主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目) 作:音無 仁
アンケートに関してですが本日の23:59まで受け付けています。まだやっていない方でお答えいただける方はよろしくお願い致します!
今回も大体5000文字くらいですね。前回の状況に何故なったのか、会議はどうなっていたのか。それがわかる回です。
では本編へどうぞ。
時はビル正面に第五班小隊が到着した数分後まで遡る。
蛍華と俺は会議室からしたの階で遊撃として警備をしていた。
そんな中で48階に来た時である、俺の感覚が警告を放ってきたのである。
ここは危険だと、何かがやばいと俺に知らしてきた。何かは分からないが俺はその感覚に従い蛍華と共に48階を調べていく。
「おかしい、なんで巡回の警備が一人もいない?」
「だめ、私の索敵範囲内には誰もいない……護衛の控え室に行こう。誰かいるはず」
「あぁ」
そして各国の護衛が控え室にたどり着いた時には、全てが遅かったことを悟ることになった。護衛達が倒れており、その中にはこの階の巡回を担当していた警察官も居た。
「おい!おい!大丈夫か?!意識はあるか?!俺の声が聞こえてるか?!」
「………ぅ…ぁ…」
「くそ、この人も呻くだけで意識がねぇ。蛍華、そっちは?」
「………駄目、こっちも全滅。こんな大勢の人間が誰にも気付かれずにやられるのはさすがにおかしいわ」
「ここまでくると考えられる可能性は一つか…?」
「油断、慢心、色々と言えるけど私達もまだまだね。確実に入って来てる。しかも今日じゃなくて昨日」
蛍華は控え室の中に居る護衛達を見渡して、そう呟く。
今日ではなく昨日という事は、テロリストが前日にビル内に潜入し、今日行動を起こしたということだ。
確かに油断してた、警戒が足りなかった。4度も人生を繰り返しているくせにこのザマか、勇者パーティの一員だった時や、ダンジョンに潜ってた時もこんなことはしなかった。
完全に鈍ったかねぇ……
「……やっぱり、1人いない。それに周囲に漂ってるこれ、毒ね」
「周囲に漂ってるとか分かるのか…?ふぅ……1人いない上に毒とか、一人しかいないじゃねぇか」
「クラック・ウッズが入ってるのは不味いね。時は一刻を争うよ」
「とりあえず橙次さん達に連絡だな。蛍華はそのまま索敵を続けてくれ」
「うん、了解」
一先ず橙次さんに連絡をしようと貰った通信機を使うが─
「………やられた」
「?誓弥どうかしたの?」
「……ジャミングだ。通信が出来ない」
「は?……ッ!そういうことッ!」
ここに来る前にビルの正面からテロリスト達が攻めていることは連絡を貰ってはいたが、俺達はテロ組織のシーク・レットやクラック・ウッズが居ないことから橙次さんたちとは合流せずに会議室の上下階を警戒していた。
それが完全に裏目に出た、通信を妨害する事でこちらで起こったことが下に伝わらないようにした上で陽動を行う。
妨害を始めたのは恐らく橙次さん達が着いてからだろう、でなければ橙次さんたちも通信が妨害されていることに気付くはずだ。
譲さんや、第二班の人達がこの通信妨害を何とかしようとしてるだろうが時間がかかる可能がある以上、クラック・ウッズは俺達が対応しなければならない可能性が高い。
そして姿を見せないテロ組織のリーダーが何処にいるのか。クラック・ウッズが会議室の下の階に居たのだ。ならば可能性として高いのは上、50階。
「蛍華」
「こっちは私がやるから、誓弥はそっちをお願い。元々そういう話だったしね」
「いいのか?今、能力に
「大丈夫大丈夫、既に
「なるほどねぇ……ならここで別れるか。おそらくエレベーターは使われないはず、だから俺はエレベーターで50階に」
「私は非常階段に向かって
「無線機を特定の無線機にだけ繋がるように設定しておけばこの階だけなら俺と蛍華で連絡が取れる」
「OK、蛍の言葉で作戦開始ね」
会話をしながら部屋から出て、少しばかり無言で向かい合い、互いに体を反転させて走り出す。
特に言葉はいらない、互いが互いに実力が分かっているからであり、何があっても覚悟しているからだ。
一つだけ言えることがあるならば───
「生き残ること、それが条件だな」
「──────当然だね」
その後、蛍華からの蛍という合図で俺はエレベーターで50階に赴き、シーク・レットと対峙することになったのだった
これにより、3箇所に渡る戦闘が勃発した。
ビル正面の戦闘
ジェイク・ラスター率いるテロリスト達
vs
不知火橙次率いる第五班3名
ビル内48階廊下
クラック・ウッズ
vs
不知火蛍華
ビル内50階フロア
シーク・レット
vs
転院誓弥
この戦いが行われる中、静かに世界会議は進行していた。
