主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)   作:音無 仁

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お久しぶりです!

今回はお待たせして申し訳ありませんでした!
最近転職して仕事をし始めてなかなか投稿できなかったんですよね………

一応本編は書けてるんですけどまえがきとあとがきをどうしようか考えてたら結局投稿できないというジレンマ。
いやー、大変でした。

さてと、それでは最初は前回のアンケートについてですね!
まずは皆さん、アンケートに御回答いただき誠にありがとうございます!
アンケートとの結果ですが、最後の方は接戦でしたね……

『主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)~』

の転生主人公の人生譚が付くかつかないかで別れておりました。そのため今回は転生主人公の人生譚をつけるか付けないかアンケートしようと思っています!
あとがきのアンケートにご回答いただければと思いますので、よろしくお願い致します!

それでは本編をお楽しみください!
主人公と聖女の再開の場面を楽しみにしてた方は申し訳ないですが今回は回想に入ってます。

ちなみに昔の彼らは基本的にギャグ時空のようにはっちゃけてますので現在との温度差に風邪をひかないようお気をつけください。

ではどうぞ


主人公は逃げようとした!しかし聖女に回り込まれてしまった。

「うん、うん。気を付ける……え?あぁ、橙次さんに話しとく。あ、そろそろ時間だから、またね。……うん、おやすみ」

「おばさんなんて言ってた?」

「とりあえず怪我しないように、ってさ。あと橙次さんには蛍華の母さんと一緒に話があるって」

「あー、お父さんの自業自得だから仕方ないよね」

 

見回りを終え、本日宿泊する部屋に戻った俺達は食事会の為に服を着替えることにし、その間に俺は母さんに連絡を取っていた。

母さんもやっぱり怒ってたな……まぁ、今回は橙次さんが悪いから俺にはどうしようもないけど

 

「それにしても……」

「……なんだよ?」

「馬子にも衣装とはこの事かなぁ…」

「うっせ、イケメンでも無いんだから似合わないっての」

「あはは、ごめんって。タキシードもなんだかんだで似合ってるって」

 

鏡の前で蝶ネクタイの位置を少し調整しながら鏡越しに自分を見る。

黒い髪に黒い瞳、普段は下ろしている前髪をワックスで固めてオールバックにしたタキシードの少年が目の前の鏡に立っている。

なんというか、普通顔が無理して頑張ってるようにしか見えない。

 

「そういうお前は割と似合ってるのな、ドレス」

「あ、わかる?さすが私だよね〜」

「少しは謙遜しろよ……」

 

蛍華はその場でくるりと回ってドレスを見せ付けてくる。

薄い赤色のドレスは蛍華の鮮やかな紅い髪を際立たせ、いつも後ろで結んでいる髪を解き軽くパーマにしてなびかせている。胸下辺りまで伸びている髪は煌びやかに輝いているかのようだ。

物静かに佇んでいれば育ちのいい何処ぞのお嬢様に見えなくもない。なおハイライトはいつも通りオフである。

 

「さて、準備出来たしそろそろ会場に向かおうか」

「うへぇ……行きたくないなぁ…」

「仕事は仕事だよー、ほら早く早く」

「うごごごこ……」

 

蛍華に腕を引かれてエレベーターに乗り、パーティー会場のある50階へと向かう。

エレベーターが50階に着き、エレベーターの扉が開くと目の前には会場の扉とその扉の左右に1人ずつ警備の警察官が立っているのが見える。

警察官側からもこちらに気付き、右側の警察官がこちらに近寄ってきた。

 

「本日のパーティーにようこそおいでくださいました。差し出がましいようで申し訳ありませんが、規則ですので招待状を見せていただいても?」

「お勤め、ご苦労様です。こちらが招待状になります」

「拝見致します」

 

蛍華が招待状を渡すと警察官が、招待状の中身を確認。そして扉近くにいるもう1人の警察官と目を合わせ、頷く。

招待状を受け取った警察官は扉の右側に戻り、左右の警察官が扉の取っ手を手に取り開ける。

 

