ぼくのかんがえた ベヨネッタ3   作:(-_-)zzz

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このお話は、ベヨネッタ3のストーリーに納得できなかったプレイヤーが書いた作品です。
なので、原作とは異なる展開がたくさんあります。
「どんな話でもどんとこい!」
「許す!」
 という方向けです。

 原作の「3」のストーリーが気に入っている方は読まない方が良いと思われます。

 それでもよければ、どうぞ!




 人間というものは死の直前に走馬灯を見るものだ。

 と、聞いたことがある。

 どうやらそれは真実だったということを彼女、桜色の髪の『ベヨネッタ』は身をもって知った。

(ジャンヌ…)

 真っ先に脳裏に浮かんだのは、ライバルと認めた魔女。

 だが、彼女はあっさりと殺された。

 突然町を襲った謎の存在に。

 当然仇討ちに走るも、彼女には何とか「ソレ」の親玉らしき存在にダメージを与えるのが精いっぱいだった。

 物量、力量、ともに及ばず。

(なんて、無力…)

 頼みの相棒であるファンタズマラネアの全力をもってしても及ばず、魔女として生まれて初めて味わった敗北感。

 そして、すぐに味わうことになるであろう自身の死。

(ジャンヌ、ごめんな…さ…)

 体に食い込む牙に力が籠められる。

 相棒を再度を呼び出す力も残っておらず、もはやこれまで、と、彼女は思った。

 そして、彼女にとどめを刺さんとちからをこめる「ソレ」も思った。

 これで、終わりだ、と。

 だが、それぞれの思惑を外すかのごとく、一発の光弾が飛来した。

 それは『ベヨネッタ』を咥えていた首の長い竜のような「ソレ」にあたり、その衝撃と与えられた痛みで、「ソレ」は思わず口を開けて叫び声を開けた。

 当然、くわえられていた『ベヨネッタ』は落下する。

 だが、その体は飛来した紫色の風のような誰かによって受け止められた。

「…あ、あんたは…」

 それが自分と同じ顔をした誰かで、相棒であるファンタズマラネアが教えてくれた存在であることに気が付くと、震える声で『ベヨネッタ』は何かを言おうとする。

 だが、口からあふれた血がそれをとどめた。

「大人しくしてなさい」

 『ベヨネッタ』を受け止めた誰かは、そっと『ベヨネッタ』を地面に下ろすと立ち上がる。

『ベヨネッタ』を庇うように数歩進み、手に持った巨大な武器を肩に担ぎ、

 

「まったく、レディの扱いがなってないわね。ママから教わらなかったのかしら?」

 

 と、龍のような頭たちに向かって挑発した。

 「ソレ」らは激昂するかのように吠えた後、彼女にかみつこうと一気に6つの頭を迫らせる。

「遅いっ」

 それは『ベヨネッタ』から見ても、魅事(みごと)な、ウィッチタイムだった。

 巨大な武器を持っているにもかかわらず、軽やかに一撃をかわしながら発動されたその時間の中で、彼女は跳躍する。

「はぁっ!」

 振り回された武器が頭の一つにぶち当たり、弾き飛ばされる。

 それは別の頭に当たり、さらに、その頭も吹き飛ばされ、別の頭に当たり、と、まるでピンボールやビリヤードのような連鎖を繰り返す。

 衝撃を与えられた頭たちは、フラフラと目を回した。

 それらを見て、「ナイスショット」と楽しそうに笑みを浮かべながら、彼女は『ベヨネッタ』のそばに着地した。

「いい武器ね。借りるわよ」

 そして、手に持っていた武器を大きく投げ上げた後、茫然とする『ベヨネッタ』のそばに落ちていた『ベヨネッタ』の武器、イグニスアラクネアヨーヨーを拾い上げ、まるで慣れ親しんだ武器のように振り回しながら、目を回す6つの頭に向かって走りだす。

 かろうじて、彼女をとらえたらしい一つの頭に向かってヨーヨーを放ち、再び行動不能にすると、

「イエェェーイ!」

 楽しそうに笑いながらその首へヨーヨーを巻き付ける。

 そのまま、いまだ目を回すほかの5つの頭に向かって、力いっぱいぶん投げた。

 むろん、地面から生えている頭が引っこ抜けるなどということはなかったが、遠心力を込められて放たれたその頭は、ほかの頭を巻き込みながら、グルグルと、まるで螺旋のように絡み合いながら、一つにまとまる。

