透き通った世界でヒイロ・ユイを目指す話   作:Hakone8510

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 どうも、Hakone8510です。
 トリニティ夏イベが一昨日から始まりましたねぇ。私は2.5周年のすぐ後(カスミとイチカのイベント)に始めた割と新参者なので全然ストーリー知りませんでした。ちょっと今忙しいので土日にまとめて読みたいンゴねぇ……!
 というわけで今回の主人公は、決戦の地へ赴くようです。


迫る、決着の話。

 黒服との対談から、ちょうど1日が経過した。

 

 その間に、ゲヘナやトリニティといった有力な学校、団体を先生と共に巡り、迫る決戦に備えて協力を取り付けてきた。

 ゲヘナ……もとい風紀委員への協力要請の際には、勿論例のイオリの足舐めも見てきたが、なんというか……もっとプラトニックなやつかと思ったら割とディープなやつだった*1。そして、騒ぎ(ほぼイオリ一人が叫んでいただけだったが)を聞きつけたヒナが現れるなり、先生は何食わぬ顔で立ち上がり、交渉を始めてしまった。そこまでくるとちょっと怖いわよ先生。話し合い中ずっと顔真っ赤で(はた)から見ても絶対話半分だったよあの風紀委員長。

 で、トリニティに関してはティーパーティの中心人物……桐藤(きりふじ)ナギサと繋がりのあるヒフミにお願いして、校外授業というテイで牽引式榴弾砲*2を貸してもらえることになった。報告に来てくれたヒフミ曰く、何か企んでいそうとのことだったが……まぁ、それは後々の()()につながってくるだろうし、放っておいていいと言っておいた。

 そして、どのように所在を知ったか不明だが、いつの間にか便利屋とも連絡をとり、“依頼“という形で手紙を送っていたようだ。翌朝シャーレオフィスのポストに便利屋のロゴが入った便箋が入っており、先生に渡したところ、中身を見てニヤリとほくそ笑んだため、まぁ、そういうことなのだろう。

 

 ともかく、取り付けられるだけの協力は取り付けてきた。

 あとは対策委員会の面々と俺、そして先生にかかっている。

 

「ん、準備完了」

 

 サンドロックを膝立ちさせ、コクピットのそばまで寄せた手のひらの上に立つシロコ。その表情にはいつもよりも増して自信に満ち溢れている。そしてその隣には面倒な出撃要請を申請してまで引っ張ってきたウイングゼロも同様の佇まいで待機している。

 今の所、カイザーPMCはMSを運用していない(ゴリアテは分類上MSではないそうだ……ただし、性能差はそこまでない)が、物量差を埋めるという意味でもMSは有用な武器になるだろう。

 

「補給も十分、おやつもたっぷり入れてきました⭐︎」

 

「こっちも準備完了!睡眠もしっかり取ったしお腹もいっぱい!どっからでもかかってきなさい!」

 

「私の方も、アビドスの古い地図を全て最新化しておきました」

 

 どうやら全員、気合も準備も十二分にできているようだ。かくいう俺もハンドガンと「フラガラッハ」、ウイングゼロも万全の状態に整備してきたし、もう一つの()()()()()()()()もあるからな。使わないに越したことはないが、念のため持って行くことにした。

 ともかく、これで俺も今もてる全てをもって作戦にあたれる。

 

「目標地点はアビドス砂漠の第51地区、カイザーPMCの基地の中央、そこにホシノ先輩がいるはずです。

最も安全なルートで向かいます、行きましょう!」

 

“よし、それじゃ出発!“

 

 先生の号令と共に、俺たちは決戦の地、アビドス砂漠の方角へ出発するのであった。

 

 

 

 自治区と砂漠の境目、死地への入り口までは俺とシロコはそれぞれのモビルスーツで、先生を含めたほか4人はヘリで向かい、そこからはモビルスーツ2機が徒歩の彼女たちを先導する形で基地へと向かう。一応はそういう作戦である。

 というわけで比較的大きな戦車や先ほど言及したゴリアテはなるべくこちらで潰しつつ、歩兵や装甲車といったものは地上部隊の3人に任せることになっている。いかにノノミ、セリカ、アヤネの負担を減らせるかが、俺たちにかかっているのだ。

 

「そっちの首尾はどうだ」

 

