曇り時々銃弾、所により爆弾   作:Aベル

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ゲーム開発部?



c.出戻り

 

 

 捕まってやって来た先は生徒会室、後にゲーム開発部の部室。書類を届けるついでに見せしめにするとは、ユウカさんの弁。既に市中引き回しの憂き目に遭っているのにこの仕打ち。

 

 

「一つ勘違いをしているな」

 

「はあ?何言ってるのよ?」

 

「モモイさんがこの程度の見せしめで止まる訳ないことだ」

 

「……確かにそうね」

 

「嫌な信頼だね……」

 

「まあお姉ちゃんだし……」

 

「ちょっと!?私は関係ないでしょ!?」

 

「じゃあ、もっと厳しくしないとね?」

 

「ごめんなさい」

 

「判断が早い」

 

 

 正座させた膝の上へ、重石代わりにアリスさんを乗せるとか、人の心とかないんか?アリスさんもちょっと誇らしげな顔やめてくれる?傍から見なくても絵面が間抜けすぎる。

 

 

「という訳でアリスちゃん、やっちゃって」

 

「はい!」

 

「はいじゃないが?痛い痛い、本当に容赦とかないな!?」

 

 

 勢いをつけて跳ねないでいただきたい。この子、完膚なきまでに足を破壊しに来やがる。めっちゃいい笑顔だが、やっていることはいともたやすく行われるえげつない行為である。

 

 

 

 

 

 

「だ・か・ら!女性に脚が太いとか言わない!わかった!?」

 

「でも……太腿って太いから、太腿って言うんだし……」

 

「アンタ反省してないわね!?あっ!?勝手に正座を崩すなっ!!ブフッ……そ、その顔やめて」

 

「ちょっ…ブフォッ……なんというか、シワシワだねっ…」

 

「アハハハッ!?何その老け顔!にらめっこ最強じゃん!」

 

「普段の表情がどっちかっていうと変化が少ない方だから、余計に被害が……」

 

「ッ…!?ぅ…!?」

 

「あ、アリスちゃんが息してないからっ…!」

 

「失礼だな、海より深く反省しているのに」

 

「や、やめてっ……!フフッ…その顔で寄ってこないでっ!?」

 

 

 某黄色いネズミ探偵リスペクトの表情なのに。そこまで笑われると、普段の自分の顔が心配になるんだが。……でも、笑われてもいいんだ。皆が笑顔になってくれるなら。これが、俺のみんなを笑顔にする魔法なんだ!

 

 

「バカなこと考えてないで、ちょっとは反省しなさい!」

 

「チョークスリーパー……手慣れてるね…」

 

「ぐおっ、苦し……ギブギブ…!」

 

「お望み通り与えてやるわよっ!」

 

「か、解釈違い…!ブクブクブク……」

 

「ああ!トマリが泡を吹いています!」

 

「なんてこった!トマリが死んだ!」

 

「この人でなし!」

 

「さすがユウカ、容赦ない……」

 

 

 

 

 

 

「…………に…ぃ………よ」

 

「………は……で、と……の!?」

 

 

 誰かが話している声がぼんやり聞こえてくる。あと、後頭部に弾力があってやわらかく、ほんのり温かい何かを感じる。ついでにお腹の上に何かが乗っているような感覚がある。そして寒い。

 

 

「……あ?何すかこの状況?」

 

「その、まあ流石に?私もちょっとやりすぎたかなって思って。クッションも見当たらなかったから仕方なく……」

 

「それはどうも。で、何故アリスさんは俺の腹を枕にして寝てるんだ?」

 

「アリスちゃんも疲れたのでしょうね」

 

「俺の上着を布団にしてるのは?」

 

「アイテムドロップだ〜ってはしゃいでたわ。アリスちゃんらしいわね」

 

「唯の追い剥ぎじゃん」

 

 

 アイテムなんて落としてないぞ、ちゃんと着てただろ?落とされたのは意識だけ。上着がないと単純に寒いし。毛布とかいっぱいあるんだから、そっちを使ってくれよ。

 

 

 

 

「あ゛あ゛ー!?また負けた!?こんなの何かの間違いだよ!もう一回やって!」

 

「あはは……ほら、トマリも起きたみたいだし、ね?」

 

「あ、トマリ!生きてたんだ」

 

「勝手に殺すな。え、そんなにピンチだったのか?」

 

「多分?そんなことより、再戦!」

 

「お姉ちゃん……」

 

「マジかよ。いや、別にいいけどさ」

 

 

 記録は命より重いから仕方ない。そもそもキヴォトス人にマトモな倫理観を求めてはいけない。まあ痛い目見たのは、調子に乗った俺の自業自得だから何も言えねぇ。

 