「ようこそおいでなさいませ、不知火蛍華様、転院誓弥様。本日はパーティーをお楽しみください」

「ありがとうございます」

 

そしてついに俺達はパーティー会場へと踏み込んだ。

と言ってもここからのことはそんなに変なことは無かった。

不知火家の人間として挨拶回りを蛍華が行うため、俺も蛍華の護衛のような形で一緒に回っただけである。

1、2時間後には挨拶回りも終わり、並べてある料理に手を伸ばし始めたし、その頃には知り合いや日本のお偉いさん達しか話しかけては来なかった。

 

流石に挨拶回り関係なく総理が話しかけてきた時はびびったし、日本の御三家*1とも言える不知火家、水無家、風間家が揃った時は何が起こるか冷や汗ものだった。

まぁ、不知火以外の当主は割と良い人なので普通に話し合っていたが。

 

あとは五大宗家*2の人達が話しかけてきたくらいだろうか。こちらは御三家以上に忙しいらしいからなぁ、日本全国に飛び回っているとか。

 

今年は御三家から分家含めて何人かが同い歳なので俺たちと同じ高校に入学していたり、五大宗家からも何人か入学してるから仲良くしてくれるとありがたい、そういった話だった。

 

他は、そうそう時雨さんが話しかけてきたよね。

あの人とは同じ道場で技を教わってきた兄弟子だから昔からよく知ってるけど一昨年と去年に開催された世界武道大会で2年連続優勝、世界ランキング1位の化け物だからなぁ。

恐ろしいのは異能を使わずにこれを叩き出したんだからやばいよね。

まぁ、日本の代表の1人としてパーティーに呼ばれたらしいからすぐに別のところに行ったけど。

あんな本質人斬りな人が日本の代表とか、日本は本当に大丈夫なのだろうか……あ、日本は昔から大丈夫じゃなかったな、色んな意味で。

 

そして少しの間が空き、料理を食べながら蛍華と話していると彼らが話しかけてきたのだ。

そう、俺達が挨拶回りをしている時に会場へと入室し、その後挨拶回りをしていた勇者と聖女のお二人である。

ちなみに聖女さんの方は会場に入ってきた時に俺と目が合ってからずっとこっちを見てる。挨拶回り時も基本的に話をしてる時以外はこっち見てる。

 

いや、普通に怖いんだけど、なに?なんでこっち見てるの?こわすぎるんだけど?!*3

 

あ!く、来るな!いや、来ないでください!挨拶回りだから赴かないと挨拶できない?そんな馬鹿な!俺達は不知火本家への挨拶回りを先延ばしにしたから問題ないって!本来なら最初に挨拶すべきところの挨拶を最後にしたんだから多少は大丈夫だよ!だから来ないでくださいお願いします!

 

「初めまして、アーサー・クライドです。自分達と同じ年代の方と会えるとは思っていませんでしたので少し嬉しいですね、はは」

「私はセイン・シルフィアと申します。以後お見知りおきを」

「不知火家の末席に属しております、不知火 蛍華と申す者です。こちらこそ異世界から来られた勇者様と聖女様にお声がけいただき大変嬉しく存じます」

「この度此方の不知火 蛍華のお供をしております、転院 誓弥と申します(震え声)」

 

ア、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!‪来ちゃった♡、じゃないのよ?!*4どうしてきちゃうの?!思わず声が震えてしまったじゃないか!来るなって言ったじゃないか!*5今回はただの傍付きみたいなものなんだから勘弁してよ!*6

 

「ん?誓弥殿、少し声が震えているようですが大丈夫ですか?」

「ご心配いただきありがとうございます。少し緊張しているから、でしょうかね(震え声)」

「それならば良いのですが……体調が悪い様ならお休みになられた方が良いですよ」

「ありがとうございます、気を付けておきますのでご安心を(震え声)」

 

ならば少しでも俺から離れてくれるとうれしいなぁ…って思ったり!