全世界から注目を集めるこの会議の行方は昨日の説明会のような会議ではなく、淡々と粛々と案件が片付いて行く。
本来ならもっと時間がかかるような案件が簡単に決まっていく光景は各国の代表達にとっても唾を飲むような状況であった。
この会議で主に会話をしているのは7カ国。
日本の総理大臣、春日部勇作。
アメリカ大統領、ラーグリッド・ゼイン
ロシア大統領、ロージェス・ペトロフ
イギリス首相、アクリス・ロディオ
そしてこの世界でもし大陸があればムー大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸と呼ばれていた場所に現れた新大陸の代表達。
シンプレクスの代表、勇者アーサー・クライドと聖女セイン・シルフィア。
ラビュリントゥスの代表、剣聖ルーク・ブレードと姫騎士アリシア・フェン・ルクス・エルンバッハ。
ウィルゴドミーラの代表、ラクスブレイ王国第二王子ロード・フォン・ラクスブレイとアルミリア公爵令嬢リリーナ・フォン・アルミリア。
彼らによる会議は外の状況を知らずに続いていく。
いや、少し訂正しよう。
その7カ国の中でも恐ろしい存在が3人。
「そういえば昨日の食事会ではおられませんでしたがどうかされましたか?」
「あら、食事会については出ようとは思ったのですよ?ですが些か本日の会議は準備が足りないと考えまして、欠席いたしましたの」
「アッハッハッハッハッ!異世界のお嬢様は正直なものだね!だが、本日の君との会議は実に素晴らしい!ここまで議題がすぐに終わると爽快なものだね!そうは思わないかね、春日部総理?」
「えぇ、本当に。驚かされてばかりで大変ですよ」
爽やかな笑顔での会話はされど目は鋭く相手を見つめている。
世界会議は少しずつ、日本とアメリカ、そしてウィルゴドミーラの三国の代表による会議へと変わっていくような、そんな感覚が各国の代表に薄らかに流れていた。
「それにしても良いのかね?君達の国から留学生を出すのも大変だろう?」
「構いません。彼女からの許可は既にとっておりますし、この留学は我が国とこの世界の親交の証ですからね」
「親交、か……ふふ、言い得て妙なものだな」
「えぇ、言い得て妙なものですが…わたくし達は皆さんと仲良くしたいのですよ」
「それはもちろん私達もですよ。それではリアナ・フォーリン氏を我が国の私立四葉学園に留学する事で異存は御座いますか?」
「異議なし、だな」
「提案したのはわたくしですもの、異議はありません」
彼らの会議に参加したもの達が異議の申し立てをしない中今の内容について考える。
どれだけ友好的な言い方をしても今の内容は人質の提案である。
リアナ・フォーリンという少女をリリーナ・フォン・アルミリアは簡単に人質という名の生贄としてこの世界に提供したのだ。
あの笑顔の下は一体何を考えているのか、畏怖の念を込めて見つめる者達が多くいた。
『良いのかい?ここで彼女を留学させる意味はあまり無いように思うが?』
それも所詮は仮面でしかない訳だが。
『構いません。現在の王国はグッシャー殿下の影響が抜けきらず、グッシャー殿下が卒業式でリアナさんを指名したことでリアナさんにすら不信感を持つ者達もおります。今は影響が抜け切るまで王国と離れた場所にいるのが良いでしょう』
『確かにリアナ嬢を正式な貴族へと迎え入れた為に一旦収まってはいるがいつ暴発するか分からんか……わかった、国王陛下にはそのように伝えよう』
『よろしくお願い致します、ロード殿下』
『全く…いなくなってからも迷惑をかけられるとはね。我が兄ながら、どうしてこうなったのか……』
『気にするだけ無駄かと。あの人ですからどうしようもありません』
魔道具を使用した念話にてロード殿下とリリーナ嬢による会話が水面下で行われている事に周りは一切気付かずに表面的な悪徳令嬢たるリリーナを見る各国の代表達を真剣な顔で冷静に見つめながら、全く関係ない事を考えている聖女が居たりした*1が、外の影響はなく会議は進んでいった。
そしてそんな会議の様子をつまらなそうに見る一人の男が会議席の1つに座っていた。
烈火の如く赤い髪を持つ少しキツイ目付きをした男、剣聖ルーク・ブレードである。
「ルーク、寝るなよ」
「そうは言っても俺らが入り込む余地なんてねぇーだろ、あれ」
「もしかするとあるかもしれないだろ」
「もしかすると、って言ってる時点でだめだろ。戦うことしかできない俺と政治ができないお姫様がいた所で邪魔なだけだからな」
「うぐぅ…わ、私だって王女だぞ?そ、それくらいできないことは……ない、はず、だ」
「あ、ダメそうですね、これ」
直後、ルークの脇腹に拳が叩き込まれる。
まるで吸い込まれるように脇腹へと突き刺さった拳にむせるルーク。
