今度こそは最後まで書いていこうと思います。
「今日から春休みになる。課題は出さないがお前たちは、来年度受験生だということを忘れないように!
それじゃあ、元気に過ごせよ!」
「「「はーい!」」」
担任からありがたい言葉を聞き、クラスメイト達が適当に返事をする。テンション上がっている人もいるけど、すごくだるそうにしている人もいる。
「お前ら何時くらいからやる?」
「帰ってすぐかな?」
「マジで?俺は飯食ってからにするわ」
「おれもー」
帰ってからの約束もしているやつらもいる。まあ、いつものクラスの雰囲気だな。
「令人、一緒に帰ろうぜ!」
「いや、今日はちょっと親に買い物頼まれててさ。すまんな」
話しかけてきたのは、俺の友達の俊哉(としや)だ。学力は、お世辞にもいいとは言えないがこいつにはいつも助けられてる。なぜならーーーー
「マジかよー、せっかく一緒に帰ってやろうと思ったのにさー」
「こらっ、俊哉。令人には用があるんだから諦めなさい」
ーーーーまあその話は、しなくてもいいか。んで、話しかけてきたこいつは、徹(とおる)だ。女だと思った?ねえねえ女だと思った?残念、オ・ネ・エでした。
「分かっててわざと言ってるんだよー」
「そう?ならいいけど・・・」
「全く、徹は令人の彼女みたいだなぁー」
それは、冗談でも言わないでほしい・・・。徹もまんざらでもないような顔してるし・・・。
「んじゃ、俺買い物頼まれてるんで。じゃあな!」
これ以上、この話を広げられても困るので逃げるように教室から出た。
教室を出るときに、「事故に気を付けろよ!」と先生が忘れてたのを思い出したように言っていたのが、なぜか耳に残っていた。
☆
気が付いたら、俺は母さんの上にいた。いや、比喩表現とかじゃなくて本当に。というか、浮いてるのかこれ?
下を見ると母さんだけでなく妹の来夢(らいむ)や親父、兄までいた。
みんなが顔を白い布上のもので隠している誰かを囲んで悔しそうな、悲しそうな、そんな顔をしていた。
(誰を囲んでいるんだ?)
俺はそれがとても気になった。みれば見覚えがある恰好をしていた。幼馴染の俊哉でも徹でもない、でもよくみる格好だった。
(だ、誰だ?)
分かりそうなのにわからない。そのとき、後ろから
「それは、あなたよ」
すごい綺麗な声で話しかけてきた人がいた。驚いた俺はすぐさま後ろを向いた。
「・・・・え?」
声に合った姿をしている金髪の美しい女性だった。
背中には羽を付けていて、頭の上には輪っかが浮いていた。そう、それはまるで、というか!
「天使様じゃないですか!?」
「なんで様を付けるのかがわからないけど・・・よく分かったわね。そうよ、天使よ」
なんで「様」を付けるのかだって!?それは神の次にえらいと言われてるお方じゃないですか!?
「下界では、そういう風になってるのかしら?実際は、そんなに偉くないわ。毎日雑用ばっかで、特にあの上司は・・・どうでもいいような雑用ばっか私に押し付けてくるわ・・・ブツブツ」
心の中で思っていたことがさらっと読まれて、愚痴がぐちぐちとーーーー
「ちょっとここで話しにくいことを話すから上に移動するわよ。あとそれ、まったく面白くないわよ」
壁を貫通するって不思議な感覚だな。建物を通りぬけてから男としてはやらねばならないことをし忘れたことに多少がっかりはしたが、それよりももっとグサリとくる言葉を天使様から頂いた。
「ストレートに言わないでください・・・。それで天使様は何しに俺のところに?もしかして俺の未練を無くしてから閻魔様のところに飛ばす気ですか!?それなら、俺と当たり障りのないことをぜひ!一生のお願いです!」
俺は今まで、一生のお願いを使うことがなかった。いつ使うの?今でーーーー
「それ、古いわよ。・・・・・・それと私は男『じゃよ』」
・・・男?・・・じゃよ?・・・あっ。この人(?)もしかして、勘違いしてるな?
俺は立ち上がって間違いを指摘してあげることにした。
「ロリババアは、需要ありますが、女性が『じゃよ』とか使ってもただのおばあさんになってしまうと思うのですが?」
天使様は一瞬固まった。そして・・・・・・高らかに笑い出した。
「な、何がおかしいんです!?」
俺は真っ赤になって聞いた。俺は間違ったこと言ってないんだぞ!?