『ん、順調。今のところ、とり逃しはないはず』

 

 手元のレーダーである程度大きな機影は確認できるが、念のためシロコと連絡をとる。別に彼女の働きを疑っているわけではなく、通信機能に異常がないかとともに、お互いの様子を確認するためでもある。

 さて、シロコのいう通り今のところは順調に基地の方へ近づいていたが、近づいていくにつれ敵の数は多くなってきている。……少し気を引き締める必要がありそうだな。

 と、眼前にいきなり2体のゴリアテが行く手を阻む。

 

「一体どれだけの資金を抱えてるんだ、カイザーは……!」

 

 エイミと初めて戦ったときに連れていたモビルドールや風紀委員会のデスサイズの量産型よりも練度や性能こそ低いが、やはり圧倒的な物量が厄介だな。どれだけ破壊してもどこからか湧いてきやがる。

 

(モビルスーツを製造するのと、さして出費は変わらんだろうに……!)

 

 弾数の心配が必要ないバスターライフルで一体ずつ処理していき、撃ち漏らして近づいてきたのはビームサーベルで対応する。

 

『ん、ちょっとキツくなってきたかも……』

 

 どうやらあっちの方も敵の数が増えてきたようだ。

 途端に心配になって、アヤネの通信回線にチャンネルを繋げる。

 

「こちらレイ。そっちの状況は?」

 

『敵の数はだいぶ増えてきましたが……ゲヘナ風紀委員会が北側の勢力を抑えてくれているみたいなので、まだこちらが攻勢と見ていいでしょう』

 

「分かった。何かあればそちらからも連絡を  

 

 そう言いいかけた、次の瞬間  

 

ドオオオォォォン!!!

 

 巨大な()()()が砂埃を巻き上げながら目の前に落下してきたのである。

 咄嗟にレーダーを確認すると、ちょうどその地点には、先程まで戦っていたゴリアテとは全く異なる反応を示していた。

 

「あれは……モビルスーツ!?」

 

 俺の目が正しければ、その機体は遥か上空というレベルではない、大気圏外から落下してきたように見えた。いくらモビルスーツといえど、大抵は大気圏に突入する際の熱で自爆してしまう。

 ()()()()()()()()()

 

「ガンダム……なのか」

 

 そう思考を巡らせていると、

 

ブゥオンッ!

 

 赤いビームの刃がこちらに襲いかかってくる。

 こちらもすぐさまビームサーベルで受け止めたため傷こそつかなかったが、あの軌道は確実にコックピット……俺の方を狙っていた。

 

(もし反応が少しでも遅れていたら  

 

 空に舞っていた砂埃は徐々に落ち着きを見せ始め、俺を襲った機体の姿があらわになる。

 黒を基調としたカラーリングに、良く言えばシンプルな、悪く言えば特徴のないフォルム。そして顔にはV字アンテナとツインアイ、ガンダム特有のフェイスカバー。

 やはり、ガンダムか。

 

(見たことのない機体……いや、ジェミナス*3か?だがそれにしてはフォルムが違いすぎるような気もするが……)

 

『やっほ〜、()()()()()()……あ、今は暁月レイって名前なんだっけ』

 

 オープンチャンネルから、軽気でフレンドリーな声が聞こえてくる。……表現が難しいが、少なくとも声だけでは、いきなり奇襲を仕掛けてくるようなヤツのものではなかった。

 

『初めまして……でいいのかな?あたしは……そうだね、アフロディテとでも名乗っておこ〜かな』

 

「アフロ……ディテ?聞かない名だな」

 

『ま〜今初めて名乗ったしねぇ。ま、以後よろしくってカンジで』

 

 ……こいつの目的は一体なんだ?

 それにさっきからコイツと喋っていると警戒心が薄れるというか……注意力が散漫になってくる……なんだ、この感覚は?

 

『う〜ん、やっぱり君にはあんま効果ないかぁ』

 

「ん?」

 

『いや、こっちの話ぃ〜。それよりもなんで私がここに来たのか、キョーミない?』

 

「……何が目的だ」

 

『お、気になる気になる?それはねぇ〜』

 

ブンッッ!

