透き通った世界でヒイロ・ユイを目指す話 作:Hakone8510
今週の火曜、ついにシュポガキのお二人が新規生徒のアオバを連れて実装されましたね。当然ガチャを引いたのですが星3排出率はそこまで悪くなかったもののすり抜けが多く、無事(?)一天井で二人ともお迎えすることができました。今から周年が怖いですが、皆さんは今回のガチャ引きましたか?結果とアロナへの恨みつらみも是非感想欄へ……。
さて、今回の主人公は、パーティメンバーのために頑張るようです。
「レイ!こっちだよ!」
ミレニアムタワーの入り口前で、俺とゲーム開発部、先生は無事合流に成功。多少の情報交換を行うと既に日は落ちかけており、ついに突入の時間と相成った。
ミレニアムタワーに入っていくと、警備用のロボットの大群がご丁寧に俺たちを出迎え、エレベーターへの道を阻んでくる。
「もーう、邪魔しないで!」
各々がそれぞれのやり方でロボットたちを捌きながら、モモイが非常に面倒くさそうな悲鳴を挙げる。無線で聞いた限りタワーに向かう道中でも大量の同型のロボットに襲われたようなので、憤慨するのも無理はない。
一体一体は対して強くはない、もっと言えば一般生徒よりも明らかに弱い。だが何せ配備されている数が異常に多い。聞いたところによればどうやらこのロボットはミレニアムで開発されたものではないものも混じっており、その大半は学園周辺の治安維持活動によって接収されたものであるという。数が多いのも納得だ。
それはともかく、全てを壊しに行こうとはせず、あくまでも入り口の真正面にあるエレベーターへの道を作るべく、直接邪魔しにくるヤツを次々と再起不能にしていく。そうして、ようやっとエレベーターの真ん前にまで辿り着いたところで、ミドリからSTOPの合図がかけられる。
「ひとまずここで待機。
これは、俺がユウカのもとへ話に行く前にあらかじめ決めていた作戦である。ヴェリタスの話では「鏡」の保管されている倉庫はタワーの最上階にあり、その最上階は厳重な警備システムが敷かれていると言う。よって当然ながらそれを破る策が必要になるわけで、この待機時間は作戦の一部である。
具体的にどのような警備システムになっているかというと、まずこの建物には階段がなく、階を移動するには全てエレベーターを使わなければならない。これらのエレベーターは当然のことながらセミナーのサーバー上で管理されており、特定の資格を証明しなければ使えない設計になっている。
加えて、保管庫のある最上階には今俺たちがその前に陣取っている正面エレベーターでしか辿り着けず、さらにはそのエレベーターを使用するにはセミナーの生徒、あるいはセミナーの厳しい検査を受けて認可されたごく一部の生徒しか使えないよう、指紋認証システムによって制限されている。
極め付けにはもしハッキングや物理的手段で無理やりエレベーターを起動し最上階に上がれたとしても、指紋認証を通していないまたは通された指紋が違った場合、最上階の各セクションにシャッターが降りるプログラムになっている。もちろん保管庫のあるセクションとエレベーターのあるセクションは分けられており、シャッターを上げるには側にある操作板で再び指紋認証を受ける必要がある。これすらも通らなかった、または物理的破壊を試みた場合はさらに強固なシャッターが降りてきて、今度はセミナー生徒の指紋と虹彩が必要になるという仕組みになっている。
これを聞かされた時の俺の素直な感想としては、
(まぁ、当然だろうな)
であった。何せそこには「鏡」の他に大量の機密情報やおいそれと持ち出してはいけないものが大量に保管されており、さらに学園のシステムを担うサーバールームも同じ階にあると聞く。そんな重要な設備を他勢力が簡単に侵入できてしまったら大変なことになる。これだけロボットの配備数が多いのも納得と言える。
それはともかく、そんなことを思い出しているうちに予定通り
「よし、入ろう!」
