主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目) 作:音無 仁
まさか何となく思いついたお話がこんなにもたくさんの人に読んでいただけるとは思いませんでした…
何よりも日間ランキングの1位になれたこと、本当にありがとうございました!皆さんのおかげです!!
実はあまりの増え方にちょっと恐怖を覚えたりしましたけど、すごく嬉しかったです。
現在の作品情報ですが、
UA 129,274、お気に入り 7,824件
しおり 3,215件、感想 65件
そして評価をしてくださった194名の皆様
本当にありがとうございました!!
これからも精進していきますので、よろしくお願い致します!!
それと、人物紹介&裏話をあとがきから本編に移してみました。
ここすきの一覧を見ていてもしかすると人物紹介&裏話もここすきしたい人もいるのでは?と考えつきまして。
好評なら1話と2話も移して、今後はこの様式で書いていこうと思います。
また、あとがきにアンケートを実施しております。
内容はあとがきに記していますのでもしよろしけれ投票、よろしくお願いいたします。
今回も誤字・脱字等が出るかもしれないので、もし気づかれた方がいたらご報告いただけると幸いです。
長文失礼致しました。それでは、本編をどうぞ
追記
前書きやあとがきの人物紹介が長い、と感想で突っ込む人が多く降りましたので、今回から人物紹介をお無くしていこうと思います。
人物紹介がある状態の3話を読んでくださった方である方が良いと言ってくださった方もおりましたので申し訳なく思っておるのですが、人物紹介は章の最後にでも挿入しようと思います。
元々短編として投稿していた作品なので1話と2話の人物紹介はその名残りとして好意的に見ていただけると嬉しいです。
申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
どうも、クソ実況配信投稿者です。
今日も今日とてゲーム実況、はーじめーるよー。
今回プレイするのはこちらのゲーム、タイトルは……言わなくても分かりますよね?(真顔)
このゲームの主人公、なんと3回も転生してるらしくて、しかも前世の知り合いが異世界人で、主人公の世界に来たとか、いやー、B級ファンタジー映画かな?
ではスタートしていきましょう。
おや、主人公が目を覚ましたらしいですね、ん?あれ?なんか目の前に誰かいますね。というか馬乗りされてますね。
「…………エクスさん、おはようございます」
あ、この子パッケージに書かれてたヒロインの聖女ちゃんですね。エクスは確か前世の名前だったはずです。
「ようやく会えましたね、本当に、本当に長かったんですよ?」
ん?んんぅ?なんか雰囲気が……
「もう二度と離れないように、縛り付けて、監禁して、私以外を頼らないように、見ないように、私なしではいられないようにしないと行けません、よね……?」
ちょっ、うご、動け!動けってんだよ!この
あ、ちょ、待っ、たす、あ、
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
目覚まし時計のピピピ、ピピピという音と共に目が覚める。
何故か何時もより酷く寝汗をかいており、いや、どうしてかはわかってる。
というかなんで聖女がヤンデレになってんだ、誰だよ病むまで追い詰めたの………………(夢の)俺か。
いや、ねぇーよ。100歩譲って俺のせいだとして、彼女が俺を好きになるとかヤンデレになることはねぇよ。
というか、どちらかと言うと病んで追い詰めるより、理論的に詰めて来るタイプだぞあの娘。
魔法の世界で現代医学的知識で治癒魔法使うやつ彼女以外で見た事ないわ。
「なんでこんな訳分からん夢見てんだ俺……」
そんなに今日からの2日間が嫌なんだろうか、嫌なんだろうなぁ……
あの後蛍華から聞かされた話を纏めると。
1.会議は2日間に渡って行われる。
2.1日目は9:00~15:00頃まで会議を実施。
3.会議中の警備は数人を中に残して他は外にて警備。
4.食事会は17:00から開始予定。
5.食事会ではドレスコードの着用の上、会場内警備、及び挨拶回り。
6.2日目は昼に1度休憩を挟み一日中会議を実施。
7.会議は9:00~19:00まで行われる。
8.会議の内容な以下の項目を主に扱う。
・三世界の住人達、並びに大陸の扱いについて。
・三世界の住人達とこの世界の今後について。
・現在この世界に起きている異常現象について。
とりあえず簡易的に纏めてみたがこのような内容だった。
別に何か問題がある訳では無い、いつもならへぇそうかで終わる話ではある。
だが、だが!食事会の会場内警備!警備なら分かる!分かるさ!でもなんで挨拶回りなんてあんだよ?!おかしいだろ!?
