属していて、L-U級外縁次元探査艦「エンデュランス号」に乗艦する専属のメカニックでもあった。
そんなエンデュランス号に積まれているランダー号は、エンジニアであるレイカがゼロから改造を加えていた船だ。
もともと本局の技術部に所属していたレイカが転属する際に「送別品として貰っていく」と半ば強引に当時、技術検証用で技術部が持っていたストライクヴェクターを引っ張ってきたのだったのだが、型落ちしてもさすがは汎用性の鬼と呼ばれる船。
カスタムパーツも新旧ともに取り付け可能で、部品も豊富。その影響からか、船の改造も細部までこだわることができた。
とくに唯一貧弱であった外装については新素材の合金を使用することで驚異的な耐久性を……。
「ウヒィッ」
船体に何かが当たったのか、カーンっと甲高い音が響き渡り、ランダー号のコクピットシートに座っていたレイカは思わず小さな悲鳴を吐いてしまった。
「どうやら敵はエンデュランスに取り付いたですね」
静寂の中、冷静にそう分析したのはエンデュランス号の指揮を任されていた管理局の魔導師、ファーン・コラードだ。
彼女はもともと、魔導師訓練学校の学長を務めていた立場であったが半年前に管理局上層部から一時的に輸送部隊の指揮を任されることになった。
時空管理局とは万年人材不足の組織だ。優秀な人材を訓練学校の学長として遊ばせておく余裕もない。それに彼女に任務を言い渡したのは、その任務が「ジュエルシード」の輸送だったからだ。
本来のロストロギア輸送には、輸送要員と護衛部隊、万が一の際の封印要員を用意して行うのだが、近頃発生しているロストロギアを狙った略奪行為の影響で、輸送部も護衛も封印術師も人手が更に枯渇してしまっている。
そんな中、ジュエルシードの確実な輸送を目指すなら優秀な魔導師を指揮官とした輸送が最も安全であると管理局上層部が判断したのだ。
「安全を考慮して、主流ルートを迂回する形で外縁部に入りましたが……それが裏目に出ましたか」
ジュエルシード輸送の任を受けて、ファーン・コラードは、外縁次元探査艦であるエンデュランス号の指揮をとっていたのだが、異変が起こったのは、航路の通過ポイントである「ポイント・エイト」に入った直後からだった。
順調に航行していたエンデュランス号は突如として機能不全を起こし、亜空間航行を維持できず宇宙空間に放り出されたのだ。
幸い、生命維持装置や艦内設備は生きていたが、航行能力とコンパスに関してはこちらの制御範囲を逸脱する状態となってしまい、エンデュランス号はポイント・エイトで立ち往生する羽目になってしまった。
「おそらく外縁世界の影響によって自然発生した不可視領域に入ったのでしょう。推力をガスに切り替え、速やかに離脱します」
最初の頃は誰もがそう考えていた。
外縁部は未だに未開拓の場所だ。あらゆることが起こる。一般的なコンパスが狂うなんて日常茶飯事だし、磁場の乱れや、魔力素も管理世界と比べるとかなり不安定。
実際、エンデュランス号もそういった不足の事態に対応できるように製造された艦であったので、魔力による駆動には頼らないスラスター等も搭載されている。
だから、いつものこと。離脱は簡単だと……誰もが考えていた。
「……ん?こ、これは!?コラード艦長!ポイント・エイトから熱源が本艦に接近しています!」
「デブリの見間違いじゃないのか?」
「馬鹿野郎!デブリが熱源を持って向かってくるかよ!」
モニターに出します、とオペレーターが表示したレーダーには確かに複数の熱源体がエンデュランス号に向かってくるのが見える。その動きは散発的ではない。組織的な、統率された動きだった。
「スラスターでの離脱は!?」
「やっていますが……何か強い力に引っ張られて舵が言うことを聞きません!」
操舵手の悲鳴のような声で応じた時、艦橋の通信ラインに機関部の音声が入ってきた。
「こちら、メカニックのレイカよ!ブリッジ!状況を教えてちょうだい!」
「レイカさん!艦長のコラードです。現在、本艦は不可視領域に侵入してしまっていて……」
