人になりたかった魔族 作:フリーレンにハマった人
アンケートありがとうございます
この次はフリーレンとシュネーの話を書くか、この続きを書くか悩んでいるのでしばしお待ちください
バルク峡谷の城塞都市ヴァールにて、関所を越える方法を模索していたシュタルクとフェルン。
そんな時、一人の通行人とシュタルクの肩がぶつかる。
ボロボロのローブを見に纏い、目深にフードを被った人物だった。
「おっと……君達、何か探し物かい?先ほどから街中を駆け回っているようだけど」
その人物は男とも女とも取れない中性的な声で二人に話しかける。
その問いにフェルンが答えた。
「私達はこの都市の関所を越える方法を探しているんです。ここで二年以上も待つなんて……」
その人物はフェルンの言葉に同意するように無言で何度か頷くと、その手を取る。
「それなら、ボクにも手伝わせてくれないかな?ボクも北側諸国に野暮用でね。ここで立ち往生するしかなくて困っていたんだ。」
そう言ったローブの人物はシュタルクとフェルンが様々な場所に足を運び、関所を超えることができないものかという交渉を手伝った。
そうして地平線から顔を覗かせたばかりだった太陽が真上に登った頃、関所を越えようと奮闘した三人は疲れた様子で街道を歩いていた。
「……ダメだったね。力及ばず、すまない」
と、謝罪の意を示すローブの人物にフェルンは
「謝らないでください。商人との交渉の時には私財の九割まで出そうとしてくださったんですから。あんなものを持っていたのは驚きましたけど」
商人との交渉の際、ローブの人物が差し出そうとしたのは色とりどりの宝石でできた薔薇細工だった。あからさまに高価であるそれを関所を越えさせてくれるならと取引の場に出したが、商人は首を縦には降らなかった。
そうして少し話をしながら街道を歩いていると、フェルンが物陰に立っているフリーレンを見つける。
「フリーレン様、こんな所で何をやっているんですか?」
と問い掛ければ、フリーレンは
「静かにして。追われてるんだよ。」
と返す。
そして、その白銀の髪と長い耳を見たローブの人物は息を呑むような仕草をした後に軽い咳払いをして
「……では、ボクはここからは一人で関所を越える手段を探すよ。二人とも、元気でね。」
そう言ったあと、シュタルクの肩に手を乗せると
「特に、君は戦士だろう?命を大切にするんだよ。どんなに立派な戦士だって……死んでしまったら、願いも約束も、果たせないんだからね。」
そう言うと踵を返して人混みの中へと消えていった。
二人が人混みへ消えたローブの人物から視点を戻してフリーレンの方へと視点を戻すと、フリーレンは信じられないようなものを見る目で人混みを見つめていた。
「二人とも、アレは知り合い?」
二人は首を横に振る。そしてシュタルクが
「あの人はついさっき会ってさ、あの人も関所を越えたい理由があるってことで一緒に手段がないか探してたんだ。」
すると、フリーレンは呆れたようなため息を一つ吐いて
「そう、ならいい。気にしないで……それと、あいつはたぶん信用していいとは思うけど、気を許さないようにね。」
シュタルクがどういうことか聞こうとしたその時、街道でフリーレンを探していた一人の騎士が物陰にいたフリーレンに気がついた。
騎士はその場でフリーレンの下に跪くと
「申し訳ありませんでした!フリーレン様!どうかお許しください!」
「待って…すごく嫌な予感がする…」
フリーレンの予感の通り、元勇者パーティの一人であるフリーレンの旅の目的はそれらしい崇高なものであると勘違いされ、フリーレンと旅の仲間であるシュタルク、フェルンは町を挙げて盛大に送り出された。
関所を出てしばらく、最初の街へと続く街道でフェルンはフリーレンに先程のローブの人物に対する言葉の真意を聞いた。
「あれは魔族だよ。」
その返答にフェルンとシュタルクは驚く。
しかしフリーレンはそのまま話を続ける。
「あの魔族は少しおかしくてね。人の集落で人と共に生きて、その集落が滅んだときに涙を流していたんだ。だから、ヒンメルは殺さずに様子を見ることにした。それで結局、人の感情を持っている魔族って結論になったから見逃したんだ。」
フリーレンは過去を懐かしむように目を細める。
そして、二人にその魔族の名を告げる
「たしか、名前は……シュネー。凄まじい魔法を持ちながら誰も殺さなかった無名の魔族だよ。」
フリーレンは彼女をそう評した。
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励みになっております。
少しリアルが忙しいので前回、前々回や今回のような頻度でなくなる可能性があります(できる限り早くしますが)
ということで、のんびり見ていただけるとありがたいです。
アンケートの結果的に主人公の魔法は少しチート気味にしようかと思います。
今回も読了ありがとうございました