 

 再び彼女より放たれた不意の一撃を、間一髪で躱わす。

 

『やっぱ教えてあ〜げないっ。どぉ〜しても知りたいなら……あたしを倒してみてよっ♩』

 

(先ほどの剣さばき……そこらの雑兵とは練度が違う。風紀委員会の九鎌ってヤツと同等……いや、もしかすると俺すらも……!?)

 

 どちらにせよ、彼女ほどの精鋭ならば、そう易々と逃してはくれ無さそうだ。

 それに彼女の目的ってのも個人的に気になる。俺の知らない名を知る人物……もしかすると、俺が覚えていないこの身体の本来の持ち主について、なにか知っているかもしれない。

 

「良いだろう」

 

 ならば戦わない理由はない。

 黒いモビルスーツの喉元に目掛け、ビームの刃の切先を向ける。

 

「アフロディテ……お前を殺す」

 

『わぁお♩熱烈なアプローチだね♡』

 

 開戦の合図とともに、2機のモビルスーツはほぼ同時に地面から飛び上がった。

 


 

 一方その頃。

 あらかた掃除し終えたシロコは対策委員会と先生、そして先程現着したという便利屋68の一団と合流していた。

 

「シロコ先輩、先程からレイさんと連絡がつかないのですが……彼女から何か聞いていませんか?」

 

『厄介なMSと交戦してるみたい……しばらくそっちには行けなさそう、って言ってた』

 

「そう、ですか……」

 

 レイの安否を聞いたアヤネは、シロコの答えに違和感を抱いていた。

 

(おかしいですね……報告ではカイザーPMCはMSを保有してはいないはず……外部に雇ったのでしょうか?)

 

 だが理事があれだけ自社の開発した「ゴリアテ」に固執していたのにも関わらず、今更MSを開発したり他社の企業や傭兵を雇ったりするだろうか。可能性はないわけではないが、理由のない、ただの感覚でありながらもアヤネにはそうとしか思えなかった。

 

(外部との共同でないのなら……一体?)

 

ビーーーーーッ!!!

 

「!?」

 

 自分が普段使っているパソコンから、普段聞いたこともない警報音が鳴り響く。その音に驚きながらも恐る恐るパソコンの画面を確認すると、さらに驚ろき慌てた様子で先生の方へ駆け寄る。

 先生はタブレット端末を片手に上空を見上げていた。

 

「せ……先生、上空から降下してくるMSの反応が……!」

 

“うん、来てるね“

 

 彼がそう言った次の瞬間、黒いMSが空から降ってくる。それも5、6機程度の話ではない。少なくとも50機以上のMSが雨のように降ってくるのだ。

 そして、降りてきた直後に間髪入れず肩に装備したミサイルポッドをこちらへ向ける。

 

「シロコ先輩、アルさん!今降りてきたもの全て、敵性MSです!!!」

 

 すぐさま、その場にいるMSパイロットに通信で叫ぶアヤネ。だがそれよりも先に二人は動いていた。

 一番近くに降りていたMSが2機、反撃する暇もなく二人によって爆散する。

 

『ねぇ、せっかくだし勝負しない?どっちがより多く敵を撃墜できるか』

 

『ん、受けて立つ』

 

「はぁ……ちょっかいかけないでよ社長……」

 

「こんなところで、遊んでる場合じゃないでしょ……」

 

「ちょっとお二人とも、まずは落ち着いて作戦を立てないと……!」

 

 いつものお世話係(カヨコとセリカ)が嗜めるも、その程度で止まる連中ではない。そしてアヤネの制止も聞く訳がなく、二人は勢いよく飛び出して行ってしまった。

 かつて対立していた二人は今も争ってはいたが、戦いを通じて戦友であり好敵手のような関係になっていたのだった。

 


 

「アビドスと便利屋……そして“黎明のガイア“……さて、果たしてどこまでできるのかな?」

 

 

 

 

 

*1
アニメ版「ブルアカ」参照

*2
カノン砲よりも初速が速く、より高く打ち上げる曲射砲。

*3
外伝作品「新機動戦記ガンダムW G-UNIT」に登場するMS。ある能力に特化した5機のコロニー製ガンダムとは違って高い汎用性を持つ。




 いよいよ二章もクライマックス。

レイ「もう次で終わるのか?」
アフロディテ「それは作者ちゃんの技量しだいじゃな〜い?」
作者「なんでナチュラルにここにいるんだ」
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