翌日、時間きっかりに来た初瀬さん。それじゃ早速、
『アップル!』
『イチジク!』
ベルトを装着しロックシードを開錠する。
『『ロック・オン!』』
二人とも待機音が法螺貝ベースの和風なため、二重奏が響いている。二重奏って……あ、デュオか。まぁいい。
『ソイヤ! アップルアームズ 進め! grow up!!』
『ソイヤ! イチジクアームズ 連撃! フォー・ザ・ライトニング!!』
「行くよ!」
薙刀での攻撃をきっちり受け止められるようになった初瀬さんに、今度は体術を織り交ぜて攻撃する。接近して武器を武器で抑える。そうしながら、裏拳と蹴りを繰り出す。少しだけ距離が開くと、そこに薙刀を振り下ろす。
「勝負あり。だね?」
「本当に強いな、師匠は。まだまだ本気って感じがしねぇ」
「じゃあさ、マツボックリのロックシード貸してみて。やっぱり、Aランクロックシードの強さに頼っている気がするの」
「ほらよ」
そう言って私にマツボックリのロックシードを投げる初瀬さん。
『マツボックリ!』
使ってみましょうか。
『ロック・オン! ソイヤ! マツボックリアームズ 一撃! イン・ザ・シャドウ!!』
アーマードライダー・モーメント・マツボックリアームズの完成だ。マツボックリアームズは、アップルアームズと比べても、軽さは遜色ない。装甲がさらに心もとないが、まぁ素早く動いて回避するしかないだろう。
「じゃあ、本気出して行きますよ」
軽く素振りをしてから、戦闘態勢を取る。薙刀だろうが長槍だろうが、構えに大きな違いなどない。
「うりゃ!」
「せい!」
黒影が振るった錫杖を槍で受け止める。うん、実にパワー不足だ。これでは片手を離せない。いっそのこと、
『ソイヤ! マツボックリスパーキング!!!』
「な、何だと!?」
『ソイヤ! イチジクオーレ!!』
少しだけ距離を取ってからカッティングブレードを三回倒す。黒影は慌てたせいで二回しか倒せなかったのだが……
「「ぬわ!!」」
お互いの武器から放たれたエナジーが爆発し、二人して後方に倒れ込んだ。その時だった。
「あ……あれ? 変身が解除されている?」
一応、装着者が大きなダメージを受けた場合、勝手に変身が解除されることを私は知っている。その時、インベスゲームと同様にロックシードが勝者の手に飛ぶことも。でも……
「なんだ、師匠? 休憩か?」
今回、ドライバーにはまだマツボックリロックシードが嵌めこまれている。
「なんだか、ロックシードが……」
一度、コアから外してみると、マツボックリロックシードは色彩を失ったように真っ黒だった。開錠しようとしても開かない。なんなんだ?
「ごめんなさい。壊れちゃったみたいで……」
「マジか!? あ、本当だ。開かねぇ。なんでだ?」
「本当にすみません」
「まぁ、気にするなって。イチジクがあれば大丈夫だし、チームの連中もロックシードは持っているからな」
「じゃ、じゃあ今日の稽古は終わりにして、シドさんに文句を言いにドルーパーズへ行きませんか?」
「おぅ、いいな。そうするか」
本当は叔父さんに訊いた方がいいのだろうけど、たまにはシドさんとも交流しないとロックシードの出所とかを怪しまれてしょうがない。というわけで、初瀬さんとともにドルーパーズへ向かいます。