「ステキなリボンになったじゃない。それじゃあ、プレゼントさせてもらうわよ」

 彼女は6つの頭が巻き上がったそれを見て、どう猛に笑うと、先ほど投げ上げられ、いいタイミングで降ってきた自分の武器をキャッチする。

 そして、振り回しながらその砲門を6つの頭に向け、

「食らえっ!」

 チャージした光弾を放った。

 それは見た目以上のエネルギーを秘めていたのか、六つの頭の塊にぶち当たると、それらを地面から引っこ抜きつつまとめて吹き飛ばし、空中に浮かぶ「ソレ」らの親玉に向かって巨大な塊となって飛んでいく。

 そして、彼女の目論見通り、それは轟音を挙げて「ソレ」の親玉にぶつかってはじけて消えてしまった。

「あらあら、汚い花火になっちゃったわね」

 どこかで聞いたことがあるような、ないようなセリフを吐いた後、彼女は『ベヨネッタ』へ振り向き、持っていたヨーヨーを返す。

 その表情は自信にあふれた笑みが浮かんでいて―――

 

 

「泣いてなんかないわよね」

 

 

 そうからかわれ、『ベヨネッタ』は慌てて口の血をぬぐうと、立ち上がる。

「まさか! ちょっと目が回っただけよ。ダンスが下手な相手で困っちゃったわ」

 そう、何とか軽口を返した。

 相手はそれ以上突っ込まずに、微笑む。

 もしかしたら、安心してしまって気が抜けていたのも見透かされていたのかもしれないと、『ベヨネッタ』は思いながらも素早く身支度を整える。

「…あんたが、相棒の言ってた私に似たやつ、ね」

「ええ。あんたの相棒の乗り心地、なかなかだったわ」

 『ベヨネッタ』の問いかけに彼女はあっさりと答える。

 

 

―――契約していない魔獣を従えるほどのデーモンスレイブの使い手だなんて…。

 

 

 『ベヨネッタ』は内心相手の力量に舌を巻く。

 が、そんな心温まる会話を断ち切るがごとく「ソレ」の親玉が動き出した。

【アーク・イブ・オリジン。この世界を救うつもりかい?】

 老若男女、それらの声音が混ざったような不愉快な音に、『ベヨネッタ』は思わず眉をひそめた。

 対して「アーク・イブ・オリジン」と呼ばれた彼女は、

「あんたかしら? 『シンギュラリティ』って色男さんは?」

 と、まぜっかえす。

 「ソレ」の親玉は、そんな軽口は乗らずに、

【君がそう思うのなら、そうなのだろうね】

 馬鹿にするような返答に対して、彼女は大げさに肩をすくめて見せた。

「レディに自己紹介もできないなんて。ホント、失礼ね」

【ならばこう言えばいいのかい? 君の探している相手こそ、私だと】

 彼女は、それを聞いて不敵な笑みを浮かべる。

「ええ。それなら、私もこう言えるわ。『地獄に落ちろ』!」

 それを聞いた「ソレ」の親玉は、笑うような声をあげながら、その姿を巨大な魚だったものから変えてゆく。

 おぞましさを感じる変態を経て、「ソレ」の親玉は、巨大な二足歩行の怪獣のような存在へと成った。

 目を見開く『ベヨネッタ』に対して、彼女が言う。

「やっぱり何度見ても酷い体形ね。もっとダイエットした方が良いわよ」

 見上げるほどの巨体を相手にしても動じる様子がない彼女。

 『ベヨネッタ』はその泰然とした姿に何度目かの驚きを感じていると、彼女は『ベヨネッタ』へと視線を移す。

「どうしたの? さあ、行くわよ」

「!」

 自身の敗北などみじんも考えていないその傲慢なまでの言葉。

 思わず『ベヨネッタ』は声を荒げた。

「どうやって!? あれに対抗だなんて…」

「『デッドリー・シン』よ」

 彼女は静かに、だが、はっきりとそう言った。

 『ベヨネッタ』は唖然とし、言い返した。

「無理よ。私じゃ―――」

 だが、それに対してベヨネッタは言った。

「出来るわ。いいえ、やるのよ。私と貴女で」

 そう言ってから笑みを浮かべると、

「あいつをぶっ飛ばしてやりたいでしょ?」

「…」

 挑発気味の言葉に対し、逡巡は数秒だった。

「…ええ。ケツにぶち込んでやりたいくらいにね」

 目の前でジャンヌを殺された時の怒り。自分の好きな街が壊された怒り。関係のない人々をまるでごみのようにつぶされた怒り。

 それが一気に燃え上がってくる。

 瞳にその炎が見えたのか、彼女はうなずくと、

「OK! 派手に行くわよ!」

 そう高らかに言い放った。

 『ベヨネッタ』は彼女と向かい合うと、事前に示し合わせたわけでもないのに、同時に同じ呪文を紡ぎだす。

 