モモイの掛け声と共に、俺たちはエレベーターに乗り込んだ。
いくらエレベーターといえど、学園で一番高い建物であるミレニアムタワーの最上階まで着くには結構時間がかかる。その間で既に上の階の方から立て続けに四回ほど爆発音が鳴り響く。大方エンジニア部が途中でエレベーターを止められないように、遠隔ミサイルで保安部員やロボットを足止めしているのだろう。
だがそんなことは気にも
「っはぁ〜緊張した。ようやくここまで来たよ〜」
「まだ終わってないけどね……一旦ここで落ち着いておかないと……」
さっきまで懸命に戦っていた二人だったが、流石にこれだけ大ごととなるとどれだけ肝の座った者でも色んな意味で胸が高鳴って止まらないだろう。
「レイも、初めて任務を受けた時緊張した?」
おっと、急に話がこっちに振られてきた。初めての任務……アビドスでの日々を思い出しながら答える。
「まぁ、正直に言うと緊張はあまりしていなかった。そういうのに前から慣れていたかもしれん」
「へーそうなn……
「言ってなかったな。オレもアリスと同じ……この年齢になるまでの記憶がない」
モモイとミドリの二人の顔が明らかに驚いたようなものに変わり、そのすぐ後に後悔したような表情に移る。そういえばあまり人に話した事なかったな、この話。
「そんなに気にするな。別に大して悲観してるわけじゃない」
「でも……」
「オレはオレだ。昔の自分を知りたくないと言えば嘘になるが……例え記憶が戻ったとしても、オレのままで生き続ける」
小っ恥ずかしい台詞を吐いたところで顔を上げれば、そろそろ最上階に着く頃だった。
「もうすぐ頂上だ。いつでも戦闘に入れるようにしておけ」
そう言って話を打ち切ると同時に、チーンというあの音が目的地の到着を告げ、扉が開く。次の瞬間視界いっぱいに広がったのは、ミレニアムのストーリーで何度か見たミレニアムタワー内部の景色だった。簡単に説明すると片方は壁、もう片方は全面ガラス張りの幅が広く長い渡り廊下といった感じで、どことなくちょっと気取ったオフィスビル(偏見)のようだった。
扉が開いた瞬間ロボットの大群がエレベーターに流れ込んでくるぐらいの警戒をしていたのだが、そんなことはなくむしろ誰もいる気配はない。どこかに身を潜めている、というのも考えられるがここまできて不意打ちとは考えられ いや可能性を安易に排除するのは良くない。警戒はしておくべきだろう。
“……とりあえず、保管庫のあるセクションに向かおう“
先生もその可能性に気づいてはいる様子だったが、一分一秒が惜しまれる今躊躇っている暇はないと考えたのだろう。俺たちは彼の指示に従い小走りで廊下を渡り始めた。フォーメーションとしてはモモイとミドリが先行し、俺は先生の側につくといった形。
そして、走り始めてから最初の角を曲がったところで、
ドゴオオオオォォォォン!!!
「きゃああああ!?!?」
突如進行方向のたった数歩先に
あまりに一瞬の出来事。だがこの場にいる全員が、誰の犯行によるものなのかを理解していた。
(味方だと心強いヤツが、敵に回ると厄介……まさか身をもって味わうことになるとはな)
どこか感慨深い気持ちになりながら、俺はガラス窓の向こう側……彼女のいると思われる方を探す。狙撃手は1発打ったら狙撃ポイントを変えるのが基本とどこかで聞いたことがあったが、彼女は全く微動だにせずそこにいたため見つけるのは容易かった。
「お姉ちゃん、あれは……」
「うん、カリン先輩だね」
相変わらずおよそ人に向けるものとは思えない対物狙撃ライフルを、軽々抱える美少女が一人。昨晩作戦を共にした角楯カリンが、俺たちを狙いすます姿が視線の先にあった。といってもここからカリンのいるビルの屋上までは目測で200m以上は離れていて、ほぼ見えないが。
“まずい、次が来る!“
先生がそういう瞬間にはもう既に巨大な弾が空を切る音が聞こえ始めた。
「クッ!」
すかさず三人の前に回ると剣を抜き、空を斬るように振りかぶる。
ガキィン!
