仮面ライダー鎧武 少女が刻む瞬間   作:楠富 つかさ

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初めての変身

家に帰ってきた私を出迎えてくれたのは母だった。叔父さんからすれば、歳の離れた姉で現在33歳。叔父さんが26歳でお父さんは36歳。で、私が16歳に今年でなるので、母は私を18で生んだらしい。

だというのに私に弟も妹もいないのは何故だろう。ずっと疑問に思っていたし、今でも気になっている。でも13を過ぎた辺りから気付いてしまった。弟や妹が生まれると私が貰える遺産が減る。

まだまだ若い両親には酷い話だが、それも事実だ。そんなことを考えながら自室へ。戦極家の力か小野寺家の力か知らないが、財力はあり住んでいる家も大きい。家の間取りも広々としていて、両親の部屋と私の部屋、客間が和室と洋室、倉庫代わりの一室の5LDKだ。

 

「さて、試してみようかな」

 

自室にある姿見の前に立ち、ドライバーを構える。母譲りの美貌を自画自賛しながらドライバーを装着すると、金色のベルトが体を一周し左側の真っ黒だった場所に顔が描かれた。

 

「変身!」

 

別に掛け声は要らないと分かってはいるが、つい声に出したくなるのだ。

 

『アップル!』

 

ロックシードを開錠し、ドライバーのコアに填め込む。

 

『ロック・オン』

 

錠前のフック部分を押し込むと、法螺貝の音をベースにした和風の待機音が鳴り響く。どうやら、鎧武の人と同じ系統らしい。そして、ベルトの右側にある小刀―カッティングブレード―を下ろす。

 

『ソイヤ! アップルアームズ 進め! grow up!!』

 

変身音声と共に頭上にチャックが開きリンゴが降ってきた。それが私に被さり鎧として展開される。最後に、薄切りにされたリンゴを模した刃の薙刀が私の手に納まり、変身が完了された。

 

「叔父さんが薙刀を勧めたのはこの為? というか、アップルとグロウアップのアップを掛けたのかな? 叔父さんって本当に子供っぽい一面があるんだよねぇ。天才の天才たる所以なのかな?」

 

そう思いながら姿見を確認する。白に近い程に淡いクリーム色の下地に、リンゴの皮である赤を基調とした和風の鎧が纏われている。装甲は少々頼りないがスピード感で敵を圧倒する戦闘スタイルなのだろう。

兜の部分にはウサギっぽくカットされたリンゴのような飾りもある。ちょっと可愛い。アンダースーツの下半身は一応ぴっちりしたスーツだが、その上に袴の様なデザインの飾り布が付けられている。叔父さんの趣味だろうか? まぁ、可愛いから正義だ。

 

「チームのみんなに見せてあげなきゃ」

 

私がリーダーを務めるチーム・モーメントは私を含めて女七人の中堅ダンスチーム。ジャンルは和風もしくはアジアンテイストだ。だが最近は、主によさこいをやっている。あるアニメの影響じゃないよ?

本拠地というか、ホームみたいな場所は一人暮らしをしているメンバーの家だ。家庭の事情で一軒家に一人暮らしをしているため、みんながいてくれた方が寂しくなくていいそうだ。そういう理由で使わせてもらっている本拠地だからこそ、とても大切で居心地のいい場所なのだ。

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