一瞬周りから視線が集まったが、笑顔*2を浮かべて周りに手で問題ないと伝える。
ルークの脇腹に拳が叩き込みながら顔を赤くする彼女こそ、姫騎士と言われたアリシア・フェン・ルクス・エルンバッハである。
「お、お前いきなり殴ることは無いだろ……」
「バカにしたお前が悪い。全く、私は小さい頃から政治に関しては習ってきていないから分からないだけだ。断じて脳筋姫などでは無い」
「………言ってねぇーし、認めてるじゃねぇーかよ、おい」
「あっ」
どこはかとなくアホの子の匂いがする姫騎士様とバカの子っぽい剣聖の会話が聞こえていたのか、苦笑いする勇者*3が居たりしたが、会議は順調に進んでいくのだった……
平和記念国際講和ビル48階廊下
男と少女がガラス製の窓が全面に張られた会議室で対面していた。
男は左腕を右手で掴み、荒く息を吐きながら少女を見据え、少女、不知火蛍華は息一つ切らさずに左右の腰にあるホルスターから右手で一丁の拳銃──シェイクリアーズ社製のハンドガンtype H&KUSP特殊型と言われるのその拳銃──を取り出し男、クラック・ウッズに突き付けている。
「もう逃げ場は無いと思うけどなぁ、こんな狭い空間に入った事が間違いだよね」
「くっ…お前みたいな小娘に追い込まれるとは……」
「小娘って、これでも嘱託能力者としては最高ランクなんだけどなぁ……」
嘱託能力者にはE~Aまでのランクがあり、そのランクによって任務に対しての協力要請が変わってくるのだ。
と言ってもこのランクにそこまでの意味は無く、あった方が判断しやすいという理由から作られているだけである。
ちなみに蛍華はAランク、誓弥はCランクである。
「まぁいいよ、ここであなたを気絶させる。それで能力は使用出来ない。後で縛り上げて突き出してあげるから覚悟しなよ」
「……………くくっ」
「ん?何かおかしいこと言ったかな、私」
「いや、実に滑稽だなぁ、と思っただけだよ」
「へぇ………」
「俺の能力を知っていながらこんな密室空間に留まることが馬鹿馬鹿しくて話にならないよ!あはははははは!」
クラックが笑い、それを興味深く見据える蛍華。異様なこの光景に空気が重くなる中、蛍華は──
「ふふ」
──笑う
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!
今回も感想から質問っぽいものがあったのでお答えします。
Q.木刀を竹刀袋から取り出した後に、手袋をはめるのは可笑しくない??
A.木刀を先に出したのは攻撃出来るという意思表示。その後に手袋をはめたのは煽りを含めた隙を作ってカウンターを狙えるようにした為。
Q.わざわざ自分の技を説明するとか余裕か?何もなしに無効化して攻撃する方が効果的やと思うんだけど。
A.説明することに意味があります。これは次回蛍華ちゃんが説明してくれるから絶望して待とう!!ヒントは呪術廻戦やHUNTER × HUNTERだぞ!(ほとんど答え)
Q.物語の主軸が「湿度高い前世の戦友との再開」なのか「今世での主人公の物語」なのかが掴めないんだけどとっち?
A.いつから再開することが物語だと錯覚していた?最初に説明した通りこの第四世界は恋愛ゲームが元になっている世界です。主人公が前世の記憶を所持していること以外は予定調和でしかありません。
なので今世での主人公の物語、から今世での主人公(前世の記憶持ち)の物語になったわけですね。
Q.あとがきのやつがなんか怖いんだけど……どうしてくれんだテメェッ!!
A.んにゃぴ、ちょっと何言ってるか分からないですね。あ、私未来日記とかアカメが斬る、ダンガンロンパとかゆゆゆとかマイナー所でシークレットゲームとかも好きです。英雄伝説シリーズとかもいいですよねー!
今回は以上です!ありがとうございました!
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今回はここまでお読みいただきありがとうございました!
もしよろしければ感想・評価の程、よろしくお願い致します!
作品タイトルは主人公を庇って死ぬ友人ポジになることを強いられていたんだッ!!(白目)になるんですが、このタイトルの前に転生主人公の人生譚 っていります?いらない?
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転生主人公の人生譚はいる!
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転生主人公の人生譚はいらない!
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そんな事より続き書いて♡書け