ぼくのかんがえた ベヨネッタ3 作:(-_-)zzz
「おい、起きろ」
揺れ動かされ、ヴィオラはうめき声をあげた。
「う、うう…」
「さっさと起きろ!」
「あ、あと5分…」
ヴィオラを揺れ動かしていたジャンヌの瞳が怒りに細められ、彼女は容赦なくヴィオラへ蹴りを入れ、
「フン!」
「ゲフッ!?」
思い切りヴィオラを転がす。抵抗できずにゴロゴロと転がったヴィオラは、ボチャンと音を立てて水に沈んだ。
「!? ゴボッ!? ゴガボボボ!!?」
ジャンヌが腕を組み、沈んだ場所を見つめていると、数秒して、ヴィオラが顔を出して大きくせき込んだ。
「ゲホッ、ゲホッ。何しやがる!!? っつか、塩辛っ!」
文句を言いながら自分がいた場所に這い上がってきたヴィオラは、周りを見回して、あぜんとした。
「なんだ? ここ…」
そこは、言うなれば、海の真ん中だった。
荒れる波の上に、自分たちがいて、そこは、まるでビルの屋上の上に真っ平だった。
ジャンヌがヴィオラをちらりと見た後、
「私が目覚めたときはここにいた。…どうやら、私たちは呼ばれたようだな」
「呼ばれた? 誰に?」
ジャンヌがそう言って遠くを見るような眼をすれば、ヴィオラも、自然とそちらを見やる。
それを待っていたかのように、水中から巨大な何かが現れた。
「なぁ!?」
「あれは…!?」
それは、いうなれば、軟体動物の足のようだった。ただし、その長さは10メートルはあろうかというもので、その先端には、船の碇のような物体がついていた。
それは思い切り振り降ろされ、ジャンヌとヴィオラは同時にその場から飛び退り、その攻撃をかわす。
「何だあれ!? 魔獣!?」
「見覚えがあるな」
ジャンヌの言うとおり、彼女にはそれに見覚えがあった。
自分たちが『シンギュラリティ』と戦う発端となった際、ジャンヌとベヨネッタを攻撃してきたのがかの魔獣だったからだ。
二人が見つめる先に、ユラユラと影の形をした人のようなものが現れる。
―――…ティ…。ジャ…
まるで地の底から這いあがるかのような声音で、それが言葉を発する。
ジャンヌはとっさにそれに銃口を向け、ヴィオラは目を見開いた。
「あれは…まさか、ダーク・イブ…?」
「知ってるのか?」
視線だけをちらりとヴィオラにやったジャンヌが問いかける。ヴィオラはうなずくと、
「あいつに…『シンギュラリティ』の野郎に世界を破壊された最初の『アーク・イブ』だ。そのせいで、他の滅びた『アーク・イブ』達の負の感情を全て受け入れる羽目になった…」
「…なるほど。成れの果て、というわけか」
親友の同位体のなれの果てに、ジャンヌはわずかに悲しげに目を細める。
―――キ、ティ…ジャン、ヌ…
それは、ゆっくりとそう呟く。その背後には、彼女の魔獣であろう巨大な蛸のような存在が海の底から姿を現した。
ジャンヌがそれを睨みつけると、
「良いだろう。ならばここで―――」
「待ってくれ!」
ヴィオラが引き鉄を引こうとしたジャンヌを押しとどめる。
ジャンヌの胡乱げな視線を受けたヴィオラだったが、ひるむことなく言い募る。
「私に…! 私に戦わせてくれ!!」
「何?」
思わぬ主張に、ジャンヌが目を見張る。
そのままヴィオラの目を見れば、真剣な瞳がジャンヌを見つめている。
「…良いだろう」
数秒思案した後、ジャンヌはそう言って銃口を下げると、後ろへと下がった。
「死にそうになったら助けてやってもいいぞ」
「そんなことなるか!」
ヴィオラは叫び返し、刀の柄に手をかけて、『ダーク・イブ』と向き合う。
―――キティ…。
そう言われ、ヴィオラはキッと睨み返すと、
「私をそう呼んでいいのは一人だけだ! …じゃあなくて! ああもう! やり直し!」
締まらない様子のヴィオラの耳に、ジャンヌの呆れたようなため息が聞こる。
ヴィオラは刀を一度床に突き刺し、両手でほほを叩いて気合を入れなおす。
そして、刀を手に持ち、構えながら振り回すと、
「私の名前はヴィオラだ! 二度と忘れられない名前にしてやる!!」
そう言って、人差し指で挑発する。
―――滅びよ…。
『ダーク・イブ』はそう言って、背後にいる魔獣へと跳躍し、飛び乗る。
ヴィオラは刀を大きく振るうと、叫ぶ。
「行くぜ!!」
そして、一気に走り出すのだった。
===
魔獣からの攻撃を刀でいなし、返す刀で切りつける。
ウィッチタイムを発動し、チェシャを呼び出し、敵の魔獣『クラーケン』へとけしかけ、自分は魔力を籠めたダーツを手に、錨のような武器を振り回す『ダーク・イブ』と戦う。
ジャンヌはその様子をじっと目を離さずに見つめていた。
やがて戦いも佳境に入ったのか、魔獣の動きが激しくなる。
ヴィオラもここで決めるべきだと判断したのか、一度大きく距離を取ると、
「チェシャアアアッ!」
刀を投げ、突き刺し、チェシャを呼び出した。
雄たけびを上げながら現れたチェシャは、ヴィオラの魔力をもらって巨大化し、『クラーケン』へと襲い掛かった。
