人になりたかった魔族 作:フリーレンにハマった人
時系列は自分で調べて齟齬がないように調整をしたはずなのですが、矛盾が起こっていたらすいません。
勇者ヒンメルの死から五年。
旅を続けるフリーレンの隣にはローブを纏った女が居た。
「どこまでついてくるの?シュネー。」
フリーレンは咎めるような目でシュネーを見るが、本人は悪びれることもせず語る。
「ボクは人を知りたいんだ。人を知って人になりたい。だから様々な人間と関わることになりそうな君の旅についていきたいんだ。ダメかな?フリーレン。」
フリーレンは呆れたようなため息をひとつ吐いて
「わかった。でも、変なことしたら消し飛ばすからね」
と返答をした。
そうして始まった二人旅は、二人揃って昼まで寝ていたり、ミミックに挟まったフリーレンをシュネーが引き抜いたりと穏やかに続いていった。その途中、とある寂れた街道で二人は山賊に出会った。シュネーはすぐさま杖を取り出そうとしたフリーレンを制するとたった一言、呟く。
『
彼女のローブの内側から棘が生え並んだ薔薇のつるが山賊に向けて伸びる。山賊の男たちは突然のことに逃げようとするが、薔薇のつるに足を取られる者、薔薇のつるに巻きつかれた者などが多く、無事に逃げおおせた者は一人としていなかった。
シュネーは捕らえた男たちを近くの街に引き渡すと、何事もなかったかのように旅を続けようと言う。
発動までの速度やその練度から先ほどの魔法がシュネーが魔族として磨いてきた魔法だと考えたフリーレンは
「さっきのが、シュネーの魔族として磨いた魔法?」
とシュネーに聞く。
彼女は一言も返さず、静かに頷く。
鋭く研ぎ澄まされた魔法は反面、彼女が魔族である証である。
だからこそ共に旅をするフリーレンにだけは見せたのだ。
一方でフリーレンは
「詳しく教えてよ、その魔法。」
と、何一つ気にしていない様子でシュネーにその魔法の詳細を聞く。その態度は彼女が魔族の中でも特異なものであることを認め、信じたように見えて、シュネーは一瞬だけ嬉しそうな表情をする。
そしてシュネーはもう一度
『
「これはボクの身体を宿主として薔薇を発生させる魔法だよ。だけど重要なのはそこじゃない。この魔法の真髄は……」
そう言った途端、シュネーのローブの内側から伸びていた何本かの薔薇のつるがパキパキと音を立てて結晶を纏ったり、棘が異様なほどに伸びたりとそれぞれ変化し始める。
「この薔薇に限ってはその性質をボクの意のままにできるという点だ。」
説明を終えた途端、彼女の意思に応じてローブの内側から伸びていた薔薇のつるの全てが枯れて消え失せた。
フリーレンはその解説と魔法自体を見たことでその成り立ちを理解したのか、同じように魔法を発動させるが、フリーレンができたのは指先から薔薇を一輪だけだった。するとシュネーは少し自慢げに
「この魔法にかけた時間が違うからね。」
と胸を張る。
フリーレンはその言葉に少し納得しつつも腹立たしげに
「初めてお前の魔族らしい驕りをみたよ。」
と頬を膨らませた。
そんなフリーレンにシュネーは何度か謝りつつ、その機嫌を直そうとしたのか、『
「これで許しておくれよ。飾りにもなるし、思い出にも……最悪の場合は路銀にもなるからさ」
フリーレンは不服そうではあったがひとまず機嫌を直して歩き出す。
そんな二人の旅は、シュネーが集落の弔いへ北側諸国に向かうまでの三年間続いた。
あの時の結晶の薔薇は今も、フリーレンのトランクの片隅で輝きを放っている。
前回はフリーレンの視点で終わったので、そのままフリーレンとシュネーの関係とシュネーの魔法についてをどちらも書いてみました。十年ですら短いフリーレンにとって、三年間ともに旅した結果のシュネーへの印象は(警戒しすぎる必要はないけど、無警戒は良くないよね)という感じです。
シュネーの魔法は単純な威力はそこまでですが手数と拡張性が凄まじいので使いこなせれば強い、そしてシュネーは使いこなしている。という感じです。