転生大魔族は生き残りたい   作:Yk7

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風邪になりました。喉と鼻水がやばいです。寒すぎて暖房付けながら寝た所為ですね。皆さんも体調に気を付けて下さい。


6話

 

一緒に街まで行くことになった僕達は、道中出てくる魔物を危なげなく倒しながら整備された一本道を進んでいた。

 

「そういえば、フェルシュちゃんはエルフって事は長生きなんだよね?うっぷ」

 

カフトさんが操る馬車の荷台に揺られながら、ラフィ(本人がそう呼んでと言った)が思い出したように聞いてきた。

 

「そうだね。500歳は越えてるよ。まだ体調悪いの?大丈夫?」

 

「あ、これはただの乗り物酔い」

 

「何だよ紛らわしい」

 

「それで、そんなに長生きしてる魔法使いなんだよね?じゃあさ、魔法っていっぱい使えるの?あの人みたいに!」

 

すごい目を輝かせてる……。

 

「昔俺達がそろって魔族に襲われた時に、エルフの魔法使いに助けられたんだよ。その時からそいつ、魔法使いになりたいとか言い出してな。とにかく魔法に目が無いんだよ。悪いんだが付き合ってやってくれ」

 

ラボルトさんが横から補足してくれた。強面なのに繊細な気遣い、ボクじゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

「そうなんだ。でも悪いけど、ボクは数える程度の種類の魔法しか使えないよ。簡単な結界魔法とか魔力弾を撃つとか。そもそも戦うことがあんまり好きじゃないからさ」

 

「でもたくさん使えるってことでしょ!すごいなぁ、良いなぁ」

 

「あははは、長生きで魔力だけは多いからね」

 

満面の笑顔で嫌味なくそう言う彼女に、ボクも釣られて笑ってしまった。ラフィは話していて気持ちが良いなぁ。いい意味で純粋と言うか。

 

「あ、話していたら私も、何か新しい魔法が使えるような気がしてきたわ!」

 

「おーい待て待て!やめてくれ!俺はもう介抱したくないぞ!」

「バカラフィ、これ以上遅くなったらお前の報酬は払わんぞ」

 

謎の理論を展開し出したラフィを、二人が慌てて宥めている。二人ともなんだかんだで面倒見が良いね。

 

「三人共、そろそろイスアンに着くぞ。準備しといてくれ」

 

「そう言えばこの先にある、そのイスアン?って街はどんな場所なの?」

 

そう聞くとラボルトさんが、マジかお前みたいな顔を向けてきた。

 

「マジかお前」

 

言われた。

 

「長い間、辺境の森の奥に閉じこもってたからさ。あんまり今の情勢に詳しくないんだ」

 

「ほえー、エルフはやっぱり時間のスケールが違うんだなぁ。この先にあるイスアンは農業が超盛んな街なんだよ。近くにある他の街や村の食糧まで作ってるんだぜ。ちなみに、俺達もその食糧運搬の帰りってわけだ」

 

へえ〜、いきなりそんなすごい街に行けるなんて、すごく楽しみだ。美味しいものいっぱい食べたいなぁ。長寿なボクにとって、美味しい食事はいつでも、いつまでも楽しめるものだからね。

 

 

 

 

 

少しすると、イスアンに入るための関所に辿り着いた。

 

「ようカフト!運搬お疲れさん!」

 

「ああ」

 

「そこの見かけない嬢ちゃんは?」

 

関所のおじさんは、ボクに気付くとそう尋ねた。

 

「旅人のフェルシュです」

 

「おー!旅人さんか!イスアンをぜひ楽しんでってくれ!この街の飯は美味いぞ!」

 

「期待してます!」

 

 

 

街に入ってからは、ボクは三人と別れることにした。カフトさんは、報酬だと言ってお金をくれたけど、正直お金のことは何も考えてなかったからありがたく頂戴した。

 

三人と別れた理由は、何も分からない状態で街を見て回るのも楽しそうだと思ったからだ。

 

それからボクは、一人で色々なものを見て回った。この世界に転生してから、初めてこれほど大きな街に来れて、どんなことも目新しくてとても楽しかった。

 

言われていたような美味しい食事も摂り終えて、良い感じの宿を見つけた時、

 

「ああ!フェルシュちゃんじゃん!」

 

ちょっと前まで聞いていた声がした。振り返ると、そこにはラフィとラボルトさんがいた。あれ、カフトさんはどうしたんだろう?

 

「よう、まさか宿が一緒になるとはな。すごい偶然だ。……カフトの奴なら仕事だってんで別だよ」

 

ボクの疑問を察したのか、ラボルトさんがそう付け足した。

 

「フェルシュちゃん!一緒の宿なら同じ部屋にしよ!」

 

「え、いや、ボク達、まだ出会って一日なんだよ?」

 

「関係ないよ!私達はもう友達でしょ!それに、女の子同士でお泊まり会してみたかったんだぁ!」

 

「……はぁ、分かったよ」

 

「ラフィニアに付き合ってもらって悪いな」

 

「あはは、別に構わないよ」

 

彼女といると、いつの間にか笑顔になっている。楽し過ぎて、自分が魔族だということを忘れてしまいそうだ。

 

 

 

「よし、それじゃあ、お昼の続きだね。魔法談義しよう!」

 

寝る時間になって暗くした部屋で、二つ並んだベッドに入り込んでから、ラフィがそう言った。

 

「ラボルトさんが、あいつは絶対夜更かししたがるから早めに寝かせろ、って言ってたよ。それに……」

 

「それに?」

 

ボクが言葉に詰まると、ラフィは気楽そうな声で先を促した。

 

「それに、ボクは自分の魔法が……人を傷付ける為にあるようなこの力のことが、あまり好きじゃないんだ」

 

目を瞑ると、瞼の裏にボクに怯えるみんなの姿が見えた。

 

「どうして?私はそうは思わない。確かに魔法には、人を傷付ける力がある。魔物とかはそんな感じだね」

 

その言葉にボクの胸がズキリと痛む。

 

「でも、それ以上に、人を救える力だと私は思う」

 

「──っ、──でもボクは、!」

 

魔族だ、と思わず口に出しそうになった言葉は、続く彼女の言葉によって防がれた。

 

「それに何より、フェルシュちゃんは優しい()だから」

 

ハッとして横を見ると、目が慣れた暗闇の中で、ラフィと視線が交わった。彼女がボクを見る目は、とても優しくて思わず泣きそうになった。

 

「フェルシュちゃん、気付いてる?私達と会って街に向かってる時も、お話ししてる時も、街に入った時も、君、楽しくて仕方がないって顔してたよ。そんな顔をする子が、進んで人を傷付ける訳がない。半日しか一緒にいなかったけど、友達の私が断言する。フェルシュちゃんは間違いなく、誰かのことを救える優しい人だ」

 

───────…………………。

ボクは、顔を見られないように、彼女に背を向ける。

 

「……ラフィ」

 

「んー?」

 

「ありがと」

 

「別に良いよ。自分の考えを話しただけだから……泣いてるの?」

 

「……泣いてない、グスッ」

 

「あはは、分かりやすいね」

 

「うるさい」




一応言っておきますが、この作品曇らせでは無いです(笑)。主人公はちょくちょく悲しくなるかも知れませんが。別にこれまでも曇らせようと思ったこと一切無いんだけどな……あれ?そっちの方が酷いのか?まあいいか。書きたいように書くだけです。

それと、風邪が酷いので少しペース落ちます。(週2か週1。やる気が有れば増えます)

次かその次くらいに原作キャラ出せるかも?大枠しか考えてないから確証はないけど。
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