男が発した言葉に激高し今にも襲い掛からんとする小鳥遊ホシノを抑える対策委員会と感情的なホシノの姿に驚く先生と空崎ヒナ。男は無言のまま彼らを見続けている。
「お前ぇ!!!」
「お願いだから落ち着いてよホシノ先輩!!」
『……なるほど、お前の時間はそこで止まり続けているわけか』
『まぁそんなことはどうでもいい、俺はお前たちに聞きたいことがある』
「どうでもいいだと!!』
【こんな状況を作ったあなたの質問に答えろと?】
『お前たちが知っているのかどうかを知りたいだけだ。別に危害を加えるわけではない』
【信用できない】
『ふむ……ならば契約紙でも使うか?』
【……契約紙?】
男は懐から禍々しい色の紙を一枚取り出す。その紙から放たれる異様な気配に生徒たちは後ずさりをしてしまう。先生もまた異様な気配を感じているが怯むことなく男に向き合う。
【……それはいったい?】
『その名の通り契約に扱う紙だ。ただの契約書と違って絶対的な強制力を発生させる現代でいう所のオーパーツであるがな』
【……使い方は?】
「せ、先生!?危険すぎます!!」
「ん、危なすぎる」
【大丈夫だよ、私は先生だからね】
【それに絶対的な力を持つ道具は何かしらのデメリットがつきものって定番だからね!】
「先生……」
『…………』
『俺はアンタたちに一切の手出しをしないと誓おう』
「……(威圧感が弱まった?)」
【……(先程よりも柔らかい対応になっている?)】
放たれていた重圧感が緩和しただけでなく先程よりも口調や態度が少し柔らかくなった男に疑問を抱く先生と空崎ヒナ。先生は先程のやり取りのなかに男を響かせるものがあったのかと考えるが下手に長考し男の機嫌が変わってしまう前に受け入れる前提で会話を続けるべきだと判断する
【あなたの発言を信用してもいいのかい?】
『俺は……あのクソどもと違って一度決めたことは覆さん』
【……(クソども?)ありがとう】
『契約内容は俺が聞きたいことにお前たちが答える代わりに俺はいかなる場合においても一ヶ月間お前たちに危害を加えないでどうだ?』
【みんなこの内容で大丈夫かな?】
「……えぇ、問題ないわ」
「私たちも問題ありません」
【ホシノもそれでいいかな?】
「……うん、大丈夫だよ先生」
【みんなありがとう】
【この内容で契約を結ぼう。ちょっと待ってハンコを出すから】
『いらん。この契約紙は印を必要としないタイプのものだ』
【その言い方からして必要なタイプもあるみたいだね】
『あぁ、そのとおりだ。もっとも印を必要とする契約紙は様々な前提が成立していなければ履行させれないがな』
【ちなみに教えてもらえたり?】
『ここから先は別料金だがどうする?』
【あいにく今は持ち合わせがなくてね】
『そうか。では契約を結ぶとするか』
男と先生の間で交わされた契約が『
『これにて契約は結ばれた。では俺の質問に答えてもらおう』
【ごめん、その前に一つ良いかな?】
『……なんだ、今更契約をなかったことにでもする気か?』
【そんなつもりはないよ。ただあなたはさっき絶対的な強制力を発生させると言っていたけど、実際にペナルティは存在していたりするのか気になってね】
『……理解せず契約を結んだと思っていたが、意外と考えているものだな』
【さすがにね、何かしらペナルティがないと絶対的な強制力なんて成立しないとしか考えられなくてね】
『お前の考えている通り契約を破ればペナルティが発生する』
【この契約に付与されたペナルティは何かな?】
『契約紙によって結ばれた契約に付与されるペナルティは契約内容に関連したものになっている』
『今回の契約でお前たちに与えられるペナルティは
【契約にて行われる動作に関連しているんだね】
『そういうことだ。……もういいか?』
【もう大丈夫だよ、遮ってごめんね】
『では質問をしよう。お前たちはここアビドスで船をみたことはあるか?』
アビドス編終了まであと少しなので頑張っていきます。