黄昏の姫と緑の勇者   作:nocomimi

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魔王の顔

城壁の上の通路を蜥蜴男どもがリンクの前方、そして後方をぎっしりと埋め尽くしていた。

 

見張り塔のほうを見ると、頂点近くと中央辺りにある歩哨窓からブルブリン弓兵たちがリンクに狙いを定めている。

 

だが弓兵どもは狙いをこちらにつけながらも、ニヤニヤと笑っている。リンクを窮地に陥れたのを楽しんでいるようだ。

 

前方後方に立ち並ぶ蜥蜴男たちが半月刀を構え、じりじりと距離を詰めてくる。リンクは考えた。大回転斬りで最初の五匹くらいは一撃で倒せる。だがこの技はそう連続して出せるものではない。そうなると目の前の敵と戦っているうちに背後から攻撃され負傷するのは避けられないだろう。それにブルブリンどもも、仲間に当たることを気にして撃ってこないような連中ではない。委細構わず矢の雨を降らせてくるに違いない。

 

「リンク、こうなったら仕方ない。格好良く戦って討ち死にしようなんて絶対に思うなよ」

 

ミドナが背後で言った。

 

「私の魔法で近距離ならそのままでもワープできる。今すぐ死ぬより二度目のチャンスに賭けるほうが賢明だ」

 

悔しさに歯を食い縛るとリンクは周囲を見回した。自分の迂闊さのせいで突入が失敗したとなったら、おそらくラフレルたちにとっても今後の作戦がますます困難になるだろう。

 

「リンク、決断しろ。ここは一旦‥‥」

 

ミドナがそう言ったその瞬間、鷹の鳴く声がした。上空を見上げると、鷹が城壁の上を通り過ぎ何かを落としていった。

 

途端にリンクの前方にいた蜥蜴男どものただ中で爆発が起こった。六人ほどの魔物が悲鳴を上げて吹き飛ぶ。それと同時に見張り塔の二つの歩哨窓に立って弓を構えていたブルブリンたちがゆっくりと倒れ始めた。胸に矢を受けている。弓兵どもは窓から転がり出て転落していった。

 

何が起きたのだろう?リンクは咄嗟に理解できなかったが、体が反射的に動いた。手薄になった前方の敵の隊列に跳躍して飛び込んでいき、回転斬りを放つ。大回転斬りが空気を震わせ、周囲にいた蜥蜴男が五人ほど深手を負って崩れ落ちた。

 

その時、ボンッという破裂音がし、次いで何かが風を切る音とともに頭の上を通り過ぎていった。と思うと、リンクの後方、城の建物側から押し寄せてきていた蜥蜴男どもも爆発によって吹き飛ばされた。

 

無事だった連中も突然の異変に動揺し始めたようだ。リンクは前方の手近にいる蜥蜴男どもに走り寄って斬りかかった。袈裟斬りで一人の肩口をバッサリと斬り、横斬りで胴を払い、縦斬りで頭を割る。その横にいた一匹が慌てて武器を振り下ろしてきたところに逆袈裟斬りに斬り上げて腕もろとも切り裂き、さらに三連続の突きを繰り出して串刺しにする。

 

城の建物に接した坂道のほうでもう一度爆発が起き、魔物どもの悲鳴が上がった。さらに、リンクのいる城壁の上の前庭側の縁にいた蜥蜴男が二、三匹ほど、頭に矢を受けて転がり落ちていく。リンクにはまだ状況がつかめなかったが、好機が巡ってきているのは明らかだった。

 

今しがたリンクが斬りつけた二匹の蜥蜴男たちが倒れると、気を取り直した周囲の蜥蜴男どもが背後からリンクに飛び掛かってきた。咄嗟に前転して逃れると、一匹が斬りつけてきた刃が頭上をかすめた。素早く立ち上がって向き直ると、四匹ほどが取り囲もうと迫ってくる。リンクは右に横飛びして前転し、囲みの外に出ると跳躍して剣を払った。

 

新たに二匹が背中に深手を負ってよろめき倒れた。着地すると、三匹目がこちらに向き直って半月刀を払ってくるのを盾で受け止め、逆に盾アタックをぶちかます。跳躍すると空中で前転し頭部に刃を叩き込んだ。

 

頭部を割られ棒立ちになった敵の背後に着地した。ちょうど目の前に四匹目がいた。咄嗟に前転し、相手が斬りつけてくる刃をかわして突きを放った。剣が深々と蜥蜴男の腹に沈む。剣を引き抜くと相手を左右袈裟斬りに斬り捨てる。振り向くと兜割りを浴びせた敵もゆっくりと倒れた。

 

背面斬りで深手を負わせた二匹を見ると、ようやく起き上がろうとしている。リンクは剣を逆手に持って跳躍し、蜥蜴男のうちの一匹の上に飛び掛かって止めを刺した。だがもう一匹が頭を振って立ち上がる。リンクは止めを刺した敵の体から刃を抜くと、すかさず突きを放って立ち上がった蜥蜴男の胴を刺し貫き、横斬りで首を刎ねた。

