ほとんど異能バトルみたいな感じになってる。
これブルアカか? ってツッコミお待ちしてます。
「遠慮はしない」と、そう宣言したホシノちゃんがまず初めにとった行動は、
目的は──
理由を簡潔に説明すると、彼女の持つ
この喧嘩におけるホシノちゃんの勝利条件は、一発でも僕に銃弾を掠らせること。そうすれば僕は動けなくなり、ホシノちゃんは晴れて退学というわけだ。
対する僕の勝利条件は……諦めさせること。僕がいる限り、退学なんて出来ねーと分からせてやること。しかしあの頑固なホシノちゃんを折るというのも、中々に骨が折れるぜ。
「──来るか」
感覚強化のスキル「
と、そこで。僕から見て右側の方から、砂を踏み締めるかのような音が聞こえた。十中八九──どころか、100%ホシノちゃんのものだ。
僕はその足音を聞き、すぐさま左の方へと移動した──瞬間。砂埃の中からとんでもない速度で飛んできた盾を、思い切り顔面に喰らった。
人間の体から鳴ってはいけない──金属同士をぶつけたかのような音が鳴り響いた。だが、
口で物をキャッチするスキル「
「大体の相手なら、これで決まるんだけどね〜。やっぱり
「ぺっ……酷いじゃないかホシノちゃん。僕じゃなかったら歯が折れてたかもしれないぜ? そこのところどう思ってるのか答えておくれよ」
「…………」
返答した相手を操るスキル「
それどころか、無言で再び発砲してきやがった。僕はそれを避け、ホシノちゃんのいた方を見ると──いなくなっている。こういうパターンの時は、大抵後ろと相場が決まっている──。
──
「上かな?」
上を見上げると、
受け止め甲斐がある。そう考えた僕はリミッターを解除するスキル「
直後、僕の足下──グラウンドにバキバキと亀裂が走った。これ直すの誰だと思ってるんだか。
「さて、足を掴んだ訳だが──」
「……ふッ!」
僕が話し終わるよりも先に、ホシノちゃんは体を捻って右手に両足を絡ませ、地面に手を付いた瞬間に力を込めて、遠心力を使って僕を引き倒し、
いわゆる腕ひしぎ十字固め──遠慮なく
あちゃー、制服に砂が付いちまったぜ。まあいいや、どうせスキルでどうとでもなる──そういえば。こんなにスキルを乱用しているのに、
なんとなく条件も読めて来たが……しかし、まだ十全ではない。ダラダラと考えるのも好きではないし、そろそろ答えを見つけたいところだがね。
さて、仕切り直しだ──というわけにもいかず、僕は再び即行動を余儀なくされた。先ほど寝技をかけられた場所から、少なく見積もっても30mは離れたんだけどな、まだ足りないか。
僕の目の前には、盾を頭目掛けて両手でフルスイングしようとしているホシノちゃんがいた。いくらなんでも展開が早すぎるっつーの。
しかし、何だか重大な事態であるかのように語ったけれど、
ホシノちゃんが
僕がそう考えたのは、既に回避行動を取ることを選択した後だった。つまるところ、
両手でフルスイングしているように見えたのは、片手でのスイングで。それならもう片方の手は何なのかと思い、ホシノちゃんの手を凝視すると──。
盾の裏に、ショットガンが隠されていた。
これは……避けられないね。なら三つ目の策を使うしかねーか。あんまりあれは使いたくねーんだよな、個人的に。
次の瞬間、盾の裏に隠されていたショットガン──Eye of Horusから、弾丸が放たれる。まともに喰らえば僕は、当然ダウンするだろう。
だから僕は幼くなるスキル「
僕の頭上を弾丸が通り過ぎているのが確認できた。さて、問題の頭痛だが──
つまり頭痛の原因は「
一回目はブラックマーケットで「100%接敵しない状況」を作り出した時に頭痛が来た。二回目はゲヘナ風紀委員と相対した際、「100%被弾しない状況」を作り出した時だった。
