ぼくのかんがえた ベヨネッタ3 作:(-_-)zzz
薄暗い地下にあるバー『ゲイツ・オブ・ヘル』
そこでは、うろうろと歩き回る一人の人間がいた。
その背中へと、カウンターの中でグラスを磨いていたロダンが声をかける。
「おい、ヴィオラ。少しは落ち着いたらどうだ?」
「だってよぉ! もう時間になるんだぜ!?」
ヴィオラが振り向き、声を荒げる。ロダンはやれやれと肩をすくめる。
そんな会話を聞いていたジャンヌは、思わず笑みを浮かべると、
「そう騒ぐな。…ルカから連絡があった。もうすぐ来るぞ」
「マジかよ!? ロダン! 電気電気!」
「電気じゃねぇんだけどな」
ロダンがヴィオラにせかされ、しぶしぶといった様子で指を鳴らす。
それと同時に、バーの中にあった明かりが全て消え去った。
直後、バーの扉が開き、声が聞こえる。
「あら? 停電かしら?」
聞きなれていた声が響く。そんな中、ヴィオラは隠し持っていたクラッカーの紐を思い切り引いた。
同じことをジャンヌとロダンもしたのか、複数の破裂音が響き、
「「Happy Birthday!! セレッサ(セレシータ)(マミー)!!」」
ぱっと明かりが再びつき、バーの内装が照らされる。
あちこちに飾られた旗には同じように誕生日を祝う言葉が。
テーブルの上にもメッセージカードが張られていて、いかにも、手作りの誕生日会といった様相を呈している。
そして、その主役としてクラッカーの紙吹雪をかけられたセレッサは笑みを浮かべながら中へと入ってくる。
「まったく、何をこそこそしているのかと思ったら、こういうことだったのね」
口ではそう言っているが、表情は嬉しそうだ。
セレッサをエスコートしてきたルカがその表情を見て笑みを浮かべ、ヴィオラとハイタッチして成功を祝う。
セレッサは髪についた紙吹雪を一枚手に取り、もてあそびながら内部を見回した。
「フフ。素敵なパーティー会場になってるじゃない」
「うちはバーなんだがな」
ロダンが苦言を呈するが、あまり聞かれてはいないようだった。
ヴィオラがセレッサへ駆け寄ると、
「これ、私と私の世界のマミーとシグルスから」
そう言って、ラッピングされた箱を差し出した。
セレッサは嬉しそうにそれを受け取る。
「ありがとう。でも、貴方、いっつも『こっち』にいるけど、ちゃんと許可は貰ってるの?」
「貰ってるって。っていうか、むしろ、ジャンヌにあっちこっちへ引きずり回されてるんだけどな」
そんな会話を聞いて、ジャンヌが口をはさむ。
「当たり前だ。お前は新しい『アーク・イブ・オリジン』になったんだからな。『セレッサ』達から教えを受けるのは―――」
「教えっていうか、しごきだろ、アレ」
ヴィオラがジャンヌの言葉をさえぎり、うんざりといった様子になる。
ジャンヌは鼻を鳴らしてその文句を聞き流すと、セレッサへと手に持っていたものを差し出す。
「私からだ」
「ありがとう、ジャンヌ」
かわいくラッピングされた小箱を受け取ったところで、セレッサはロダンに呼ばれた。
「ここにおいてあるやつも、持って行けよ」
そう言って彼が示したのは、カウンターの上と前に並べられたものだった。
「フフ。たくさんあるわね」
一番に目につくのは、1,5mはあるかと思われる巨大な陶器製のツボのようなものだろう。美術館か博物館に飾られていそうな、中華を思わせる模様が入ったものだった。
セレッサはそれに近づいて歩み寄り、戯れに指先でツボを弾き、音を出す。
「良い音ね」
そして、カウンターに並べられたプレゼントに目をやった。
大きめのラッピングされた箱は、いかにもびっくり箱だといわんばかりに主張していて、開けるのが楽しそうだったし、地味目ではあったが、丁寧に包装された手のひらほどの布袋をおもむろに開けてみれば、手作りらしい焼き菓子が入っていた。
セレッサはそれらを見た後、最後にあったぬいぐるみを手に取る。
可愛らしいフカフカの手触りのテディベアは、見覚えのある白いジャケットを羽織って、見たことのある色付きのサングラスをかけていた。
「…素敵ね。あんたとティータイムができそう」
ぬいぐるみにそう話しかけるセレッサへと、ロダンが言う。
「おい、あっちもだぞ」
そう言って彼が顎で指示した先にあった両開きの扉が開けば、その中からは山積みになっていたプレゼントが雪崩のように崩れてきた。
それを見て、あきれた様子でロダンが言う。
「まったく。うちはバーだって言ってるだろうが…」
「あら、良いじゃない。プレゼントを配る仕事もしてたんでしょ」
セレッサがそう言い返すと、その様子を見ていたルカが口をはさんだ。
「セレシータ。プレゼントもいいが、こっちのケーキにも、そろそろ注目してもらえるか?」
「もちろん。あんたが選んでくれたの? ルカ」
ルカがセレッサの手を取り案内した先には、テーブルを一つ占拠するほどの巨大なホールケーキが鎮座していた。
白い生クリームにイチゴがたっぷりと乗せられ、その中央には『Happy Birthday』の文字が書かれている。
「ああ。一番いいケーキを作ってもらったんだぜ」
「素敵じゃない。早速、食べましょう」