 

―――ドゥー・オー・イア・ベヨネッタ!

 

 

 足元に紫色の魔法陣が広っていく。

 さらに呪文を唱えながら2人は魔獣召喚術の舞を踊り、魔力を練り上げていく。

 それぞれの胸にある魔導器が輝き、魔力の高まりを示していく。

 やがてそれらは最高潮に達し、彼女と『ベヨネッタ』の口から、仕上げの言葉が放たれた。

 

 

―――アーヴァーラーゴー・テリオー・ヴランッ!!

 

 

 足元に広がった巨大な魔方陣から呼びかけに応じて召喚が行われる。

 見るものが見れば、それは魔界に住む魔獣のゴモラに見えたかもしれない。

 だが、その牙は不揃いなまでに鋭く、その背にある背びれは強大な魔力を放ち、何よりも、その大きさはビルよりも巨大で。

 ゴモラによく似た何か、としか言いようがないものだった。

 だが、これこそが『デッドリー・シン』。

 魔獣ゴモラがその罪ともいわれた真の力を解放した姿。

 

 

『罪・ゴモラ』顕現。

 

 

 

 

≪GURUAAAAAAAAAAAAA!!!!!≫

 

 『罪・ゴモラの』雄たけびが空気を震わせ、かろうじて生き残っていた人々の耳に届く。

 その中の一人、エンツォはともに避難していた妻と子供とともに遠い場所からそれを見やった。

「なんだありゃぁ…」

 それは、その場にいた全員の感想だったのだが、それは召喚者の一人である『ベヨネッタ』にとっても似たようなものだった。

「なんて魔力…」

 戦闘の直後で、弱っていた自分が肩代わりできたのは多少の魔力。

 が、それらを包み込み、上回り、仕上げを行ったのは隣に立つ自分と同じ顔の誰か。

 『罪・ゴモラ』の頭の上に立つ彼女たち。

 息も絶え絶えな『ベヨネッタ』と比較し、余裕といった様子のままの彼女は叫んだ。

「薙ぎ払えっ!!」

 それにこたえ、『罪・ゴモラ』はその口からすさまじい光量のビームを放つ。

 離れているはずの地表をめくりあげるほどの影響を放ちながら、ビームは「ソレ」の親玉へとぶち当たった。

 

≪GYAAAAAA!!?≫

 

 そのダメージに悲鳴が上がり、それでも相手はすぐに動き出す。

 そうして、東京にて怪獣決戦が始まった。

 

 

 

===

 

 

 

 完璧に『シンギュラリティ』を叩きのめし、仕上げとばかりにすさまじいエネルギーの熱線を浴びせたベヨネッタは満足した笑みを浮かべると、『罪・ゴモラ』の召喚を解く。

 足元の魔方陣の中に沈み込むように消えていく『罪・ゴモラ』。

 頭の上にいたベヨネッタたちは、それに伴い、地表に降り立った。

 『シンギュラリティ』はもはや顔の部分だけしか残らず、動くこともできなくなっていた。

 そんな『シンギュラリティ』に歩み寄り、ベヨネッタが言う。

「魔界の奴らのお口に合うかはわからないけど、頑張って満足させてあげてね」

 『シンギュラリティ』の足元に魔界の入り口を開ける。そこから、無数の手が現れ、魔法陣の上にあるモノへと掴みかかった。すると『シンギュラリティ』から立ち上ったかのような煙が、人の顔を作り上げた。

