→ほな一旦サボってもええか
→前話から一ヵ月経っちゃった………………………………
【英雄譚の終わり③】と【ざんき】の間のお話です。
色々とご都合ご都合してて、いよいよ夢小説らしくなってきた気がします。
【一】
(何もかもが曖昧で、夢うつつ。瞼を閉じればきっと直ぐにでも楽になれるという確信があります)
(……思えば今まで、やりたくもない事に付き合って。必要もないぐらい頑張って来ましたね)
(多少の未練が無い訳ではありませんが、それ以上にもう疲れたなぁ、という思いが今は勝ります)
(来世に期待、良いじゃないですか。次は何もせずパンをもぐもぐしてるだけの一生が良いです。神様神様、どうかよろしくお願いしますよ)
(…)
(…………はぁ)
(そんなにも悲しいなら。そんなにも苦しいなら)
(私のことが好きなら。どうして一緒に生きようとしてくれないんですか)
~~~
黒髪の女がゆっくりと、ゆっくりと何かを背負いながら歩いている。
「大丈夫、大丈夫だ」
ぼそぼそと誰かに語り掛ける様に一人で呟き続ける彼女の傍らには誰が居るという事も無い。
「おれが何とか、してみせるから……」
ただ、亡霊だけがその背を見守っていた。
【二】
「どうしてそんな事言うんだ」
”この世界に死者を生き返らせる術なんてものは無い”。ユタは各国を巡っては名うてのウィザードや僧侶の元を訪れる度、その言葉を聞いた。
「なあ、頼むよ」
持てる装備を全て売り払ってマーを用意しようが、自分の全てを差し出すと言おうが。それが変わる事は無かった。
「どうして……」
彼等は皆一様に申し訳無さそうにして、硬貨の詰まった袋を返してくれた。誰が悪いなんて事は無い。きっとこの世界にも本当の英雄なんてものは、存在しないだけなのだ。
ゆきんこの死亡から1週間後。ユタは一度ウィンバルトの宿屋に戻り、ベッドの上で微動だにせず横たわる少女を見つめていた。
情けついでに腐敗から保護する魔法を掛けて貰ったからだろうか。肌が青白くなってはいるものの、シルエットに変化は無い。死化粧を施せば、ただ眠っている様にしか見えなくなるだろう。
「ああ、あぁぁぁぁあぁ……まただ」
「また死んだ!また助けられなかった!あの時と同じ、与えられっぱなしで!!!」
黒髪の女は過去を想う。故郷を喪ったあの日、圧倒的な理不尽ですべてが無価値と断ぜられた地獄の中で、英雄の夢をくれた少女の事を。
何の救いも無いまま命を落とした、哀れな少女の最期を。
「……同じ?」
ふと、長期間の不眠により疲弊した脳が、そこに在った疑問へと惰性的に手を伸ばす。
「違う、同じなんかじゃない。ここに”竜”なんて居なかった」
それは今までずっと、考えない様にしていたもの。
「お前を殺したのは何だ。魔物じゃない、ただ生きるだけなら浅層で淡々と狩りをしていれば良かった」
両立し得ない二つの願いを何とか傍らに置き続ける為に、努めて見ないようにしていた矛盾。
「……おれが」
「おれが”英雄”を張り続けようとさえしなければ……こんな事にはならなかった?」
その清算は、英雄譚の終わりを以て成される事となった。
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『気付くの遅っっっっっっっっっっっっっっっっっっそいです!!!!!』
その一方で、ゆきんこ(幽霊)はキレていた。
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