「不可視領域!?冗談でしょ!?こっちのエンジンは全部出力は安定しているし、なんの問題も示してないわ!なのにどうして補助用スラスターを使ってるわけ!?」
おかげで動力炉に負荷が掛かりすぎてる。そう文句を言うメカニックのレイカの言葉に、ファーンは胸の奥が冷たい何かに沈むような感覚を味わった。
「……トラクタービーム」
これは不可視領域ではない。自然的に発生したものではないとなると、考えられるのは〝人為的〟に引き起こされたもの。
誘い込まれた。
その可能性はファーンの中で最悪な答えを引っ張り出した。
「罠よ!総員、脱出艇に退避!本局に救難信号を!」
ファーンの指示に艦橋は一瞬だけ静まり返ったが、すぐさまスタッフたちが退避手順に従い、各方面へ伝令や通信を始めていく。もし仮にトラクタービームに捕まってしまったのなら、自艦だけでの離脱は不可能だ。随伴艦などがいたら選択肢はいくつかあるのだが、無いものをねだったところで事態は好転しない。幸い、脱出艇には十分食料や資材は備わっている。帰るだけならミッドチルダまでの航路も問題は無いはずだ。
「副艦長、あとは任せます」
「コラード艦長?どこへ行かれるのですか!?」
艦長席を立ち上がり、右後ろにある副艦長へそう告げると、彼は驚いた表情でそう聞き返してきた。狼狽える彼を無視して、ファーンは光学式モニターを展開し、艦長権限や指揮権をさっさと副艦長へと移譲させていく。
「私の本来の務めはジュエルシードの輸送と護衛です。……ごめんなさい。貴方たちの脱出艇とは別行動を取ります」
「え、ええ!?」
艦長ぉ!と悲鳴のような声を上げる副艦長を放って、ファーンは艦橋を後にした。罠というなら敵はすでにこちらを捕捉して動いているはずだ。単なる略奪者としても手際が良すぎる。……考えられるのは、出発前から頻発していたロストロギアを狙った者たちの襲撃だ。
「メリーさん。準備はどうですか?」
隔壁で区画分けされたエリアに入り、エンデュランス号の中で1番強固で、外からも内からも強い構造をしている部屋に顔を覗かせると、指示を聞いていたであろう、ファーンの教子たちがすでに準備を整えていた。
「いつでも問題ありません、先生」
「残念ながら、ここでは先生として意地を張れそうにありませんね」
申し訳なく言うファーンに、メリーと呼ばれた黒髪が特徴の女性魔導師は首を横に振って答える。彼女の手にはすでに幾十にも封印措置が施された保管ケースが収まっていた。
「皆さん。これは訓練ではありません。これより私たちはジュエルシード護衛のため、本艦乗組員と別行動を取ります。いけますね?」
「いくしかないでしょう、先生」
「が、頑張ります!」
メリーに続いて頷く他のメンバーは、訓練学校学長であるファーンが連れてきた、今期訓練生の粒揃いたちだった。
メリー・ダグマイア。
クラリス・ハートライナー。
メリーは近中距離での戦闘分野と、高い魔法資質を持つ生徒で、クラリスも詠唱術式や、防御、支援面で優秀な成績を収めている生徒だ。
「安全な輸送、と言うわけにはいかなかったんですねぇ……」
そう軽口を叩いたエリッサ・ハートライナー。クラリスの姉に当たる彼女の苦言は最もだった。もともとファーンも、ロストロギア輸送という特殊な任務に訓練生の身分である彼女たちを連れてくるつもりはなかった。しかし、管理局上層部の意向による実地訓練という名ばかりの体裁が押し通されてしまったことや、主席の座を争う彼女たちの志願もあって、連れてくることに決まってしまったのだ。その結果、こうやって危険な目に巻き込んでしまっている。
「ごめんなさい、エリッサ。でも、不足の事態でも対応できる人材として私は貴女たちを連れてきました。普段通り、訓練通りに、本領を発揮してください」
今はそう言うことしかできない、と言う言葉は胸の中に収めた。ここで指揮官であり、彼女らの先達、教師である自分が泣き言を言うわけにはいかない。それをしてしまえば、要らぬ不安を彼女たちに与えてしまう。ファーンが言った「普段通り」と言う言葉は、自分自身にも向けた言葉だったのかもしれない。
「それで、脱出艇とは別と言ってましたが、この船にはそんなものが積まれているのですか?」
