四楓院夜一に転生したけど、生まれた世界が違うんじゃが⁉︎ 作:のうち
先日、綱手に金をせびられた日の翌日の事じゃった。
儂は綱手を縄でふん縛って引き摺り乍ら、綱手のペットであり忍豚でもあるトントンを抱き、荷物を背負っているシズネと共に宿屋を出た。因みに縄抜けの術が出来ぬ様に念入りに、徹底的に綱手を縛って遣ったので逃げ出される心配は無いじゃろう。其れと綱手の借金は取り敢えずは儂が全額立て替えて払っておいたのじゃ。
此れで綱手は儂個人に莫大な借金が出来た訳じゃな。
此の瞬間を待っておったぞ。此れで暫くは綱手を里に繋ぎ止めておけるじゃろう。
自来也も探そうかとも思ったが、取り敢えずは綱手が見つかっただけでも恩の字じゃ。斯うして儂は綱手とシズネを火の国へ連れ帰る事に成功したのじゃった。
「済まんの、シズネ。荷物持ちを任せてしまって。」
「いえいえ、夜一様には私では持てない大荷物を持って頂いていますので。」
「シズネ、覚えていろよ?」
「黙っとれ、債務者!」と儂は縄で縛られて碌に動けない綱手を気絶させたのじゃ。
「相変わらず凄いですね。夜一様くらいですよ?綱手様を気絶させられるのって。」
「いやぁ〜、昔はソコソコ居ったんじゃがな。二代目殿や桃華殿とか、昔のヒルゼン殿とビワコ殿とか。初代殿とミト殿とか、其の御二人の子供である綱手の御両親とか。」
「…………」
シズネが少し遠い目をしていた。
「まあ、今となっては、最早儂だけじゃがな……」
其して儂は気絶した綱手を荷物の様に肩に担いで運び乍らシズネやトントンと共に木ノ葉の里へと帰って来たのじゃった。
ナルト達も波の国から帰国しておった。
「夜ばあちゃん!」
「おお、ナルト。御主達も帰っとったか。ほう、随分と男の顔をする様になったではないか。」
「エヘヘッ、俺さ、俺さ。今回の任務でいっちばん活躍したんだぜ?」
「ほう。然うか、然うか。ナルトよ、腹も減った事じゃし、飯でも食いに行くか?」
「ほんとか?じゃあさ、じゃあさ。俺ってば一楽のラーメンが良いってばよ。」
「相変わらず好きじゃの。良し、カカシよ。御主達の分も出して遣るぞ?」
「宜しいのですか?」
「此れでも高給取りじゃ。其れくらいの甲斐性は有る心算じゃ。出来ん事と云えば結婚くらいじゃな。」
と云う事で縄で縛られて儂に担がれておる気絶している綱手を珍妙な者を見る目で見詰めておったナルト達に綱手達を紹介(既に面識が有るカカシは除く。)した後、儂等はラーメン屋で飯を食った後に解散。因みに飯の匂いで目を覚ました、縛られておる綱手にはシズネが甲斐甲斐しくラーメンやチャーハン等を食べさせておった。最もシズネの本体もトントンに餌を与えてからラーメンを食べておったので綱手に食べさせておったのはシズネの影分身の方じゃがな。其れと綱手達の食事代もナルト達と同じく儂が出して遣ったのじゃ。さて、ナルトに例の事を話す約束の件とヒルゼン殿に任務の報告と綱手を捕まえた事に関する件を決めて貰うとするかの。カカシ達と別れた儂は綱手を担ぎ、ナルトとシズネ、トントンを連れて火影屋敷に向かったのじゃ。
「ええい、放せ!放さんか、夜一姉さん!!」
「何じゃ?御主の借金を立て替えて遣ったんじゃ。御主はソレを返し終える迄は里からは出られんぞ?」
「な、なな……」
「まあ、御主の沙汰はヒルゼン殿が決めて呉れるじゃろ。」
「分かった。此処まで来たら、もう逆らう気も起きん。だから放せ。」
「ハァー……御主……。まあ良いじゃろ。」
と儂は綱手の拘束を解き、火影屋敷の客間に一応儂の影分身を監視に付けた上でシズネやトントンと共に待機させた後、ナルトと一緒に火影室に向かったのじゃ。
「夜一よ、帰って来たか。ナルトを連れて来たと云う事は彼の事を話すのじゃな?」
「ああ、幼い内から儂が保護していなければ、ナルトは里の者達に殺される所迄行っても可笑しく無かったと思っとる。現に彼奴等、儂に見付かった後も隠れてナルトを迫害しようとしていたのを何度も止めたしの。」
「うむ、其れではナルト。少し長い話になるが御主に関する事で儂の話せる事は全て話すとしよう。」
其れからヒルゼン殿はナルトに全てを話した。十年以上前に木ノ葉隠れの里を襲った九尾の狐の事を。其の九尾をナルトの両親である四代目火影の波風ミナトと二代目の九尾の人柱力であるうずまきクシナが命を賭けてナルトの身体に封印した事。ミナトやクシナはナルトを九尾から里を護った英雄として皆に見て欲しかったが、里の者達は然うは思わず、里を破壊し、家族を奪った化け狐として見る様になってしまった事。三代目火影である猿飛ヒルゼンが新たに作った九尾の事や其れに関する事をナルトに教える事を禁じると云う掟の事。ナルトが或る程度大きくなったら一人暮らしをさせる予定であった事。
クシナの保護者であった儂が其れ等に反対し、強引に引き取った事。本来で彼ればずっと話す心算の無かった事をナルトが忍者に成ったら教えると云う約束でヒルゼン殿の作った掟を儂が受け入れた事等、此れ迄の事を全て話したのじゃ。
「如何じゃ、ナルト?此れが今迄、儂等が御主に隠して来た事じゃ。御主が如何しても里の皆を許せぬと言うなら、儂の命だけで如何にか怒りを抑えては貰えぬか?儂が御主を傷付けぬ為に行った事が却って御主を心身共に傷付けてしまった……」
「……別に要らねえってばよ、じいちゃん。」
「ナルト……」
「確かに辛い思いはしたけどよ。でもじいちゃんがソレをしてくれた御陰で俺ってば夜ばあちゃんに会えたし、家に誰かが居る有り難みを知る事が出来た。ちゃんと俺を俺として見てくれる、俺を通して九尾を見たりしない、何て言ったら良いか分かんねえけどよ。ばあちゃんに育てて貰って俺は最高に幸せだってばよ。」
其の言葉に儂はナルトを自然と抱きしめておった。
ナルトに嬉し涙を見られるのが恥ずかしかったのも有るかもしれぬが、唯此れだけは言える。
儂はナルトを愛しておると。
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