鈍い音が刀身から鳴る。気合いでなんとか方向を変え、弾丸は明後日の方へ着弾してもう一枚窓ガラスを割っていったが、俺は衝撃で吹っ飛ばされ、壁の方へ叩きつけられる。
「レイ!」
思わず心配になって駆け寄ってきたであろうモモイを、片手を上げて止める。
「大丈夫だ、これくらいなんてことはない。お前たちは先生と一緒に先へ進め」
「ええっ、でも……」
「今は時間がない。オレはここで彼女の相手をしなければ……」
『おっと、その必要はないよ』
突如無線に割り込んできた声が一つ、それはつい十数時間前に聞いた少女の言葉だった。この声は……。
「ウタハか!」
「ウタハ先輩!」
『助太刀するよ。丁度この“雷ちゃん“の運用テストもしたかったところだ』
ズガガガガガ!!!
すぐ後に、ガトリングの発射音のようなものが入ってきて通信が途切れる。どうやらすぐさま戦闘に入ったようで、外のカリンがいた方向を見ると、ほぼ棒みたいな二人の少女がわちゃわちゃ動いているのが見えた。……ダメだ全っ然見えないから向こうの状況全く理解できなくてうまく説明出来ねぇ!
すると急に
「ヒビキ先輩、間に合ったんだ!」
C&Cを相手にする以上こちらも対策なしというわけにはいかないため、把握できないメンバーを除くそれぞれの相手を事前に決めておいた。カリンの場合は、それがウタハとヒビキだったわけだ。だが相手は狙撃の名手かつ優秀なエージェント、対して二人はキヴォトス人とはいえ非戦闘員。
よって二人は策を弄した。ウタハがもつ自律型ロボで近接戦を強いて、ヒビキは
さて、ウタハとヒビキが時間を稼いで暮れている間に急がねば。
“今のうちに先に行こう!“
先生の言葉に皆が頷くと、俺たち四人は再び目的地に向かって走り出す。あの長い廊下を渡り切った後、ようやく道中には警備用のロボットが現れ出した。
それらを適当に蹴散らしつつ前に向かって走り続け、ついに目的地まで後一直線の長い廊下に出た。その先にはいかにも重要なもの保管してますとでも言わんばかりな、堅牢で分厚い鋼鉄の扉が見えた。あそこが差押品保管庫だろう。
ガチャン!
するといきなり何かが落ちたかのような音とともに、天井の照明が一斉に消える。
「ミドリ、今の音……」
「どうやら、ウタハ先輩とヒビキ先輩がうまくやってくれたみたいだね」
そう言ってモモイが得意げにはにかむ。暗くてよく見えないけど。
実は彼女たちはもう一つ妨害工作を企てていた。二人がカリンを妨害するのとほぼ同時に、自律稼働する小型ロボットが建物内に侵入、非常用の電力遮断装置*1にアクセスして任意のタイミングで遮断機を下ろす、というものだ。と言っても
にしてもしばらく他の班が妨害できないであろうこのタイミングを狙うとは、やはり彼女たちは侮れない。
そうこうしているうちに俺たちと保管庫との距離はもうそう遠くないところまで近づいてきた。
「よし、後少しで保管庫に……!」
「おっと、行かせないよ〜!」
「「「!?!?」」」
その元気で溌剌とした声とともに全員の足が止まり、全員が目の前に降り立ったシルエットを見つめる。なんだか、最近どこかでみたような……
(……!?そんな馬鹿な……)
ゆっくりと近づいてきたその人影は、月光の下にようやくその正体を顕にした。
「一ノ瀬……アスナ……!」
「ヤッホ〜!さっきぶりだね、レイちゃん❤︎」
レイ「声が聞こえた時はマジでビビった。冗談抜きでチビるかと思ったわ」
作者「……絶妙に返しづらいコメントやめてね?」
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