「外縁調査部は未開の世界を調査する部門でもあります。なのでこの船にも調査用の輸送艇が積まれていたはず……」
メリーの質問にそう答えながら、四人はエンデュランス号の格納庫へと足を進める。格納庫の奥には発進準備を整えた脱出艇が鎮座しているのが見えた。そして、その手前にあるのが……。
「それって、このランダー号のことを言ってます?」
脱出艇よりも随分と小さな船。ストライクヴェクター輸送艇は、定員10名という小型輸送艇である。その上で機体の最終チェックをしていたメカニックが、やってきたファーンたちを見下ろしながらそう言った。
「そっちの訓練生たちとは初の顔合わせね。私はレイカ・S・ヴァーン。この船のメカニックを務めてるエンジニアよ」
機体のチェックは終わってるわ、と工具を持って降りてきた彼女にファーンは顔を顰めながら問い直した。
「レイカさん、貴女にも退艦命令を伝えたはずですけど」
「このランダー号は私が手ずから調整した船よ。ろくに慣熟訓練もしてないアンタたちで扱える代物じゃないわ。ウチのパイロットも最近慣れてきたばっかりで心許ないから、私が付き合ってあげるってわ」
「危険ですよ?それもかなり」
顔を強張らせていうファーンだが、そんな彼女の心配をよそに、レイカは手をひらひらさせて答える。
「外縁部なんて危険がいっぱいだからね。そう言うなら私がこの部に転属する前に言って欲しかったわ」
「……わかりました。では操縦は……」
ドンっとエンデュランス号が大きな揺れに襲われる。明らかに外部からの衝撃だった。予想以上の大きな揺れにクラリスとレイカが思わず膝をつく。
「早く乗り込んで!」
そんな中、踏ん張って耐えたファーンが声を上げた。機体後部にあるハッチから中に入り、レイカは素早く機体のメインパイロットシートに身を滑り込ませた。
「アンタたち、ランダー号に感謝しなさいよ!この船の頑丈さは折り紙付きなんだから!」
「エンデュランス内部での戦闘は禁止です!この船が落ちれば私たちはミッドチルダに帰ることができなくなる!」
揺れはどんどん大きくなってくる。これは、取り付かれた?船がどんな状況になっているのか全く判断できない。ただ、敵がすぐ近くにいるといるということは、脱出する難易度も上がるということになる。
「脱出艇を安全に離脱させるため、私たちが囮となります!レイカさん!」
「ランダー号、発進!」
係留アームを解除し、ランダー号は反重量システムで格納庫を飛翔する。機体の小ささを活かし、脱出艇より早く、わずかに開いた隔壁の隙間から一気にエンデュランス号の外へと飛び出した瞬間、サブパイロットシートから見えたのは、今まさにエンデュランス号に取り付こうとしている数機の船だった。
機種やメーカーはバラバラの船だが、やはり統率された動きをしている。ということは……。
「やはり有人艇ですか……!」
「うひゃあ!?撃ってきた!?」
飛び出したランダー号を捕捉した敵の一機がすぐさま反転して攻撃を仕掛けてきた。艦艇に備わる武器は、デバイスと同じような武装で簡易的な魔力スフィアとなっているが、無防備に受ければ致命傷になりかねない。
しかし、その攻撃をランダー号はヒラリヒラリと躱していく。動きは他の船と比べるとかなり軽やかだった。
「安心して、ランダー号の速度なら振り切れる!」
しばらく追撃してくる船との追いかけっこに乗ずる。右へ左へと旋回しつつ振り切られない速度で動き回っていると、長距離通信がランダー号に届いた。
「レイカさん!脱出艇の離脱、確認できました!」
「よし!このまま離脱する!」
サブエンジンのみで機動していたランダー号のメインエンジンを点火すると、凄まじい加速で追ってきてきた敵を一気に置き去りにする。敵の索敵範囲から脱したことを確認したレイカはメインエンジンを停止させる。
「なかなかいい船でしょ?自信作よ」
「……そうね。一つ要望があるなら、次は声をかけてから加速してほしいわね」
