長らくお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。私生活が一気に忙しくなってきたことから、満足に筆が取れない状況にありました。
これからは隙を見てまた更新していくので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回、だいぶ間を開けてしまったのですこし稚拙やもしれません。
お気に入り登録1279件、ありがとうございます。これさえあれば幸せで生きていけるぜ。
「さあ、いただこう…神の心は、貴方が持っているのだろう?」
状況が理解できず、思考がまとまらない。脚が地についておらず、身体が持ち上げられている。そして…胸に突き入れられた、ペルヴェーレの左腕。
「な、にを…ぺるゔぇ…!」
「今は“アルレッキーノ”と呼んでもらおう。その方が互いの為だ…」
痛みはない。出血もしていない。物理的に突き刺さっているわけではないが…水面に手を入れた時のように、彼女の腕がするりと僕の中に入っている。とっくに僕の背中を突き破りそうな程には入っているが、そんな様子はない。まるで僕の胸の中に空間があるような…。
彼女はそのまま、僕の中の何かを探るように手を動かしている。その度に僕は痛みとも言えない、だがとてつもない不快感を感じる。まるで自分の
「何を、と聞いたな…私は欲しいのだよ。あなたの“神の心”が…」
「そ、そんなもの、知らな…」
「では、あなたの奥に感じる
そんなものを持っている覚えはない。それに、神の心を狙うなら、僕よりフリーナ様を狙うはずだ…!
「ふ、りーなさま、にげて…」
フリーナ様に呼びかけるが、彼女は地面に手をついたままこちらを茫然と見ている。逃げられそうにない…!
「ああ、安心したまえ。私はそこの水神に手を出すつもりはない」
「おかしな…ことを…!矛盾してます…!」
「矛盾などしてないさ…あなたは、さては気がついていないのか?」
アルレッキーノは意外そうにつぶやき、僕の耳元に顔を寄せ、囁くように…事実を突きつけた。
「フリーナ殿は…神の心を持っていない」
「…!!」
まるで知られたくないことを知られたかのように、フリーナ様は目を見開く。そして目尻に涙を浮かべ、それを必死で隠そうとした。
「だから、だ。最初は最高審判官殿を疑っていたが…あなたの奥にあるこの気配…“神の心”のものと似ている。あなたが“神の心”の守人だったとは、なんと奇妙で素敵な縁なのだろうか…」
ぐ、と彼女は腕を更に差し込むと…うすらと笑みを浮かべ、呟く。
「ほら、見つけた…」
彼女が腕に力を入れたのがわかった。それとほぼ同時に…僕の脊髄に、泡が次々と弾けるかのような不快な感覚が襲う。身の毛もよだつ、とはこのことなのだろう。咄嗟に彼女の腕を掴み、抜かれないよう必死で抵抗する。
「だ、だめ、それはだめです」
「すまないが聞き入れられない。私も辛いが、我慢してくれ…」
魂を握られ、引き摺り出されているような感覚。心臓を握られ、直に脈を測られているような感覚。次第に抵抗する力もなくなって、ただただ声を上げるだけになった。
「ゔっ、あ、あ…っ、う、ぅ…」
「あと少しだ。…そうだ、気も紛れるはずだ。そろそろ
震える僕の顔を撫で…そのまま唇を合わせる。考え抵抗する余力も削られてしまった僕は、それをなされるがまま受け止めざるを得なかった。彼女の唇が僕の唇を食み、擦り合わせ、押し合わせた。
次第に彼女の熱が高まってくる。ただの唇の触れ合いだけで済んでいたのに、もっと深くまで引き摺り込もうとする。熱いものが唇を這い、隙間から口内へ…。
「…やめろっ」
ぽす、と軽い音がした。リップ音が止まり、彼女が顔を離す。彼女の視線の先には…拳を彼女の背中に叩きつけた、フリーナ様の姿があった。
「離せ…!彼に…ひどいこと…するなっ…!!」
握った拳を、なんの構えや型もなくアルレッキーノに叩きつける。その度に軽い音が鳴る。アルレッキーノは煩わしそうに見ているが何もしない。
「…くの…だぞ…、僕のだぞ…っ!!」
恐怖で涙をながしながら、勇気を振り絞り、フリーナ様はアルレッキーノに立ち向かっている。乱暴されている僕の為に、彼女は叫ぶ。アルレッキーノの服を掴み、僕から引き剥がそうとする…が。
「すまないが…邪魔だ」
「あっ…!」
アルレッキーノが片手で押すだけで、彼女はまた地面に倒れ込んでしまった。地面に手をつき上半身を起こしたフリーナ様の膝や頬には擦り傷ができていた。…なんてことを!
