最近プロット組んでるんですけど、なんかこのままだと25章編成になりそうです。やばい。
「なっ、なによこのお金!? シロコ先輩、まさか……!」
「待って、セリカ、違う、待って。落ち着いて」
「本当に銀行強盗してきちゃったの!?」
「セリカ、待って……!」
つーわけで、「
まあ、見ての通りだよ。シロコちゃんはどうやら、衝動を抑えきれずに現金まで取って来ちまったらしい。この子も中々したたかだねえ。
「ち、違う! そういうつもりじゃなくて……これは、そう。銀行員が勝手に勘違いして入れただけ。だから私は悪くない……多分!」
「まあ、一部始終は見てたからね〜。シロコちゃんが悪くないのは分かってるよ。だから安心して?」
「……うん、ありがとう、ホシノ先輩。
おっと、ここで僕に振るか。そんなこと言われてもなあ、僕はヒフミちゃんをイジるのにお熱だったし……まあ見てたけどよ。
「ああ、見ていたし聞いていたとも。銀行員の勘違いで札束をぎっしり詰められちまった事から、そのダッフルバッグの中身が約1億円なことまで」
「なっ、いっ、い……1億円!? あ、あうう……私はなんてことを……ティーパーティーの方々に合わせる顔が……」
トリニティに通ってるヒフミちゃんといえど、1億円を
ま、そんな時のために僕がいるんだけどよ。
「まあまあ、落ち着きたまえよヒフミちゃん。そのための覆面だ──それに、監視カメラの記録は僕が『
「えっ? ほ、本当ですか……? またそうやって、私をからかってるんじゃ……」
「いいや、今回ばかりはマジに大マジだぜ。元はといえばこっちが巻き込んだんだから、君に不利なことは起こらないように
そこまで言って、ヒフミちゃんはようやく覆面を取った。ブラックマーケットに入り浸ってるはずなのに、なんか変なところで臆病だな。
「……それから、セリカちゃんとノノミちゃん。そのお金を
「えっ、いや無理じゃん! いや、どうだろう、油断してるところを狙えばワンチャン……」
「うーん、しかし……元々は私たちの稼いだお金ですよ? これを使えないというのは、あまりにも……」
僕はホシノちゃんに目配せし、それを受けてホシノちゃんも頷いた。部外者の説明よりも、同じ学校の先輩に言われた方が納得もできるだろ。
「セリカちゃんにノノミちゃん、考えてもみてよ。仕方のないこととはいえ、私たちは銀行を襲ったんだよー? 目当てのものは集金記録の書類、そう決めたじゃんかー」
「……でも、私たちが頑張って稼いだお金なんだよ? しょうがないよ、犯罪者に使われちゃうよりも、私たちの借金返済に充てた方が──」
「そんなこと、口が裂けても言っちゃダメだよ、セリカちゃん。仮にこのお金を使って、借金を減らせたとして、
「ホシノ先輩……」
「おじさんは、可愛い後輩に『しょうがないから』で犯罪を平気でできる人にはなって欲しくないな〜。ブラックマーケットの中は無法地帯だし、罪には問われないからまだ良かったけど、何度もやるのはやっぱりダメだとおじさんは思うよ」
あくまでおどけながら、しかし確かに後輩をたしなめるように、ホシノちゃんはそう語った。こういう時は流石のリーダーシップだね。
「……私は、アビドスの皆さんの事情はよく知りませんけど……このお金を持ってると、何か別のトラブルに巻き込まれちゃいそうです。災いの種、みたいなものでしょうから」
「あは……仕方ないですよね。このバッグは、私が適当に処分します」
「うん、頼んだよー、ノノミちゃん」
うんうん、一度掻き回したことがある奴が言うことではねーが、やっぱ若人は仲良くないとね。ギスギスしてるとダルいし。
「……アヤネちゃん、
『はい、もちろん──みなさん、そちらに何者かが接近しています。
通信上でアヤネちゃんがそう言うと、全員(何故か覆面を脱いでいなかったシロコちゃん以外)がそそくさと覆面を被り始めた。僕もヒフミちゃん──ファウストの後ろに立つ。