目を輝かせてケーキナイフを手に取ろうとするセレッサに、
「おいおい、主役は座って待ってなって」
ルカが代わりにそのナイフを手に取り、ヴィオラが気を聞かせてそばの椅子をセレッサが座りやすい位置へと移動させる。
セレッサは笑いながらその様子を見てから、椅子に腰かける。
そんな中、バタバタと遠くから足音が聞こえてきた。
あまりの慌てようの足音に全員が出入り口の扉を見たとき、大きな音を立ててエンツォが飛び込んできた。
「お、おおおおお前ら! 外にうおあっ!?」
慌てすぎたせいか、バーに一歩踏み入れた瞬間に転び、両手で抱えていた白い箱が宙を舞う。
「エンツォ!? ってああああ!!?」
箱から飛び出したワインの瓶が宙を飛び、ヴィオラが慌てて駆け寄ってキャッチしようとし、驚いたルカの手からナイフとケーキが飛び、セレッサはそばのテーブルの上からおもむろに白い皿とフォークを手にした。
ジャンヌが呆れた表情で見つめる先で、エンツォは顔から床にダイブし、ヴィオラがワインの瓶を死守しながらテーブルと椅子を何個か倒しながら転び、宙を舞ったケーキがセレッサの差し出す皿に着地した。
数秒の沈黙の中、セレッサは手に持ったフォークで早速ケーキを一口食べ、
「ん~。美味しいじゃない」
一人マイペースにそう言って、食べ始めた。
「お前、せっかくの祝いのワインを―――」
「んなこと言ってる場合じゃねぇ! お前ら! 外だ外!!」
ケーキナイフを片手に持ったままのルカの小言をさえぎり、エンツォが叫ぶ。
その剣幕に思わず気圧されたように魔女たちは顔を見合わせた。
バーにいた面々が外に出れば、そこには、異様な光景が広がっていた。
「おいおい、どうなってんだ? 何でこいつら、プルガトリオから出てきてんだよ?」
思わずヴィオラがうめくのも仕方がない。
そこには、現実世界で暴れまわる悪魔や天使の姿があったからだ。
ロダンがたばこを一服吸いながら推測する。
「今回の件で鬱憤がたまってただろうなぁ。『シンギュラリティ』に敵わないと分かってたから、天界や魔界に引っ込んでいたんだしな」
「あいつがいなくなったから、タカが外れて暴れてるってわけか?」
ルカがそう尋ねれば、ロダンはうなずいた。
ケーキを持ってきたままのセレッサやジャンヌも呆れたように言いあう。
「まったく。人が大変な思いをしてたっていうのに、のんきな奴らね」
「フン。奴らにそんなことが理解できるわけもない。せいぜい、うるさい奴らがいなくなったと思ってる程度だろう」
そうしているうちにそんな彼女たちの周りにも天使や悪魔たちが集まってくる。
「ひえええ!!」
エンツォは慌ててロダンの足にしがみつく。世界で一番安全な場所へと避難した彼をちらりと見て、ルカは肩をすくめた。
セレッサはフォークに残っていたケーキをルカに差し出して食べさせると、その皿とフォークを「持ってて」とルカに押し付け、代表するかのように前へ出る。
「なあに? あんたたち、こんなに頭数揃えちゃって。もしかして、私の誕生日のお祝いに来てくれたのかしら?」
いつもと変わらない堂々とした振る舞いのセレッサ。
それを見て、ジャンヌが獰猛に笑い愛銃を手にし、ヴィオラが背中の太刀へと手をかける。
「良いわ。せっかくのパーティなんだもの。全員まとめて相手になってあげる」
そう言って、セレッサはおもむろに服に手をかけ脱ぎ去り、一瞬にして武闘服へとその姿を変えた。
「行くわよ! ジャンヌ!」
呼びかけられたジャンヌが勇ましく「ああ」と答えて愛銃を構え、
「『ベヨネッタ』!」
同じく呼びけられたヴィオラが「おっしゃあ!」と叫び、魔舞太刀を鞘から引き抜いて構える。
それらの様子を見て、ルカが嬉しそうに笑う。
セレッサはその視線を受けて、微笑み返すと、両手に持った愛銃『カラーマイワールド』を構え、楽しそうに叫んだ。
「Let’s Dance! Boys!」
Game Clear! Congratulation!
書き始めたときはこんなに長くなるとは思わなかったです…。
そして、ラストはちょっと駆け足になってしまった感もするのですが、私の力ではこれが限界です。
なので! ぜひ! みんなも『ベヨネッタ3』の妄想エンド書こうぜ!(ダイマ)
Q 何でみんな生き返ってるん? それに、ヴィオラ何してるん?
A『混沌の歯車』と『秩序の粒子』を使い、ベヨネッタとルカが滅ぼされた世界と奪われた命を再構築し、それぞれ『オリジン』としての力を失う。
その後、新たな『ベヨネッタ』として指名されたヴィオラが『アーク・イブ・オリジン』となって、全世界の中心世界(つまり本作におけるこの世界)を維持することになった。
そのため、ジャンヌをお目付け役として『ベヨネッタ』達の世界をめぐり、『シンギュラリティ』の残党を駆逐したり、その世界の『ベヨネッタ』から教えを受けながら、修業を積むこととなった。
日々しごかれるヴィオラを、母は楽しそうに、嬉しそうに見送っていたらしい。
それはそれとして、頑張れ、ヴィオラ。超頑張れ。(小並感)
最後までのお付き合い、本当にありがとうございました!