日本国最後の幸運艦 外伝[大西洋の死闘]   作:刀持ちの烏

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朝はとりあえず暖かいものを食べれば目が冴えると思っている刀持ちの烏です。

今回は魔改造艦がたくさん出てきます。


Episode2 護送船団

 

〜〜〜プリマス/デヴォンポート海軍基地〜〜〜

 

 現在、デヴォンポート海軍基地では旗艦[ベッドフォード]をはじめとする数隻の艦艇が出航準備に入っていた。埠頭や甲板上では海軍軍人たちが作業している。

 

 船団の目的地はカナダ、ハリファックス海軍基地で、2隻の輸送艦で戦車や小銃などの武装を送ることになっていた。

 

 14型フリゲート、[ジェイムズ]はそれを護衛する艦艇の一隻だった。

 

 本艦は近年、特殊軍による近代化改装を受け、主に防空能力が強化された。具体的に言えば、艦首部にはRAM21連装発射機を、そのすぐ後ろには、アメリカのMK.41 VLSを改造したMK.41BK VLSを32セルを装備。そして後部には60口径114mmCIWSを1基装備していた。防空艦としてはこの大きさなら充分なほうだ。

 

 そのため、今回の任務も防空艦的な運用をされることになっている。もっとも、最大の脅威は潜水艦となっているため、VLSのうち半分にあたる16セルにはアスロックSUMを装備している。一応対潜艦ではないがあったほうが良いことに越したことはないだろう。

 

「出航準備完了しました」

 

 [ジェイムズ]航海長、ローレンス・ケッペルは、いつもよりも緊張しながら急いで艦橋へと向かうと、敬礼をして艦長席に座っている艦長へと伝えた。

 

「ご苦労さん」

 

 艦長のシェルビー・ブッシュは寝ぼけたような顔をしつつ、帽子を目深に被ると、艦内全域にスピーカーを繋げた。

 

「艦長より達する。本艦はこれより、輸送艦2隻を潜水艦から護衛し、ハリファックス軍港まで送り届ける。各員、団結し足りぬところを補ってくれ。以上」

 

 彼は言い終わると、ふぅとため息をつきながら椅子にどっかり座った。

 どこか浮かない表情で彼はこう言った。

 

「まさか、突然のこととはいえカナダ海軍や、ましてやポーランド海軍に協力してもらうとはな」

 

 ローレンスは、埠頭に接岸している2隻の艦艇を指差しながら言った。

 

「まぁ、そうですね。ですが、[ダッチ]は対潜ヘリを積めますし、ポーランドの[ヴィクター]だってかなりバランスのいい艦艇です。それなりに使えると思いますよ」

 

 彼の指差したカナダ海軍の[ダッチ]、ポーランド海軍の[ヴィクター]は、それぞれCr級、フレッチャー級を改装した駆逐艦だ。

 

 カナダ海軍の[ダッチ]は、彼の言ったようにSH-60B対潜ヘリコプターを1機積んでいる。普通だったら標準的だと思われるが、なんとこの船団にはヘリを積める艦艇はこの一隻のみだ。旗艦の[ベッドフォード]は23型の改修型なのだが、後部に主砲を載せるためにヘリ格納庫を撤去してしまっていた。他の艦艇も規模が小さすぎて載せるのが無理だったから、実質的に[ダッチ]は船団になくてはならない存在だった。

 

 そして、ポーランド海軍の[ヴィクター]は、アメリカから輸入したフレッチャー級の船体に、ソ連や東ドイツなどが崩壊し、流れてきた装備を取り付けたものだが、対潜水艦用の対潜ロケット砲、主砲の76.2mm砲、防空装備の短SAM、CIWSと、それぞれにバランス良い装備なため、いろんな場面に使えるはずだ。

 

 ローレンスの言ったことに対し、シェルビーは違うよ、と言うように首を横に振った。

 

「そうじゃない。私の言いたいのは対面という意味での話さ」

 

「対面、ですか?」

 

「そう、我が国は2度の大戦でだいぶ落ちぶれたとはいえ、一応大国と呼ばれる位置についている。軍事力も世界で5つの指に入るぐらいにはあるんだ。その我が国がカナダやポーランドの力を借りるってゆうのは情けないように思ってな」

 

 ローレンスはああ、といった表情になる。

 