「よくも…よくも僕に告白なんてしておいて、そんなことができる…っ!」
「先程はプライベート…今は仕事だ。公私はきちんと分けるクチなのでな」
感覚が無くなりかけた脚を必死に振って抵抗する。股の間に差し込まれたアルレッキーノの脚にバシバシと当てるが、あまり効果は見受けられない。
「黙れ!あなたは冷静じゃなくなってるんだ!頭を冷やせ…っ!」
「私の目的は一貫しているとも…さて、そろそろだ」
ずる、と召使の腕が抜けた。その瞬間、まるで胸に穴が空いているかのような喪失感、そして脱力感を感じる。だらりと腕をぶら下げた僕を見た召使は満足げに笑みを浮かべた後、手元に目線を移し…。
「さあ…神の心はいただい…た…」
そこにあったのは、青く光る石と白い石で模られた、キッチンナイフほどの大きさの
「おかしい…情報と違う…だが、この気配は確かに“道化”の言っていた天理の…」
召使は怪訝な表情をした後、釘を懐に仕舞い込んだ。そして弛緩し切った僕を抱きかかえ、この場から離れるつもりなのか、石畳でヒールを鳴らし始め…少しして立ち止まる。
「やめろ…彼をどこへ連れて行く気だ!」
フリーナ様の声が聴こえる。まさか…立ち塞がったのか、ファデュイ執行官の前に…?
無茶をしないでくれと忠告しようにも、まともに声も出せない。僕を抱きしめる召使の手の力が強くなったのを感じる。苛立ちの感情が伝わってくる。
「フッ…勇敢なことだ。蛮勇とも言うが…貴女は本当にオクタヴィアのことが大事らしい」
「当たり前だろう。彼は僕の従者であり、補佐官であり……っ、あるんだ!君に、ファデュイなんかに渡してやるもんか…!」
少し途中で言い淀んだが、そのまま振り切って言い放つ。
「それならば実力で奪い返せばいいではないか。ほら…使ってみるといい。水神の、正義の神の権能とやらを振るってみせろ」
「…、ッ」
カツ、とヒールが鳴る。
「どうした…震えているぞ?怯えているのか…」
カツ、カツ、カツ、と素早く三度。
「それとも…
四度目の靴音が鳴った瞬間のことだった。
「うわぁぁぁぁっ!!!!!!!」
フリーナ様が大声を上げる。そして革靴の走る音が聞こえ、視界が横にぶれる。くす、と召使が笑った気がした。
「まさか殴りかかってくるとは…面白い」
「うるさいっ!!!」
ぶん、ぶん、と音が鳴るたびに視界が左右にぶれる。フリーナ様の拳を、僕を抱えながら避けているのだと気がついた。
「オクタヴィアは僕の隣にいるべきなんだ…!誰にも渡すもんかっ!!」
びゅ、と風切り音が聴こえた。視界の端にフリーナ様の蹴り出された脚が映る。
「貴女は彼を自らの傲慢によって縛りつけている…。言わせてもらうが、貴女にオクタヴィアは相応しくない」
「勝手なことを言わないでくれ!!」
がむしゃらに拳を振るフリーナ様を軽くあしらい続ける召使は、鼻で笑う。そして脚に力を込め…、
「水神が殴る蹴るの格闘で戦おうとするとは。その勇気は認めよう…だがな」