それに対して、先ほど「
つまり「
まあ、更に厳密に言うのならば。この世界の【ジャンル】から外れてはいけないんだと、僕は思うがね。【学園×青春×物語】を守れということなのだろう。
……その割には、今のホシノちゃんとの戦闘は……随分と【ジャンル】から逸脱している気もするけれど、頭痛やらは特に来ていないので放っておこう。
さて、総括に入るとしようか。
要するに、僕は
「そういうわけで、気が済むまで攻撃するといい。しかし──その
「…………」
おいおい、そんなに睨まないでくれよ。僕は意外と小心者だから、そんな表情で見られると恐怖のあまり震えあがっちまう。
ああ、怖い怖い。震えが止まらねーぜ──。
「
僕は爪先を上げ、とんとんっと二回ほど地面に打ちつけた。貧乏ゆすりみてーでみっともないが、誤魔化すにはこうするしかないのだからしょうがない。
それを見たホシノちゃんはハッとしたような表情で飛び上がり、僕から距離を取った。その間に僕は「
足から伝わった振動は、何かをすり潰すかのような音を響かせながら増幅を繰り返し──そして、直後。
「振動のスキル『
「…………」
「あのさあ、そろそろだんまりは止めてくれねーかな? 僕一人だけだと場が持たねーんだよ」
「……だったらさ、私を行かせてくれないかな? おじさんに本気を出させる前に通してほしいな。折角アビドスの一員になってくれた
「いや、それは無理だね。つーかホシノちゃん、逆に僕は君に聞いてみたいんだが、むしろ通すとでも思ってんのかよ」
「…………」
ダメ元で「
もうこのスキルはダメだな。何故だか知らないが、発動しているタイミングを読まれているから、使うだけ無駄だ。
「ま、いっか。君が頑固なのは今に始まった話じゃねーし……この程度じゃ止まらないことも知っている。だから僕は、本気で君の相手をしようと思う」
「……でも
「あー、ホシノちゃん。勘違いしているようだから言っておくが、別に僕は君に遠慮してるとか、武力の行使を躊躇ってるとかじゃねーんだよ」
ただ単に。
「ホシノちゃんがどこまでやれるか試していただけなんだからさ」
「え?」
そう言うと同時に僕は指を銃ポーズに構えて、こめかみに押し付け──発砲した。
「ッ……な、え……?」
突如として、完全にノーガードだったこめかみにダメージを喰らったホシノちゃんは、一瞬ふらつく。
ちなみに、どうして僕ではなくホシノちゃんがダメージを喰らっているのかというと、僕が痛み分けのスキル「
とはいえホシノちゃんは、この程度で倒れるようなタマじゃ無い。僕はすかさず軽く触れただけで吹き飛ばすスキル「
窓ガラスが割れたりしたらめんどくせーので、ホシノちゃんが着弾するよりも前に遠隔操作のスキル「
……こんなふうに茶化してるが、ホシノちゃんの体にかかったGは計り知れない。まともな人間なら、まず耐えられない速度だった。
「ただまあ、ピンピンしてるんだろうな」
何となくそんな気がしながらも、僕は二階教室の中に飛び込んだ──。
──いない。教卓下、天井、廊下──。
「かかった。」
「と、思うじゃん?」
窓の下にあの一瞬で隠れ潜んでいたことくらい、想像済みだっつーの。そういうわけで、僕は顎にほとんど零距離で発射された銃弾を
「それならっ!!」
それを確認するや否や、ホシノちゃんは教室の中を
……とても速い。が、
教室内をホシノちゃんが弾丸のように跳び回るが──状況把握のスキル「
この流れで来るなら……
「そして首元に背後から、だろ?」
「……くそッ」
ホシノちゃんがそう言い切るよりも先に、僕は背後から接近していたホシノちゃんを、再び校庭へと吹き飛ばした。さっきよりも威力は上げたが……焼け石に水か。