 

「…………………」

「………………あの、なにか?」

「…いえ、少し気になりまして」

 

でもそれはそれとして、聖女さん?いい加減こちらをガン見するのやめていただけませんか?

こうして俺は今世で前世の仲間達と再会したわけだが、そんな俺の内心が荒ぶっているのを置いて会話は進んでいく。

 

「それにしても勇者とは大層な称号ですね」

「はは、本当にね。僕には似合わない称号だよ。本来なら僕は田舎で田んぼを耕すような生活を送っていたはずの元農民の子どもだからね」

「それを言いましたら私などあなたのような経験もしたことが無い子どもでしかありません。不知火の人間ではありますが、貴方の前では我が一族の大層な身分がどれほど矮小なことか」

「そんなことは無いだろう、不知火と言えばこの国では知らぬ者はいないとか。君もご実家を悪く言うものじゃないさ」

「………左様で御座いましょうか。私としてはあのようなちりふぐっ」

 

慌てて蛍華の口を塞ぐ。どうせ続きは、あのような塵芥はさっさと消えてなくなって欲しいのですが、と言ったところだろうか。

この場では他にも不知火の関係者がいるのだ、そんなことを言わせる訳には行かない。

 

「蛍華さんや、こんなとこで不知火貶したら面倒なことが起こるぞ。そんなこと本意じゃないだろ?」

「むっ………」

「なら気を付けようぜ、俺も面倒に巻き込まれるのはゴメンだ」

「……ん」

 

ふう、とりあえず何とかなったかな。勇者からの視線が柔らかいのがなんとも言えんが。

あと、こんな時でもこっちを見ること辞めないのな聖女さん。でもガン見からにらみつけるに変わったのはなんでなん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、いつもと変わらない日常。いつもと変わらない習慣。

なんてことのない日々を聖女として教会で暮らしていた私はとある二人組と出会い、自身の運命を感じとったのだ。

 

あれは雲一つない快晴の空が広がる、春にしては少しばかり暖かな日だった。

いつものように教会で朝のお祈りや信徒達の相談を請け負い、怪我人を治療していた。

そして一段落がつき、教会のお庭でお花を見ながら休憩を取っていた時でした。2人の男性の話し声が聞こえてきたのです。

 

『だからここからなら教会の中にも行けるって』

『いや、けどいいのかい?つい先程門前払いを食らったばかりじゃないか』

『いいのいいの、頭が固い教皇様に話付けるよりも本人と話した方がよっぽど有意義だって』

『エクス……君本当に騎士かい?どう考えてもその考え方は騎士では無いと思うんだけど』

『俺は騎士じゃなくて見習い騎士の門番だからな。というか見習い騎士になってもう3年も経つのにいまだに見習いのままなんだぜ?これでも現役の騎士に模擬戦で勝ったことすらあるのにさ!』

『君の勤務態度が悪いせいじゃないのか、それ』

『そ、そんなことはない、はず。はずだよね?』

『僕に聞かれても……』

 

なんとも賑やかに会話をしている2人組はそのまま教会の庭へと足を踏み入れ、そして私に気がついた。

 

『『あ………』』

『……………』

『『…………』』

『……………』

『『……あ、ご苦労さまです』』

『あ、はい。ご苦労さまです……』

 

そう言って彼らはそのまま教会の中へと…、待って待って待って!

 

『いや素通りしないでくださいよ!?なんで何事もないかのように教会へ入ろうとしてるんですか?!』

『………いや、違う。俺達は教会じゃなくて、ちょっとそこのスイーツ専門店に用事があってな』

『どこからどう見ても教会しか見えませんけど?!』

『馬鹿野郎、あそこは、その、教会の形をしたスイーツ専門店だ。キャッチコピーは教皇様も堕ちたスイーツ!って感じの』

『教皇様を勝手にスイーツで堕落させないでくれません?!というか私の服装でわかるでしょう!シスターですよ私!』

『あんたはほら、店員だろ?その服はこの店の制服だろ?』

『今知る驚愕の事実?!!そんなものを真実として押し付けないで?!』

『教皇様は店長として働いてて、あんた達は聖職者として働いていたから気付かなかったんだな、きっと』

『それで誤魔化されるのはきっと頭が空っぽな楽しい人達でしょうね!?』

 

なんなのこの人、すごい馬鹿げた理論を展開してくるんだけど!