間違いなく会うじゃん!あいつらに会うじゃん!!容姿が違うからバレないとは思うけどさぁ!
「はぁ……さっさと着替えるか」
目覚まし時計の設定は6時半、いつも休日は8時過ぎほどに設定しているが今日は平日より早い時間に設定している。
会議は本日の9時から行われるから7時過ぎくらいには蛍華のやつが来るだろうし、早く着替えておくか。
適当な私服に着替えて、最低限の荷物をポーチに入れてベルトに固定する。そしてクローゼットの中から竹刀袋を2本取り出す。
竹刀袋を肩に掛けてとりあえず準備は完了、1階に下りて朝食を取りながら蛍華を待つ事にする。
「あら、おはよう。せい君今日は早いのね」
「母さん、おはよう。それとおかえり、今日は蛍華ん所の手伝いで仕事に行ってくるから」
「ただいま、そうだったの?なら何か持っていった方がいいんじゃない?菓子折りあったかしら」
「そこまでしなくても良いって…」
「こういう時こそ礼儀はちゃんとしないとダメよ」
そう言って母さんは台所の棚から菓子折りを取り出し始める。
転院 香奈、旧姓
ちなみに母をナンパする人間も良く出てくるが何故か数日後には母を見ても青ざめた顔で逃げていく。
一体何をされたんだろうな……
「あ、あったわ。はいこれ、つい最近オープンした菓子屋さんのクッキーよ。結構量があるから皆さんと一緒に食べてね」
「ん、渡しておく。それにしてもそんなお店新しく出来たんだ」
「えぇ、御姉妹で営業しているらしくて、お姉さんは洋菓子、妹さんは和菓子を作っているそうよ。今後も足繁く通うことになりそうだわ」
「へぇ……今度行ってみようかな」
母さんと朝食を食べながら世間話に花を咲かしていると1階の寝室から扉が開く音が聞こえ、父がリビングに入ってくる。
それと同じくらいにインターホンが鳴り響く。おそらく蛍華が呼びに来たんだろう。
「おはよう親父。多分迎え来たから行ってくる」
「ん?どこかに行くのか?」
「蛍華んとこの手伝い、というか仕事」
「そうか…怪我はしないようにな」
「えぇ、私達は貴方が無事ならそれだけでいいの」
「……うん、行ってきます」
父と母からの言葉を噛み締めながら玄関へと向かい、そして靴を履いているタイミングでリビングから出始めたピンクな雰囲気を無視してため息を吐く。もう一度行ってきます、と声を掛けた後に家を出る。
家の塀横に停められた1台の車が見え、その車の前で車に体を預けながらぼー、と空を見上げている蛍華の姿があった。
「おはようさん」
「……あ、おはよう。準備は……出来てるみたいだね。なら早く乗った乗った」
「おう」
蛍華は黒色の高級感漂うセダンの後部座席に乗り込み、俺も続いて乗り込む。
俺が扉を閉めた時には蛍華が横で既にリラックスしながら座っていた。
というかこの席リクライニング付いてね?あ、蛍華のヤツずっと使ってやがったな?そりゃあリラックスしてるわ。
「おはよう誓弥君。昨日の入学式お疲れ様」
「おはようございます、橙次さん。あ、これ母からです、皆さんで食べてください」
「あぁ、ありがとう。香奈さんが用意したお菓子はどれも美味しいからね、みんなも喜ぶよ」
不知火
そもそも特殊犯罪対策部とは何かという話だが、この世界では特殊能力を使った犯罪が数多くある。
そんな特殊能力を持つ犯罪者に対する事件を管轄する部署が特殊犯罪対策部だ。
刑事部は無能力者に対応し、特殊犯罪対策部は特殊能力者に対応する、と言っても場合によればこの2つの部署が手を組むこともあるので臨機応変に対応しているようだ。
特殊犯罪対策部は3つの部署で成り立っており、第三課は事象干渉系や身体強化系能力者による殺人等の凶悪犯罪を担当し、第二課は精神系能力者による詐欺などの経済犯罪を担当している。
その中でも第一課は特別な部署と言える。警察組織でありながら軍*1としての役割も持ち、テロ等の犯罪に対する遊撃部隊として重宝され、魔物に関する犯罪等も担当しており、魔物専門治安部隊とも連携をする事もある。
警察組織における対特殊能力者のエリート刑事、それが特殊犯罪対策部 第一課である。
その一課の第五班の班長こそが蛍華の父である橙次さんなのだ。
「今日は突然だけどごめんね、
「いえ、橙次さんにはいつもお世話になっていますからこの程度で良ければいくらでも」
「そう言って貰えると嬉しいよ、今日はよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
橙次さんは会話をしながら今回会議が行われる会場へと車を走らせる。
ちなみにその間蛍華はリクライニングシートでぐっすり寝てる。何故か蛍華が隣で寝てると悪寒を感じるんだよなぁ……
「おい、おい蛍華。起きろよ、着いたぞ」
「んにゃぁ……?…………むいた?」
「何をむくつもりだお前は……」
「誓弥のミニ誓弥を」
「かぶってねぇよ!?って、何言わせんだ?!はよ出ろや!」
何言ってんだこいつ!?寝起きで唐突に下ネタぶっ込んで来ないでくれません?!
