テスト終わったので今日からまた書きます。
いぇーい。
「はッ! ここはイズナ私は
「おや、思っていたよりも早く目覚めたねえ。しかし急に動くと危ないぜ、もう少しゆっくり飛び起きなさい。逆だし」
「そうですね、次からは気を付けます……って、ここは
「どう見ても展望台ではねーだろ。百夜堂だよ百夜堂。似たようなシチュエーションだからって、ワンパターンな台詞で乗り切ろうとするのはやめなさい」
僕がそう言うと、イズナちゃんは頭を掻きながら笑った。なんでそんなに楽しそうな顔ができるかねえ。
「おや、先生たちは一緒ではないのですか? それに、先ほどまでいたホシノ殿もいらっしゃいませんし……」
「ああ、先生たちは魑魅一座の残党を掃討しに向かったよ。先生は先生で依頼を受けてここに来ているから、連中のやっていることは無視できないしねえ」
「むむ、なるほど……初めて夢を応援してくれた人たちと戦わねばならないなんて……しかし、映画で見た通りならこれもまた忍者の定め……!」
あんまり映画知識は当てにしない方がいいと思うんだけどなあ。今度忍者資料館とかに連れていってやろうかな。
いやしかし、夢は壮大な方がいいか。わざわざ型に嵌めるのも、今の僕の趣味ではねーし。
「ちなみにイズナちゃん、どうして君は魑魅一座とつるんでいるんだい? もしかして脅されているとか──」
「ああ、いえ! そういうわけではないのでご安心ください
へえ、
「っと……よいしょ」
「……もう行くのかい? 別にもう少しくらい休んだっていいんじゃねーかな。手加減したとはいえ、僕とホシノちゃんは君を割とボコボコにしたっつーのに」
「はい! イズナは忍者なので、依頼はしっかり、きっちりこなさなければなりませんから!」
「わっはっは、元気がいいねえ。それなら別にいいさ、さっさと行きなさい。依頼主とやらによろしく頼むぜ」
「分かりました──それでは! 次に会いまみえる時にはイズナ、今の三倍くらいには強くなっているはずなので! 今度は負けません!! ニンニン!!」
イズナちゃんはそう言うと同時に駆け出し、百夜堂の扉をものすごいスピードで丁寧に開け、そのままの勢いで駆けて行ってしまった。器用なもんだぜ。
つーかイズナちゃん、
「……さて、もう出てきていいぜ。一応今ので
僕が手を叩きながらそう言うと、店中の机の下から
シズコちゃんからすれば、内心複雑だろうねえ。敵だと思っていた連中は、その実本質的な敵対勢力ではなかったんだから。
「……つーかさ、ニャン天丸さん。何をそんなにそわそわしているのかな。別にやましいことがあるわけでもあるまいし」
「ああ……いや何、仮にさっきの子がここで暴れ始めたら、結構儂も危なかったのかもな、と思ってね……」
「へえ。まあ仮にイズナちゃんが暴れ始めたとして、その時は私と
「物騒だな……まあ、ひとまずほっとしたよ」
会長さん、結構心配性なのな。別にそこまで気にすることじゃあねーのに。
「ホシノちゃん、黒だ」
「うん。分かってる」
ニャン天丸はいつまで猫を被るんだか。先生は気付いてないみたいだが、イズナちゃんの雇い主は
「しかし物的証拠がない。ここはとりあえず──」
「うん。尻尾を出すまで待とうか。面の皮引っ剥がしてやる」
そこは「化けの皮」だろ。
いくらなんでも物騒すぎるぜ、ホシノちゃん。
その後、聞きそびれていた二人の所属やら何やらを確認した。どうやらシズコちゃんはお祭り運営委員会の
一方フィーナちゃんは従業員を務めている。任侠の道を究めようとしているらしい。夢がはっきりしているのはいいことだね。
それにしても、忍者の次は任侠か。ニンニン。
忍任。
一通り自己紹介を終えた後、シズコちゃんがここ──百鬼夜行連合学院について粗方の説明をしてくれた。
シズコちゃん曰く、百鬼夜行は観光業を中心として発達した自治区らしい。お祭りや温泉、音楽。そして何より肝心なのは──グルメ。ここに来るまでの間に色々と食べたが、確かに美味かったね。
つまるところ、百鬼夜行とは
そしてシズコちゃん達お祭り運営委員会は、文字通り、百鬼夜行の中でも特に重視されている「お祭り」の運営を任されているらしかった。
