透き通った世界でヒイロ・ユイを目指す話   作:Hakone8510

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ブルアカ書きてぇ…でもガンダムもやりたい…せや!
融⭐︎合すればいいんだ!


1:舞い降りた魂、舞い上がる翼
死んだら透き通った世界にTS転生した話。


 

 知らない天井…というか空が見えた。

 いや、違う。この妙に透き通った青に不規則な円環が浮かぶこの空を俺は知っている。

 

「ここは…まさか」

 

 ふと体を起こして、胸中からこぼれた透き通るような声の呟きに自分でも驚く。それに少々声が高い気がするし、視線も大分低い気が…。

 

「こ、これはッ…!」

 

 立ち上がり、もはや廃墟とも呼べない荒野をおぼつかない足取りで練り歩く。かろうじて人一人分の大きさのガラスを見つけ、それを覗き込んだ。

 

「な、な、な…」

 

 日系を思わせる茶髪に紺色の瞳、スラリとした顔立ち、後頭部に浮かぶ橙色の輪、そしてタンクトップで強調された豊満な胸。「美少女」という言葉が似合う像が、そこに映っていた。

 

「なんじゃこれええええぇぇぇぇ〜〜〜〜ッ!!!!」

 

 不慮の事故で死んだら、透き通った世界にTS転生していました。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は生前、ゲームやアニメに没頭する、いわゆるオタクな男子高校生だった。と言っても何か一つに特化した型ではなく一部受け入れられない類を除いて許容範囲(ストライクゾーン)が広かったオタクだったので、いろんなジャンルのもので楽しんでいた。

 特に直近でハマっていたのは「ブルーアーカイブ」というゲームだった。世界観としては日常的に銃弾が飛び交う学園都市キヴォトスを舞台に、プレイヤーである「先生」が個性あふれる「生徒」と共に学園が抱えるさまざまな問題を解決していくというもの。そんな世界に俺は転生…いや憑依?してしまったわけだ。しかも「生徒」としてである。

 だが、性転換モノでよくある性別の違いによる心身の乖離(かいり)だとか、そんなものは微塵もなかった。まるで生まれた時から女性として過ごしてきたかのように、違和感がまるでない。強いて言えば目線の低さ…つまりは身長が前世と比べて低いというくらい。

 にしても、今最も重要なのは。

 

「ここが何処かと、今はいつなのかを把握すべきだな…」

 

 まずは何処か。

 見たところ、自分が寝転がっていた場所はゲームのスチルで見た覚えがない。廃墟で一番最初に思い出すのはアリウス分校とかだが…。建物の壁の端ぐらいしか建造物らしいものがないので、荒地以外の形容ができない。とりあえず見たこともないような場所というだけ。

 

 そしていつなのか。

 本編、つまりメインストーリーがすでに始まっているのならば、非常に惜しい事になるだろう。オタクとして、本編を間近で体験したいというのは当然の性であるし、何より先生視点ではわからない裏側を拝見できるチャンスを逃したくはない。

 

 何にせよ、周辺の探索を始めなければ。

 そう思い立って立ち上がり、あてもなくただ自分の思うままにぶらぶらと辺りを歩き回ってみる。だが、元々建物だったものの破片が散乱しているだけで、場所を特定するには至らない。

 

「もう少し遠くであれば、何か見つかるのかな」

 

 はやる期待と一抹の不安が心中で溶け合いながらも、足を進めていく。するとしばらくして建物の形が残り始め、廃墟らしい場所へと移ってきた。そしてついに、(みどり)色の屋根が天空を突く城のような建物が見えた。

 

「あれは…トリニティか?」

 

 そろそろ空きっ腹も鳴ろうかというところだったので、大分タイミングが良かった。と言ってもトリニティ生は高慢ちきなヤツもいるので、助けを求める候補としては避けたいところだが、一番近かった場所がここという事実は変わらない。

 ともかく、もう少し進まねばと足を踏み出そうとしたところで  

 

「んなっ!?」

 

急に床が崩れ、自分の身体が落下し始めた。 

 

 考えてみれば、ここは廃墟。基礎構造の劣化で建物自体が脆くなっていてもおかしくない。食糧を得られるチャンスを、みすみす逃したということだ。

 

「くッ…!」

 

 なんとか着地し、衝撃を和らげるため受け身をとる。

 

ガララ…ガッシャーン!!!

 

 先ほど床だった破片が辺りに飛び散るのを避けつつ、鎮まるのを待つ。

 

「…ふぅ」

 

 音がやんだところで姿勢を正し、周囲を見回す。

 自分が落ちてきた穴は、自分が今いる位置からおよそ6mといったところか。いくらキヴォトス人の神秘といえど、ツールやとっかかりもなしにあの高さに到達するのは不可能だろう。あの穴からの脱出は諦めることにした。

 落ちてきた空間は一本道になっており、さらに下へ降りる階段が続いている。上への脱出はもはや不可能なので、必然的に選択肢は1つだ。

 

「もう一踏ん張りか」

 

 俺は、底知れぬ暗闇へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 階段は長らく終わることなく、俺を下へ下へと誘い続けている。

 

「そろそろ、どこか広い場所に出てくれると助かるんだがなぁ…」

 

 進んでいて気づいたが、落ちてきた場所は随分新しい気がした。状態という意味でもそうだが、なんというか、現代の研究室のような鋼鉄製の壁面が階段を覆っている。

 

「もしや、誰かが隠していた場所を見つけてしまったのでは…?」

 

 多少の罪悪感が頭をよぎる。が、先ほどの穴がら脱出できる可能性は絶たれている、躊躇っても仕方がない。

 そう思い悩んでいると、長い階段が終わり、自動ドアらしき壁にぶち当たった。ドアには微妙に隙間があり、指を入れればこじ開けられそうだ。

 

「お邪魔しまーっす」

 

 というわけでこじ開けました。

 扉の先は広い施設のような空間だったが、明かりがないので奥がよく見えない。施設っぽいのでライトの電源ぐらいあるだろうと辺りを見回し、それらしきスイッチを発見した。

 

「ポチッとな」

 

 天井の蛍光灯が手前から奥へ順にまばらに光り始め、部屋全体が顕になる。すると、奥に佇んでいたモノが顔を覗かせた。

 

「…な、あれは……!」

 

 白・青・赤の3色を基調としたトリコロールの体躯を2対の翼が覆っており、緑色をたたえる機械眼(カメラアイ)が、じっとこちらを見据えている。そして何より人の十倍はあろうかという巨体が、何よりも俺を威圧していた。

 

「なぜこんなものがここに…!」

 

 最初の敗者にして最後の勝者となった少年が駆る、優雅にして無慈悲な人型機動兵器(モビルスーツ)  「ウイングガンダムゼロ」がそこに鎮座していた。




ちなEW版です。自分が好きなので。
今の所ブルアカ要素一ミリもないなこれ。

・2023/12/4(月)一部編集

「新機動戦記ガンダムW」及び「Endless Walts」以外のMSを登場…

  • させた方がいい。
  • させない方がいい。
  • どちらでも良い。
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