 

敵方は大混乱に陥っていた。目を上げると、さっき建物側から押し寄せてきてリンクの後方を塞いでいた連中は櫛の歯が欠けるように数が減っている。もはやリンクどころではないらしく、新たに現れた敵たちのほうを指さして何事か喚いていた。

 

しかし見張り塔側の城壁の上にまだ残っていた蜥蜴男たちがリンクに向かってこないのが不思議だった。だが見ると、一匹、また一匹と頭部に矢を受けて城壁から前庭に転落していっている。誰かが弓矢で狙っているのだ。

 

リンクはその機をとらえ見張り塔の方まで走っていった。戸口から中に転がり込むと、内部にあった巨大な黒い箱の蓋を開ける。箱の中身は大きな黒い金属製の鍵だった。鍵を素早くポーチに仕舞いながら振り向くと、残った蜥蜴男どもがようよう体勢を整えてこちらに進んできていた。総勢五匹ほどがいる。前庭側に近づいて狙撃されることを警戒してか、密集隊形をとっていた。

 

リンクは挟み撃ちされないよう戸口に立つと、上段に構えて腰を落とした。隊列を作った蜥蜴男どもがじりじり前進してくる。

 

距離が詰まってくる。だがまだだ。引き寄せてからだ。まだだ。

 

ギリギリまで堪えたその瞬間リンクは裂帛の気合いとともに力を解放した。跳躍し、敵のただ中に斬撃を叩きつける。凄まじい直撃を受けて真ん中の一匹の頭が真っ二つになり吹き飛んだ。左右に並んでいた連中ももろに衝撃波を受けて倒れる。

 

四匹がよろよろと起き上がり、こちらに向き直っている間にリンクは呼吸を整えた。やおら大回転斬りを放つ。四匹の魔物どもは全員が致命傷を負って崩れ落ちた。

 

目を上げると、見張り塔の前の蜥蜴男どもは全滅していた。一方で、城の建物側から来ていた敵の群れは次々と城壁から飛び降りていた。どうやら下の前庭に降りていっているようだ。

 

城壁の縁まで進んで身を乗り出し、魔物どもの向かう先を目で追っていくと、リンクは息を呑んだ。

 

前庭にはアッシュとモイがいた。アッシュは弓を構え、背中の矢立てから矢をつがえて前庭に降りた魔物どもに次々と射掛けている。

 

矢が命中し、蜥蜴男どもが一匹また一匹と倒れる。だがそれでも敵の群れが近づいてきているのを見るや、アッシュは弓を投げ捨てて長剣を抜いた。

 

その時、前庭の西側からボコブリンどもが群れをなして進み出てきた。さらに、そちらの方の城壁の扉が開き、そこから猪に乗ったブルブリンどもが二騎走り出る。

 

リンクは思わずモイとアッシュの二人に向けて叫んだ。だが次の瞬間、再び破裂音に続いて何かが風を切って飛ぶ音がした。途端にブルブリンの騎兵どもが爆発で吹き飛ばされ地面に転がり落ちた。

 

今やリンクに構おうとする魔物など一匹もいなかった。城じゅうの敵が前庭に侵入したアッシュとモイに戦力を集中しているようだ。

 

蜥蜴男どもが半月刀をかざしてアッシュに襲いかかる。だが彼女は最初の一匹の斬撃を剣で受け流すと体を回転させながら左手で相手を投げ、空中に浮いた敵の首筋を一刀両断にした。横から迫ってきていた二匹目の蜥蜴男の刀を剣で跳ね上げ、流れるような動きでその腕を切り落とすと電撃の突きでその胸を刺し貫く。

 

二人の背後からボコブリンどもも押し寄せてくる。全身を鎖帷子で固めたモイは剣を抜いて先頭の一匹を袈裟斬りにする。さらに横斬りでそいつの胴を払うと、そいつがよろめいている間に自らの動きを止め、さらに二、三匹の敵を誘って引き付けた。そしていきなり豪快な回転斬りを放つ。痛撃を食らった魔物どもが後ろに倒れた。それでもよろよろと立ち上がった悪鬼の一匹の胴を逆袈裟斬りで払い、縦斬りで頭を割ってから胸に突きをぶち込んで蹴り倒した。

 

アッシュとモイはいまや背中と背中を合わせて魔物どものただ中で戦っていた。アッシュが鋭い気合いとともに回転斬りを放つ。蜥蜴男どもが二、三匹斬撃を喰らって倒れると、モイとくるりと位置を交代した。今度はモイが蜥蜴男たちに向かう。今さっき倒れた蜥蜴男の体に邪魔されて後続の魔物どもが一瞬出遅れたのを見て、モイはジャンプ斬りを放ち、一匹に頭から痛撃を浴びせ、着地するが早いが回転斬りを繰り出す。立ち上がろうとしていた魔物どもが再びの痛撃を食らって倒れた。