僕は銃火器精製のスキル「
砂埃が晴れ──少し傷ついただけのホシノちゃんが現れるが、これもまた予想通りだ。
問題ない。
「……うへ、それも当たったら痛そうだね。だけど……当たらなかったら、ただの豆鉄砲でしょ?」
「なんだってそうさ。当たらなければ意味がないし、たった二門のミニガンで君を止められるなんて思っちゃいない──だから、
ホシノちゃんが動き出すよりも先に、僕は「
「うぇっ!?」
……じゃあ僕が持ってるミニガンは意味ないじゃん。しまっておくとしよう。
「……その、
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たるとよく言うだろう? ほら、僕は銃の腕に自信がある方ではなくてね──念には念を。万全に万全を期すことにしているのさ」
「ここまでやったら、先生も黙ってないんじゃないの?シャーレの人が生徒に怪我なんてさせたら、それこそ問題に」
「ならねーさ。そもそも僕は【生徒】だぜ?だからこれは、
流石のホシノちゃんでも、この数のミニガンを前にするとたじたじだ。いやまあ、誰だってそうなるか。
「……ってかさ、
「僕が持ってるスキルの数? 128個。」
「128……な、なるほどね、それなら、まだ勝──」
「じゃなかった1京2858兆0519億6763万3865個だ。」
「──えぇ〜……?」
ホシノちゃん、冷や汗だらだらじゃねーか。それに笑っているし……まあこんな冗談みたいな光景を目にしたら、笑うしかねーとは思うがよ。
「さてホシノちゃん、チェックメイトかつラストチャンスだ。今ここで『退学を取り下げる』と宣言するならば、僕は君に酷いことをしなくて済むんだが」
「…………そ、れでも。私は自分を曲げないよ」
「そうかい、残念だ──それじゃあ、悪く思わないでおくれ」
直後に100門のミニガンから銃弾が絶え間なく放たれ、周囲には爆音が鳴り響いた。M134は秒間100発の銃弾を放つことが出来るため、きっちり50門からきっかり5秒掃射を喰らったホシノちゃんは、およそ2万5千発の弾丸を喰らったということになる。
ちょっとやりすぎと思うかもしれねーが、どうせホシノちゃんのことだし半分以上は防ぐだろう。
しばらくして砂煙が晴れ、先ほどまで盾を構えて立っていたホシノちゃんが、地面に倒れ伏して
ちなみに誤解されないように言っておくと、ホシノちゃんが気絶しているということは状態を見抜くスキル「
「……可哀想だが、仕方ない。シロコちゃん達が悲しむから、行かせるわけにはいかないんだよ」
気絶してヘイローが消えているホシノちゃんに対して、僕はそう語りかける。当然伝わるわけがないのだが、心ばかりというやつだ。
……念のため
よし。
ホシノちゃんを保健室に運ぶため、僕は彼女を
さて……この後どうしようか? 段々と日も登ってきているが、あと数時間でアヤネちゃん辺りが登校してきてしまうはずだ。
まさか「退部しようとしたホシノちゃんをボコボコにして止めた」だなんて言えるはずもない。いや、いつかは言うしかないのだけれど。
「いやはや、その時のことを考えるだけでも、段々と憂鬱な気分にっっ──かは」
……? なんだ、いきなり。まるで肺の中にある空気を、無理矢理引き出されたかのような──。
少し遅れて、肋骨のあたりから痛みがやってくる。確認すると──めり込んでいる。肘が。深々と。
ホシノちゃんが覚醒している。ヘイローが起動している。その目がこちらを捉えている。肘が深々と刺さっている。肺から空気が押し出されている。不快な汗が出ている。より深く刺さっている。視界がちかちかと点滅している。声にならない声が出ている。