そう言ってファーンはサブパイロットシートから後ろに備わる輸送員用のシートを見る。そこには旋回と減速、そしてメインエンジンの加速に当てられて顔色を青くした生徒三人がぐったりしている様子で座っているのが見えた。心の中でファーンは謝罪しつつ、前を見据える。
一度得たエネルギーで船はどんどん暗闇の宇宙を進んでいく。さて、うまく逃げたが、肝心のエンデュランス号は敵の手中にある。脱出艇でロストロギアごとミッドチルダに帰還できれば良かったのだが、エンデュランスの乗組員をまるごと危険に晒すことになる。
過去の闇の書暴走による輸送艦行方不明事件も記憶に新しい……。それを考慮して、ファーンは護衛班として別行動をとる選択をしたのだが、ここからどうするべきか。
「この船は長距離航行には向かないわ。どこかで補給しないと……」
「1番近くで生存可能な星……ここですね」
穴だらけの外縁世界で唯一信頼できるマップに映るのは、過去に調査の手が入ったことがある勉強の世界。広大な外縁世界で、過去文明の息吹が残る場所だ。
「第6外縁世界……ヘンリーヴァンダー、か」
ランダー号は進路を変える。ドサリとシートに体を預けたファーンは、キャノピーから外を見つめる。星の大海は緩やかに後ろへと遠ざかっていっていた。
▼
「それで?我が国の財を使おうとする不届き者は……何という組織なのだ?」
次元空間を漂う、薄暗い"キャメロット"の中で、王は玉座に肘かけてそう言った。
「時空管理局。ベルカが滅び、暦が移り変わってから急速に勢力を伸ばした司法組織なる者です」
空間に投影されるモニターを操作しながら王へ説明するのは、王に忠誠を誓った騎士団の長だった。
リリアナ・ベルガウッド。古代ベルカで栄えたアスレニア公国で生まれた騎士団を、今は彼女が率いていた。玉座に座りながら、銀と藍色の毛先の髪を撫で、王は不満そうに鼻を鳴らす。
「ふむ、時代が移り変わろうとも魔石を悪用しようとする存在はあり続ける、ということか」
王は侮蔑の目を投影されたモニターに向ける。その瞳は明らかに怒りと敵意に満ちていた。
王にとっての魔石は、祖国が「存在していた」という唯一の証明証拠であり、それを悪用する者は何人たりとも許しはしない。
魔石を健全に使役し、悪用する者を罰し、それを阻止するために結成されたのが、王のもとに集った騎士団、「魔石騎士団」なのだ。
悪用するならば、武力の行使も辞さない。
それが王や国のやり方だ。
たとえそれで破滅が訪れようとも、だ。
「けれど、王様。あいつらどうやって魔石を手に入れたんだろう?」
玉座の左右に座していた王の側近二人の片割れが、そんなことを問う。この広大に広がる次元世界で、どうやって魔石を見つけたのか?単純な疑問だった。
「魔石は、我らが国を失った後にさまざまな物へと形を変えて現代に伝わっています」
と、もう一方の側近が淡々とした口調で答えると、問いを投げた側近は「なるほどぉ」と妙にわかりやすく首を頷かせていた。
答えた側近は、自分の目の前にも投影モニターを出現させ、いくつもの資料を王の前へと出した。神々と煌めくモニターには、姿や形が違えど、「ひとつの共通点」を持った物が表示されている。
「剣や盾になどの武具。繊維状にされた本。そして結晶体。魔石の力を存分に発揮させるため、あらゆる方法を用いて魔石を改造し尽くしたのが、過去の文明が残した負の遺産なのです」
ほんの一欠片で大国を混乱の渦へ突き落とした魔石。それが結晶体や、武器などに転用された結果、世界は滅び、それらのアイテムは次元世界中へと散らばった。名を変え、姿を変え、後に「古代遺失物」と呼ばれる物に変貌して。
「うむ。我らはそれを管理し、守らなければならぬ。そのために騎士団があるのだからな」
「では、どう致しましょうか?王よ」
「そんなもの、とうの昔に答えは決まっておる」
側近の言葉に、王は凛々しく、威風堂々と玉座から立ち上がった。為すべきことは決まっている。王が民を失った時から。騎士団が守るべきか弱き者を見失ってから、ずっと。遥か昔から。
「即時返還を要請。応じなければ、力で取り返すまでのこと!!」
はっ、とその場に居た誰もが王へと跪いた。
すべては、魔石の意志が導くままに……。