仮面ライダー鎧武 少女が刻む瞬間   作:楠富 つかさ

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ここから徐々に原作と離れていきます。でも、読者様は離れないでくださいね。


ヘルヘイムの森

ついに足を踏み入れたヘルヘイムの森は、鬱蒼とした木々に囲まれた暗い場所だった。ためしに、近くに生っていた果実を3つ手に取ってみる。一瞬だけ光ると、果実は確かにロックシードになっていた。ランクDのヒマワリとBのアプリコット、Aのチェリーだった。

「俺も一個くらい頂いていこうか」

 

そう言って初瀬さんも手を伸ばす。手に入れたロックシードは緑色の柑橘系っぽい果実のロックシード。なんだろう?

 

「使ってみようぜ」

 

ということで、私もアプリコットのロックシードを開錠する。

 

『アプリコット!』

『カボス!』

 

普段ならロックシードを開錠した時に頭上に開くチャック―クラックと呼ばれるもの―は生まれず、直接果物が降ってきて鎧が展開された。

 

『アプリコットアームズ 梅・鈴・月下!!』

『カボスアームズ 剣玉・シューティング!!』

「どんな感じです?」

「より巫女さんっぽい。俺は?」

「武器が剣玉って、その時点で……ねぇ?」

 

アプリコットアームズはアップルに比べれば力が滾る感じも無ければ、身体が軽いという感覚もない。ただ、武器として手にしているのは神社で神主さんが持っていそうな片手で握る柄付きの鈴。試しに振ってみると、綺麗で清らかな音が響いた。

一方の初瀬さんが装着したカボスアームズ。武器が剣玉という叔父さんの趣味に目をつぶれば、カラーリングは渋くてカッコいいと思う。でも、

 

「まぁ、なかったことにしよう。チームの誰かにくれてやればいいだろう」

「そうだね。さて、ロックシード狩りしようか」

 

さっき取ったロックシードはチュートリアルということで、懐に仕舞い、ここからはゲームとしてロックシードを取っていく。

 

「ていうか、お前はそのままでいいのか?」

「あ、うん。これ可愛いし、森の中で鈴を鳴らしていれば動物と接触せずに済む気がするから」

「なるほど、熊除けみたいな」

 

そう言って初瀬さんはイチジクアームズに戻る。修行僧がここにいる。

 

「どうする? 纏まって動く?」

 

二人で行動すると採れる果実が減るものの、私としては迷った時に帰る手段がないのは恐い。

 

「じゃあ二人で動くか。よし、行こうぜ師匠」

 

そう言って木と木の間を歩いていく。道と呼べるものはない。鈴の音を響かせながら進んでいくと、確かにインベスとは遭遇しなかった。試しに鳴らすのをやめてみると……

 

「本当に現れたな」

 

体感的に数分後、上級インベス2体が現れた。

 

「もう一個も試してみるね」

『チェリー! ロック・オン! ソイヤ! チェリーアームズ 桜・弓・一閃!!』

 

手にした武器は桜色の美しい和弓だった。背中側には矢の入った筒が装備されていて、夥しい数の矢が納まっている。

 

「援護するね。前衛よろしくです!」

 

一度バックステップをすると、かなり後方まで跳んだ。どうやら、跳躍力も強化されているらしい。試しに上向きに跳んでみると、軽々と木の枝に跳び乗ることが出来た。

 

「えい! それ!」

 

動いている標的を狙うのはかなり難しい。銃使いの光実君に少し尊敬の念を覚えた。それでもまぁ、不思議なくらい命中するもので、初瀬さんのキレのある動きとも相まって上級2体を相手にしても、時間こそかかったが危なげなく撃破することが出来た。

 

「ロックシードで召喚されたインベスより強かったな」

「確かに、しぶとかったですね」

 

再びアプリコットアームズに切り替えて歩き始める。しばらくすると、複数人による戦闘音が聞えてきた。曽根村さん辺りなら有り得るか。そう思いながら、初瀬さんと二人で木の間から覗くと、見たことのないライダーがブラーボ、グリドンと交戦していた……。




次回、斬月初登場。ピエールとのガチバトルをお送りします。

ただし、更新は再来週の日曜日になるかもしれません。ご了承願います。
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