透き通った世界でヒイロ・ユイを目指す話   作:Hakone8510

47 / 67
 どうも、Hakone8510です。
 先週の出来事になりますが、Switch2発売されましたね。おめでと〜!ちなみに先週時点では抽選に当たっておらず手元にない状態でございます。どうにか当たってくんねぇかな〜。みなさまはもう遊ばれたでしょうか?

 さて、今回の主人公は、先生に相談しにいくようです。


後日談:姉妹

 ミレニアムプライスから数日後、ミレニアムサイエンススクールの数ある建物の中の一つ、部室が集合している棟の一角ではなおも喧騒が鳴り止まない。そこから聞こえるのは声のよく似た二人のヤンチャな声と溌剌としていながらどこか人間味を感じない声、そして16bitのレトロなゲーム音声。

 ゲーム開発部の提出した「テイルズ・サガ・クロニクル2」はランキングにこそ入らなかったものの、今回から設けられた「特別賞」に見事入賞したのである。よって、部活は期限付きでありながらも存続という結果を勝ち取ったのだ。

 そんな勝利の美酒に酔いしれるが如く、いつもと変わらずゲーム三昧の日々を送っているゲーム開発部。部屋の中では桃色と緑色の双子姉妹が、今時のデスクでは滅多に見かけないようなブラウン管テレビの前に座り込んで、やや前屈みになりながら画面を凝視しつつ、手元のコントローラーを操作していた。

 

「いけぇっ、そこだ!」

 

「あっ、ベム兵投げるのずるいよお姉ちゃん!」

 

「へへっ、先に取ったモン勝ちだもんねー」

 

 画面に映っているのは、逆三角形型の空に浮いた地形の上で一人と一匹?が何かしらの道具を使ったり投げたりしながら殴り合う様子。一人の方は白地に紫のドレスを着た金髪の女性で、魔法のような術を駆使して遠距離から相手にダメージを与えている。対して一匹の方は黄色い体に細長い尖った耳、まんまるの目をした猫より一回りでかい動物が、ステージを縦横無尽に駆け巡りながら距離を変えつつ戦っている。

 二人の実力は肉薄しており、実際ストック互いに残り一つでダメージ量もほぼ同じ状態で戦いが進んでいる。だがアイテムの扱いはモモイの方が上のようで、彼女のキャラの黄色ネズミが口にバットを咥えて首を振り、その反動をもってミドリの姫キャラ目掛けバットを投げた。ミドリのキャラは回避しきれず直撃し、場外へ大きく吹っ飛ばされる。そのまま画面外へと飛ばされてやられてしまった。

 

「くぅ〜やられた〜」

 

「フッフーン。じゃあ後でアイス奢ってねー」

 

「モモイ、次はアリスとやりましょう!」

 

「いいよ〜ちょっと待ってて」

 

 そう言ってモモイはキューブ上のゲーム機からミドリの使っていたコントローラーのコードを抜き、アリスお気に入りのコントローラを挿さっていた部分に差し込む。

 

「レイ、あれっきり全然来なくなっちゃったね」

 

 モモイがふと思い出したかのうようにそう呟く。

 

「そりゃあそうでしょ。あの人、連邦生徒会に認められてシャーレ専属生徒になってるみたいだし」

 

「ええっ!?確かに模擬戦で戦った時すごく強かったけど……」

 

 するとモモイは、「あれ?」とふと思いついたような顔をして、二人の方へ振り向く。

 

「そういえばレイってさ、私たちみたいに……」

「姉妹、いたりするのかな」

 

 

 

 時計の針2本が丁度真上を指すころ。俺と先生は仕事の手を一旦休めてエンジェル24へ向かい、そこでおにぎりや惣菜パンなどの手頃な軽食を数個買ってお昼休憩に入っていた。今日が週末明けというのもあってか、対面に座っている男性がいつもより食べる量が多いのは気のせいではないだろう。

