あれから何日かたった。
軍からの返答はアトラス本国へ送ってくれるようだ。
だが、準備に時間がかかるとして1週間後に出発するとあった。
その間は各自で街を観光したり、自らを鍛えたりした。
蓮太郎もいつも通り朝から自主的にトレーニングを積んでいる。
ここの街並みは本で見たヨーロッパと全く同じだ。
築年数はどれくらいたっているのか見当もつかないものや特徴的な屋根など、こうしてみて回るだけでかなり楽しい。
こういった経験ができるのも、こうして旅を続けているからだ。
そうして走っていると、朝食の時間が近づいていることに気付いた。
「なら、帰らないと」と思い、帰ろうとしたとき、声が聞こえた。
とても懐かしく、だが忘れることのない声。
もう一度聞きたかった声。
「蓮太郎?」
「ピュラ!」
まさかの入院していたピュラがそこにはいた。
たっている姿に違和感などなく、怪我が完治したことがうかがえる。
互いに走り寄り、抱きしめあった。
「ピュラ!どうしてここに?」
「ここが地元だからよ」
「それより、どうして蓮太郎がここに?」
「話せば長くなる」
絶対に他の人を交えて話したほうがいい。
「午後時間空いているか?」
「チームrwbyとjnprもいる」
「大丈夫!空いてる」
ピュラの目が輝いている。
久しぶりに会う友人を楽しみにしているのだろう。
「そしたら公園の入り口に集合で」
「また!」
「了解!」
お互い一度戻っていった。
その足取りは軽く、軽快だった。
お互い、浮かれていた。
同じ国にいれば連絡を取ることができたという事実を忘れるくらいには。
帰宅。
どうやら少し時間を過ぎていたようで食事が始まっていた。
「遅いよ~」
ノーラから不満の声が聞こえてきた。
話しすぎたなと思い、申し訳なかったが、まぁ大丈夫だろう。
そのまま軽く謝りながら朝食をとる。
全員がある程度朝食を食べ終えているのを確認し、先ほどあったことを話す。
全員が驚愕していた。
それもそうだ。
まったくもって意識できなかったのだから。
今までの日々はとても忙しく、自らが生き残ることしか考えられなかった。
「なら午後の時間は決まったね」
「それで正確な時間は?」
やばい。
完全に忘れていた。
浮かれすぎて大まかな時間しか決めていなかった。
顔から冷や汗が出てくる。
「もしかして、決めてない?」
ルビーからとどめの一言をもらい、ノックダウン。
力なく頷いた。
「なら、スクロールで連絡すればいいのでは?」
あ。
思わず声が出て、全員から視線が集まった。
それだ。
忘れてた。
それで連絡すればいいじゃないか。
すぐに取り出すと、通知が1件来てた。
予想しながら開けると、向こうも同じことを考えていたのだろう、正確な時間を提示してきた。
14時。
「14時集合でもいい?」
全員に確認し、その時間でいいことを返信。
そうして14時集合で会うことがきまった。
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アーガスの基地内。
そこにマンシュタインがいた。
彼は現在頭を抱え、目の前の問題に頭を抱えていた。
前任者の不合理な制度の撤廃や部隊をどうするかなど、やることはかなりあった。
その中でも特に頭を抱えているのはシュニ―家である。
現在家出しているワイス・シュニ―は見つけたら穏便に家に帰すことになっている。
だがそれはシュニ―家の意向で軍の意向ではない。
だが、アトラスに行けば即シュニ―家に戻されるだろう。
なら、トラブルを装って市街地に不時着させ、そのまま雲隠れにするか?
だが、そうするとレリックを見失う。
それは避けたい。
どうする?
考えがまとまらずにいた。
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14時前に公園に着いた蓮太郎たちはピュラが来るまで待っていた。
待ち時間は少ないはずなのになぜか1秒1秒が長く感じる。
体感では何十分を待っていたような感覚に陥る。
だが5分しか経っていない。
そうして待っていると、遠くのほうから見たことのある人影が見えた。
「おぉぉーーーい!!」
ピュラだ。
遠くから走ってきた。
その足取りは近づくほど速くなる。
近づくほどに嬉しくなる。
そうして再会した。
「「ピュラ久しぶり!!」」
全員が同時に話しているので各自が何言っているのかわからない。
おそらくこんなことを言っているのだろう。
全員のテンションの上がり方を見るに全員嬉しい。
ここからいろんなことを話し合った。
ヘイブンアカデミーのこと、列車事故のこと、大絶滅のこと、とにかく話した。
全部話すと時間が足りないので、手短に話す。
ピュラはどうしていたのだろう。
「ねぇ、ピュラはどうしていたの?」
声を出そうとしたがブレイクに先を越された。
「私ね、少し考えてたの」
ピュラが淡々と話し始める。
「私は勝ち続けていたし、蓮太郎と戦えばどんな相手にも勝てると思ってた」
「どこまでも行けると思ってた」
「だけど、小さかった」
その口調が少しづつ暗くなっている。
全員が息をのむ。
「それから病室で考えたの」
「周りは私のことを強いと思っている」
入学し、あの時までは。
「でも、あの時勝てなかった」
怪我もして病院にも入院した。
「自分が頼りなかった」
周りから運が悪かったといわれても、納得できない。
死んでもおかしくなかった。
「でも、今生きてる」
突然希望に満ちた表情をし始めた。
「なら追い付くわ」
「風を切る速度で」
その表情は覚悟の決まった顔をしている。
「ということで、明日からどこかで訓練しない?」
その言葉に全員がうなずく。
もちろんその通りだ。
問題は場所だが、それはピュラが準備してくれるらしい。
今夜はお店を予約し、再会を喜び合うことにした。
そうして一行は暗くなりつつあった空の下、歩き始めた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
少しづつ投稿頻度を上げていこうと思いますので、よろしくお願いします!!
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