その間ヴィオラはメイン武器がなくなり、無防備になり、そこへ、『ダーク・イブ』が走り寄り、武器を振り下ろした。
ヴィオラはその攻撃を後方の空中へ跳躍することで回避する。
空中へと飛び上がったヴィオラへ、間髪入れずに『ダーク・イブ』は武器の先端を飛ばして串刺しにしようとする。
「っでやあっ!」
だが、その攻撃はヴィオラが手に持った刀の鞘に弾かれた。
今までにない攻撃の防御方法に、ジャンヌ、『ダーク・イブ』の双方が驚く。
空中で体勢を立て直したヴィオラは、そのまま伸ばされている『ダーク・イブ』の武器の鎖部分に着地すると、走り、一気に距離を詰めていく。
まずいと思ったのか、『ダーク・イブ』は咄嗟に思い切り武器を振り戻し、鎖からヴィオラを振り落とそうと試みる。
「うおああ!!?」
ヴィオラは突然逆方向へと動き始めた鎖に対応しきれず、空中へと投げ出された。
そのまま、武器を構える『ダーク・イブ』の方へと落下していく。
「!」
あのままでは、『ダーク・イブ』の攻撃を食らってしまうと判断したジャンヌが愛銃へと手を伸ばしかける。が、ヴィオラの真剣な表情を見て、その動きを止めた。
そこからは、まさに一瞬の攻防だった。
『ダーク・イブ』は落下してくるヴィオラに対して、すでに攻撃態勢に入っており、確実に回避も防御も間に合わないタイミングに見えた。
『ダーク・イブ』が武器を振り回す。そして、それに対して落下していたヴィオラだったが、
「遅いっ!」
回避した。
魔舞太刀を使わず、己の意思で発動した『ウィッチタイム』を駆使して。
「!?」
―――!?
魔舞太刀がなければ、ウィッチタイムを発動できなかった半人前の魔女が、回避によるウィッチタイムを発動した。
その行動。思わぬ展開に『ダーク・イブ』の動きが鈍る。
そして、ヴィオラは己の時間ウィッチタイムの中で、チェシャを呼び、刀を手の中へと収めた。
『クラーケン』に掴まっていたチェシャだったが、小さな人形へと変ずることでその拘束から逃れる形になり、ヴィオラは手にした刀へと魔力を送り込む。
「うおおおおおおっ!!」
魔力が宝石のようにきらめき、刀身へと変化していく。
『シンギュラリティ』の攻撃を相手ごと断ち切ったあの時と同じく、その刀身は一瞬にしてヴィオラの身長を越え、『クラーケン』の大きさすら超える長さになる。
―――っ!
『ダーク・イブ』が魔獣に命じて、その足を何本もヴィオラに向かって振り下ろさせ、自分もまた跳躍し、共にヴィオラを押しつぶそうと武器を振り下ろす。
「るおおおあああああっ!!!」
だが、ヴィオラが下から上へと振り上げた妖精の力と魔力のこもった刃は、それらをまとめて切り裂いた。
ジャンヌは思わず目を見開く先で、『クラーケン』が実態を維持できずに消えていき、切られた『ダーク・イブ』が屋上の床の中心へと叩きつけられ、その手から武器が消えていく。
誰も何もしゃべらない中、宝石のような刀身が消えていき、元の太刀へと変わっていった。
『ダーク・イブ』がゆっくりと立ち上がり、告げる。
―――…強くなったわね、ヴィオラ。
ヴィオラは彼女に対して背中を向けていたが、ジャンヌはその姿を見つめていた。
靄のような闇の塊だったその姿は、いつの間にか自分が知る『ベヨネッタ』の姿となっていた。
自分と出会い、記憶を取り戻す前の、赤く長いリボンを髪にからめ、風に遊ばせているその姿に。
「当たり前だろ。いつまでも子供じゃないんだぜ」
ヴィオラが震える声でそう答えれば、『ベヨネッタ』は嬉しそうに笑う。
―――そうね。…そして、たくさんの可能性のある未来を、世界を見せてくれるものね。
『ベヨネッタ』がヴィオラを見れば、彼女の背中は、肩は僅かに震えていた。
―――せっかくだし、一人前になったお祝いにプレゼントをあげるわ。そうね、こんな名前はどうかしら?
最後に、『ベヨネッタ』はその名前を告げると、ゆっくりと姿を紫色の蝶に変えながら消えていく。
「セレッサ…」
そう呟いたジャンヌを見て、ウィンクをして見せながら。
ヴィオラは乱暴に目に浮かぶ涙をぬぐうと、
「ありがとう、マミー。その名前、大事にするよ」
そう呟いた。
同時に、残された二人の足元から光が放たれる。
ヴィオラとジャンヌはその光の中に飲み込まれていった。
2週目からの特典妄想。
その1 ベヨネッタの武器追加。『アブラ・カタブラ』
その2 ヴィオラが回避によるウィッチタイム発動可能に。(オンオフ切り替えあり)
その3 ヴィオラがチェシャ召喚中でも鞘を使ったガードが可能に。(オンオフ切り替えあり)
その3 ヴィオラが魔武太刀の強化版『妖魔の太刀』を会得。
魔力消費の代わりに攻撃力と射程がアップ。
チェシャ召喚と選択式。十字キーで魔力消費先を選ぶ。
その4 ヴィオラが敵の攻撃をギリギリで回避した時、『フェアリーウィズイン』を発動可能になる。
多数の、ステンドグラスのような羽根を持つ小さな妖精達に分裂して、敵の攻撃を回避する技。