 

その間アッシュがボコブリンどもの群れを迎え撃った。滑り込むような足運びで先頭との間合いを詰める。敵の鉈を剣で跳ね上げ、袈裟斬り、胴払い、逆回転斬りと矢継ぎ早に技を繰り出したあと跳躍してその頭を拝み打ちにした。着地している間にたちまち一匹が倒れる。悔しさに喚く後続の悪鬼が鉈を払ってくるのを身を沈めてかわすと身体を回転させ地面すれすれに円を描くように斬った。両足に深手を負ったボコブリンが動きを止めると、さらに剣を跳ね上げその利き手を手首から切断した。アッシュは相手が呆気にとられている数秒の間にその胸を二度も三度刺し貫いた。

 

リンクは迷った。いまアッシュとモイが命懸けで戦っている。一旦彼らと合流すべきだろうか?そのとき、視線に気づいたのか、モイがこちらを見た。

 

「リンク、ここは俺たちに任せろ!」

 

モイは叫ぶと再び蜥蜴男どもの群れに向き直った。そのとき、敵の一匹が身を沈めて体を回転させた。尻尾についた斧の刃が横からモイの胴を払う。一撃を食らったモイが後ろによろけ倒れた。

 

「モイ!」

 

リンクは叫んだ。蜥蜴男どもがさらに追撃しようとした瞬間、その背後でまた爆発が起きた。後続の蜥蜴男どもが五人ほど吹き飛ぶ。敵が驚いて振り返っている間に、モイは跳ね起きて正面の蜥蜴男に殺到し縦斬りを浴びせ返り討ちにした。さらにその横にいた魔物どもに左右袈裟斬りで手傷を負わせ、三度目の回転斬りを浴びせ打ち倒す。モイは大声を上げると、手強い敵の出現に狼狽している後続の魔物どもを挑発した。

 

「リンク殿、行かれよ!」

 

アッシュが叫ぶ声が聞こえた。見ると、五匹ほどのボコブリンに取り囲まれている。今では魔物どもも相手が一筋縄ではいかない使い手と悟ったのか、鉈を構えつつも攻めあぐねていた。だが背後から一匹が斬りかかろうとしている。リンクが警告の叫びを上げるまでもなく、アッシュは上体をわずかに反らして敵の斬撃を紙一重で躱し、首投げで引き倒すと相手の喉笛を切り裂き、さらに心臓を一突きにした。

 

「ゼルダ姫を救えるのは貴殿しかいない!早く!」

 

アッシュがリンクを見上げてもう一度叫んだ。リンクは強い心残りに胸を搔きむしられる思いで頷いた。城壁の上を走り、突き当たりで左手に折れて坂を登る。

 

坂の頂上でもう一度城壁の縁まで行き前庭を見下ろした。アッシュとモイはまだ戦っていた。断腸の思いで彼らから視線を外そうとした瞬間、リンクは正門の前の人影に目を奪われた。

 

ラフレルとシャッドだ。二人とも鎖帷子に身を固め剣で武装している。ラフレルは大砲を小型にしたような細長い筒を肩に担いでいる。シャッドは爆弾袋を幾つも抱えてラフレルの脇に控えていた。

 

リンクは思わず手を振った。シャッドは笑顔を浮かべ手を振り返してきたが、ラフレルは無表情、無反応のままだった。

 

「リンク、連中の言う通りだ。ここは先に進もう」

 

ミドナが言う。リンクは頷くと、城の建物の壁についた扉を開けて中に入った。部屋の中は薄暗い。一メートル四方ほどの四角い床板が並ぶフロアは奥行十五メートル、横幅四十メートルほどで、リンクが今立っているところは南東の端だった。そこから左手にフロアが広がっている。

 

心残りを断ち切って目を上げ行く先を睨んだ。部屋の西側の奥に先に進む通路と思われるものがある。だが奇妙なことに気づいた。フロアのところどころの床が抜けている。リンクは直感的に理解した。この部屋の床は脆い。うかつに足を踏み出したら床ブロックごと奈落に落ちる可能性がある。

 

「おい、リンク...何か奇妙な音が聞こえないか?」

 

ミドナが尋ねた。そう言われて辺りを見回す。耳を澄ますと、鼠の鳴き声がそこらじゅうから聞こえた。

 

「こんな気持ち悪いところに長居は無用だ。行こう」

 

ミドナが促した。だがその瞬間、リンクは身体中に何か重いものがぶら下がっているような感覚を感じた。一歩足を踏み出すだけでも一苦労だ。リンクには覚えがあった。確か砂漠の処刑場でこんなことがあった。

 