マジでやめろよ、いやほんとに唐突な下ネタは空気が悪くなるやつだから、普通に会話してる中で下ネタ飛んできた時のあの空気は只々辛いぞ、まじで。うっ…頭が(黒歴史)
「ふぅ、誓弥も揶揄ったし、そろそろ行こっか」
「お前1日1回は俺の事揶揄わないと気が済まないの…?」
「所謂ルーティーン、もしくはノルマみたいなものだから」
「なにそれ……」
「それよりも着いたんでしょ、早く出よ。っと、ここが会議会場ね……」
蛍華は俺の言葉に軽く返して車から降りる。そして会場周辺を見渡して会場その物を見始めた。
そこは2067年に第三次世界大戦が終結した際に平和の象徴として建てられ、2068年に建築を完了した高さ約180m、全50階の超高層ビル。
今現在は異能力者協会日本支部や魔物専門治安部隊など特定の組織がビルに勤めていたり、能力者関係の資格に関してもこちらで請け負っている。
1階~20階までは特定の組織や企業が入っており、20階~30階は建物を管理する為の機材や装置等で埋められている。
30階~35階には食堂や販売店等が各種取り揃えられており、観光地のような扱いをされており、36階~45階には客室もあり、今回のような世界会議などで客人が来られた際や、何かしらのVIPが来られた際に使われ、一般人にも使える用に公開されている。
46階から50階は大広間や小会議室などの広い空間があり、今回は49階にある大広間の会議室で会議が行われ、その上の50階のフロアをまるごと使った宴会場で今夜は食事会が行われる。
ちなみに屋上にはヘリポートが、地下と地上には駐車場が完備されている。
「蛍華、誓弥君。まずは受付に行こう。今が7時49分か……8時から48階にある小会議室でミーティングになってるから少し急ごうか」
「分かりました」
「了解だよ」
橙次さんの後ろについていき、ビルの中に入る。ビルの中は大勢の人達が行き来しており、入口から正面にあるカウンターに受付嬢と思われる女性が座っていた。
橙次さんは素早く歩いて女性に話し掛けると、二、三言会話を行いこちらに戻ってきた。
「問題無さそうだ、正面から右側の奥にエレベーターが6つ有るらしいから、そちらの2番と5番のエレベーターに乗って上がるそうだよ」
「2番と5番…指定されたんですね」
「ここのエレベーターは階によって上に行けるエレベーターが変わるらしい。1番と4番が20階まで、2番と5番が20階~30階を引いた全階、3番と6番は20階~30階ということらしい」
「それはそれは、随分と警備がしやすそうなことで」
蛍華の言葉はどう聞いても皮肉である。もし屋上から何者かが侵入した場合、上層にいる人間しか対応ができない可能性が更に上がったわけなのだから当然かもしれないが。
こんな超高層ビルなので元々セキュリティ等を取られた場合下層部にいた人間は駆けつけるまで時間が掛かる。
特殊能力者の身体能力で階段を使って上がっても10分から20分はかかるだろう。
おそらく日本政府の見栄でこの場所が会場に選ばれたのだろうが、どう考えても警備のことを考えてないとしか言いようがない。爆発物でも仕込まれた日には全員お陀仏だ。
「あはは、蛍華はそういう事を余り言わないように」
「はーい、あ、エレベーター来たよ」
「それじゃあ行こうか」
2番のエレベーターに乗り、48階のボタンを押すと扉が締まり、エレベーターが動き出した。
そしてエレベーターの中では少しの沈黙が訪れる。
「ふぅ、それで橙次さん」
