黒き希望を手繰り寄せて   作:みりんはお酒

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なんだかんだで毎日投稿しているの意外


1回戦

あの事件は決着がついた。

捕まった構成員は何も知らないらしく、有力な情報を掴むことはできなかった。

ハイドは勾留中に死亡していた。

毒殺だった。

以上で事件は収束した。

 

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ヴァイタルフェスティバル当日。

昨日は遅くまで調整したからか、寝坊した。

午前中にルビーたちの試合があるにも関わらず。

なんとか準備して向かうもすでに勝負が決まっており、結果はスクロールで知った。

ルビーたちが勝利していた。

どうやって勝ったのか知らないため、なんていえばいいのか。

過ぎたことは気にせず、とりあえず昼飯でも食べよう。ということで現在、会場近くにある屋台を選んでいる。

 

「みんなは何食べたい?」

 

ピュラの問いかけに多種多様な返答が見られた。

レンはラーメン、ジョーンは焼きそば、ノーラは量が食べれれば何でも。

蓮太郎は午後から自分たちの試合があるから軽めでいきたいと考え、たこ焼きを選択。

ピュラは何でもいいとのこと。

全員の意見がバラバラなため、とりあえず歩きながら考えることにした。

そうして歩いていると、ラーメンの屋台でルビーたちを見つけた。

 

「お疲れ」

「勝利おめでとう」

 

「ありがとう」

 

レンがねぎらい、ルビーが反応する。

ルビーたちは席に座っているが、前にラーメンが見えない。

注文前だったかな?そう思っていたら、違うらしい。

話を聞くとワイスがおごろうとしていたが、クレジットカードが使えなかったとのこと。

おごるといった手前、このミスは恥ずかしい。

ワイスは気まずそうにしているが、それよりもブレイクの反応が面白い。

この世の終わりかのような顔をしながら机に顔をうずめており、写真が撮りたい。

そんなことすれば本人は怒るだろうからやらないけど。

 

「俺が出そうか?」

 

「出さなくていいよ」

 

「勝利を祝って、ていうことで」

 

試合を見てないという罪悪感も含まれているのだろう、ジョーンがおごるとか言い出した。

それにヤンが遠慮していたが、祝いといわれたら遠慮しずらいだろう。

受け入れることになった。

そのついでに全員、ここで飯を食べることになった。

先ほどまで死んだ顔をしていたブレイクが水を得た魚のように生き返り、両手でガッツポーズし始めた。

なんだあれ。

 

屋台のラーメンだからそこまで量は多くはないだろう。

大盛まで無料だったが、次の試合に備えて並盛に。

ピュラとレン、ジョーンも同様でその他の人らは大盛に。

 

ラーメンが到着。

そこには厚切りのチャーシューに煮卵、のりがトッピングされており、スープは濃厚なとんこつ。

中心には背油があり、かなり胃にきそうなラーメンだった。

並盛で良かったといえる。

全員似たような感じだったが、ブレイクだけが違っていた。

ラーメンに魚がまるごと、しかも何匹か入っており、正直見たことのないラーメンだった。

魚が突き刺さるラーメンなんて見たことがない。

それらをすべて食べ終え、蓮太郎たちはルビーたちと別れて試合会場に向かった。

 

会場はコロッセオのような形をしており、周りには飲み物や食べ物を販売する屋台があった。

中に入ると、試合会場を囲うように観客が入っており、中心には毎回フィールドを変更することができるステージがあった。

試合する環境は毎回変化し、今行われている試合は半分は森林、もう半分は砂漠となっている。

他にも海や都市部、氷雪地帯など様々で試合前までわからない。

願うことなら、都市部が欲しい。

試合が始まるまで、控室で待つことになった。

 

「初戦、勝ちましょう!」

 

「作戦通りにね」

 

ピュラとジョーンが全員を励ます。

大観衆が見ている中、試合するのは緊張する。

それを和らげようとしているのだろう。

あそこで負ける気はないが、正直緊張して負けそう。

それを防げるならありがたい。

作戦の最終確認中、試合のため呼ばれた。

 

「勝ってください」

 

試合に出れないレンから応援された。

これはもう、勝つしかない。

 

「チームJNPAS!」

 

紹介され、観客が沸き上がった。

ピュラがいるのだから当然。

ピュラがいるから勝つだろう。

そう考えて沸き上がっているのか。

これらは完全な妄想だが、試合開始までには忘れておきたい。

 

相手も紹介され、選手が入場してきた。

相手はミストラルのヘイブン・アカデミー所属で、男女2名ずつのチーム。

油断はできない。

 

「次に、フィールドの抽選です」

「今回選ばれたのは…」

 

自分たちの後ろのパネルが不規則に変わっていく。

相手のほうのパネルも同様であった。

パネルの映像が固定化され、結果が判明した。

 

「都市部フィールドと海フィールドです」

 

フィールドが変化していく。

今まであった後ろの地面が下がり、都市部が現れる。

向こう側も海のフィールドが下から現れた。

原理はどうなっているんだ?