 

『あなた達、本当に何者ですか!』

『あー、その、俺達は、なんだ』

『えっと、僕達はその……ハクバノ王子サマサ!!』

『そうそう!とあるお偉いさんに会いに行こうとしてる白馬の……白馬の王子様?!』

『相方の方がすごい驚いてますけど?!というか白馬の王子様だろうと勝手に教会に入ることは禁じられてますから!』

『くっ、ダメだったか……』

『むしろなんでいけると思ったんですか……?』

『いや、あれは教会の形をしたスイーツ専門店だから』

『まだその話続いてたんですか?!』

 

なんなんだろうこの2人組……いや、本当に何者なんだろうこの不審者達……

 

『とにかく!この事は教皇様には内緒にしておきますから今日のところはお引取りを!明日教会の正門から堂々と教皇様を通してからそのお偉いさんに会ってください』

『いや、その教皇様から門前払い食らったんだけどね俺達』

『……え?あのお優しい教皇様がですか?』

『うん、僕達にはとある目的があってね。その為に教会にいるとある人物に協力をお願いしようとしたんだけど……』

『物の見事に門前払いされてな。仕方なくご本人と話をしようとこうしてここまで来たんだよ』

『……………』

 

教皇様はこの街の誰もが知るお優しいお方だ。教会と隣接するように孤児院を建て、この街にいる全ての孤児を引き取り、仕事を与え、時には教会のシスターや神父として雇うこともあった。

私も元々孤児院にいた孤児だったが、教皇様のお陰でシスターとなり、回復魔法や治癒魔法の勉強を行い、時には医学にも携わった。

結果私は聖女と呼ばれるようになり、今もこうしてここにいるのだ。

だからこそ教皇様の人となりはよく知っている。その教皇様が門前払いを行うなどとは到底思えないのだ。

 

『一体あなたたちは何者なのですか?お偉いさんとは誰を示しているのですか?あなたたちは…なにをするつもりなのですか…?』

『あ〜………アーサー』

『うん、僕の名前はアーサー・クライド。女神様によって選ばれた勇者だよ』

『んで俺はその勇者様に付き添う見習い騎士のエクス・トルーダーって言うんだ』

『勇者様……』

 

勇者。今から数ヶ月前に女神様より神託があり、この世界の適性のある者に勇者の力を与えられることが伝えられ、魔王を討伐する使命が下されたのだ。

そして一月ほど前にこの国の王城へと勇者が登城したらしく、その後魔王討伐の為に旅に出たのだとか。

つまり彼らはその勇者一行であり、彼らの言い分が正しければ彼らが教会に来た目的は一つ。

 

『聖女、ですか……』

『まぁ、そうだな。その聖女様の力を貸して貰えないかと思ってな』

『聖女様の魔法の力は凄まじいと聞く。なればこそ、その力で魔王討伐に協力して欲しいと思っている』

『………なるほど、お話はわかりました』

 

彼等が勇者だと言うのが本当ならばこの言葉は誠なのだろう。

私としても彼らの言葉に嘘偽りは無いのだと思っている。

しかし───

 