「ミドナ、狼に変えてくれ!」

 

リンクは叫んだ。途端に魔法で装備と服が取り去られ、みるみるうちに狼の姿に変身する。

 

感覚を研ぎ澄ませるとはっきり見えた。幽霊鼠どもだ。リンクの体じゅうに取り憑くだけでなくそこいらじゅうを走り回っている。

 

反射的に体を水平に一回転させ、自分の体に取り憑いた幽霊鼠どもを振り落とした。次いで手当たり次第に近くにいた連中を噛み砕く。何匹もの幽霊鼠たちがチョロチョロと辺りをうろつき回っているのを全滅させ、荒い息を鎮めながらふと顔を上げたリンクの目に異形のものが映った。

 

リンクは息を呑んだ。兵士の幽霊だろうか?兜と鎧に身を固めているが、顔には血の気がなく痩せこけ眼窩が骸骨のように窪んでいる。

 

幽霊は、リンクが立っていた場所より北側の、床ブロックが脱落して左右に走った間隙の手前側にいた。北の方角を向いて立っている。

 

「リンク、どうした?」

 

ミドナが尋ねる。リンクは幽霊の方を向いて一声吠えた。

 

「何か見えるんだな。魔物か?」

 

リンクは首を振った。そして用心深い足取りで幽霊のほうに近づいていった。本能的に相手から攻撃性は感じられないと分かった。

 

目を上げ、幽霊の向く方向に目をやると、もう一人の同じような幽霊が離れたところに立っていた。リンクは左右を見回して、また息を呑んだ。部屋のそこここに兵士の幽霊が立ち尽くしている。

 

いったい彼らは何者だろう?だが、リンクの脳裏にすぐに推論が浮かんだ。彼らが立っている床は沈まないのではないか?

 

リンクは意を決すると進み出て幽霊に近づいた。すると驚いたことに、幽霊がゆっくりと腕を上げて前方を指差した。

 

床ブロックか落ちてできた間隙の向こう側数メートル先に同じような出で立ちの幽霊がいる。西を向いて立っていた。リンクは間隙を飛び越えると、素早くその幽霊に走り寄った。床ブロックは無事だ。その幽霊も、やはりリンクが足元に来ると腕を上げて前方を指差した。

 

その先にも床が抜けてできた間隙があったが、その向こうの床ブロックの上にまた幽霊がいる。リンクは西に方向を変え、間隙を飛び越えて進んだ。近づくと、その幽霊は南に向いている。リンクが近づくと彼もまた腕を上げて前方を指差した。その前に床の脱落してできた穴があったが、穴の向こうにまた一人幽霊が西に向いて立っていた。

 

もう間違いない。彼らは道しるべなのだ。穴を飛び越えると、今度は幽霊の導きに従って西に方向転換する。目の前の間隙を越えて進むと、今度は北に向いた幽霊が前方にいた。その幽霊は間隙の向こう側にいて西に向いた別の幽霊を指差している。

 

北に向き直り、間隙を飛び越え、その幽霊に近寄る。その幽霊が指すほうを見ると、床に空いた穴の向こうに部屋の西の端が見えてきた。リンクはその導きに従って穴を飛び越え、西側の壁際まで走り寄った。

 

「リンク、人間に戻すぞ」

 

ミドナが言う。リンクが頷くと、たちまち身体が人間に戻され、服と装備が装着された。

 

「驚いたよミドナ」

 

リンクは漏らした。

 

「いったいどうやってあの穴だらけの床の安全な場所が分かったんだ?」

 

ミドナが尋ねる。

 

「幽霊たちが教えてくれたんだ」

 

リンクは籠手のストラップや装備ベルトを点検しながら答えた。

 

「幽霊だと?」

 

さすがのミドナも面食らった。

 

「ああ、兵士たちだった。進むべき方向を教えてくれたんだ」

 

「ふむ」

 

リンクが答えるとミドナは腕を組んだ。

 

「この城に勤めていた兵士たちかもな。死んでまでも城を守ろうとする連中がいるとは驚いた」

 

「ミドナ、僕もそう思ったよ。彼らは昔風の服装をしていたんだ。まるでこの城の一部みたいだった」

 

リンクは準備を整えると進路を見上げた。部屋の北西の隅から北に向かって登り階段か伸びている。だが、階段は始点からしばらく行くと右から崩れ削れてしまっており、数メートルで切れていた。そうしてできた間隙の向こう側に、階段の残骸が飛び飛びに続いている。

 

リンクは階段を登りその縁に立った。足の下は底の見えない奈落た。一・五メートルほどの間隙を隔てて正面向こう側に三段分ほど残った階段の残骸がある。覚悟を決めるとリンクは助走をつけて向こうに飛び移った。

 

