ここまではブルアカなぞってるだけなので短いです。
尋問をしましょう、と。そう言ったユウカちゃんはアリスと向かい合う形になり、右手に資料をまとめているタブレット端末を持ちながら、質問を投げかけ始めた。
「質問その1。アリスちゃん、あなたは……ミレニアムのデータベースに登録されている情報だと昨日転校してきたと言うことになっているけれど、これは本当?」
「はい。アリスは以前、廃墟の方面にある小さな学校に通っていました。水槽学園という学校なのですが、おそらく規模が小さすぎて、ミレニアムのデータベースには乗っていない学園だと思います。あくまでも、私塾のような学校でしたから」
「へえ、私塾ねえ。水槽学園……変わった名前だけれど、あいにく聞いたことはないわね。全校生徒は大体何人くらいだったのかしら?」
「アリス一人です。廃墟が近くにあったということもあって、水槽学園の周辺は過疎地域でした。自治区も一応あるにはあったようなのですが、アリスはその範囲がどこからどこまでなのかを把握はしていませんでした。あってもなくても同じような物でしたから」
「全校生徒が一人……ということは、アリスちゃん。あなたがミレニアムに転校してきた理由は、もしかしなくても
「はい! アリスが転校してきた理由は水槽学園が廃校になってしまったからです。まだ少ししかお話ししていないのにそこまで分かるだなんて、やっぱりミレニアムのセミナーは凄いです! それとも単純に、ユウカち……ユウカ、ユウカ先輩、うーん……ユウカちゃんが特別凄いだけなのでしょうか?」
「ふふっ……ありがとう、ユウカで良いわ。先輩は……まあ、付けたければ付けて。私はあんまりそういうのは気にしないタイプだから──ああでも、他の人にはちゃんと先輩って付けなきゃダメよ?」
「分かりました、ユウカ! その理屈で行くともしこれからアリスに後輩ができた場合は、やはり名前の後に『後輩』を付けるべきなのでしょうか? ゲームの称号システムみたいで面白そうです!」
「えっと、まあ、それはちょっと違うと思うけど……まあいいわ。アリスちゃんの好きにすればいいと思うわよ、私はね」
尋問とは名ばかりの和やかな空間がこの場に形成されているが、しかしこの展開は正直言って
僕との初対面の反応からしてそうだが、アリスは基本
だから僕は、アリスに言語を学ばせる際、彼女の特徴的な話し方などに関して、
結果として。アリスは「ゲーム大好きで敬語口調の素直かつ純粋な美少女」となった。これなら少なくとも、ボロを出さない限りはユウカちゃんには怪しまれない。
アリスがテンパった時はどうなることかと思ったが……しかしまあ、そんな問題は僕のスキルで即時解決できる。現にアリスは冷静そのものだし、会話に不自然な点はない。
僕の作戦は完璧にハマった。現状ユウカちゃんがアリスのことを怪しんでいる様子は、全くもって見受けられない。
つまり。
「
「私の運全部『
「流石に、それを
おや、ユズちゃんも割と和やかめな空気感を察知してか、少しずつロッカーから身体を出してきている。この調子なら、もう少しでユウカちゃんとも会話し始めるのではないかな。
と、思った矢先に。ユウカちゃんが第二の質問を投げかけたがために、ユズちゃんは再びロッカーに身体のほとんどを隠してしまった。出るのか出ないのかはっきりしなさい。
「それじゃあ質問その2よ、アリスちゃん。あなたの学籍がちゃんと登録されていることはこちらでも確認したから、それは別にいいのだけれど、しかしそれならどうして
その質問を聞いたモモイちゃんは顔を青ざめさせていた。が、しかしミドリちゃんはそのような反応を浮かべていなかった。
となると、モモイちゃんは学則を読み込んでねー可能性があるな。もうこの際だ、今度僕が色々教えてやろうか。
「……アリスは、ゲームが好きなので。三度のご飯よりもゲームが好きなので、ゲーム開発部という文字列を見た次の瞬間から、この部活に入ることしか考えていませんでした。それに学則や規則を確認した上では、問題がなかったので──学業を疎かにしようとしていたわけではないのですが、やっぱりダメなことでしたよね、ごめんなさい……」
「──うん、ちゃんと学則と履修要項も読みこんでいるみたいね。ごめんねアリスちゃん、私は今わざと
「っ、本当ですか? アリス、知らず知らずのうちにやってはいけないことをしてしまったのかと思って、心臓が破裂してしまいそうでした……」
「あー……少し意地悪な質問すぎたかしら……まあでも、この時期に転校してくる人は珍しいから、セミナーとしては色々と敏感にならざるを得ないのよ。申し訳ないけど、あと少しだけ取り調べに付き合ってちょうだいね」
いつの間にか僕の隣にきて袖を掴んでいたモモイちゃんの顔を見てみると、「ユウカってば取り調べとか言っちゃってるけどもう隠す気とかなくなったのかな?」とでも言いたげな表情を浮かべていた。
「おいおいどうしたんだよモモイちゃん、まるで『ユウカってば取り調べとか言っちゃってるけどもう隠す気とかなくなったのかな?』とでも言いたげな表情だが、あの子だってやりたくて悪役やってるわけじゃねーだろうぜ」
「一言一句違わずに合ってるけど、もうそんなことで驚く私ではないよ! どうせあれでしょ、考えを読むスキルを使ったんでしょ? いやいや、本当に
「何でもはできねーさ、できることだけ──つーかそもそも、今はスキルなんて使ってねーしな。全部きみの顔に出ていただけだから、先生だって読み取れただろうよ」
「スキル使ってなかったのにその精度なら一周回ってちょっと怖いよ……?」
モモイちゃんが分かりやすいだけだっつーの。ミドリちゃんも首を縦に振りまくっているあたり、これはもう明らかだろうぜ。
さて、アリスの方はと言うと……流石に少し緊張してきているようだ。スキルを使ってやってもいいが、しかしそれだとアリスのためにはならないね。
だからアリス。次のユウカちゃんの質問には、
ま、僕がいろいろ教えてやったんだ。
万が一にも、万が一ってことはありえないさ。
「まあ、正直要項を読み込んでいる上、ここまで受け答えもはっきりしていて、怪しいところもないとなると、私としてはここで質問をやめてもいいんだけど……だけどアリスちゃん、最後にこれだけは、どうしても聞いておかなきゃいけないから、正直に、嘘偽りなく答えてちょうだい」
「……はい、アリスは嘘をつきません。それで、えっと……一体、アリスはどんな質問に答えれば良いのですか?」
「簡単なことよ──あなたは、ゲーム開発部に入って何をしたいと思っているの?」
「──アリスが、したいこと……それなら、ゲーム開発部に入ると決めた頃から分かりきっています!」
アリスは自分の胸に手を当て。
「アリスは、ゲーム開発部のみんな……モモイが、ミドリが、ユズが作ったゲームをプレイして、そしてクリアして、とっても
そして、満面の笑みを浮かべながら語った。
「……そう。それならその夢、私は応援するわよ。叶うといいわね、アリスちゃん!」
ほら、な?
アリスはまだ不完全ではあるけれど。
しかしそれでも、誰より
長い前置きはこれでおしまい。
次回からはめだかボックスが強まるぜ。
ようやく好き放題できます。
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