 

「それでは、試合開始!」

 

試合が始まった。

下馬評では蓮太郎たちが勝つほうに傾いていた。

蓮太郎は腰からXD拳銃を抜き出し、ジョーンやピュラ、ノーラも自分の武器を抜いた。

相手も武器を抜いた。

二人は剣で一人は薙刀、最後はライフル。

武器が判明しても変形して違う武器になったりするから、遠距離で戦うのが一人だとは断定したくない。

これは苦戦しそうだ。

 

5分後。

蓮太郎たちは勝利した。

試合内容はこうだ。

相手はピュラ以外の3人を速攻で撃破し、残った人らでピュラと対峙する。

その考えだったのだろう、蓮太郎のほうに二人、ジョーンとノーラのところに一人ずつ攻めてきた。

ピュラがカバーに行こうとしたが、動きを止められた。

おそらく、相手のセンブランスなのだろう。

厄介極まりない。

蓮太郎のほうにはライフルと剣持ちの片方がやってきた。

 

相手は剣で近接攻撃を仕掛けながらライフルで援護するというやりかたを取っていた。

剣士のほうは間合いを詰められないようにしながら攻め続けていた。

その動き自体は素晴らしく、並みの相手なら十分勝利できるだろう。

だが、記憶にいる誰かよりは洗練されておらず、付け入るスキがかなり大きい。

 

「焔火扇!」

 

連撃の終わり際を狙って、腹に右ストレートを加える。

渾身のストレートは相手を吹っ飛ばし、オーラを半分まで削る。

フィールドの外には出ていないようだが、足がかなりふらふらになっている。

 

ライフル持ちがなにか叫び吹っ飛ばされる仲間を見ていたが、関係ない。

そのすきを狙って接近。

相手は気づいたが、もう遅い。

 

「雨寄籠鳥!」

 

踏み込み、振り下ろし気味の拳からタックル。

相手は吹っ飛び、場外へ。

それでライフル持ちは終了。

剣士はこちらに攻めてきたが、足取りは重い。

拳銃で射撃を続け、こちらにつく前にオーラが規定値を下回る。

それで二人目も終了。

これでピュラが自由に動けるようになった。

あとは言わなくてもわかるだろう。

蓮太郎とピュラが二人でジョーンの援護に行き、最後に残ったノーラの相手を全員で囲んでつぶして終わり。

 

試合が終わり、勝利のコールがなされ、1回戦を突破した。

観客からはあまりの速さに衝撃を受けたらしく、「やばくね」「チートだろ」と言われている。

こちらがおかしいだけですから。

 

「ピュラが強いのは知ってましたが、あの里見という人まで」

「ピュラと戦わせたいけど難しいかな」

 

VIP席で蓮太郎の動きを見ていたらしいアトラス・アカデミー学長兼将軍のアイアンウッドがこぼす。

周りの人らも同様の感想らしい。

オズピンだけが微笑み、得意げになっている。

 

「なぁ、オズピン。卒業後はアトラス軍に誘ってもいいか」

 

「構わないよ。あくまでも自由意思でね」

 

「わかっている」

 

アイアンウッド将軍はスカウトの準備を進めている。

VIP席にいる武器メーカーの幹部はスポンサーになるべきかを真剣に話し合っている。

学生でスポンサー契約するのはごく一部であり、ピュラにも話があったらしい。

しかし、本人は断っている。

ここで蓮太郎のスポンサーになれば、宣伝効果は計り知れないのかもしれない。

しかも、拳銃とナイフという武器で大丈夫というコスパの良さ。

もしかしたらスポンサー契約が付くのかもしれない。

 

蓮太郎たちはヴェイルの街にあるレストランで祝勝会をしていた。

 

「互いの勝利を祝って、乾杯!」

 

ルビーの乾杯にあわせ全員がグラスをあげた。

話題はやはり今日の蓮太郎たちの試合だろう。

通常、4対4は短くても15分ほど、長ければ1時間かかるような試合だ。

だが、5分で終わらせた。

相手が速攻を仕掛けてきたのもあるが、正直早過ぎる。

 

「蓮太郎!あの連撃のなかによく入って行けたね」

 

「たまたまだよ」

「相手の動きは悪くなかったし」

 

「私なら様子見しちゃうな」

 

ヤンはこういうときに褒める。

それが素晴らしい性格だと思っているが、こう褒められると照れる。

 

「あなたたちと戦うことにならなくてよかったですわ」

 

「優勝しようと思ったら、どこかで倒さないといけないけどね」

 

ワイスが心底ほっとしたと思ったつかの間、ブレイクからの突っ込みに頭を抱えだした。

その様子に全員が笑い、和気あいあいとした雰囲気のまま時間が過ぎた。

とにかく食べて飲んで騒いで。

そのままお開きになった。

 

帰り道。

 

「ねぇ、ワイス」

 

「どうかされましたか?」

 

「もし、このチームの誰かが蓮太郎かピュラと1対1で戦うことになったら、だれが勝率が高いかな?」

 

この質問にワイスは考えた。

誰が勝ちやすいか。

2つのチームの注目がワイスに集まる。

 

「ブレイクとかどうかしら?」

 

名前をあげられた本人は聞いたことのないような声をあげた。

まさか自分が挙げられるとは思っていなかったのか。

そこまで驚いくとは、ブレイクの新たな一面を知れてよかった。

ルビーが「ねぇ、私は~」なんて聞いていたが、「一番低いですわ」と返さた。

その様子にまた笑いが起きた。

みんな、笑神様に愛されているのだろう。

そんなチームはきっと手ごわい。

できることなら、最後まで相手にはしたくない。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
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