今回僕たちが招かれた「百夜ノ春ノ桜花祭」も、その企画・運営をのほとんどをお祭り運営委員会が任されているのだとか。よくやるぜ、本当によ。
それを最近魑魅一座に邪魔されているということだが、その原因はニャン天丸の推察によれば、「新たな試み」なのではないか、だとよ。
よく言うぜ。
その新たな試みというのが、祭りのフィナーレに打ち上げる花火に関連するもので、どうやら今回はミレニアムから技術を提供してもらい、ホログラムで花火を再現するんだってさ。
だいぶお金がかかってるらしいし、ニャン天丸が気に入らねーのはそこだろうなあ。なんつーか、がめつそうだし。
以上、基本のおさらい、終わり。
以下、現在。
そういうわけでなんやかんやあって、フィーナちゃんとホシノちゃんにはお留守番してもらって、僕たちはとある建物を訪れた。
ちなみに二人を置いてきた理由だが、一つはシンプルに物量で攻められた時、フィーナちゃんだけだと百夜堂の防衛が可能か怪しいから。
もう一つは、もしかしたらニャン天丸が何か仕掛けに来た時、奴を信頼しているフィーナちゃんは騙されてしまうかもしれないからだ。
「さて、わざわざ徒歩でここまでやって来たわけだが……シズコちゃん、ここにきた理由、一応解説頼むぜ」
「えっと、この先には陰陽部っていう、実質的な生徒会──百鬼夜行の中枢を担う組織の部室があって、そこにトラブルの対処をお願いしに──って、さっき話したでしょ?」
「いや、もしかしたらいまいち理解してねー奴がいるかもしれないんでね。でも今説明してくれたし、多分大丈夫だろうさ」
「えっと……せ、先生。もしかして今のって、暗に私のことを言ってるんですかね……?」
「"え? いや、多分絶対違うと思うよ……?"」
「そ、そうですかね……?」
「"だって
「確かに……」
なんだか変なところに流れ弾が飛んで行ってるが、まあ先生がいるし大丈夫だろう。あの大人、なんでか知らねーがその辺上手いからな。
ちなみに本当はこの手の問題は「百花繚乱紛争調停委員会」という組織に頼った方が良いそうなんだが、タイミングの悪いことに全員不在らしい。
きなくせえってのが正直なところだが、しかし文句を言ってもいられない。そういうわけで、僕たちは陰陽部の部室がある建物を訪れたわけだ。
「うぅ……いつ来ても胃が痛くなる……」
「おや、シズコちゃん、いつにも増して辛気くせー面構えじゃないか。何か嫌なことでもあったのかい」
「今日初めて会ったばっかでしょ!?」
「僕としてはそっちじゃなくて『辛気くせー面構え』の方にツッコんで欲しかったんだがね」
「だってそうでしょそうに決まってるでしょ陰陽部はすっごく腰が重くて何かをお願いしても全然動いてくれないんだから本当はこういう問題に対処するのはほとんど百花繚乱の方で陰陽部はあくまでバランスを保つために存在しているとか言ってるくせに大抵の場合は何があってもニコニコしながら『私たちには権限がないので〜』って態度を取ってばっかりで特にあの部長なんかこっちが何かクレーム入れに行ってもいっつも『重要な案件は書面でお願いします』ばっかりだし書面じゃ遅いって常々言ってるのにいつまで経っても制度が変わらないしそれじゃ遅いって言ってんの書面が通る頃には良くも悪くも解決してるっての官僚制じゃないんだからもっと早め早めの行動を心がけなさいって言ってんのよこっちはぁ!!!!!!!!!!!!」
「……えっと、シズコちゃん。猫被らなくていいのかい?」
「でもそれも今日までの話……ふふ、シャーレの先生さえいればあの部長も動かざるを得ないはず……あのニヤケ面をあごで使ってやる、ふふふ……はっ!?」
シズコちゃん、ストレス溜まってたんだろうね。まあたまには発散しておきなさい、溜め込むのは破滅の元だぜ。
「え、えーっと……シズコ、お話聞いてもらえるか心配〜……」
「"……そろそろ、取り繕わなくてもいいよ?"」
「だーっもうとにかく!! 早く中に入りますよ先生方!! ほら早く!!」
シズコちゃんはそう言うと、ずんずんと中に入って行ってしまった。あの子には今度お腹に優しい食べ物をあげるとしよう。
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