人体の急所である
怯んだ僕に対して、ホシノちゃんは続け様に攻撃を放った。二撃目はこめかみ。僕は平衡感覚を喪失し、その場に倒れそうになる。
しかしすぐさま三撃目が来た。部位は人中──衝撃で頭を仰け反らせた僕に対し、ホシノちゃんは容赦なく四撃目を放つ。部位は喉仏。ノーガードで喰らってしまったため、息を吸い込むことすらできなかった。
「っ、ぁ」
「っああぁっ!!」
僕の意思とは関係なく、口が酸素を求めて開く。そこにホシノちゃんは指を引っ掛け、僕の体を思い切り引き倒し、服を引っ掴んで校舎の方へとぶん投げた。
──口の中に何か入れられた。そして、
そう思考しているうちに、僕の体は窓ガラスをぶち破り、昇降口奥の廊下の壁に激突し、反動で飛ばされて昇降口の真ん中辺りに落ち着いた。やはり体は動かないので、受け身も取れなかった。痛えなこの野郎。
1秒もしないうちにホシノちゃんが走ってきて、僕の体にまたがり、馬乗りの形になる。その顔には切り傷が出来ていた──が、
ホシノちゃんは僕の制服をめくり、へその辺りに何かひんやりしたもの──形状からして恐らくは銃弾──を置き、僕の口の中に入っていたもの、つまり銃弾を取り出した。
相変わらず、身動きは取れない。つまり、今僕が動けなくなっているのは
しかしどうやら口は動く。それならばと思いスキルを使おうとするが……これもやはりダメだった。
「本当さ、危うくおじさん初めてタイマンで負けるところだったよ。
「……確か君のスキル──『
「そゆこと。私が持ってる銃弾に接触してるんだから、
ホシノちゃんは得意げな顔をして、僕に対して
僕はスキルの多さで色々と誤魔化すタイプだから、これには気が付けなかったね。というか、セリカちゃんから「
「ちなみに、どうして君は気絶してたんだい? 怪我の程度に対して、ダメージがまったく釣り合ってねー気がするんだが」
「ああ、
「言えてるね。もしホシノちゃんのヘイローが消えていないままだったら、僕はすぐさまもう一度掃射を
「うへ……あれを? 二度とごめんだよ〜……」
それからホシノちゃんが語ったのは、
「
「つまり、スキルの威力も
と、僕はここで口をつぐんだ。突如話すことをやめたので、ホシノちゃんが僕のことを訝しげな目で見ている。そんな目で見なくとも、知りてーことがあるなら説明してやるさ。
「……ねえ、
「キヴォトスの外。つっても先生と同じ場所じゃねーし、事情もまるで違うがね。それに
「……可哀想だとは思うけど、それなら尚更、私が学校の借金をどうにかしないと。私一人が企業に所属するだけで借金半額だよ? これを逃す手はないって」
そうかいそうかよそうですか。ここまでやっても意思が変わらないのなら、もう僕にできることは無い。既に
ホシノちゃんは僕の体にまたがって座るのをやめて立ち上がり、僕の体を壁に立てかけてから、振り返って出口の方を向いた。表情を見せたくないってのがバレバレだが、それを指摘するのも野暮だろう。
「
「言ったね。それが何か?」
「それじゃ……
「それは、
「うーん……どっちも、かな──あっ、そうだ。もしまた会うことがあったら、その時は
……ホシノちゃんはゆっくりと歩いて行き、数秒もすると僕の視界からは見えなくなってしまった。そのまま十分程度待っていると、やや周囲が明るくなってきたような気がする。
「……およそ、
僕は一人でそう呟いてから、目を瞑った。何故か知らないが、やたらと眠い……まあいいか。
ホシノちゃんには
その思考を最後に、僕は眠りに落ちた。
すぐ拡大解釈したくなっちゃう病気なので、拡大解釈をします。
拡大解釈にご理解とご協力をお願いします。
感想・評価・ここすき等よろしくね。