さらにその先は、やや右側に寄った場所に同じような階段の残骸がある。少し右に横移動し、リンクは再び跳躍し間隙を飛び越えた。次には左手側に寄った残骸がある。そこに飛び移ると、その先の階段はは終端まで続いていた。その左側がやや崩れているのを見て、リンクは右に横移動し、掛け声をかけて飛び移った。だが距離が長い。

 

それでも何とか向こう岸の縁に手でしがみついた。成功だ。這い上がって階段を駆け登ると、そこは広めの踊場だった。対角線の位置に、右手に向かう階段の入り口がある。

 

だが、階段の前には半月刀を提げた蜥蜴男が二匹控えていた。さらに踊場に一歩足を踏み入れた途端に異音がし、魔法結界か背後と前方の階段の入り口に現れた。

 

リンクは反射的に剣を抜くと走り出した。魔物どももこちらに気づいた。リンクは相手方に殺到すると先頭の一匹を突きで先制し、さらに肉薄し二匹目の斬撃を盾で受け、逆に渾身の盾アタックを叩きつけて相手を崩した。袈裟斬り、横斬り、突きを矢継ぎ早に繰り出す。後ろ側にいた一匹目が立ち直り、身を沈めて身体を回転させようとしたのが肩越しに見えた。すぐさま前転すると、背後を蜥蜴男の尻尾につけた斧がかすめた。起き上がって敵に向き直ると、ジャンプ斬りを二度繰り出し二匹ともを床に叩き伏せた。

 

剣を血払いして納めると、踊り場を横切っているうちに魔法結界が消えていった。踊り場にある窓から見える外の空は灰色に薄暗い。雨が激しくなり、雷が鳴っているようだ。リンクは部屋の隅から新たな階段を覗き込んだ。だがそこは一見して普通には渡れないとわかるほど破壊されていた。中ほどに残骸が残っているが、それ以外は段があらかた崩れ落ちている。

 

「リンク、照明を見ろ」

 

そのときミドナが階段の壁を指さした。一定間隔を置いて、蔓草の形をした金属の装飾に覆われた灯篭が壁にはめ込んである。

 

「階段を崩したつもりでも僕らがこんな場所を渡れるなんて思ってないだろうね」

 

リンクは笑うと、ミドナが出してくれたクローショットを両手に嵌めた。前方十メートルほどの左側にあった灯篭を狙い撃つと、飛び出した鉤爪が引っ掛かりリンクはすぐさま引き寄せられ、灯篭にぶら下がった。

 

そこから今度は前方右側の灯篭をもう一つのクローショットで狙って飛び移る。さらに左側に飛び移り、最後には階段の終端近くの右側の壁の灯篭にまで辿り着いた。その下には階段がわずかに残っている。

 

鉤爪を開いて降り立つと、リンクはクローショットをミドナに託し、階段を駆け登って先に進んだ。そこも広い踊り場だ。たちまち異音がして背後に魔法結界が浮かび上がった。対角線上の向こう側にやはり階段の入り口があったが、その前も魔法結界で塞がれており、さらに大型動物の頭蓋骨を兜替わりに頭に被った蜥蜴男たちが二匹立っている。

 

ここでも短期決戦を期してリンクは剣を抜き敵影に駆け寄った。手近の相手がこちらを向いた途端に前転して突きを放つ。刃が深々と魔物の腹に突き刺さる。剣を相手の身体から抜いて逆袈裟斬りに斬り上げると、胴を横に払い、さらに縦斬りで頭を割った。よろめく一匹目の身体を盾にし、二匹目に突きを放って牽制すると、隙を突いてジャンプ斬りを放った。二匹目が頭部に不意の痛撃を受けて倒れる。リンクは剣を逆手に持って跳躍するとそいつの胸に切っ先を突き立て止めを刺した。

 

リンクは剣を血払いして納めた。

 

「城の構造物の上層に来ているな」

 

ミドナが言う。

 

「おそらく王座のある謁見の広間がこの先にある」

 

「ガノンドロフはそこにいるのかな?」

 

リンクは尋ねた。

 

「おそらくな。どんな城も構造上王の間が一番守りが固いからな」

 

だが踊り場を横切って隅にある階段を見上げたリンクは絶句した。階段が破壊されているだけではない。壁の左右にレールが取り付けられ、その上を棘付きの大型独楽のような装置が行き来している。

 

「嫌なものを仕掛けやがったな」

 

ミドナが言った。リンクも額に冷や汗が浮かぶのを感じた。砂漠の処刑場で似たようなものを渡った覚えがあるが、あの時は高所とはいえ下にちゃんとした床があった。だが今回は失敗したが最後、底の見えない奈落に落ちてしまう。

 

「やるしかないよ。ミドナ、スピナーを出してくれ」

 