「ん?何かな誓弥君」
「もしかしてなんですけど
「………ふふ、さすが誓弥君。わかってたか」
橙次さんは分かりやすく肩を竦めると、こちらに微笑みながらそう言った。
まぁ、分かりやすく誘ってきた段階でなぁ……
「お父さん、誓弥でもここまで露骨だと分かるって」
「えぇ、まぁ、蛍華が手伝いを、なんて言ってきた時から違和感はありましたので」
「おや蛍華、お前のミスのようだぞ?」
「えぇ、それは酷くないかなぁ……」
「いつもこういう時は橙次さんが直接言ってくるのに何故か蛍華が手伝いが欲しいなんて、まずありえないですよ」
「それもそうか、蛍華は君がこういう事に関わることを嫌うからね。本当なら今回も警備に来てもらうつもりはなかったんだけど、そうも言ってられなくてね」
「それで蛍華使うあたり橙次さんらしいですね……」
「もちろん人手不足なのはほんとだよ?」
「よく知ってますよ」
分かりやすく拗ねている蛍華を見ながらため息を吐く。
いつも幼馴染みとしての距離間を保ち、何かあったとしても壁を造り踏み込ませない蛍華が急に警備を手伝えと言ってきたのだから怪しさ満点である。
橙次さん的に俺が蛍華から頼まれれば断れない事はよくわかってたみたいだな、はぁ……
「今回の相手がちょっと厄介でね、君の技術が必要になりそうなんだ」
「詳細は?」
「会議室についてから話そうか、その方が二度手間にならなくて済む」
「それ、他の人達にも話してないってことでは?」
「御手紙が届いたのが一昨日でね、言い出す暇がなかったのもあるけど、上がね」
「……はぁ、面倒事は勘弁してください…」
上って……間違いなく面倒事じゃないか、ちくしょう……
48階にエレベーターが到着し、扉が開くと橙次さんが通路を歩いていく。俺達はそれに続いてエレベーターを降り、橙次さんについて行く。
そして、1つの部屋の扉に辿り着くと橙次さんはその扉を開けはなち、それに部屋の中にいた人達が反応する。
「おはよう諸君、元気そうでなによりだよ」
「はんちょー、前に会ってから1日しか経ってねぇーよ」
「ユズル、私ハ一週間ブリダゾ」
「おれはほぼ毎日顔合わせてんだよー」
「にゃはは、まぁ全員揃うのは久々だしなぁ」
「俺としては後ろの2人が気になるけどな、久しぶりだなぁ蛍華の嬢ちゃんに誓弥の坊主」
「ご無沙汰してます克地さん」
「おじさん久しぶりー!2週間ぶりくらいかな?」
「……………」(*´∇`)ノ
「おはようっす、班長。誓弥もおっはー」
「おはようございます、新堂さん、時雨兄」
少し子供っぽい喋り方をする去年班入りした
日本語が片言なアメリカ人と日本人のハーフ、
にゃはは、が口癖の細目エセ関西人の女性、
今年で57歳になるムキムキマッチョのベテラン刑事、
全然喋らない無表情クール系イケメン、なお顔文字使い、
おちゃらけた雰囲気がある苦労人の眼鏡男っす系こと、
この6人と橙次さんの計7人が特殊犯罪対策部第一課所属 第五班小隊である。
「悪いね、時間ギリギリになってしまったよ。今日は渋滞が酷くてね」
「良いっすよ、今日は街全体が浮ついてますからね。それに時間には間に合ってますし」
「あぁ、問題はあるまい。それでも気になるなら早くミーティングを始めるべきだろう」
「えぇー!もう少しだべっててもいいじゃん」
「ユズル、仕事ハ仕事ダ」
「ぶぅーぶぅー」
「…………」(´・∀・`)オチツケ
「にゃはは、新堂ー、その顔はちょっとムカつく」
「…………」Σ(゚Д゚;エーッ!
