四楓院夜一に転生したけど、生まれた世界が違うんじゃが⁉︎ 作:のうち
ナルトを引き取って既に十二、三年の年月が流れた。其の数年の間に砕蜂は忍者アカデミーを飛び級して火影の直属の暗部にスカウトされ、儂が任務から帰る度に、ナルトが悪戯をしたとかで、儂がアカデミーに呼ばれたりした訳じゃ。儂の居らん内にナルトに暴力を振るった奴等を捕らえてヒルゼン殿の下に連行する時に、一度ナルトが殴られたり、石を投げ付けられている現場に遭遇したので、其の場に居った奴等に咄嗟に殺気をぶつけて気絶させた事が有ったのじゃ。其の後は儂の前ではする事は無くなったのじゃが、今度は儂の居らん時に其れ等を行う様になって逆効果じゃった。
「扨、今日は一体どんな悪さをしたのやら……」
と門の所で貰った、アカデミーに寄って欲しいと書かれた書状とアカデミーに入る為の許可証等を貰い、儂はアカデミーの方へと足を進めるのじゃった。歩を進める内に思う。ナルトの奴め、日に日にクシナに似て来るのう。ナルトが騒動を起こす度にアカデミーに呼び出されるとは。丸で彼の頃の様じゃ。在りし日のクシナの姿が儂の心に浮かんだのじゃった。
アカデミーへの道の半ばに差し掛かった時、火影の顔岩の所に二人の人影が見えたのじゃ。おっ、彼れはナルトと担任のうみのイルカじゃの。ナルトは顔岩の掃除をしておる。成る程、悪戯の罰じゃな。
「おっ、彼処か。」儂は飛雷神の札を余った苦無の柄に巻き、火影岩の上辺りに向かって遠投し、見事にイルカの直ぐ傍に苦無が刺さったので、術を発動して儂も其処に移動したのじゃ。
「よう、ナルト。又何ぞ悪さをしよってからに。」
「あっ!夜ばあちゃん!!」
「夜一様、今お帰りですか?」
「うむ、門の所でアカデミーの三者面談のプリントを貰ったからの。今迄仕事で其れが出来んかったからな。ナルトも明日が卒業試験じゃし、今日、三者面談を遣らねばならぬ。其れで校舎に向かっとったら御主達が見えたので、斯うして来た訳じゃ。」
「成る程、そうでしたか。相変わらず飛雷神の術は便利ですね?」
「まあの。家のジジイが仲の良かった二代目殿に教えて貰ってたからの。親父や儂には其の適正が有ったし、一応は四楓院家の血継限界みたいなもんじゃ。まあ、正確には古くから在る忍者の名家の一族に伝えられる忍術と云う訳では無いがの。」
「血継限界?」
「ハァー……イルカ。」
「いやあ、済いません。コラ、ナルト?授業で遣っただろう。」
「まあ、ナルトの掃除も終わった様じゃし、面談が終わった後に飯でも食いに行く道すがら、明日の座学試験に向けての復習と行こうかの。どうせ、イルカの事じゃ。儂の居ない時はナルトにちょくちょくラーメンを奢っとるんじゃろう?偶には別の物を食わせて遣って欲しいがの。」
「ハハハッ、俺の安月給では中々……」
ふむ、仕方が無い。明日の卒業試験に合格したのなら美味い所に連れてって遣るかの。
三者面談等を終えた後に儂の奢りで一楽のラーメンを儂とナルトとイルカの三人で食べ、食事が終わってイルカと別れた後、家で儂はナルトと明日の試験に就いて話したのじゃ。
「然う云えば、卒業試験は分身の術じゃったの。如何なんじゃ?自信は有るのか?」
「いんやぁ……変化の術なら得意なんだけど……さ。」
まあ、此奴のチャクラ量なら少ないチャクラで分身を作るよりは等分で分身を作る影分身の方が向いとるのじゃろうが、此処で儂が其れを教えてはナルトの為にならんかもな。
「儂が練習を見て遣ろうか?」
「いや、もう少し一人で頑張ってみるってばよ。」
「然うか。其れじゃあ、取り敢えず今日は風呂に入って寝るとするか。如何じゃ、ナルト。久々に一緒に入るか?」
「い、いや、俺ってば流石に一人で入るってばよ。」
「んっ、然うか?何じゃ、最近釣れないの。」
