【完結】泳者(プレイヤー)名「葦名一心」 作:ムーンフォックス
鹿紫雲との戦いから10日が経過した。
悔しいことではあるが、恐らく狼を殺すことは葦名一心独りでは叶わない。
修羅になりかけならばまだ良い。片腕を失うことになるがまだ人の範疇にいられる。仏師──猩々もまた、こうして人に戻ることができた。
だが怨嗟に関してはどうしようもない。せめて相手が安らかに眠れるよう殺す──そんな一握の慈悲を持つことが、せめてもの手段であろう。
だがそれらは全て、己が生き残っていることを前提とした策である。怨嗟との戦の規模はどうなるのか。
だが確信が一つ、これは大きな戦となる。
何はともあれ、必要なのは人手であった。
『狼狩り』を了承した鹿紫雲は暫しの間一心をつけて来ていた。強者の周りには自然と強者が集まる──そのおこぼれにあずかろうと言うのだろう。
だが強者が一向に現れないことにやがては痺れを切らし、気づけばどこかへ消えていた。
葦名一心が目指すのは
そのために為すべきことは点を消費し死滅回遊に新たな
『泳者は結界を自由に出入りできる』。ひとまずはこの
目前に迫る呪霊の爪撃を槍で弾く。鉄砲砦にも似たような者がいた筈だ、名はなんと言ったか──逸れた意識とは裏腹に、槍は鋭く精確に呪霊を貫く。呪霊は苦悶の表情をあげ、死んだ。いや正確な表現をするのならば祓われたのだろう。
『呪霊は呪力でしか祓うことはできない』。鹿紫雲に呪術のことを聞く中で言われた言葉が脳裏に蘇った。彼との一戦は雷の尽くを知る一心だったが故に相性が良く──運が良かったのだ。
今後も鹿紫雲と同格かそれ以上の強者と挑むのならば、呪力を前提とした攻防は必要となるであろう。
ここ10日の間、呪霊と戦う中で呪力はある程度扱えるようになったが、術式の方は今のところ発動することはできていない。
「無事か?」
「はっ、はい! ありがとうございます!」
「東に行けば目印がある。それに従え。病院に着く」
羂索の誘いを夢物語と断じた、或いは一度出たが再び
ひとまず一心は彼らの救助活動に勤しんでいた。幸いにも彼が目醒めた地点は病院──非常食を含め物資は豊富にある。
「これで最後の筈じゃが」
葦名一心が漏らした言葉の意味、それは救助した人々から聞いた、可能な限りの彼が知る非術師の所在位置である。
ここ八日は正直なところ、彼らを救助し安全圏へ避難させるためだけに費やしたと行っても過言では無い。
東京第2
呪霊の撃破にも点を付与するべきか。だがそれは当分先の話になりそうだ。
つまるところ、東京第2
だから
「コガネよ。
吹き込むべきは、新しい風。
葦名一心は既に、100点を獲得している。
リンゴンリンゴンリンゴン。文字で形容するならばそのような擬音。
『
仙台コロニーにて、
天元と話し合った結果、乙骨は先んじて結界に入り情報収集をすることが決定していた。
そして虎杖と決めた追加すべき四つのルール。そのどれかをやってくれたかと乙骨は期待する。
『〈
──もっとも、その期待は水泡に帰したが
「まあ、そんなすぐには行かないよね──コガネ、これまでルールを追加した泳者の情報を見せて」
『あいよ!』
ひとまずはと、その総則を追加した泳者の情報を乙骨は確認したかった。
検索結果。
鹿紫雲一
そして、
「あれ? もう一人いる?」
そう、それは偶然でしか無い。
リンゴンリンゴンリンゴン。
コガネが再び鐘を鳴らす。
乙骨は気づいた、何者かがこちらに落下したことに。
だが一体、どこから。
『
総則は時を同じくして、二回追加された。鹿紫雲の
だから、彼は誰よりも早く動くことができた。
『〈
なるほどと、乙骨が刀を構える。
きっとこいつが、件のルールを追加した泳者なのだろう。でなければ真っ先に行動できるわけがない。
葦名一心は槍を構え、乙骨の前に立った。
翌日、11月12日。
仙台
ドルゥヴ・ラクダワラ、
乙骨憂太、及び葦名一心による同盟によって。
ストックが無くなってきたので明日以降の更新がなくなる可能性が大です。
鹿紫雲は単独で200点稼いでいたので100点100点で分け合えそうだなーって、まあ秤さんが来なくなるんですけど