視界がまたもやぶれる。そしてその直後に、ばす、と鈍い音が聴こえてきた。まるで何かを蹴り飛ばしたかのような…。
「ゔっ…!」
ばた、と誰かが倒れる音がした。…それだけで、
「どうした…立てないのか?」
召使が倒れたフリーナ様に近寄る。ごろ、と下から音がした。召使は彼女を足蹴にして仰向けに転がしたようだ。その直後、がつ、と石畳が砕ける音がした。フリーナ様は小さく悲鳴をあげる。
「まだ反抗心は消えていないな?やはり良い…そうだ。貴女も一緒に連れて行こうか。私と彼が
「…本当に、悪趣味なやつ…!」
「そうかな?きっと気に入ると思うよ。彼が私に伸し掛かられ、主神に見られていることも忘れよがり狂う様はさぞかし絶景だろうな…」
召使は煽るような口調で言った後、踵を返して歩き出す。
「二人を抱えるのは目立つ。暫くは動けないだろう?先にオクタヴィアを運んで…その後迎えに来てあげよう。二人とも寝室に入れたら、あとは楽しい楽しい蜜月の時だ…貴女の目の前で彼を奪ってやる」
召使の肩越しに見えたのは、お腹を抑えて地面に倒れるフリーナ様の姿。彼女は苦しそうな表情を浮かべ、こちらに手を伸ばして…
「おまえ、自分が何をしたのか分かっているのか?」
口が勝手に動いた。自分のものとは思えぬほど、低くどすの効いた声が出てきた。
ずる、と勢いよく
「わが主に…フリーナ様に手を上げたな」
炎が噴き出した。蒼い炎は次第に色を落とし…青黒い炎に変わっていく。脳天から爪先まで全能感に満ちていて、心の穴が埋まってゆく。
こちらの様子を窺う召使の、ばつ印の浮かんだ目に映るのは…背中に
突然、背後から肩に手が置かれる感触と共に、随分と懐かしい声が聴こえた。
『…オクタヴィア…』
骨ばった手。その暖かくも厳しい感触は…とっくに死んだ父親のもの。
『あの方の後継…お前の主を守る為ならば、お前はなんだってできるようになれ。使えるものはなんだって使って、主人の障害は取り除け。
殺しさえ厭うな。わかったな?』
「ええ。もうとっくに慣れていますとも」
ーーーーー
「…なんだ、これは」
肌に刺さる剥き出しの殺意。伝わる熱気に、青黒く輝く炎。…黒が混ざる炎とは、これまた親近感を感じられるが…この気配は異常だ。睨まれているだけで肌が裂けてしまいそうな程の鋭利な視線は、彼の片方の眼…八の字の瞳孔はいつの間にやらダイヤ型に歪み、それを蒼く光る円が囲っている。そして…
「ごめんなさい、ペルヴェーレ…そして、さようなら」
反射的に飛び退くと、先程まで立っていた場所に元素力の爆発が起こる。反応によるものだろうが、種類は判別できない。おそらくこれの原因は、彼の背後に浮かぶ
「…何だ?」
ぱきぱきぱき、と音を立てて翼が凍りつく。炎元素の塊を、凍結…?
「しぶといですね…さっさと死んでください」
彼は両手にそれぞれ青と緑の元素力を生成し、掌でそれを合わせ、すり潰す。…まさか、これは、
「開花…派生、超」
「複数元素を扱うか…っ!」
先ほどのものはおそらく水と草元素…そして、彼の掌の間で沸る禍々しい紫の元素力は…!