『あなた達のお言葉が本当ならば、聖女様のお力は大変役に立つと思われます。ですが、聖女様があなた達と一緒に行くことは難しいかと』

『それは何故…?聖女様は慈愛に満ちた素晴らしい方だと聞く。そのようなお方ならば魔王によって起こる被害を減らせるのならば協力して頂けるのでは?』

『慈愛に満ちた………んん!聖女様は確かに、確かに!慈愛に満ちた素晴らしい方ではありますが、だからこそこの街から離れないのです』

『あー、もしかして聖女様がいないとこの街になにか不利益になることがあるってことか?』

『はい、この街には魔物避けの結界があります。その結界を維持しているのが聖女様なのです。もちろん結界の維持は聖女様以外にも行えるものではありますが、聖女様がこの街から出てしまうと結界を1度消さなくてはならなくなります。現在張られている結界と同じ効力を持つ結界を作成するにはそれ相応の時間と労力が必要になり、その為に再度結界を作成するまで街の住民を危険に晒してしまう恐れがあるのです。ですので聖女様が動くことは無いかと』

『うへぇ……まじかよ……』

 

教皇様が彼らを門前払いしたのはそれもあったんだと思います。もしかしたらまた別のお考えがあるかもしれませんが。

 

『ですのでお引取りを。どうしようとも難しいでしょうから』

『それは……そうでしょうね。どうしようか、エクス』

『………なら、結界が再度張られるまで俺たちが魔物から守ればいいんじゃないか?』

『はい?……え、正気ですか?』

『おう、この町を中心にこの辺の魔物を狩りまくって安全を確保しつつ魔物を倒すことで戦闘経験を積み、街まで魔物が来るなら俺達が守る。どうだ勇者様、やれるか?』

『……………』

『いや、いやいやいや、やめた方がいいですよ。危険過ぎます』

『いや、これが最善だろう。この街の冒険者ギルドにも手伝って貰えれば安全性も上がるだろうしね』

『よし、そうと決まればやっぱり聖女様と話してこのことを伝えないとな!嬢ちゃん、聖女様にお伝え出来ないか?』

『……………』

 

開いた口が塞がらないとはまさにこの事だろう。現在の魔物達は魔王の影響で活性化して凶暴になっているのに、わざわざ危険を犯して魔物を狩りいくなど正気ではない。

いや、これが勇者一行なのか。魔王討伐を掲げるのならばこれくらいできなければ魔王討伐などできるわけが無い、ということなのだろうか

 

『……いえ、認めません。認めませんとも!』

『へ…?』

『聖女様に会いたくば、私を納得させなさい!』

 

ホントは私が聖女なんだけども、それはそれとして。

 

『んふー!』

『えぇ〜何このシスター、やけに好戦的なんですけど』

『なるほど、シスターってこんな感じなのか……』

『そんなわけないでしょうが。シスターってのはもっとこう、おとしやかで清楚で誰にでも優しく接してくれる美少女、美女というイメージがあってだな……』

『普通にタバコを吸うシスターもいれば酒を飲み漁る自堕落シスターや、男漁りに余念がないシスターもおりますが?』

『終わってんじゃねぇのかこの世界のシスター!?』

 

シスターも人間なのだからそんなものだろうに何を言っているのか。

 

 

 

それが彼ら勇者一行の2人組との出会い。

この後エクスさんに腕を引かれて街を散策し、初めて食べ歩きを行い、そして普通に街の人達の態度や言葉で聖女である事がバレたりして大変だったが、私はこの運命の日を忘れない。

貴方たちに連れられ教会を出たあの日を、私の日常に彩をくれたあの日を、私はずっと、忘れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程別れたお二人、不知火蛍華さんと転院誓弥さんを見ながら、私達は離れた場所で食事を取りながら会話をしていた。

転院誓弥さんは少しばかりぐったりしており、その彼の横腹を不知火蛍華さんが小突いているのが見える。

 

「セイン……大丈夫かい?」

「アーサーさん……問題はございません。少しばかり昔を思い出しただけです」

「そうか………」

 

アーサーさんは少しばかり遠い目をしながら思い出にふける。

 

「君と会った時は聖女だなんて気づいてなかったんだよね」

「えぇ、エクスさんに関しては教会をスイーツ専門店にしたてあげようとしてましたからね。しかも魔王討伐後に街へと帰ったら教会内で本当にスイーツ専門店が出来てた時は唖然としました」

「え、そんなことあったの……?」

 

孤児院の子がパティシエになりたかったらしいが教会にも恩返しがしたかった彼女は教会の中でお店を出せば恩返しになるのでは?と考えて教皇様と相談してスイーツ専門店を建てたらしい。どうしてそうなったの?