【これはただの依り代にすぎないのだよ。君の好きにすればいい】

 まるで余裕だといわんばかりの声音に、『ベヨネッタ』は思わず歯噛みする。

 『シンギュラリティ』の顔はつづけた。

【この世界のアーク・イブを守ったとしても、無駄だよ。私はそれ以外の世界のアーク・イブとその世界を滅ぼし続けている。たかだか一つの世界を救った程度で―――】

 だが、その言葉は最後まで紡がれることはなかった。

 ベヨネッタが足を踏み鳴らすと、『シンギュラリティ』の頭上から『マダム・バタフライ』の足が現れて『シンギュラリティ』の煙の顔ごとその依代を踏みつけ、無理やり黙らせたからだ。

 元々魔界の連中に捕まっていた依代は沈み、なすすべなく魔界へと堕ちてして行く。

 依り代をなくした『シンギュラリティ』の方は、それに引きずられるようにその場から姿を消した。

 否、消さざるを得なかったようだ。

「まったく。おしゃべりな男は嫌いよ」

 ベヨネッタがなんてことのないように言い放つ。そして、ゆっくりと降ってきた『混沌の歯車』を受け止めた。

「…それは?」

 『ベヨネッタ』が不思議そうにそれを見つめて尋ねる。

「このバカ騒ぎを終わらせるためのカギ、らしいわね。これをあと3つも集めなきゃいけないなんて、手間がかかるお使いだわ」

 ベヨネッタがその質問に答えると、『ベヨネッタ』はいたずらを思いついたかのように笑みを浮かべた。

 歩み寄りながら言う。

「それじゃあ、お使いを頑張る子には餞別をあげないとね」

「あら、何がもらえるのかしら? できれば、かわいいぬいぐるみが良いんだけど」

 楽しそうにくすくすと笑いながら、ベヨネッタが問い返す。

「そうね。気が向いたら、抱いて寝てあげたら良いんじゃないかしら」

そう言って『ベヨネッタ』は右手を差し出す。その手の平から放たれた魔力がベヨネッタに吸い込まれて行った。

同時に『ベヨネッタ』の背に一瞬だけアラネアの紋章が現れてから消え、まるで、乗り移るかのようにベヨネッタの背中に現れる。

「! これは…っ!」

何をされたか理解したベヨネッタが驚きの表情になり、それがなぜだか嬉しくて『ベヨネッタ』は笑った。

 さらに『ベヨネッタ』は手に持っていた自分の武器であるヨーヨーを差し出す。

「これも持っていきなさい」

「ちょっと、何言ってるのよ」

 ベヨネッタは戸惑った様子でそう言い返す。

「あら、餞別よ。ちゃんと受け取って行きなさい」

 『ベヨネッタ』はそう言ってから、わずかに目を細め、

「…長い旅になりそうなんでしょう?」

「…」

 ベヨネッタはそれを聞いて、少し迷った後、頷いて、ヨーヨーを受け取る。

「あんたの思い、確かに受け取ったわ」

「ええ」

 『ベヨネッタ』はそう答えた後、続ける。

「…相棒、そっちはよろしく頼んだわよ」

 ベヨネッタの背後にファンタズマラネアが現れ、答える。

≪承知した。主よ≫

 そんな会話を聞いた後、『ベヨネッタ』がちょっと心配そうに尋ねる。

「…あんたは平気なの?」

「ええ。あてもあるし、やるべきこともあるもの」

 しっかりとした口調でそう答える『ベヨネッタ』をみて、ベヨネッタは笑みを浮かべる。

「そう。それじゃあ、私は行くわ」

 アラネアが姿を消し、混沌の歯車を手にしたベヨネッタの姿が、ゆっくりと消えていく。

「…ありがとう。後は、頼んだわよ」

「任せなさい」

 最後にそう言いあうと、自信満々とばかりに笑うベヨネッタの姿が消えていく。

 それと同時に薄暗い雲や不思議な霧で包まれていた空が、徐々に元の青空を取り戻していく。

「…」

 破壊されつくした町を振り返り、『ベヨネッタ』は決然とした表情で言った。

「さあ、忙しくなるわ!」

 そして、走り出すのだった。

 

 

 






Q 何で『ベヨネッタ』取り込めなかったのに、『シンギュラリティ』がパワーアップ変身してるの?

A 別の世界、つまりベヨネッタが行っていない世界の『アーク・イブ』を取り込んだから。


 デッドリー・シンはベヨネッタの心臓という贄が必要→じゃあ、ベヨネッタが二人いれば行けるんじゃね?(ざる勘定)

 死んで託されるよりも、生きて託される方が好み(個人的な趣味)
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