急いで書いたので間違えてるところがあるかもしれません。もしそうだったらすいません。
〜〜〜ロンドン特別区/グリニッジ〜〜〜
この日、ナオキは夜が明けてすぐの6時に目を覚ました。[トラウブリッジ]撃沈後、いつも彼が起きる時間が8時なことを考えると、今日はやけに早かった。
もちろん、なぜ早く起きたのかには理由がある。
さしたる外傷がなかったため、2人は[トラウブリッジ]が撃沈されてから1週間ほどで退院したが、特殊軍への復帰までは3日ほど余裕があることから、彼はステファニーからお出かけに誘われていた。そして、今日はその当日であった。
彼は、さほど大きくないベッドで背を伸ばし、すぐに朝の支度を始めた。朝食、歯磨きや髪のセットを済ませ、出かける服装を決めようとクローゼットを開ける。
少し悩んだが、結局いつも外出の時に着用するで駅へと向かった。
それから数分後、彼は最寄りのグリニッジ駅から、待ち合わせのロンドン・ブリッジ駅に向かえるサウス・イースタン鉄道へと乗りこんだ。
天候は、先ほどから雲の割合が増え始め、もう少ししたら雨が降り出しそうな気配をしていた。窓からの風景も、心なしかどことなく薄い灰色を帯びているように感じられた。
彼は椅子に寄りかかりながら窓を眺め、せめて大降りにはならないでくれよと祈った。そう考えてる間に、列車は市街地へどんどん向かっていった。
とはいえ、正直久々に出かけれただけで嬉しかったこともあり、駅に到着するまでの間、彼は手元の文庫本を読みながらこれからどこに行こうか考えを巡らせた。
ロンドン・ブリッジ駅のあるサザークは、ロンドン市街地にある街とあって素敵なスポットが豊富だ。おしゃれな観光施設であるヘイズガレリアや、文化遺産として名高いロンドン塔。あるいは、ステファニー姉さんも話に乗ってくれるなら記念艦のベルファストに行ってみるのもいいかもしれない。と、考えなつつ彼はうきうきしながら本のページをめくった。
まもなく、列車から見える風景もだんだんビルが多くなっていった。彼はふとそれに気づくと、手元の文庫本を閉じてバッグにしまった。すぐに腕時計で時刻を確認する。このまま行けばステファニー姉さんと待ち合わせた時間より早く着いてしまうが、その間は駅内の店でも見て暇でも潰していよう。よし。
彼はそう思いながら小さく頷いた。
ロンドン・ブリッジ駅に到着したのはそれから3分後のことであった。
駅に到着してからしばらくして、待ち合わせの場所でナオキとステファニーは合流した。彼女は出かける前に駅近くのレストランを予約していたらしく、すぐに2人はその場所へと歩を進める。
あの事故から1週間ぶりにあったが、彼女は傷もなく、前と大差なく健康そうであった。だが、表情が心なしか暗いように感じる。
「姉さんは、もう傷は大丈夫そう?自分より長く入院してたって聞いたけど?」
向かっている途中、彼女がいつもより元気のないなと思ったナオキは、心配そうな表情で彼女に聞く。
「しばらく漂流してたから低体温症になってたみたいだけど、ありがたいことに今は大丈夫みたい。看護師の人からも、すぐによくなってびっくりしたって言われたな」
「そうなんだ。ならよかったよ。元気でいられるのが一番だからね」
その言葉を聞いて彼は少し安堵した。だが、ステファニーは暗い表情をさせながら、続けるようにこう言った。
「でも、乗員の中では亡くなった人もいたって言われてね。もっと私がしっかりしてればこんなことには‥」
口を閉じた後、ステファニーは顔に悲しげなものを浮かべる。彼女は子供の頃に火災に遭った過去があったため、このような突然の出来事には慣れてはいた。だが、艦長をやってた身のため、艦を沈没させてしまった負い目を感じているようであった。
「大丈夫だよ。姉さんはうまくやった。あの状況じゃ回避行動をとれただけでもすごいよ」
「そう‥かな?」
「絶対そうだよ。だから気落ちすることなんてない。僕だったら、あそこまでちゃんと命令を出せなかったよ」
落ち込む彼女に対し、ナオキは励ましながらにっこりと微笑みかけた。精一杯のフォローこそしているものの、その言葉に嘘はない。なにせ、ただの攻撃ではなく奇襲を受けたのだ。そんな危機的状況で、冷静かつすぐさま判断を下せたのならそれだけで十分だ。
その言葉にステファニーは少し元気づいたようだった。
「そう‥だね。あの時私はやれることをやった。ならそれで大丈夫だよね」
彼は彼女が元気になったことに安堵しながら視線を周囲に向け、ふと気づく。もうそろそろ目的地のレストランのあるビルに着く頃だった。
「お、そろそろレストランに着くよ」
「本当だ」
そう言って、2人はすぐにビルの中へと入った。
