初瀬さんに送り届けてもらった翌日、今日も今日とて学校。退屈ではないが、堅苦しい雰囲気にはまだ慣れない。そんな感じで迎えた放課後。昇降口で靴を履き替えていると、チーム・鎧武の光実君をみかけた。
「や、光実君。今日って、ロックシードの争奪戦なんでしょ?」
「あ、モーメントの。確か、あなたには説明していなかったような……」
「バイクを運転できるアーマードライダーが不在だから、でしょ? なんとなく想像はついた。まぁ、見送りだけでもしようかなって」
「そうですか。構いませんよ」
という会話を経て、私と光実君は学校に最寄りのステージへと着いた。途中、お店のトイレでチームのユニフォームに着替え、既に集まっているライダーたちと合流した。その直後だった。
「お前は! アーマードライダー・モーメント!!」
私を指差す一人の男性。鎧武とは違った青系の衣装に身を包む彼は……。
「確か、チーム・蒼天の遠藤さん!?」
チーム・蒼天のリーダーである遠藤大和さん。蒼天は現在ランキング四位。ドライバーを持たないチーム最強を誇っている。そんな彼が単身こんなところに何か用があるのだろうか?
「こいつを見な!!」
そう言って遠藤さんが取り出したのは……、
「戦極ドライバー!?」
あれ、こんな流れ前にも……気のせいだ。そしてドライバーを持っていない手には見覚えのないロックシードが。
「見せてやるよ。俺の新境地を! だから、アーマードライダー・モーメント、勝負だ!!」
『ドラゴンフルーツ!』
「変身!!」
『ロック・オン! サンバ! ドラゴンフルーツアームズ Dance With Dragon Claw!!』
サンバ風の独特な音楽とともに現れたアーマードライダーの特徴は、赤紫色をしたスーツに黒い鎧。そして腕には真っ白な小手とそこから伸びる大きな爪。
「アーマードライダー・蒼天。和の道は諦めたさ……」
拳を……否、爪を構える蒼天に私も変身のプロセスを踏む。
「いくよ!」
『アップル! ロック・オン! ソイヤ! アップルアームズ 進め! grow up!!』
薙刀を構えて間合いを取る。まさに一触即発という中、
「まぁ待てってお前ら」
空気を読まない和やかな声。その声の主は青のスーツとオレンジの鎧に身を包んでいる。アーマードライダー・鎧武だ。
「これからが勝負だってのに、先に始めてどうすんだよ!?」
「その勝負、ワテクシも混ぜてもらうわよ!!」
突如として現れたいかつい男性。
「変身!」
『カカオ! ロック・オン! ゴー!』
高台から飛び降りながら長々と変身プロセスを踏む。鳳蓮さんの待機音はジャズに近いお洒落な音だった。これも叔父さんが設定したのだろうか。
『カカオアームズ クラウン・オブ・スウィーツ!!』
着地まで華麗に決めたアーマードライダー・ブラーボと、
「えぇいままよ! 変身!」
『ドングリ! ロック・オン! カモン! ドングリアームズ Never give up!!』
「ぐぁあ!」
着地に失敗したアーマードライダー・グリドン。
「おぉ、城乃内! 来たか!」
「ふんっ、初瀬ちゃんの顔なんて見たくなかったけどね」
仲直りはまだらしい。集まったアーマードライダーを見渡してブラーボは言う。
「これは所謂バトルロワイヤルよね?」
そう言って返答を待たずにブラーボは左手に持つサーベルで蒼天を斬りつけた。
「なっ!!」
「そうだ、ムッシュバナーヌのようにしてみようかしら」
続いてブラーボはランクもバラバラな大量のロックシードを取り出し次々に開錠しては、地面へと落とした。落とした!?
「ちょ、パティシエ! ロックシードを手から離しちゃ……」
クラックから現れた大量のインベスは、見境なくアーマードライダーに攻撃を加えていく。召喚主であるブラーボにも攻撃し、ブラーボは驚いていた。
「どうして言うことをきかないのよ!」
「当たり前だ、ロックシードを手放したらインベスは制御できない!」
「ムッシュバナーヌ、確かに貴方は持ったままだったわね」
駆紋さん……もとい、バロンがインベスを片手槍で突きながら、ブラーボにも一撃を入れていた。その様子を見ながらも、私は何体かインベスを撃破している。とはいえ、上級まで何体かいるから厄介この上ない。しかも、落ちているロックシードを捕食したせいで、かなり強化されている。
「師匠、この状況ってやばくねぇか?」
さりげに私の背中側にいる初瀬さん……もとい黒影が尋ねてくる。敵はどんどん強くなる上に、バロン、蒼天、アクセルがこの状況を放置して森へと行ってしまった。龍玄もキウイアームズにチェンジし、鎧武も手数重視のイチゴアームズを使っている。だが、最終的に残ったインベスはあまりに別格だった。
「なんだ……このデカさ」
ロックシードと上級インベスを捕食して生まれたイノシシインベス特殊体。この圧倒的サイズに、太刀打ちする術なんてあるのだろうか?
「そうだ、紘汰さん。コレを!」
そう言って龍玄が鎧武に投げたロックシードもまた、初めて見るものだった。
『スイカ!』
上空に開いたクラックから出現したスイカ。だが、その大きさがまた異常だった。
「なんだ……このデカさ!」
「それさっきも聞いたような……」
イノシシインベスに対するリアクションと全く同じだったことに、突っ込みを我慢できなかった。
「度胸だ! 俺!!」
『ロック・オン! ソイヤ! スイカアームズ 大玉・ビッグバン!』
降ってきたスイカに飲み込まれた鎧武。だが、上からひょっこり顔を出した。そして、
『ヨロイモード!』
まさかのモードチェンジ、絶対に叔父さんの趣味だ……。でも、その強さは圧倒的だった。取り出した武器は双刃刀。それを使って鎧武はあっという間にイノシシインベスを撃破した。
「ふぅ……これで一件落着か。行こうミッチ」
そういって鎧武が取り出したロックビークルに龍玄も同乗。
「坊や、ワテクシたちも行くわよ。ほら、出しなさい!」
ブラーボにせっつかれてグリドンもロックビークルを展開する。
「なぁ師匠、せっかくだし……乗っていくか?」
「行きます!」
ロックビークル本来の使用法で、森へと向かいます。
蒼天のリーダーの名前はオリジナルです。たしか、作中でも不明だったような……。
さて、原作なら次回で初瀬ちゃん終了ですが、智音がいるので大丈夫!
ちなみに、ロックシード争奪戦の前に行われた森に関する説明は、全チームに行われたわけじゃありません。ミッチが大丈夫と判断したチームにのみ、森に関する情報が伝えられています。だから、モーメントに森に関する情報が回っていないのは、ミッチの判断によるものです。
それから、次回の更新が来週にできるかが微妙です。もうストックがないんです。これも11月2日に書き上げました。忙しい……。