孤児院で彼女と仲の良かった子達も手伝っていたのをよく覚えてる。ちなみにキャッチコピーは教皇様絶賛!教皇様が堕ちたスイーツ!だった。

それを見て、そういえば彼女達はエクスさんと仲が良かったのを思い出した。絶対彼の仕業だ。

 

…………そんな彼女達もエクスさんが亡くなったと知った時は崩れ落ちるように膝を着いていた。

その後は全員が部屋から出てこようとせず、教皇様や私が手を尽くさなければ何時までも引きこもっていたかもしれない。

 

「しかもエクスがちょうどいいから街を案内してくれよ、なんて君にお願いしてさ」

「無理やり私の腕を引っ張って街を散策し始めるんですからね、困ったものでした」

「まぁ、散策中に君が聖女だとバレて、エクスがえ?まじ?自画自賛してたの?ってにやにやしながら聞いてたっけ」

「男の急所は分かりやすくていいですよね」

「頼むからあの時みたいなことはやめてね。男にとっては死ぬより辛いかもしれないから」

 

少し青ざめたアーサーさんにニッコリと笑顔をむけておく。

アーサーさんの乾いた笑い声が印象的である。

ちなみにこの時、転院誓弥さんが何故か内股気味になりながら悪寒でも感じたのか体を震わせて周りを見ていた。

 

「あれから3年と少し……長い付き合いになったものだね」

「はい、あの日あなた達と出会えて、エクスさんに出会えて、私は…本当に良かった」

「………それは僕もさ。あの日々は大切な宝物だ」

 

あの日があったから私はこうして生きている。あの日が無ければ私はきっと、あの退屈な日々を繰り返すだけだったから。

だからこそ今の日常が何処までも尊いものだと理解できるのだ、そう、なのだが……あの人が、エクスさんが一緒にいない、それがどうしても私は、理解、いえ納得が出来ない。

 

「転院誓弥さん……確証はありませんがもしかしたら…」

「本当に彼がそうなのかい?」

「はい、確かに確証はありませんし、肉体も違います。ですが、私の中の何かが、魂とでも言うべきものが、彼をエクスさんだと言うのです」*7

「……………そっかー…」

 

アーサーさんがまた遠い目をしてどこかを見ていた。

あれ?もしかして引いてます?いや、もしかしなくても引いてますよね?ドン引きですよね、それ?

ちょっと、こっちを見てくださいよ、ほら。ねぇ、ねぇ!!

 

 

なお、この聖女、こんな話の最中でも主人公から目を離していない事を忘れては行けない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月3日日曜日、世界会議2日目の今日、テロを行おうとする組織が存在していた。

ただ、無能力者と言うだけで差別され、淘汰されてきた彼等が世界会議が行われる今日という日を狙って行動を始め。

それに対抗する為に警備を増やし対抗しようとする警察や自衛隊。

 

だがそれを嘲笑うかのようにテロリストたちは既に一手を打っていた。

クラック・ウッズは今日この日のためにとある国の代表が雇った護衛に潜り込んでいた。既に同じ控え室にいた護衛達は排除した。

あとは会議室の扉を警備している警察官を毒で倒せば障害はなくなる。

前日の段階で彼等は既に王手を掛けていたのだ、あとは王を獲るのみ。

 

会議が始まって既に30分が経ち、彼は控え室として待機していた部屋を出て非常用階段から会議が行われている階に移動しようと非常扉に手をかけた時。

 

「失礼」

「…………」

 