「良い子ですから、避けないで」
瞬間、迸る緑の閃光。幾つにも枝分かれしたそれは空中で折々の軌道をとり、凄まじい速度でこちらに向かってきた。私は得物に炎元素を纏わせ、回転させて全てを弾く。手に伝わってくる衝撃から威力が手に取るようにわかる。これは、当たってはいけない攻撃だ。
「避けないでって言ったのに…!」
「落ち着いてくれオクタヴィア。私は貴方とは戦いたくない」
「…ッ、よくもそんなことが言える!!!!」
赤と青の炎が混じり合った紫色の爆炎とともに、彼は大剣を構え突貫してくる。凄まじい勢いを得物で受け止めれば、互いの炎が煉瓦の壁を焦がす。
「私だって…僕だって貴方を殺したくない!」
「では攻撃を止めろ!私と貴方は惹かれあっている…!」
大剣の大振りに触腕の突きが差し込まれ、得物だけでなく炎元素を纏わせた手でも弾く。この猛攻では契約を差し込む隙もない。説得を試みようと話しかけるも、彼は依然攻撃をやめない。
「貴方は…ペルヴェーレ、君はそこにいるべきではなかったんだ!」
「そうかな?今の私は召使だ。それ以上でも以下でもない…!」
「ええ!君はそうなってしまった…!本当なら今頃、他の子供達と変わらない、幸せな生を謳歌できていたはずなのに!」
翠緑と紫の元素エネルギーが彼の掌に集まり、それは扇状に拡散する。全身に痺れがまわるが、なんとか身体に鞭を打って動き続ける。かれはまだ続ける。
「それだけじゃない!きちんと生きてくれさえすれば、君は
「…貴方は何を言っているんだ!」
信じたくはなかった。が、彼の振るう大剣に、指先から放たれる光線に、容赦なく身体を抉らんとする触腕に、確かに
「なぜ、貴方はここまで非情になれる…!」
「どの口がァァァァァァァァァァァア!!」
叫ぶ彼の両手から撒き散らされる氷と炎。溶解反応によって石畳や壁が削られてゆく。
「ファデュイだっ…!貴方もファデュイになってしまった!あの魔術師兄妹も…クルセビナの時からいる潜水士の子も!結局ファデュイに仕立てたんだろう!」
「それが任務だからな。それに、かつてのように蠱毒は行っていない…干渉せず、厳格に見守るが故の
「だがどちらも子供をレールに走らせる
大剣を触腕に回し、インファイトを仕掛けんとする彼の目は、はっきりとした怒りと殺意が見てとれた。それがなぜだかたまらなく悲しく、たまらなく…心外だった。抜けたいと言えば………まあ、記憶処理の後だが………壁炉の家を抜けさせている私にとって、前任と一纏めにされてはたまらない。
「親の命令で補佐官をやっている人間が何を言う…!」
「これは僕の意思だ!ただ親の遺志とぴったり一致しているだけの…僕の意思に決まっている!」
「詭弁を言うな!」
金色の元素力を纏った拳と打ち合うたび、武器を握りしめる手に衝撃が伝わる。この膂力、短期間でここまで成長するのか…!?
「今からでも遅くない…私の下へ来い!」
「黙れっ!お前は皆を不幸にするっ!!!」
彼の蹴りを受け止める。足裏から翠緑と紫の元素が放出され、吹き飛ばされる身体を駆け巡る。中空に打ち上げられ、痺れで身動きが取れない。そんな私に、両手の指に多量の元素を集め始めるオクタヴィア…。
迂闊だった、こうなったら
「さあ、死ね…!…………あれっ」
多種多量の元素が無秩序に混ぜられ、ばちばちと弾けていた黒い塊。それが彼の掌からすう、と霧散するではないか。
「う、嘘でしょガス欠…!?」
その隙をついて、私は翼でこの場から離脱する。一瞬で距離を離せば、彼らは点としても見ることができなくなった。適当な場所に降り立ち、身を潜める。
…今回はかなり迂闊だった。フリーナ殿が神の心を持っていないことを確認できた時点で、別の日に彼を呼び出し、そこで行動に出ればよかったものを。私としたことが、こんな初歩的なミスを…これでは公子を笑えないではないか。
だが、収穫らしいものは見つかった。彼の体内から引き抜いた釘のようなものを取り出し、それが放つ気配をじっくりと確かめる。…やはり、道化が執行官に伝えた、神の心が放つ
暫く時間が経ち、私は物陰からこっそりと出て、壁炉の家に戻ることにした。計画や水神への疑問、この国の行末を憂う私の頭の片隅には、一つのことがずっと引っかかったままであった。
「………指輪、捨てられないといいのだがな」
ーーーーー
「…逃げられた」
ざあっと全能感が引いていき、触腕も背中にずるずると戻ってくる。そして、それらと入れ替わるかのように、悪寒と冷や汗がどっと溢れてくる。これは…さっきの力の反動であろうか。あの力も触腕によるものなのか…謎であるが、まあ使えるものはなんでも使おう。今度、これも練習すべきやもしれない。
