突撃!砂漠の軍事基地
「ホシノ先輩の位置、確認できました!あのバンカーの地下です!」
「うわ、また来ましたよあのおっさん…」
「ああもう、どこまで邪魔すれば気が済むのよ!?」
「おっさんだと…!?お前達はずっと目障りだった!私の計画の邪魔ばかりして…!!」
あ、おっさんってワードには反応するんだ。そもそもサイボーグ人間に対して年齢を考えることはナンセンスなのかもしれない。
「ホシノ先輩を返してもらうよ」
「戦闘に入ります…先生、お願いします!!」
ついに最終決戦である。ヘリコプター、戦車と惜しみなく兵器を投入してくる相手に対策委員会側も消耗は避けられない。お前等足止めされていたんじゃなかったのか?戦力多すぎない?
「…っ!?硬い!?」
「航空支援も厄介…」
「フハハハ!どうした対策委員会!この改良型ゴリアテ機には勝てまい!」
おっさんの高笑いが耳に障る。鬱陶しい高笑いは悪役の華だよな。
戦闘の余波が後方のこちらにまで及んでいるほどだ。カイザー側の最終兵器に、然しもの対策委員会も手を焼いている。当然だが弾薬も無限にあるわけではない。と言うかなんだよあのロボット、でっか…。
「先生、提案があります。少しの間だけでもいいので全員をこちらに呼び戻せないですか?」
「わかったよ。ちょっと待ってね」
「作戦の内容は聞かなくてもいいんですか?」
「トマリなら大丈夫だよ!」
「信頼が重くない?」
先生からの信頼の厚さで吐きそう。過度な期待はやめて頂きたい。出会った当初から思っていたが、人を簡単に信頼しすぎでは?自分で言うのもアレだが、どう考えても怪しい人ぞ俺?
十六夜さんの一斉掃射と砂狼さんの操作するドローンが辺り一体を爆破することで、ダメージを与えると同時に砂煙が舞い、相手方の動きを混乱させることに成功する。舞った砂塵に手を加えて、相手の視界を誤魔化すことで更に時間を稼ぐ。
「それで作戦って?」
「サポートするので、皆さんは何も考えずにあのバンカーを目指して走ってください。以上です」
「あれを一人で相手するってことですか!?危険すぎます!」
「真正面から相手する気はないです。今は一刻を争うかもしれないので、人質の解放が最優先です。ただ、終わったらすぐに救援にきてください……いやマジで」
「……わかった。何か考えがあるってことだよね?みんな、行こう」
「ん、先生がそう言うなら。…トマリ、ありがとう」
「もう!わかったわよ!絶対、無事でいなさいよ!?」
「トマリさん、危なくなったらすぐに逃げてくださいね?」
言われなくてもそのつもりである。まさか俺までここは俺に任せて先n(以下略 することになるとは。だが一番手っ取り早い作戦なのも事実だ。そのための仕込みはとうの昔に完了しているし、目標地点も既に確認済みだ。
敵の撹乱ももう長くは持たないだろう。頭の中でプランを見直して、仕掛けるタイミングを図る。
「さて、皆さん!覚悟はできましたか!?靴紐は硬く結んでありますか!?再会に感動する準備は!?なら、ここは俺に任せて……先に行けぃ!!」
掛け声と共に走り出した対策委員会メンバーに対して、予め組んでいた術を発動させ、その背中を突き飛ばす勢いの追い風を起こす。時間を掛けて構築したので、威力・維持時間ともに良好である。
「きゃあっ!?」
「ちょっ後で覚えてなさいよ!?」
阿鼻叫喚である。最早走っていると言うより半分吹き飛ばされている。ちゃんと敵の包囲網は抜けたので結果オーライである。手段が強引?知らんな。
暴風の影響で砂塵は晴れ、既に巨大ロボットもこちらに狙いを定めようとしている。ロックオンされる前にこちらから接近する。まず目指すのは……対策委員会を追いかけようとしているヘリだ!
意図的に砂嵐を起こしながら走ることで、少しでも狙いをつけにくくする。まだ相手の弾幕自体は薄いので強行突破する。流石にヘリの近くまで来ると、台風並みの下降気流に襲われるが、ここまで来たらこっちのものだ。道中の敵兵から掻っ払っておいたロケランが火を吹くぜ!
景気の良い音と共に射出されたロケット弾がヘリに直撃。でかい的に至近距離から撃つだけなのでロケラン初心者射撃センス皆無でもできるお手軽さである。皆さんも試してどうぞ。炎上しながら墜落していく様は見ていて爽快だ。ヘリのメーカーは詳しくないが、あれはカプコン製に違いない。
「へっ!汚ねえ花火だ……危なっ!?」
追いついてきたゴリアテが色々飛ばしてきたが射線に入らないように走る走る。囮役として対策委員会のメンバー達の逆側へ向かう。間一髪、気付くのが遅れたら被弾していたかもしれない。今は一発の銃弾が命取りだからこちらも必死だ。
手持ちのカードではそう簡単にはあの装甲を抜けないので逃げ一択である。俺一人でマトモに相手なんてする訳がない。幸いにして、ゴリアテ機の移動速度自体は大したことがない。後は消化試合だ。
が、しかし。現実は想定外の事ばかり起きるものだ。
「行き止まりだと!?」
ほぼ振り出しに戻ったような位置取りだが、異なるのは逃げ道を塞がれている点だ。相手からすれば俺を倒す絶好のチャンスだろう。敵機はチャンスと見たのか、ジリジリと距離を詰めてくる。砂漠の温度の影響か、急激に背中に汗が流れる。
時間稼ぎもここまでか。ここまで来たら助けも期待できない。万事休すか、と思っていたのか?その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ!
「俺が微風しか起こせない訳、ないんだな!ダウンバースト!」
想定していた地点まで引きつけたそのタイミングで仕掛けた罠を発動する。風が吹き、空気が冷えていくのが体感できる。面倒臭い発動条件が多く、上手く使うには甚だ癖が強いものの、威力は折り紙付きである。その名に恥じない猛烈な暴風がゴリアテ機を襲う。
叩きつけるように吹き付けるそれは、同一線上の建物群すらも薙ぎ倒す勢いで突き進んでいく。今扱えるものの中では最大の破壊力と荒らし性能を誇るので、これで無理なら尻尾巻いて逃げるしかない。相応に消耗が激しいせいで、それも結構厳しいのが酷い。頭痛が痛え!
戦闘の余波で辺りは星雲状態と化している。…みんなが向かったのが地下でよかった。と言うか皆さん?感動の再会はよろしいんですけど結構時間が経っていると思うんですが?カイザー理事?なんか蒸発した。以上、解決!
残党がいないか確認しておく。戦場でのアンブッシュは基本だからね、気をつけよう(n敗)!みんなが向かった扉を開けてこっそり中を覗いてみる。え?まだ感動の再会中?……この雰囲気でほぼ面識のないような自分が出張るほど、空気が読めない訳ではない。
「あー……帰るかあ」
釈然としないところはあるが、なんやかんやハッピーエンドになったっぽいしまあいいか!
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「ただいま!」
「よかった、これで解決ですね」
「何か忘れているような…?」
この後、地上の荒れ果てた惨状を見て思い出したとか。
戦闘描写(薄味)