リンクはスピナーに足を掛けると、起動させる前に行く先をよく睨んだ。右側の壁にはレール上に棘つき独楽装置が一つ。左側にはそれが二つ行き来している。左側には階段の残骸がいくらか残っていたが、そこに立ったら独楽装置が襲ってくることは明らかだった。右側のレールから始めるべきというのはすぐ分かった。右側のレール上の独楽装置は階段の上半分ほどのところを行き来している。その独楽装置の動きは左側の二つと互い違いだった。右側の独楽装置が向こう側に進むタイミングに合わせて進むことができれば、最後に左側にスピナーを飛ばして飛び移って左側のレール沿いに階段上まで行くことができるはずだ。

 

リンクは意を決してスピナーを起動させ、右側に体重をかけ移動させた。右手の壁のレール上の独楽装置がこちらに近づいて動いているときを狙って、スピナーをレールに乗せる。

 

たちまちリンクは高速移動し始めた。みるみるうちに棘付き独楽装置が目の前に近づいてくる。やや早すぎたか?下を見ると文字通り光も差さない暗い奈落だ。

 

だが独楽装置が反転し向こう側に動き始めた。リンクのスピナーはその後を追う。だがスピナーのスピードが速い。独楽装置の棘の回転が目の前に近づいてくる。左側を見ると、こちらとは互い違いに動いていた独楽装置が横を通り過ぎた。リンクはすぐさまステップを踏んでスピナーをレールから飛び出させた。

 

左側のレールに移ったスピナーが高速で昇っていく。階段の終端から先はレールが並行になってその先の部屋の壁の途中で切れているのが見えた。スピナーが昇り切ると、リンクは部屋の床に飛び降りて、冷や汗を額から拭いながら辺りを見回した。

 

いよいよ謁見の間は近い。そこは東西に細長い部屋だった。リンクが立っていたのは東側の端で、奥を覗くと部屋の中ほどの左手、すなわち南側に巨大な扉があり、それが太い鎖とゴツい錠前で閉じられていた。だがその扉の近くに背の高い人影が立っているのが目に入った。

 

鎧武者だ。さっき戦った奴と同じような鎧兜に身を固め、巨大な盾と剣を下げている。

 

「またあいつだ」

 

ミドナが言った。リンクも溜め息をついて首を振った。だが先に進むには戦うしかない。ところがリンクが盾を背中から下ろしながら進み出ようとするのをミドナが制した。

 

「リンク、待て。あいつと戦わずに先に進めるかも知れない」

 

「一体どうやって?」

 

リンクは驚いてミドナを見た。

 

「あの奥の扉の横の壁にある灯篭だ」

 

彼女は指さした。

 

「ここからは扉の右側の灯篭しか見えないが、奥に行けば左側についているものも見えるはずだ。それを狙ってクローショットを撃て。あいつの近くに行ったら魔法結界が張られるはずだが結界が生じるまでのわずかな時間で灯篭に飛び付くことができれば....」

 

「あいつだけが結界に閉じ込められるってわけだね」

 

リンクは引き取った。南側の扉の左右に太い柱があり、扉の左側の灯篭はその陰に隠れていた。ミドナが出したクローショットを右手に嵌めると、リンクは用心深い足取りで部屋の中ほどまで進んでいった。

 

クローショットを掲げて扉の左側を狙う。摺り足で進むと、柱の陰にある灯篭が見えて来た。その途端鎧武者がリンクに気づいてこちらを向いた。

 

リンクは灯篭に狙いをつけてクローショットを撃った。その瞬間、異音がして鎧武者を中心に魔法結界が浮かび上がってくる。だが一瞬早く鉤爪が灯篭に引っ掛かり、リンクは瞬く間に引き寄せられ灯篭にぶら下がった。

 

今や、鎧武者の周囲十メートル四方が結界に閉じ込められていた。

 

「小僧、また会ったな。今日こそは決着をつけようではないか」

 

鎧武者は盾を構え、大剣を持ち上げるとリンクのほうに向き直った。

 

「悪いけど先約があるんだ。また今度」

 

扉の横に降り立つと、リンクはポーチから大きな黒い鍵を取り出して扉を塞ぐ錠前に差し込みながら言った。

 

「ガノンドロフの奴、同じ奴を二人蘇らせたのかな?ずいぶんととっちらかったことになったな」

 

ミドナが鎧武者のほうを振り向きながら言う。

 

「おい、小僧。待て。正々堂々勝負しろ。それとも余の剣が怖いのか?」

 

鍵を捻ると果たして錠前が外れ、鎖が床に落ちた。鎧武者の声を背中に受けながらリンクは重い扉を押し上げ、向こう側に出た。

 

扉の向こうは野外だった。だが、空は黒雲が立ち込めて暗く、風が荒れ狂っている。遠くの山々もシルエットしか見えなかった。雨は止んだようだったが、雷が時折鳴っていた。手を離すと、扉は重々しい音を立てて降りた。先に進む。三十メートルほど南に伸びた通路を歩くと、その終端からは左右両方にある北向きの階段を登っていくようになっていた。