予約していたレストランはテムズ川沿いのビルの三階に位置していた。出す料理はフレンチで、内装はおしゃれかつ落ち着いたものになっており、かなり心安らぐ雰囲気をしていた。
レストランに入ってすぐに、2人は予約していた窓際のテーブル席に座った。窓からは、観光スポットとして有名なタワーブリッジや、ロンドン塔、そして今でも現役時と変わらぬ様相を保ち続けている記念艦ベルファストが一望でき、とても良い眺めであった。
「おおー、すごいいい景色だ‥こんなとこ、よく予約とれたね」
ナオキは、座ってからすぐに感嘆の声をあげた。彼自身特殊軍に入ってからこのような場所には縁がなかったため、いい意味で新鮮な気持ちだった。
「たまにはこういうとこ行ってみるのもありかと思ってね。結構いいもんでしょ?」
「結構どころか最高だよ。あ、長居するとあれだし早めに注文しとこ」
「だね」
そう言って2人はメニューを開いた。テリーヌやムニエルなどフレンチとあっていろいろな種類があるが‥うん、今回はこれだな。あとは昼間から酒飲むわけにはいかないから飲み物はこれにしてと。よし。
彼は少し考えたあとに注文した。
「僕は、砂肝のコンフィを頼みます。あと飲み物に炭酸水を」
「じゃあ、私は蕎麦粉のガレットで、飲み物は同じものでお願いします」
かしこまりました、と頷いて店員が離れたあと、2人はまた話を始めた。
「そういえば、ナオキくんは今度はどこに配属されたの?
「僕は、[シュロップシャー]っていう駆逐艦に砲雷長として配属されるって言われたな。たしかカウンティ級だったかと思うけど‥。そういや姉さんはどこになったの?」
彼はそう言ってステファニーに聞き返す。
なお、彼の乗る予定であるカウンティ級はイギリス海軍内で初のミサイル駆逐艦であった艦艇で、日本でいうところの護衛艦[あまつかぜ]に当たるような艦艇であった。艦自体は古いが。特殊軍に入ってからは近代化改装で装備品が一新され、なかなか強力な艦へと生まれ変わっていた。
「私は、なんかよくわかんないんだけど、戦艦の艦長になるみたいなんだよね」
ナオキは彼女の言葉に目を輝かせた。
「え、戦艦!?特殊軍のだと戦艦[ヴァンガード]でしょ?めちゃくちゃすごいじゃん」
「おお…なんかやけに食いつきがいいね」
「そりゃだって、イギリス全体で見ても戦艦なんて3隻しかいないからね。そんな艦の艦長になれるなんて羨ましい限りだよ!」
「羨ましい…か。そこまでいい艦の艦長になれるなら私も光栄だなぁ」
顔を彼の喜び具合に、ステファニーもつられてクスッと笑った。彼女から見て彼は[トラウブリッジ]砲術長をやっている時とかは真面目に周囲をまとめていたが、趣味ではしゃぐところはまだ童心を忘れていないようにも感じられた。
ふとナオキは「あ、」と思いだしていった。
「そういえば、[シュロップシャー]も戦艦戦闘群にいるって言われたかも。たしか、前に配属先言われた時に[ヴァンガード]がどうの言われた気がしたし…」
「本当?もしそうだとしたら案外簡単に会えたりするかもね」
「だねぇ」
そんな話をしていると、しばらくして料理と飲み物が運ばれてきた。2人はすぐにそれぞれの料理をいただく。どちらもとても素晴らしい味であったため、それぞれすぐに食べ終えてしまった。
「そういや、しばらくニュースは見てなかったけど、太平洋の方って、今は日本が優勢な感じなの?」
食べ終えた後に、炭酸水を一口飲みながらナオキはそう聞いた。ステファニーもコップを置いてすぐに返答する。
「そうみたい。今の所占領された島の奪還作戦とかも行う予定らしいよ。アメリカの方も艦隊やられたみたいだし」
「なるほど。戦争自体これを機に早く終われればいいけどなぁ」
「どうだろう、アメリカもそのまま引き返すこともないだろうし‥続くかもしれないね」
「もし長引いたら‥近いうち僕もまた戦場に行くことになりそうだなぁ」
「そうなるかもねぇ」
彼女そう言ってため息をついた。
「まぁ、とりあえず休みなんだし今日は楽しみましょ。ナオキは行きたいとことかある?よければ連れてくよ」
「本当?なら、そこにある記念艦ベルファストとか行かない?休みの日まで軍艦に行くものあれだけど、結構見るものがあって楽しいと思うよ」
ステファニーの言葉に彼は喜びながら、そう言って窓の外にある巡洋艦を指差した。
「なら決まりね。食べ終わったらすぐに行きましょ」
彼女は手元のコップに入ったものを一口飲み、少しの間外を眺めた。時間が経ったからか、天候も心なしか回復しているように感じられた。
戦車の名前だと何がいい?
-
モントゴメリー
-
トライアンフ
-
ヴェネラブル
-
ブラックタイガー