若い、女の声。自身の後ろに立ち、こちらを見据えているのが背中越しにわかる。

冷や汗が流れ、左腕を掴む右手が緊張で震える。

 

「あなたは確か……そう、伊国(イタリア)の護衛の方では?なぜ控え室ではなくこんなところで?」

「……いや、すみませんね。少し外の風に当たりたいと思いまして、ついでにタバコでも吸おうかと」

「なるほど、そういう事でしたか」

 

何とか誤魔化せたか、そう思い安堵する彼だったが次の言葉で固まってしまう。

 

「控え室にいる護衛が全員倒れておりましたので、てっきりあなたがやったのかと思ったのですが、どうでしょう?クラック・ウッズ氏?」

「ッ!!」

 

固まった身体を即座に反転し、左腕を掴む右手はそのまま、その女に対してタックルを繰り出す。

それは容易く避けられるが、そのまま彼は走り抜ける。

 

「ちっ……こちら、[蛍]!クラック・ウッズを発見!これより撃退する!」

「簡単にやられるわけないだろうが!!」

 

激動の2日目が始まる。

 

 

*1
日本御三家とも言われる異能力者の名門。不滅の不知火、深淵の水無、永久の風間と呼ばれている。また、家柄の影響で差別の不知火、天然の水無、苦労の風間といわれることもある。

*2
五大宗家とは霊術や陰陽術、魔術など異能とは違う特殊技能を極めた一族。彼らのような特殊技能を持つものを特殊能力者と呼び、近年では異能力者と特殊能力者を区別しないように特殊能力者としてまとめて呼んでいる。御三家よりもはるか昔から存在する一族。

*3
なんてことだ、もう逃げられないぞ♡

*4
言ってない

*5
言ってない

*6
それは本当

*7
怖っわ、なんで分かるんだよッ!?By誓弥





エクス(19)
主人公の前世の見習い騎士。○魂の銀○ポジション。ツッコミもボケも行ける。おじさんポジションでもある。いつか動いてないのに暑いよぉ〜とか言うかもしれない。誰得?

アーサー(11)
勇者。○魂の○楽ポジション。主にボケ担当だがツッコミも行けなくはない。天然ボケが酷くて王の前でひのきのぼうと50Gを貰うんですよね?って聞いた。ちゃんとした装備とお金を貰った。

セイン(13)
聖女。○魂の眼鏡ポジション。主にツッコミ担当。だが途中からボケにも回り始めた。基本的な常識はあるが常識を壊して進んでくるヤベー奴。実は教皇様の実の娘だとわかったりしたが気にしてない。教皇様の胃は彼女の行動により毎回死んでいる。

今回のお話如何だったでしょうか?
楽しんでいただけたなら幸いです。
遂に次話から戦闘描写に入りますが自分はそこまで自信ないんですよねぇ…駄文になりそうで怖い……

あ、そうでした!感想にて複数のご質問が見受けられたのでこちらでも回答しようと思います!

Q.剣聖達が手に入れたアカシックレコードがあれば主人公なんて簡単に見つけられるのでは?
A.アカシックレコードで知れるのは第二世界に関係する事柄のみです。つまり現在は第四世界の住人になっている主人公は見つけられません。

Q.だったらなんで主人公が転生してることがわかったの?
A.第二世界の主人公で観測したからです。そのため他の世界に転生した、という事実のみ把握しました。

Q.アカシックレコードってチート過ぎない?
A.アカシックレコードには使用制限があり、最大で10回まで使えます。ですが手に入れた時に無駄に3回ほど使ってしまい、主人公が転生したことを知ったのは4回目のときでした。現在のアカシックレコードは残り使用回数は2回しかありません。ですので今後も使えるかは微妙な所です。