 

階段を登っていくと、二つの階段が一つに合流し、その終端は見上げるばかりの壮麗な塔構造だった。二つの小さな尖塔に挟まれた中心に途方もなく巨大な尖塔が聳え立っている。これがハイラル中遥か遠方の地方からでも見えるハイラル城のシンボルなのだ。階段を登り切ると、高さ十メートル以上はありそうなアーチ型の入り口をくぐった。内部の床は百メートル四方をゆうに超えており、よく磨かれた市松模様の床材が張られている。明らかに城の他の区画と違う。天井は極端に高く、立派な柱がいくつも立ち並ぶ。

 

だが、入り口から奥にまっすぐ敷かれている群青色の絨毯の上を辿って進んでいくとリンクは異状に気づいた。

 

巨大な女神像の頭部がもげて足元の床に転がっている。目を前方に上げると、見上げるばかりの高さにディン、ネールそしてフロル(ハイラルを造ったといわれる三女神)の彫像と思われるモニュメントがしつらえられていて、その三女神のうちの一人の頭が首から欠落していた。他の女神像も強い衝撃を受けたのか酷く損傷している。

 

三女神の彫像はそれぞれ三角形の一辺に寄りそうようなポーズをとっていて、その中心には輝く黄金色のトライフォースの像が配置されていた。

 

そのトライフォースの中心にあったものを見て、リンクとミドナは思わず息を呑んだ。

 

ゼルダ姫だ。

 

リンクはケープを被っていないゼルダ姫を初めて見た。栗色の滑らかな髪の毛を束ね、頭には金色のティアラを着け、紫と白を基調としたドレスを着ている。だが、意識を失っているのか、それとも仮死状態なのか、まるでそこに磔にされたように微動だにしなかった。血の気のない顔色で苦悶の表情を浮かべながら目を閉じたままだ。

 

リンクは思わず駆け寄ろうとしたが、ミドナが手を上げて制した。次いで彼女は、モニュメントの足元にあるものを指さした。

 

数段の階段の上に、巨大な玉座がある。その周辺には三女神像から落下した彫像の破片が散らばっていた。そして空のはずの玉座には人が座っていた。

 

きわめて大柄な男だ。肌の色は緑色に近いほど黒く、髪の毛は銅色に輝いている。銀で縁取りされた黒光りする鎧に身を固め、長いマントを羽織っていた。片手を拳にして自分の顎にあて、もう片方の手には鞘に納められた長剣を持っている。

 

男はリンクたちのほうを見ると微笑んだ。だがその微笑みは微笑みであるにも関わらずまるで抜き放った大剣のような威圧感があった。リンクが慎重に近づくと、その男は歳のころ五十くらいに見えることがわかった。あるいはもう少し歳かさかも知れない。見るからに威厳があり、また長年風雪に晒された熟練の戦士といった趣きもあった。

 

「ようこそ我が城へ」

 

男が言った。低く重みのある声だったが、リンクは意外の念を持った。魔盗賊というからには、もっと粗野で獰悪そうな人物かと思っていたが、目の前の男はむしろ気品さえ漂わせている。この男が本当にガノンドロフなのだろうか?

 

「お前がガノンドロフか?」

 

ミドナが聞くと、男は剣を持ったままごくゆっくりとした動作で立ち上がった。背後の玉座は高さ三メートルほどはありそうな巨大なものだったが、男が立つとほとんど普通の椅子と変わらないように見える。それほど男は背が高かった。男のマントが外から吹き込んだ風でたなびいた。

 

男は再び微笑んだ。だが今度の微笑みは、僅かな侮蔑と憐憫のニュアンスが込められているように見えた。

 

「お前に会いたかった。死ぬほどな」

 

ミドナが男を見上げて言った。するとガノンドロフはゆったりとした足取りで前に進み出た。薄暗い中でも、男が頭につけた宝玉が光るのが見えた。

 

「影の王国の王女ミドナよ」

 

男が口を開いた。

 

「僅かな力を宿した程度で神に逆らい見捨てられた哀れな一族。お前たちの苦悩が血肉の糧となりその憎悪が力となって私を目覚めさせた」

 

「何が言いたい?」

 

ミドナが眉を上げる。

 

「お前たち一族に欠けていたものは力だ」

 

ガノンドロフは振り返ると、頭上のトライフォースの像に磔にされたゼルダ姫のほうを見上げた。

 

「神に選ばれた強い者だけが持つ絶対的な力...」

 

男は再びリンクたちのほうに向きなおると、自分の左手を上げその手の甲をこちらに向けた。リンクは男の手の甲を見てはっと息を呑んだ。手袋の布地に隠されてよく見えないが、明らかに強い光を放っているのがわかる。トライフォースだろうか?

