FREEDOM WARSー英雄の翼   作:Luegner

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友からのボランティア

「装備を増やすだァ?」

 

モザイク街のザッカーの中でレイの声が響く。

目の前で聞いた市民のユリアンは苦笑を浮かべながら、友人にわかりやすく説明を試みた。

 

「そもそも君達がボランティアで武器を出すのはWill'oによる急速な武器の構成をしているからなんだよ。

つまり召喚するっていう考え方ね」

 

「あァそれはなんとなーくだが分かる。

護送機が市民運んだり、いきなりアブダクターが出て来たりってのと一緒だろ?」

 

レイの理解の仕方がほとんどあっていたのかユリアンは頷いて返す。

 

「そうだね、だいたいは一緒だね。

唯一違うとしたら、護送機やアブダクターの増援はPTとその場を結んでいて、周りのWill'oを使用している。

けど武器は君達が携帯している、周りのWill'oを吸収し武器の構成と荊のエネルギーに変換するWill'oドライブっていう機械と、君達の手元を結んでいるとされているんだ。

簡単に言うと、もともとWill'oドライブにあるものを君達は出し入れしているとされている」

 

レイも納得したようで考えながら頷く。

馬鹿とは言わないが、決して頭が良いというわけではないレイだが理解力に関して言えば良いほうである。

睡眠学習の定着がとても悪いために、他の咎人や市民なら睡眠中に刷り込まれるPT法や知識がうまく頭に入らないのだ。

しかしそれを補って余るほどに理解力がある。

断片的な知識を繋ぎ大部分を構成し理解する力を持つからこそ、レイは記憶喪失後も十分に戦って行けたのだろうと、ユリアンは分析している。

 

「ってことはだ。

Will'oドライブ自体に武器を詰め込めばもっと使えるんじゃねぇかって訳か?」

 

「そう、その通りだ。

前から相手の落とした武器を一時的に使うことには成功していたからね、あとはWill'oドライブの変換効率と容量の問題をクリアすれば出来上がる状態だったんだ。

でも一つだけ問題ーっていうもの変だけど、あってね」

 

流石にその問題までは見当がつかないのかレイは首を傾げる。

 

「容量を大きくすると自然とWill'oドライブ自体が大きくなってしまってね。

実験で数人にボランティアを発行したんだけど機動力は半減しちゃってね。

それに加えて殆どの咎人は同じ武器ばっかり使うから新しいWill'oドライブに意義が無いんじゃないかって話まで出て来ちゃって」

 

本当に心の底から困った顔をするユリアンを見て、自分が呼ばれた理由をレイはやっと理解した。

 

「機動力と武器の種類。

確かにそれなら解決できるかもな」

 

「そうなんだよ、君なら他の咎人より身軽に動ける。

それに気分で武器を変えて戦うなら殆どの武器を扱ったことがあるだろう?」

 

表情を変え嬉しそうにいうユリアン。

だがレイはひとつ癪に障ることがあったようで、その額を指で弾く。

 

「気分なもんか。

アブダクターには溶接用に小剣か、それか普通に近接武器。

咎人には遠距離って決めてんだよ、基本的には」

 

例外もあるけどな、と続けるレイにひとつ詫びてからユリアンは話を戻した。

 

「それで本題なんだけどね。

さっき言った奴を更に軽量化させて、武器の量を少し減らしたものを作ったんだ。

それの試験を君に頼みたい、君の意見なら上もホウライPTのことをあって無視はできないだろう。

それにこれが成功できればアトランティスPTの咎人の攻撃に多様性が出てくる。

他のPT対策にも役立つと僕は思うんだ、受けてくれるかい?」

 

市民であるユリアンが咎人にボランティアを発行しそれを実行させるのは容易いことで、むしろ咎人は義務としてそれを受けなければいけない。

しかしレイはついこの前刑期をゼロにすることに成功した二級市民なのだ。

生まれた時から、市民として生きるか咎人として生きるかがわかれ、どちらにも生まれた罪として百万年の刑期を課されるが、市民は知識と技術を賭してその刑期を免除される。

それに対し咎人はその命と体を賭してボランティアの名付けられた殺し合いで刑期を減らすしか無いのだ。

そして刑期をゼロにするのは容易いことではない、出来るのはほんの一部だけである。

 

それに加えて、レイは記憶喪失を何度となく経験している。

その度に加算される百万年の刑期をこなしているのだ。

PTの上層部によりそれはひた隠しにはされているが、知っているものからしたら、レイの存在がどれだけのものか分かるのだろう。

 

そして刑期をゼロにしたことで二級市民として認められているレイに、ボランティアを強制させることに対しユリアンは多少のためらいを感じたのだ。

 

しかしレイはそんなユリアンの考えなど知らずに、ただ単純に応えた。

 

「別にいいけど?」

 

レイからしたらアーベル撃破や他のことに手伝ってくれたユリアンの頼みを無下にする気など毛頭無いようで、普通に承諾していた。

 

「ありがとう、本当に助かるよ。

新しいWill'oドライブの説明は発行したボランティアの内容に付属しておいた、君の行きたいタイミングで行ってくれ」

 

ユリアンの言葉に頷いて返し、レイはザッカーから出て行った。

 




なかなかレイの口調が定まらないのが難点ですねー
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