Q.勇者達や、剣聖達が主人公が転生している理由を知っているのはわかるんだけど公爵令嬢はどうやって知ったの?
A.これは剣聖組が異世界転移をして公爵令嬢の目の前で転生した仲間を探している、と言ったことでもしかすると執事も転生しているかもと考えた彼女は交渉の末、剣聖達から1度だけアカシックレコードの使用をもぎ取りました。
何故、本来は第二世界に関連する事柄しか調べられないアカシックレコードで執事が転生したことを調べられたかと言うと、執事の魂が第二世界で観測したことがある魂だからです。

Q.アカシックレコード使えば転生後の容姿とかわかるのでは?
A.お話した通りアカシックレコードは第二世界に関する事柄しか調べられません。ですので第四世界の主人公の容姿は魂だけしか第二世界に関していないので調べられないのです。
剣聖組は上記の結果もあり、アカシックレコードは何でも調べることが出来ると勘違いして無駄に1回使ってしまいました。それ以来アカシックレコードは使っていません。

Q、でも魂の観測されたらバレるんじゃ?
A.バレます。普通にバレます。さすがにそれはおもしろ、もとい駄目だろ、と神様が考えてジャミングしてるので基本的にはバレません。

Q.幼馴染父普通にクズすぎない?命に関わるって知らせずに騙し討ちするのはちょっとどうなの?
A.幼馴染父はモデルにしたキャラクターがおり、まぁ、運命な夜の正義の味方ですね。
それも誰一人犠牲にしない正義の味方ではなく、大を救う為に小を犠牲にする正義の味方です。
彼は守るべきもののためならあらゆるものを犠牲にする覚悟があります。どれだけ恨まれようと、です。
まぁ、そんな考えになったのも不知火本家のせいです。
つまりすべて不知火本家が原因ですね。

Q.なんか主人公の両親も業が深い…深くない?あとなんか第四世界の人達も闇深そうなのなんなん?
A.第一、第二、第三世界の人達は闇はありますがほとんど解決済みで基本的に曇ってます。対して第四世界は闇に染まってる?というか闇落ちしてる?と言うぐらいに闇を抱えている人間が多いです。

Q.主人公は第二世界の時になんで魔王の姿を覚えてなかったわけ?
A.主人公は魔王の第二形態を見る前に意識無くしてそのまま亡くなってます。なので魔王は強化された勇者君に第二形態になったけどボコボコにされました。

Q.この世界は一夫多妻制ですか?!
A.今世の世界は一夫一妻制です。ですが、ほかの三世界は一夫多妻制、一妻多夫制を取っています。
今世の政府……負けないといいですね!

Q.キャラ無駄に増えすぎでしょ‪w‪‪w‪
A.え?後半で減るから前半は多くいた方がよくありませんか?ちなみに自分は最終的にハッピーエンドなら途中で主要人物や登場回数少なめだけど人気があるキャラがいなくなってもこの最後の為に意味はあったんだ、って考えるタイプです。いえ、だから特に何かある訳ではありませんが。

Q.異世界のヒロイン組は何となくわかるけど、今世のメインヒロインやサブヒロインはどんなキャラなの?
A.今後出てきますが、サブヒロインも書くと長いので今回はメインヒロインだけお答えします。ジャンルで言えば
・自己暗示系闇落ち寸前幼馴染
・道化師系感情希薄美少女
・令嬢系天然毒舌庶子お嬢様
・不幸系異世界生贄乙女ヒロイン
・姉妹系ドロドロメイン・サブ兼任ヒロイン
になりますね。これがゲームなら全員にもれなくハイライトオフの絵が書かれてますね。これがメインヒロインか…?
なお、隠しヒロイン要素もある模様

とりあえず今回は以上になります。
他にご質問や気になることがあったら今まで通り感想にか、活動報告の意見箱にお願いします!

ここまでお読みいただきありがとうございました。
もしよろしければ感想・評価の程、よろしくお願い致します。


作品タイトルは主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)になるんですが、このタイトルの前に転生主人公の人生譚 っていります?いらない?

  • 転生主人公の人生譚はいる!
  • 転生主人公の人生譚はいらない!
  • そんな事より続き書いて♡書け
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