 

「その力を持つ者こそこの世を統べる王としてふさわしい。そうではないか?」

 

ミドナは怒りを堪えるように顎を引くと、ガノンドロフを睨み付けた。

 

「お前がその絶対なる力を持つ選ばれた者だというのか?」

 

彼女は右手を上げ男を指さすと、怒りの籠った語調で言った。

 

「自惚れるな。たとえお前がどれほどの力を持っていようが私はお前を否定する」

 

ミドナはまだ言い足りないのか、前に進み出ると続けた。

 

「私を舐めるな。王の重責を担ったことのないお前が力だけでその権能を奪えると思うことが滑稽だ。思い上がりもたいがいにしろ」

 

だが、ミドナが睨みつけても男には何一つ響かないようだった。ガノンドロフはミドナのほうを見ると静かに呟いた。

 

「影が光に絆されたと見える」

 

男の顔を見ると、再び微笑みが浮かんでいる。最初に見せた、あの抜き身の剣のような威圧感のある微笑みだ。

 

「面白い。お前たちの友情とやらをもって私を止めてみよ」

 

ガノンドロフは再び左手を軽く上げると、頭上のゼルダ姫のほうを見上げた。見ていたリンクは不思議なことに気づいた。男の姿から少しづつ黒い破片のようなものが浮き上がってきている。ミドナの魔法によるワープや、影の使者たちの身体が空中に吸い込まれるときに見た現象だ。

 

魔法を使う気だ。リンクには直観で分かった。反射的に剣の柄に手をかけて抜き放った。

 

そのとき、ミドナがまるで跳ね上げられたように宙に飛び上がった。浮上してモニュメントに磔にされたゼルダ姫のほうに飛んでいく。

 

ミドナはゼルダ姫の前に浮かんで両手を前に出した。同時にガノンドロフの姿が全て黒い破片になり、それが奔流のようにゼルダ姫のほうに昇っていく。ミドナの手から光が発したかと思うと魔法防壁がそこから広がっていった。だが一瞬早く、黒い奔流がその両脇をすり抜けてゼルダ姫に到達した。

 

黒い流れが意識のないゼルダ姫の身体に流れ込んでいく。ミドナは目を見開いて肩越しに振り向いた。力のないゼルダ姫の身体がビクビクと揺れ動き、やがて黒い奔流全てが吸い込まれるとまた動きを止めた。

 

「くそっ...」

 

ミドナはゼルダ姫に向き直ると、右手を振り上げた。

 

「ミドナ!どうするんだ?」

 

リンクはミドナを見上げて呼びかけた。

 

「ガノンドロフはこの中にいる」

 

ミドナはそう呟くと、右手を高く上げ呪文を唱えた。たちまち右手から黒い結界が広がっていく。

 

「賭けだが今やるしかない。憑依が成立する前なら奴の息の根を止められる」

 

「やめろ、ミドナ!」

 

リンクが叫んだ。ミドナは右手を上げたまま歯を食いしばってゼルダ姫を見つめている。

 

「ミドナ、やめてくれ!」

 

リンクはもう一度言った。ミドナはやがてうなだれて手を下ろした。

 

「わかってる。私だってゼルダを傷つけたくない」

 

彼女は両手を伸べるとゼルダの頬に手を当てた。だがその瞬間ゼルダ姫が目を開いた。その顔と両腕にみるみるうちに入れ墨のような文様が浮かび上がる。ミドナは途端に弾かれたように吹き飛ばされ、床を転がると謁見の間の入り口から外に出された。同時に、魔法結界が広間の全ての出入り口と窓に浮かび上がった。

 

「ミドナ!」

 

リンクは振り返った。ミドナは入り口の外に倒れている。駆け寄ろうとしたリンクだったが、ふと異様な気配を感じてまた玉座のほうに向き直った。

 

すると彼は驚きのあまり息を呑んだ。ゼルダ姫が床の高さまで降りて、すぐ近くに立っていた。だがその足は僅かに床から浮いていた。顔と腕には奇妙な文様が浮かび上がり、見開いた目は明らかに以前見たゼルダ姫の目ではなかった。妖しい黄色い光を放っていながら虚ろな瞳が真っすぐリンクを見つめている。

 

「光と影を統べる王に歯向かうか、愚かな者よ」

 

ゼルダ姫が口を開いた。リンクは更なる驚きに愕然となった。その口から出てきた声は明らかにあの男の声だったからだ。

 

「その身をもって我が力を味わうがいい」

 

玉座の向こうから一本の細い剣がこちらに向かって宙を飛んできた。その剣は右手を横に伸ばしたゼルダ姫の近くに来ると、ひとりでにその柄が彼女の手の中に納まった。

 

リンクはほとんど呆然自失だった。この城に侵入して以来、自分はガノンドロフがどれほど手強い猛者かと想像しつつも、彼と戦う覚悟を決めていた。

 

それなのに、いま目の前にいて自分に剣を向けているのはゼルダ姫なのだ。

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