 ピザパンを頬張りゆっくりと幸福そうに味わう先生には申し訳ないが、相談するならここしかタイミングはないだろう。俺は袋を持ち手に齧り付いていたメロンパンを顔から放し、皿代わりに机に敷いたナプキンにそれを置く。

 

「先生」

 

 俺の言葉が聞こえた瞬間に、彼は顔を上げる。そして俺の両の目を、同じく両目で視線を逸らさずまっすぐと見つめている。そこに焦りはやりといった色の光は映っていない。あるのは期待と信頼、そして心配だった。

 

「実は、先生に相談……というか、色々と話しておきたいことがある。今話しても?」

 

“いいよ“

 

 即答だった。もはや自分の都合とかを勘定に入れていないほどの速さだった。というか、実際そうなのだろう。いつものことではあるが、つくづく心配になる自己犠牲心だ。

 婉曲的な表現や遠回しを俺は好まない。許可が下りたのであれば、チャッチャと話を進めてしまおう。

 

「ミレニアムプライス当日、確か用事があるとか言ってオレはゲーム開発部の部室に行かなかっだろう。その時、先週割り込まれた少女……アフロディテと会ってきた」

 

“!……大丈夫だった?“

 

「ああ、別に脅迫じみたことは特に言われていない。ただ、色々と情報を聞き出してきた  具体的には、オレの出生についての話、とか」

 

 そう言うと先生はさっきの俺と同じように、右手に持っていたピザパンを同じくテーブルのナプキンに置く。

 

“それって、私が聞いても大丈夫なやつ?“

 

「一応彼女からは、先生に話してもいいかの許可をもらっている。ただ、先生以外には話さないように、とのことだ」

 

“分かった、私も話さないように気をつけるよ“

 

 先生の了解も得られたので、早速本題に入る。

 

「まず最初に、オレは人工生命体(ホムンクルス)らしい」

 

“!“

 

 先生の目が大きく見開かれる。だが衝撃的な内容に反して、彼に驚いた様子は見られない。

 

「……その様子だと、知っていたのか?」

 

“戦ってる様子なんかを見て、薄々そうなんじゃないかとは思ってはいたけど……まさか的中するなんてね“

 

 どうやら先週のあの戦いで俺がとっていた姿(ダブルオーのアーマーを纏っているアレ)を見た時、可能性の一つとして予想を立てていたそうな。

 まぁあくまで可能性の一つとしてポッと浮かんできただけで、単純に普通の生徒とは枠組みの異なるくらいの認識、言ってしまえばアリスと同じような感じだと思っていたそうな。

 

「奴の話ではさらに、オレと彼女は同じ『タイタン』と呼ばれる種族なんだそうだ」

 

“『タイタン』……”

 

「その名前に何か聞き覚えはあるか?連邦生徒会の資料室を探し回ったんだが、一つもヒットしなかった」

 

“う〜んどうだろ。正直言ってあそこに置いてある書類とかデータはここ十数年くらいの記録しかないから、もしかしたらそれに関する記録はもっと古いモノだったのかも。だとすると、もっと古い資料が置いてある所じゃないと……“

 

 すると、ハッと思いついた様子で頬杖の状態を放す。

 

“そういえば今度、依頼を受けてトリニティ総合学園っていう所に行くんだ。そこには何百年も前の本が所蔵されてる図書館があるって話だし、用事ついでに見にいこっか“

 

「……恩に着る、先生」

 

 そっか、次のストーリーはエデン条約編……つまりトリニティが舞台か。確かに色々と好都合だろう。きちんと先生に礼を伝えた上で、話を続けるべく顔を上げる。

 

「それで、もう一つ話しておきたいことがあるんだが……構わないか?」

 

“いくらでも。まだまだ時間はあるし“

 

 そのお言葉に甘えそれじゃあ、と会話を切り出す。

 

「先週のミレニアムで突如遭遇したアフロディテに連れてかれた、あのテュポーンって奴がいただろう。どうやら彼女は、オレの妹らしい」

 