直後、現れたのは……先ほどまで覆面水着団に憧れの眼差しを向けていた、陸八魔アルその人だった。
「やっと追いついたわよ! さ、話を聞かせてもらってもいいかしら!」
ここまで走ってきたっつーのに、随分とまあ元気のいいことじゃないか。
「あっ、いきなり『話を聞かせて』なんて厚かましいわよね! まずは自己紹介からにしましょう。私は便利屋68の社長、陸八魔アルというものよ!」
やけに礼儀正しいなこいつ。アウトロー目指してるっつってんのに、普通にいい子が滲み出ちゃってるぜ。
「お〜、
「そして私がブルー。計画担当。アルは知らないかもしれないけど、私たちの正装は覆面に水着なんだよ」
「覆面水着団の活動理念は、弱きを助け、強きを挫くことなんですよ!それから私は制圧担当の……クリスティーナだお♧」
「なんでそんなにみんなノリノリなの……? あっ、えっと、うーん……威嚇担当、キャシー……?」
「あ、あなたたち……便利屋を知ってくれているの!? うわー嬉しい、あなたたちほどのアウトローに知られているなんて、アウトロー冥利に尽きるわ!」
そんな風に無邪気に喜ぶアルちゃんを、物陰から便利屋の連中が見守っている。そこまで心配そうな顔しなくても、攻撃されなきゃ攻撃し返さねーと思うぜ。
「ところで、その……そちらの紙袋の人と、その後ろに立っている巫女服の人は?」
ほら、ヒフミちゃん。聞かれてるぜ。
「えっ、あっ私ですか……!? ああもう、どうしてこんなことに……私は、その、えっと……ファウストです。後ろにいるのは、
「うわー……! かっこいい……! 自己紹介ありがとう、それで、その、一つ聞きたいことがあるのだけど──」
アルちゃんは憧れのヒーローを前にしたかのように目を輝かせ、ファウストに質問を投げかけた。
「──どうやったらあなたみたいに、格好いいアウトローになれるのかしら!?」
「え、ええ……どうやったら、って言われましても……」
……これを聞いたファウスト、つまりヒフミちゃんは、誰が見ても分かるくらいに動揺していた。いやー、僕は今話せないから頑張ってくれたまえ。
「ほ、本当に私がやるんですか? あうう……そんなこと言われても、私にはアウトローのことなんて──」
上手くやってくれたら好きなモモフレンズグッズをプレゼントしてやるけど。
「──陸八魔アルさん、でしたっけ。折角我々覆面水着団に憧れて下さったようですし、アウトローの秘訣を
こんなんでいいのかよ。随分とまあ安請け負いしてくれるじゃないか。それとも、引き受けてもいいほどにモモフレンズとやらが好きなんだろうか。ちょっと心配になるね。
ヒフミちゃんは……じゃない、ファウストはいかにもそれっぽい雰囲気を醸し出しながらアルちゃんへと近づいていき、紙袋の上から自分の頬を指で持ち上げ、笑顔を見せつけた。
「
……まるで、球磨川くんみたいなことを言うなあ、この子は。つってもまあ、この子とあの子じゃあ天と地ほどの差があるがよ。
当然、ヒフミちゃんが天の方だ。
「ピンチこそ、笑え……」
「無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行くんです。そうすればきっと、
「……分かった、その言葉、肝に銘じるわ。ありがとう、ファウストさん! 覆面水着団のみんな! またどこかで会ったら、その時はよろしくねーっ!!」
アルちゃんはそう言って去って行ってしまった。いやはや、嵐みてーな子だね、本当に。
「……さて、二言はありませんね?
「ああ、うん。報酬は後日送らせてもらうさ。楽しみにして待っておきなさい」
さて、と。ヒフミちゃんが納得しそうなレア物を探しておかねーとな。全くもう、骨が折れるぜ。
この世界で最も自由な女、阿慈谷ヒフミだと思うんですよね。
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