「あはは、みんな席に着いてくれ。これよりミーティングを始めるよ」
相変わらずなんとも騒がしい班だなぁ……これで全部隊で上位の成績残してる優秀な部隊なんだから凄いわ。
橙次さんの言葉に各々返事をしつつ席に座わり、俺と蛍華も空いている席に座る。
それを確認した橙次さんは部屋の壁に設置されている大型モニターに自身のPCを繋げながら話始める
「まずは今回の任務についてだけど、最低限の知識はみんな頭に入れてると思う」
「会議の警備でしょ〜?態々こんな護りにくい所でしないで欲しいよねぇ〜」
「あ、あははは……まぁ譲の言う通り警備なんだけども少し面倒なことになってね」
「面倒、デスカ?」
「うん、一昨日の夜、署にこんな御手紙が届いてね」
大型モニターにPCの画面が映り、そこに1枚の紙が映される。どこにでもある普通の手紙用紙だが、書かれている内容は物騒極まりない。
「まぁ、纏めた上で読み上げると『我らは非能力者達を代表するものである。異世界人などという非能力者達を弾圧せしめる存在を我々は認めない。故に我らは世界会議にて、愚かな政府諸共、悪の諸悪を消し去ることにした。覚悟しておけ』って所かな」
「うわ〜テロリスト、って感じすっご」
「非能力者達の代表ねぇ……にゃっは、あんた達の行いで非能力者達がさらに追い詰められるってわかってんのか、って言いたいわ」
「そもそも異世界人にも非能力者と言える存在が居ると聞いている。弾圧などと言うが、彼らがやろうとしていることと何ら違いなどないでは無いか」
「まぁ、結局そいつらが言いたいのは異世界人なんていたら俺達がさらに虐げられるから、先にこっちから虐げてやる、って言ってるようなものっすからね」
「彼ラノ境遇ニハ同情出来ル。ダガ、ソレデ誰カヲ傷付ケテイイコトニハナラナイ」
「………」(#゚Д゚)プンスコ!
「私としてはその程度の事で暴れるとか、ないわーって感じ」
確かにテロリスト達の言い分は俺もちょっと思うところありますけどみんなめっちゃボロボロに言うじゃん……
橙次さんは皆の意見を聴きながら、テロリスト達の情報を次々とモニターに映していく。
というかテロリスト達のプロフィールをたった2日、正確には1日で調べ上げるとか政府の諜報機関やばいな
「さて、今挙げて言ったのが非能力者達で構成された約40名のテロリストのメンバーだ。そして今から挙げるのが3人がこのテロリスト達の主犯格達、もしくは主力だね」
モニターにスキンヘッドにした目つきの悪い悪人面の男性が映し出される。顔には古傷と思われる傷痕が複数あり悪人面をより濃くしていた。
「ジェイク・ラスター。元アメリカ軍人であり、第三次世界大戦にてシルバースターを授与された非能力者だ。非能力者ではあるが世界大戦では何人もの特殊能力者を屠った実力者でもある」
「第三次世界大戦って……何歳だよそのおっさん!」
「確か当時が20歳だから今は48歳になるね」
「そんな人がどうしてテロリストなんかに堕ちるんですか」
「彼はシルバースターを授与された1年後にシルバースターを剥奪されているんだ」
「あー、大体わかったっす。特殊能力者が関わってるんすね」
甲斐さんが凄く嫌そうな顔で橙次さんの説明を拒否する。
うん、まぁ、非能力者が特殊能力者を非難するテロリストに堕ちる理由でそういう話をされたら特殊能力者が関わってんだろうなってのは何となくわかる。
というか特殊能力者って本当にろくな奴いねぇな、このテロリスト達の言い分が当然起こり得るものだと思ってしまったわ。
次に大型モニターに映ったのは顔色の悪い痩せ気味の男性。どこか気弱そうな雰囲気があるが、その目は血走り、狂気じみて感じる。
「次はクラック・ウッズ、歳は22歳。彼は特殊能力者ではあるんだが、幼少期から他の能力者達に酷いいじめを受けていたようでね。彼が13歳の時にそのいじめによって半身不随になってしまった」
「酷い話ね……能力者同士でも力によって関係を決める事がある、子どもなら尚更ね。大人がもっとちゃんとしていたら……」
「そうだね………彼は14歳の時に医学系の能力者によって半身不随を回復してリハビリを行い、15歳の時に退院して学校に復帰したそうなんだが……」
「なんだが、なんだ?」
橙次さんは言いにくそうに口を紡ぐと、1つため息を吐き話を続ける。
「……彼を虐めていた生徒達が懲りずに彼を虐めようとしたらしい。その際に異能が暴発し、教室に残っていた生徒16名が生死の境を彷徨った……いや、そのうち彼に最も近い場所にいた6名は死亡した」
「………まじか」
「…1度死に掛けたからだろうね、彼の異能は進化した、と考えられる。異能は『毒臭』。嗅げば体に毒が回り、最悪死に至る。解毒薬はなく、彼の意識を落とすか、彼自身の手で解毒しなければならない」
