「ひゃっはあ!!」
狂気的な笑い声を上げながら攻撃してくるアクセル、不規則ではあるものの、弾くのはさして困難ではない。ただ、防御だけで手一杯というのが実情だ。攻勢に移る機会を窺っていては、いつまで経っても勝てない。
「そらよ!!」
「おっと!」
驚いたことに、アクセルは私に向けて剣を投擲したのだ。体裁きで回避している間に、
『ギュイィン! ドリアンオーレ!!』
カッティングブレードを二回下ろし、
「くたばれ!!」
ドロップキックを放ったのだ。これを武器で防御するのは無理だと判断し、大きく前方に回避。そして振り向くと、
「な!!」
回収したらしい双剣の片方を投擲してきたのだ。薙刀で間一髪、弾き返したものの、流石に危なかった。
「やるな!」
再び間合いを取り、対峙する。アクセルは知らぬ間に双剣を揃えていた。さっきまで一本だったのに。
「試してみるか!」
アクセルはそう言うと、双剣の柄同士を合わせ、ダブルブレードにしたのだ。
「おりゃあ!!」
「ぐぁ!!」
薙刀の柄で防いだものの、蹴りをくらってしまった。やっぱり装甲が薄いな……。だったら、
『レモン! ロック・オン! ソイヤ! レモンアームズ 打撃・デストラクション!!』
アームズチェンジで頑張ろう。
『レモンオーレ!!』
力には力だ!
「せりゃあ!!」
大きくジャンプしてからキックを放つ。足元にはレモンの輪切りみたいなエナジーの力場が発生している。これは私の足元だけに発生しているのではない。アクセルの足元にも発生しているようで、逃げられないようになっているらしい。
「ぐは!!」
身を捩って装甲の堅い場所でガードしたためか、変身の強制解除にまで至らなかった。
「畜生め……。次は負けないからな!!」
逃げていく曽根村さんが見えなくなると、私はシャルモンの店内に戻った。すると……。
「そこのお嬢さん、なかなかエクセレントね。ワテクシはここのオーナー、鳳蓮・ピエール・アルフォンゾ。その力、どこで手に入れたのかしら?」
話しかけてきたのは鳳蓮さん。ここのオーナーなのは、雑誌等で見ていたから知っている。ただ……質問に答えられない……。
「えっと……これは、そのぉ。あ、ドルーパーズっていうお店にいるシドさんって人に聞くといいですよ。彼が扱っているので」
この人、きっと危ない。フランス国籍を取るために従軍していたことがあるって雑誌で見たもの。そんな人がドライバーに興味を持ってしまった。子供の玩具が大人の凶器になる……そんな未来がありませんように。
でもまぁ、シドさんならビートライダーズ以外の人にベルトやロックシードを渡さないから、きっと大丈夫だろう。
それに今答えなかったら、鳳蓮さんはドライバーをすごく危険なものだと思ってしまうだろう。そう思われたら、ドライバーを所有者から没収するなんてこともしそうだ。取り敢えず、今はシドさんを信じてみよう。
「そう、今度行ってみようかしら。取りあえず、厄介者を追い払ってくれてありがとう。ワテクシの奢りよ。先に注文したケーキも、お代はいらないわ」
そう言って渡されたのは……レディースセット!! シャルモンのケーキをタダで食べられるなんて……善行は積むべきだね!!
「ありがとうございます!!」
きっちり頭を下げて、里佳ちゃんと玲奈ちゃんが待つテーブルへ向かったのだった。
「ふふふ」
「あ、お帰り」
「窓越しに見ていましたが、流石は智音さんです」
テーブルに戻ると、最初に注文した私のケーキは食べられてしまっていたものの、そんなことは気にならない。何気に応援に来てくれなかったことも気にしない。あれ? 視界はぼやけるのは何故だろう?
「おや、そのケーキは?」
「オーナーからのお礼。あげないよ?」
「あ、あのぉ。全部お一人で?」
箱を開けると、色とりどりで美味しそうなケーキたちとご対面。さっき注文して食べ損ねたケーキも入っている。ありがたやぁ。
「太るわよ?」
確かにカロリーは凄そうだけど、さっき消費してきたばかりだし。それに、
「私、里佳ちゃんと違って脂肪がお腹にいかないし?」
「貧乳の私に対する嫌味か!?」
もちろんですとも。嫌味ったらしく腕を組んで言ってやりましたよ。別に、ケーキを食べられた腹いせじゃないですけどね。隣にいる中学生より小さい私の気持ちが分かるかぁ……という嘆きの言葉が聞える。確かに、言われてみれば、玲奈ちゃんの方が大きい。Bはあるね。まぁそれはさておき、運動した後のケーキって美味しいなぁ。
食べ物の恨みと女同士の争いって怖い。
うっかりGLにならないよう抑えつつ書いています。
初瀬ちゃんを幸せにし隊の名にかけて!