 

 

「起き上がれないので、アリスさんを起こしてほしいです」

 

「そうだね。ユウカも疲れただろうし、変わるよ」

 

「いえ、私がやりすぎてしまった結果なので。それに、先生に迷惑はかけられませんし、私にかかる負担もそこまで大きくはあ」

 

「ぎゃあぁっ!?目潰しとか何考えてんだアンタ!?」

 

「……そっか。私なら全然大丈夫だから、いつでも言ってね?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「俺の話、聞いてるようで聞いてないな?」

 

 

 そう言って、モモイさんに引っ張られて、ゲームを再開する先生。だから起きるって言ってんだろ。何の夢見てるか知らないけど、気持ちよさそうに寝てやがる。そんなアリスさんを起こすのは、まあ流石に忍びないとは思うけど。……腹の辺りに何か、湿っているような感覚があるのは気のせいだと信じたい。

 

 

 

 

 

「クソゲーランキング1位は狙って獲れるものものじゃないだろ。逆に凄いわ」

 

「一応、そういう見方もあるかもしれないわね……」

 

 

 することもなかったので、ユウカさんにゲーム開発部との因縁や、今回のゲーム開発に至った経緯を話してもらった。その辺りの事情を聞く間も無く手伝うことになったから、割と今更の話である。そう言えば聞いていなかった。

 

 

「寧ろ数ヶ月も廃部されなかったのが奇跡だろこれ」

 

 

 色々と話を聞いて、まず出た感想がこれである。元々部員数は足りていない、目立った実績もないとか。そんな部活に、部費も部室も提供していたらしい。セミナー視点の話でも分かる。この人達甘すぎる。

 

 挙句の果てには、賭博大会やら他の部活への襲撃までしていたとか。あり得ないとは思うけど、ユウカさんの創作かを疑う悪行じゃん。これもう慈愛の女神とかミレニアムの母さんだろ。ゲーム開発部一同、足向けて寝れないレベル。

 

 

 

「んん……あ。おはようございます!」

 

「あら、おはよう。起きたのね」

 

「いいですか、落ち着いて聞いt…」

 

「トマリもやっと起きましたね!一緒にゲームをしましょう!早く早く!」

 

「起き抜けに元気一杯だな」

 

 

 寝起きが悪いより断然良い。不機嫌になる奴は低血圧が原因らしい。体質だから仕方ないのだろうが、当たられる側は堪ったものではない。

 

 

 

「それはそれとして、上着返してくれ」

 

「今からするゲームで勝てたら……あ、モニターがないです……」

 

「そう……あれでいいんじゃないか?」

 

「人生ゲーム?」

 

「よし、あっちにいるユズさんとミドリさんも呼んできてくれるか?」

 

「わかりました!」

 

 

 流石ゲーム開発部、普通にボードゲームも置いてあった。普段ビデオゲームばかりだろうし、偶にはボードゲームもいいだろう、多分。詳しいルールは知らないが。

 

 

「それじゃあ、私はそろそろ行くわ」

 

「人数足りないからユウカさんも参加で」

 

「はあ?なんで私も?これから仕事が……」

 

「ユズとミドリを連れて来ました!ユウカも一緒に遊びましょう!」

 

「……ええ。そうさせてもらうわ」

 

「へっ甘ちゃんが」

 

「この後トマリが仕事を手伝ってくれるらしいし」

 

「微塵もそんなこと言ってないが?」

 

「雉も鳴かずば撃たれまい……」

 

 

 正論すぎて耳が痛い。自分でもわかってるんだよ、余計な一言が出るのは。でもやめられない、止まらない。簡単に治せるなら、ここまで苦労してない。

 

 

 

「あー!面白そうなことしようとしてる!私も入れて!」

 

「じゃあ私も参加させてもらおうかな」

 

「え?先生も参加してくれるのですか!?」

 

 

 今度は逆に人数が増え過ぎたぞ。6人までらしいので、このままだと1人多い。最悪小道具が足りなくても、何とかなるだろうけど、人数が多すぎるとそれはそれでテンポが悪くなるだろう。

 

 

「それならアリスさん、一緒に組もうじゃないか」

 

「パンパカパーン、トマリがパーティに参加しました」

 

「他所は単独なのに対して、俺達は2人!勝ったなガハハ!風呂入ってくる」

 

「なんでトマリはフラグばかり立てるの?」

 

 

 何も考えてないからだよ。戦績?総合順位6位の大健闘でしたが?

 

 

 





人生ゲームで数的有利とかある訳ないじゃないですか

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