「………お父さん、毒が体全体に回る時間は何分?体を毒が回るまで動かすことは?」
「正確な時間は掴めてない。けど、毒を嗅いだ体は5分程経つと急に動かなくなり、あとはそのまま毒によって衰弱死、かな」
「なら、接敵から5分以内に倒さないといけない、もしくは襲撃された時点で毒をばら撒かれた、と考えた方がいいね。まぁ、最も、襲撃以前にばら撒かれていたら意味は無いだろうけども」
その場にいる全員が押し黙る。目に見えない臭いという毒を散布する相手、今回のような人が集まる閉鎖空間においてこれほど厄介な能力は無い。
何よりも襲撃からたったの5分でクラック・ウッズを見つけた上で打倒しなければならないのだ、いや、襲撃よりも前にやられた場合を考えれば恐ろし過ぎる。
警備の難易度がこいつのせいで一気に爆上がりしている。
「彼に関しては戦闘能力は無いと判断している。もちろんある可能性も考慮しなくてはならないが、考慮した上で、新堂、蛍華、君たちが適任だろう」
「………」(*`・ω・)ゞ
「ん、任せて。発見次第倒すよ」
ホログラムに顔文字を投影した新堂さんと少し顔を微笑ませた(目のハイライトは無い)蛍華が返事をする。
蛍華さん、その微笑みはトラウマを生み出す微笑みになるので遠慮してもらえると、あ、無理?ですよねー。
話が終わり、橙次さんがPCを操作すると、大型モニターにフードを被った男性と思われる人物が映し出された。
「そして、彼がこのテロ組織のリーダーであるシーク・レット。間違いなく偽名だろうけど彼に関しては情報がほとんどない」
「シークレットって、偽名である事隠す気ないね」
「まぁ、それはいいさ。問題は唯一わかっている事が、彼が能力者であり、その異能が防御に関するものだということ」
「…………なるほど、それで俺ですか」
「うん、どんな防御異能かは分からない。けど君の技術はそう言ったものに関しては特効とも言っていい効果を発揮する。彼は甲斐、もしくは誓弥君、君に相手をしてもらいたい」
「へぇ〜、斬りがいがありそうっすね」
「……了解です。やってみせます」
となると親父や母さんにも詳しく話ておくべきだったかもな、嘱託の資格を取る際にも話し合ったから覚悟はしてるとは思うけど、心配掛けることになりそうだ。
「さて、それじゃあ最後に会議中の警備について、配置等を話し合おうか。あ、誓弥君のお母様からの差し入れもあるからそれを食べながらにしよう」
その後橙次さんは会議中の警備場所や配置、今後と行動などの説明を行い、ミーティングが終わる頃には会議が始まる10分前になっていた。
「ふぅ、すごくだるい」
「私達は各階の見回りなんだからまだ楽じゃない?」
「いや、警備がだるいんじゃなくてこの後の食事会がな…」
「そんなに嫌?確かに挨拶回りは面倒だけど、ただで美味しい料理食べれるのは嬉しいよね。立食式だからマナーも最低限で良いし」
「ソウダネー」
現在の時刻は14時51分、朝のミーティングから約6時間が経過している。
俺は蛍華と組んで、他の特殊犯罪対策部の班員の方々と手分けしながら40階から45階の見回りを行い、第五班の皆は克地さんと譲さんが監視室に、ジョーンズさんと新堂さんは外の警備に、猫街さんと甲斐さんは20階から30階の警備を、橙次さんは他の班長達と対策会議室として46階の小会議室にて情報共有や指示を出している。
「それにしても、お父さんが言った通り今日じゃなかったね」
「あぁ、やっぱり明日が勝負、って事だろうな」
「だねー、しかも明日の件もあるから今日はこのビルの客室で寝ていいんだって。いやー、VIP対応の部屋で宿泊とか最高だよね」
「まぁ、わからんでもないな」
俺達がテロリストの襲撃に対してそこまで警戒していないのは朝のミーティング終了時に橙次さんが話した内容によるものだった。
『今回、テロリストが襲撃する時間は恐らく明日になると考えているんだ』
『明日、ですか?』
『うん、本日の会議は異世界人達の説明が主になっていてね。そのために各国の代表ではなく、代理人が先に来ている国もあるんだよ』
『あー、じゃあ今日の食事会で合流する、ってことですかね?その為に会議終了後は2時間の準備時間を儲けたんですね』
『そういう事だね。もちろん食事会が最も警戒が緩みやすい時間だけど、確実に各国の代表達全てに攻撃を仕掛けるなら会議中に殺るのが1番効率よく一網打尽に出来る。何せ会議室では武器やそれに類するものの持込みを禁止しているし、会議を行う会議室は特別でね。特殊能力を使用出来なきようにもされているからね』