「すまぬ、すまぬ。こんな恰好してるから間違えられるんだったな」
そういって羽で風をおこした。
「っ!」
いきなりの風に目をつむり腕で顔を隠す。風はすぐにやんだため、手をおろし、前を向いた。そして俺は唖然とした。なぜなら、
「すまなかったな。こっちが本当の姿じゃ」
さっきまで今まで見たことのないような、美しい天使様がいたのに、今ではただの普通のおじいさんになっていたからだ。
「これで、意味が分かったじゃろ?わしは男じゃと」
「ああ・・・分かったよ。でもなんで天使の姿になっていたんだ?」
最初から、その恰好で出てくればいいのに、と言う言葉を付け足して。
元天使様のおじいさんは、やっぱりその質問かというような顔をして言った。
「さっきの恰好で出てきたほうが、うれしいじゃろ?女だった場合は、その奴の好みの姿で出ておるぞ?・・・まあ例外のやつもおるがの・・・」
例外か・・・。まあ聞かないほうがいいような、そんな気がする。
「そうじゃ・・・聞かないほうがいい・・・。んでワシがお前さんのところに出た理由は至って簡単。それは」
「その前にあんたは誰なんだ?」
一応聞いたほうがいい、そんな気がした。
おじいさんはおお、そうじゃったそうじゃった、と言い名前を言った。いや名前というより自分がどんな身分かを言ったと言えばいいのかな。
「わしは、全知全能の神みたいなもんじゃな。ホレ、お前がつい先日見てたアニメのピンクの少女みたいな感じじゃな」
ほう、まど〇ギのあの人か。なるほど分かりやすい。
「で、お前さんは今どんな状態かわかるか?」
ちょっと悲しそうな目でそう言ってきた。わかるも何もさっきあんたが教えてくれたようなもんだろ・・・。
「死んだんだろ」
俺は、さらりと言った。
おじいさん、いや神さんは少し驚いていた。
「普通の人なら少なからずは動揺するんじゃがな。お主も珍しい人じゃの」
「も」ってことは俺以外にもいるわけなんだな。だったらそこまで驚くことはないのに。
「さっき死んだ奴も動じずに言ったからの。で、本来死んだ場合さっきお主が言ったようにここで未練をなくして閻魔のところへ行ってもらうんじゃが、ここのところいろんなところで人が亡くなってしまって、現世と天国と地獄の魂の比率が合わなくなってしまってるんじゃ。少子高齢化のおかげでつい最近までは釣り合っておったんだがの・・・」
へー、そんな比率があるのか。どこの世界でも仕事しなきゃならないのか・・・。
「んで、KKGでついさっき決まったことがあっての。ああ、KKGっていうのは「神が協議する議会」でKKGじゃ。亡くなった人で未練を現世無くせる人は現世に転生してやってこいという法案みたいなものが決まったんじゃ」
ってか神は一人じゃないのか・・・。付喪神とかもKKGに入ってるのかな?
「ほうほう、なるほど。つまり俺が第一号の実験体になるのか?」
「いや、ついさっき転生させた人がいたから第二号じゃ」
「へー、んで俺はどこに転生させられるの?勇者になる感じの転生?それともどっかの小説の中に転生するのか!?それともそれともエルフとかがいる世界なのか!?」
それならすっごくいいじゃないか!今の世界じゃないところに飛ばされてチート能力みたいのもらって主人公っぽく暮らせるとかめっちゃ楽しいじゃないか!
「落ち着け落ち着け、さっき言ったろ。転生先は現世、お前が元いた世界じゃ。チート能力も付けないし、ハーレムにもならんぞ」
「え?」
この神は今なんて言った?
「転生しても今まで言っていた学校に通ってもらうぞ。じゃが、暮らしていく場所は変わるがの。施設で暮らしていたが子供がいない夫婦に引き取られたって感じにしとくからの」
「ちょっと待て!なんで元いた世界なんだよ!勇者とかになってチート能力使って、お姫様救って、そのまま結婚して、幸せな暮らしを歩んでいくとかそういうのはダメなのかよ!」
転生ってそういうものだろ!?
神はあきれたような顔で俺をみて言った。
「お主は何にもわかっておらんの・・・」
「な、何がだよ!」
「勇者になってチート能力使ってーーーーなんて話、もうさんざん出尽くしたよ。読者は見向きもせんじゃろ。どっかの小説にーーーーってそれはただの二次小説じゃ。最後のエルフが出てくるーーーーなんてエルフのこと知り尽くしてから書かないと読者に『にわにわしてるぞ』なんて言われかねん」
「読者って誰だよ!さんざん出尽くしたってなんだよ!『にわにわ』とかなんだよ!お前の言ってること意味わからないぞ!」
神の専門用語かよ!たしかに俺のいた世界でも専門用語とか全く意味わからなかったし!
「(あ、そっか。きゃつらはこれが小説ということを知らんのか)・・・・・・まあ、もう決まったことだおとなしく現世へ行け」
そう言って、知らない間に手に持ってい杖を振りかざした。途端に目の前が真っ白になっていった。
ーーお前がまだ知らないこともあるのじゃーー
最後に神がこう言っていたようなきがする。
誤字、脱字があるかも知れませんのでありましたら報告願います。