 現在のイギリスは、第2次朝鮮戦争後かなり軍事力が強化されていた。特殊軍の編成がその大きな例だが、むろんそれだけではなく、陸海空軍もかなり増強されていた。

 海軍だったら、特殊海軍と通常の海軍の空母の数を合わせれば10隻は軽く超えるほどで、フリゲート艦だったら哨戒艦隊を組ませて雑用みたいに使っているほどだ。だから艦艇はあまりあるほどあるはずで、ましてや本来なら4隻と言わず7、8隻は護衛に付けれるはずなのだ。

 

「ポーランドやカナダが小国だと見下しているわけではない。だが、彼らを戦場に送ることになるほど我々は戦力がないわけじゃないのに…こんなことになってしまった」

 

「艦長」

 

 複雑そうな表情は変わらなかったが、一度言葉を切って、ローレンスはこう言った。

 

「こんなこと言ってても今の私たちにはどうにもできません。だから、今我々が彼らの分までできることをすることが、現在の我々ができることだと私は思います」

 

 シェルビーはそうだな、と決意したような表情をしながら頷く。目には少し光がともっていた。

 

「じゃあ、航海長、出港と行こうか!!今我々ができることをするために」

 

 2人は快活な表情をしながら頷き合い、出航命令を出した。

 

 3月26日午前6時5分、[ジェイムズ]は北大西洋の大海原へと向かって出港した。

 

 

 

 

 

〜〜〜コッド岬より300km先の地点/潜水艦[シーパンサー]〜〜〜

 

「あともう少しでセントジョンズ沖を通るはずだが…」

 

 そう言いながら、トーマスは腕時計を見た。

 現在時刻は午前9時13分。上からの情報だと、あと1時間少し後ぐらいで、輸送船団がニューファンランド島のセントジョンズ沖通過することとなっている。任務のためにもうまくきてくれるといいが。

 彼はそう思いながら手を揉んでいた。

 

 彼はあの後、部下とともに表彰された後に、[ティブロン]とともに国籍不明艦を装い船団を襲う任務を任された。派手にやりすぎるとすぐにアメリカと疑われやすくなるため、あくまでも小規模で、狙いは主に軍需品を運んだ輸送船のみ。通常の船舶は撃沈しないこととなっていた。

 

 副長が報告する。

 

「現在、マクガイア空軍基地からの偵察機の情報から、船団に護衛がついていることがわかりました。数は4隻。大きさからして、おそらくフリゲートクラスだと思われます」

 

「なるほどな」

 

「まあ、フリゲートクラスであれば小型で対潜兵装も少ないので、まだやりやすいと思います」

 

「フリゲートを舐めてはいかん」

 

 トーマスは少し副長を睨みながらそう言った。

 表情の変化に、副長もドキッとした顔になる。

 

「フリゲートは小型で小回りがいいからなかなか当てにくい。前回のやつはまだ戦時だと思ってなかったからやれたが今回も同様にいくとは思えん。敵を見誤ってはいかんぞ、副長」

 

「すいませんでした艦長、肝に銘じておきます」

 

 トーマスは大きく頷いた。彼は充電のために一旦浮上するように命じた。

 

 

 

 

 

〜〜〜同/駆逐艦[ダッチ]艦載機 コールサイン[スパロー1]〜〜〜

 

「今の所、敵などは見当たらないようっすね」

 

 後部座席に座っている若い搭乗員は、目を細めながら機体から下の大海原を見つめていた。現在、[スパロー1]は船団の行く航路を前もって哨戒しているが、見たところ軍用機ひとつも見当たらないようだった。

 

 機長がふーんといった表情でこう言った。

 

「まあ一応もう少し見ておこうよ。今洋上になんも見えないとはいえ、もしかしたら潜水艦が海中にいるかもしれないしな」

 

「了解っす」

 

 部下はそう言って再び海上を眺めた。

 しばらく見て、彼は、ん、といった表情になる。

 海上から黒い物体が見えた。上から見ると楕円形の形をしており、上部には小さな棒のようなものが数本生えていた。

 彼はそれが何かすぐに理解した。

 

「機長、潜水艦です!!場所は本機から4時の方向、おそらくディーゼルの充電を行なっていると思われます」

 

「[スパロー1]より[ダッチ]へ、現在本機より4時の方向に敵潜水艦を発見、警戒されたし」

 

 機長は心の底で緊張しながらも、すぐに母艦へと連絡した。

 

 

 

戦車の名前だと何がいい?

  • モントゴメリー
  • トライアンフ
  • ヴェネラブル
  • ブラックタイガー
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