『だけど毒臭という異能は隙間さえあればそこから毒を流せる。部屋の中にいる必要も無いから5分間バレさえしなければ確実に殺せる、と』
『うん、部屋が広いから5分間、とはならないかもしれないから、死なない人もいるかもしれない。けど嗅いだら5分後に生死の境は間違いなく彷徨う』
『此方の勝利条件は最優先でクラック・ウッズの確保、その後にテロリスト全員の確保。あちらの勝利条件はクラック・ウッズに会議室と同じ階で異能を使用させる事、ってところか?いささか相手に有利過ぎないか?』
『まぁ、相手を建物に入れなければ何とかなるかもね。とにかく、そういう事だから今日は警戒しつつも本番は明日と考えといてね』
ということで本番は明日だと橙次さん達班長は考えているみたいではある。まぁ、それで今日の警戒を疎かにする理由は無いのだが。
「あ、会議終了時間みたいだね。それじゃあ会議室周りの階段に移動しよっか」
「了解、さっさと移動しよう」
さて、遂に食事会かぁ……まず母さんに今日は帰れない事とか諸々報告しとかないとなぁ。
はぁ、憂鬱だなぁ……
「初めまして、アーサー・クライドです。自分達と同じ年代の方と会えるとは思っていませんでしたので少し嬉しいですね、はは」
「私はセイン・シルフィアと申します。以後お見知りおきを」
「不知火家の末席に属しております、不知火 蛍華と申す者です。こちらこそ異世界から来られた勇者様と聖女様にお声がけいただき大変嬉しく存じます」
「この度此方の不知火 蛍華のお供をしております、転院 誓弥と申します(震え声)」
「ん?誓弥殿、少し声が震えているようですが大丈夫ですか?」
「ご心配いただきありがとうございます。少し緊張しているから、でしょうかね」
な、ん、でッ!!こうなったッ!!
できる限り関わらないようにしていたのにそっちから話しかけてくるとか予想できるかッ!
というかさ、その………
「…………………」
「………………あの、なにか?」
「…いえ、少し気になりまして」
少しじゃないのよ、ガン見なのよ、めちゃくちゃ気になってる人の反応なのよ。
会話の最中も最初の挨拶の段階も、ずっっっっと俺をガン見してる聖女さん?ナズェミテルンディス!!
タスケテ!誰でもいいから助けて!!
以前から作品タイトルの語感が少し変かな、と思っていたのですが、感想欄でやはりタイトルについて突っ込まれる方がおられたので、ここで少し直してみることにいたしました。
今のタイトルの前に転生主人公の人生譚、と付けてその後ろに今のタイトルを付ける形にしようと思います。
そして今のタイトルを少し弄る、もしくはそのままに、してみようと考えております。
ただ、どれがいいか軽くアンケートを取ってみようかと思います。
アンケートの選択肢は下記の三つです。
①転生主人公の人生譚~主人公の死亡する親しいポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)~
②転生主人公の人生譚~主人公と親しい・死亡するポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)~
③転生主人公の人生譚~主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)~
よろしければお答えいただければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
もしよろしければ感想・評価の程、よろしくお願い致します。
追記
アンケートを少し修正しようと思います。
感想にて転生主人公の人生譚の部分はいらないのでは?という意見がありましたので転生主人公の人生譚の部分を無くしたタイトルということで、アンケートを追加してみます。
申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
今後の為に活動報告にこの作品の質問箱意見箱を作成しておきます。
よろしければそちらにこの作品のご意見をいただければと思います。
もちろんそれを参考にすることはあるかもしれませんが、全て採り入れるようなことはおそらくできないと思います。
よろしくお願いいたします。
あとがきに書いてあるとおりです。よろしくお願いいたします!
-
①
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②
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③
-
転生主人公の人生譚をなくした①
-
転生主人公の人生譚をなくした②
-
転生主人公の人生譚をなくした③