さて、とひと段落したところで、視界の端にぴょんと跳ねた銀髪が映る。フリーナ様は巻き込まれないように植え込みに隠れられたようだ。
「フリーナ様、安心してください、もうアイツは遠くに行きましたよ」
優しく言葉をかけると、がさ、と植え込みから頭を出すフリーナ様。小動物のような仕草で可愛らしい…と能天気な感想を思い浮かべたのも束の間、彼女がとても暗い表情をしていることに気がつく。…それもそうか、いきなり
「大丈夫ですフリーナ様。また来ても僕が守ります…それに、アイツが襲ってきたことをネタにファデュイもゆすれるかもしれません!」
フリーナ様の手を取り、植え込みから連れ出す。この度、僕らは大きなアドバンテージを得た。ファデュイに国のトップが襲われたというネタを使えば、いくらでもファデュイをゆすれるだろう。これを使って不可侵条約でも結ばせて、北国銀行を完全に撤退させるのもありなのかも…。
そんなことを考えていると、フリーナ様は僕の身体をひしと抱きしめ、胸ぐらに顔を埋めた。余程怖かったのだろうか、背中をさすって安心させようとすると、彼女が胸の中で、くぐもった声でこう言った。
「…このことは…
驚きのあまり、彼女の肩を掴んでぐん、と顔を見合わせるような体制にしてしまう。本当ならば許されない行為だが、僕の頭には驚愕と困惑しかなく、そこまでの配慮は行き届かなかった。
「ど、どうしてですか?あんなに危険な目にあったんですよ?僕のせいで…僕のせいで暴行だってされてしまったじゃないですか!あいつをかばう意味がわかりません!」
そうだ。あいつは、ペルヴェーレは許されないことをした。だからその罪を裁き、然るべき措置をするべきであるのに。フリーナ様は首を横に振り、とても悲しそうな、不安そうな顔で小さく言葉を漏らす。
「…君は、知らなくていい。今回のことは誰にも言うな」
「知らなくていいわけがないでしょう!いつまた襲ってくるかもわからないんですよ?…そんなの嫌です。貴方が傷つくのは、絶対に嫌だ」
「…………これは命令だオクタヴィア。このことは、ふたりだけの秘密だ」
彼女は僕の手を握り、優しくも不安げな声色でそう言った。そしてそのまま、パレ・メルモニアへと歩き出す。僕にできることといえば、彼女の後を忸怩たる思いに苛まれながらついて行くことだけだった。
彼女は、肝心な時に僕を頼ってくれない。
ーーーーー
…肌に感じる不快感に目を覚ます。上体を起こすと、寝巻きのシャツは寝汗でべったりと濡れていた。どうりで、とひとりごちた後、部屋の壁にかけてある時計を確認した。…いつもより少し早いが、まあいいだろう。身支度をするために洗面所へと向かう。
窓の外はちょうど朝日が登ってくる頃で、明るい太陽が一日の始まりを告げている。それをしばらくぼうっと眺めた後、蛇口を捻って顔を洗う。
目脂を眠気ごと洗い落とし、タオルで顔を拭う。そして身だしなみを確認するため、洗面台の鏡と向き合って…ある違和感に気がついた。
洗面台の鏡に映る僕は、背中から触腕を生やしていた。いつのまに、と背中に手をやると…そこに触腕はない。
ぎょっとして慌ててまた鏡を見れば、鏡の中の僕の一文字に閉じられた口角がゆるむ。自分の口元を触るが、特に変化はない。笑ってなど、いない。
「…よう、我が協力者。また会えて嬉しいぜ」
【To Be Continued…】
オクタヴィア:彼の進化は留まることを知らない。割り切り・切り替えが異常なほどに早い。
アルレッキーノ:逸りすぎたせいで好感度下がっちゃったね、あーあ。
フリーナ:オクタヴィアのことが怖くなってきている。
謎の釘:旅人に見せれば、かの霊峰や地の底にあったものと似ている、と感想がもらえるだろう。
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もしよろしければ感想・評価よろしくおねがいします。
水の都のクラーケンif〜夜の深境螺旋〜 見たい?
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稚拙でもいいから見たいでござる。
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稚拙なら書かなくてもいいぞ。
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エッチなのはダメ!岩喰いの刑!!!