砕蜂は暗部の任務で日々忙しくて帰って来ないし、ナルトもナルトで思春期に入ったのか、風呂とか買い物も一緒にして呉れなくなったし、段々と寂しくなって来たな……
ああ、此れはアレじゃ、クシナが忍者に成ってミナトの奴と同棲するとか言って出て行った時と似ておるかも……
はぁァァァァ……子供の成長ってのは見てて楽しいが、寂しさも一入じゃのう……
まあ、取り敢えずは此奴の合格を祈って、今日は深酒を煽って寝るとするかの。
何か忘れとる様な気もするが、まあ、忘れるくらいじゃし、如何でも良い事じゃろ……と儂は其の日の夜、居酒屋を梯子に梯子を重ねて、さっきも来た一楽で又ラーメンを食って家に帰り、素っ裸で寝てしまったのじゃ。酒も入っていたし、ナルトにクシナの面影を見て、気分も良かったからの。気持ち良く眠れたのじゃった。
「夜一様……夜一様、夜一様……」
「んぁァァァァ、頭が痛い。何じゃ、砕蜂か。如何した?」
「はい。火影様より中忍、特別上忍、上忍に招集命令が掛かっています。」
「招集命令?何事じゃ?」
「其れが……ナルトが封印の書を持ち出したらしいのです。」
「何じゃと!?いたたたっ。」
と叫び過ぎた。頭痛が酷いのう。
「分かった。儂も何とか心当たりを探ってみる事にしよう。」
と儂は猫に化ける。
「猫分身」の猫の身体は消費が少ない分、分身を作るのも結構楽じゃから、可成りの数を街の監視に向けられるからのう。
「扨、行くかの。」
砕蜂に儂はヒルゼン殿の召集命令には従わずに此の儘、ナルトの捜索に入るとヒルゼン殿に伝えて欲しいと言って砕蜂と別れた。其れから取り敢えず本体の儂はナルトが一人で良く使っている修練場に遣って来た。
おっ、居った。早速当たりか。あっ、イルカが来おったな。ナルトの奴、可成り怒られておるのう。
んっ?もう一人来おった。彼奴は確か中忍でアカデミーの教師の一人じゃった、名前は確か……ああ、頭が痛くて思い出せないのじゃ……
其して、後から現れた男(確かミズキ?)がイルカとナルトとの問答の末にナルトに襲い掛かり、イルカがナルトを庇って負傷した所で良い加減出て行こうと思っとった時、ミズキに何かを言われたのかナルトが勢い良く逃げ出しおった。おっ、ミズキがナルトを追い掛けて行きおったの。
「全く。イルカ、大丈夫か?」
「……夜一様。」
「済まんな、来るのが遅れた。後は儂に任せよ。御主は休んでおれ。」
「いえ、夜一様、俺も行きます。ナルトは俺の生徒ですから。」
「無理はするなよ?」
イルカと一緒にナルトを追い掛けておると、行き成りナルトのチャクラが千近くに増えたのを感じたのじゃ。
「まさか!?フフフッ、ナルトの奴、遣りおったな。」儂は其の時少し笑ってしまった。
其れからミズキはナルトにボコボコにされた。イルカはナルトに卒業祝いで額当てをプレゼントし、ナルトは無事にアカデミーを卒業と相成った訳じゃ。
扨、何処に連れて行ったものやらと考え乍ら、儂は変化を解くのじゃった。
「なぁぁぁ!夜一様、服、服を着て下さい!!」
「んっ?ああ、忘れておった。まあ、減るもんでも無いし、思う存分見ても良いぞ?」
と儂が言うとイルカは鼻血を出してぶっ倒れおった。
其して一部始終を火影屋敷で水晶玉を用いた遠眼鏡の術で見ておったヒルゼン殿も又、鼻血を出して、出血多量で木ノ葉病院に緊急搬送されたのじゃった。
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夜一の雷遁以外のチャクラ性質
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三代目と同じオールラウンダー
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