“!?……確かによく似ているなとは思っていたけど、家族だったなんて  ってあれ?“

 

「どうかしたか?」

 

“レイは人によって造られた命、という話だったよね。そうしたら、妹も何もないんじゃ……?“

 

「ああ、オレもそこが気になった。だからそれを奴に聞いたが、そこに関しては『まだその時期じゃない』とか言ってはぐらかされた。おそらく、この事態の根幹に関わることなんだろう」

 

 俺はそっちの分野に関しては大して明るくないのでそこまでのことは分からないが、それにしたって矛盾のある関係性だ。もちろんあの二人が揃って嘘をついているという可能性もあるが、それにしたって姿形がそっくりなのだ。文字通り俺の後に生まれた俺の近縁なのか、それとも()()()()()()()()()遺伝子に調整を受けたとか……全く、ここはC.E.(コズミック・イラ)じゃねーんだぞ。

 

「最後に、先生に伝えておきたい情報が一つ」

 

 先生は何も言わず息を吞む。衝撃に押し流されそうなところをなんとか堪えているといった感じだ。俺はその様子を見て止めるわけにもいかず、話を続けていく。

 

「アフロディテとテュポーン、彼らが所属しているという組織の名前を彼女が明かした。きっとこの先幾度となくオレたちの前に姿を現し、行手を阻んでくるであろう奴らの名前……」

 

“……その、名前は?“

 

 

 

 

 

O.A.S.I.S.(オアシス)  五百年前、この学園都市キヴォトスを壊滅一歩手前まで追い込んだ、紛れもないオレ達の敵の名だ」

 


 

「あ、お帰りなさい二人とも」

 

「ただいまー❤︎ってほらテュポーンも、帰りの挨拶っ!」

 

「……ただいま」

 

「それで、あいつの様子はどうだった?」

 

「君、いっつもそれ聞いてない?気になるんだったら直接会いに行けばいいのでは?」

 

「一度見合えばもはやそれは勝負の合図。そして戦っている最中は奴の様子を計る暇もない。故にこうして貴様らを通じて情報を得ているのだ」

 

「……なるほど?」

 

「だが感じる……()()()は着実に来ている。そして、近いうちに相見えることになるだろう……」

 

「はいはいあっそ〜。ゼっちゃん、こんな奴放っておいて、次の段階について話そうよ〜」

 

「……そうだね。じゃあ全員揃ったことだし、定例会議を始めようか」

 

 

 

「で、()()()()が示した次の目標は?」

 

「トリニティ総合学園……大方、エデン条約に関することだろう」

 

「ふ〜ん、面白くなりそうじゃない❤︎」

 

「アフロディテ、そんな君に朗報。もっと面白い情報がある」

 

「なになに!?」

 

「フン、私を退屈させるないでよ」

 

「……『黄昏』、もったいぶってないで早く教えてやれ。こいつ二人が興奮しだしたら誰も止められなくなるぞ」

 

「……今回の任務は、とある御仁と共同で行うことになった。多少動きづらくはなるだろうけど、計画を一つ飛ばして一気に進められるチャンスってワケ」

 

「ふふふっ、いいね〜ゼっちゃん。確かにより面白くなりそ〜❤︎」

 

「して、その協力者とは?」

 

「君らもよく知っているはずだ。色彩と崇拝に魅入られ、それらを探求・研究する組織『ゲマトリア』、その中でも特に過激な思想を持つ貴婦人……」

 

「……なるほど、つまりその名は……」

 

「裏世界を牛耳るマダム、ベアトリーチェ。それが、今回の任務の協力者だ」




レイ「なんだか、嫌な予感がする……気のせいだといいんだがな」

 さて、彼女の戦いはまたさらに次のステージ、トリニティ総合学園へと移り、エデン条約編へと突入します。そこで、彼女の正体と根幹が明らかに……次章もどうぞご期待ください。

 次章更新は7月11日(金)を予定しています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。