妖精の尻尾と酒呑童子   作:月詠朧

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後編だと思った?
残念!中編(下)でした!!

予想以上に伸びまくり。あと会話が長い。勝手にしゃべり始めるとはこの事か。

それではどうぞ。


第11話 萃香と呪われた島 中編 (下)

 

「さて、萃香殿。そろそろ儀式が始まりますので、最上階へ行きましょう」

「ん、あいよ」

 

 いつの間にか私の後ろにいた、ザルディを名乗る私の友人に気の抜けた返事をしつつ立ち上がる。

 どれくらい時間が立っただろうかと少し気になり、軽く霧散して調べたら外は夕暮れ時であった。

 結局あの後は誰にも会わずにデリオラを眺めながら酒を飲んでいるだけだった。

 飲みながら思ったんだけど、本当に儀式をやってる他の主要メンバーに私の紹介をしなくていいのかね?

 まぁ、一人は外にいたネズミの飼い主なのが確定してるっぽいし、知り合いがいないって訳でもないから大丈夫だろうけどさぁ。他に何人いるのか分からんし、挨拶はしておいたほうがいいと思うんだけど。ま、これから儀式の場に行くわけだし、そこで挨拶すれば大丈夫っしょ。

 とまぁ、軽く考えることを放棄しつつ酒を飲みながら、先を歩く友人の後についていく。

 あぁそうだ。

 

「ねぇねぇ、気になったんだけどさ」

「なんですかな?」

「あんたの目的はだいたい分かるから良いんだけどさ、他の奴らの封印解いてからの目的はなんなのさ?」

 

 目の前を歩く友人は大方デリオラ(アレ)を何かしらの方法を使って制御し、手駒にしたいとかだろうけどさ、他の奴らが封印をとく理由がよくわからないんだよねぇ。

 

「他の方々ですか。トップの方はデリオラを封印した師匠を超えるために倒したい、取り巻きの子らはデリオラに故郷を滅ぼされたから復讐したいとかでしたな。アホらし(ボソッ」

「最後素になってるよ?」

「おっと、聞かなかったことにしておいてくださいな」

 

 その姿で素のしゃべり方されたら似合わなすぎて笑いこけそうだからやめてね?

 

「それで、師匠を超えたいに復讐したいだっけ?」

「えぇ」

「んで、儀式の完了が後5日ぐらいだったっけか。それじゃ、その子らの目的は時間的に両方とも達成できないねぇ」

「ん?どういうことですかな?」

「なんだい?お前さんも気がついてないのかい?あの悪魔、残ってる生命エネルギーの残量を見るからに多めに見積もっても、後4日持てばいい方だよ?」

「なんですと!?」

 

 ほんとに気がついてなかったんか。元々デリオラが持ってるであろう再生能力を上回る速度で、封印になってる氷に生命力をガリガリ削られてるからねぇ。

 

「ま、10年の封印で生命力を削られてるのさ」

「ふぅむ。それは困りましたなぁ。因みにそれ、萃香殿の魔法でどうにかなりませんかねぇ?」

 

 どうやら本当に困っているようで、私に助けを求めてきた。

 ふむ。別にどうにでもなるんだけれどね?死なせないだけなら生命エネルギーを萃めてやればいいし、そもそも氷を散らしてしまえば封印はすぐに解けるのだから。

 だがね?

 

「どうにでもなるんだけどね~?いやぁほら、さっき邪魔をしないって約束しちゃったしなぁ」

 

 ニヤニヤしながら、さも残念そうに言ってみる。

 

「むぅ、そこを何とかお願いしますよ萃香殿」

「えータダじゃヤダー」

 

 付き合い長いんだからわかるだろ?っと意味を込めてニヤニヤと笑ってみる。

 そこで日頃の鬱憤が爆発でもしたのか。

 

「……よ」

「うん?」

「なによもう!いっつも無理やり宴会に参加させられてるし、アナタがやった宴会の片付けとかもやってるんだから、たまには私のお願い聞いてくれてもいいじゃない!」

「ちょ!ストップストップ!その姿で素で喋っちゃダメだってば!!」

「ハァハァ……ダメですかな?」

 

 それやった後に聞くなよ。なんか罪悪感がすごいんだけど。

 狙ってやってるなら大したもんだ。

 

「分かった分かった、仕方ないなぁ。他の子らがオーケー出したらやったげる」

「そうですか。ありがとうございます、萃香殿」

 

 思ってることを言ってスッキリしたって感じのいい顔してるし、鬱憤たまってるんだなぁ。

 もう一つ気になってることがあるっちゃあるんだけど、おそらくってだけだから聞かなくてもいいだろう。最悪独断でテキトーに動くし。

 そんな事を考えながら歩いている内に、最上階へとたどり着いていた。

 儀式の方は、謎の覆面集団がよくわからない言葉を言いながらお辞儀?土下座?をしている。その光景はなんとも言いがたいねぇ。

 儀式をしている覆面達の近場に、つけ耳半裸とゲジマユ、ネズミの飼い主。それに仮面の男がいた。

 あらら。蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の子が3人もいるよ。全員宴会にいたねぇ。

 仮面の坊や会ったことはない見たいだけど、何処と無くグレイに似てるね。

 私達が近づくとコチラに気がついたのか、ラミアの子達はゲッっという顔をしながら後ずさり物陰に隠れ、逆に仮面の坊やは訝しむ様な顔をして近づいてきた。

 

「ザルディ。後ろのソイツは誰だ?」

「これは零帝様。後ろの方は私の友人であります、萃香殿です。どうやら元ラミアの方々はすでに面識がおありのようですな?」

「どーもどーも、はじめまして零帝さん。今紹介された通りザルディの友達で、妖精の尻尾(フェアリーテイル)所属の伊吹 萃香だよ。この島にゃ仕事で来たんだが調査中にこいつに会ってね。急ぎでもないんで、チョット封印解除の手伝いでもしよーかなぁとか思ってここまで来たんだ。まぁ以後よろしくねぇ」

 

 ん?ザルディの最後の言葉がチョット気になったね。

 元ラミア?何あの子達、もしかしてコレのためにギルド抜けてきたの?なにやってんだい。

 物陰に隠れたのも、わたしがラミアのマスターのオババとかジュラとある程度面識があるから捕まえに来たとか思ったのかね?

 わたしはやりたいようにやらせるタイプだから、そんなに嫌な顔するなよ。

 それはそれとして、零帝クンとは初対面だし一応部外者だ。ある程度礼儀正しくしておこうかねぇ。

 

「フン。許可無くコチラに引き入れたのは気に入らんが、まぁいいだろう。後5日ほどでデリオラの封印も解けるしな」

 

 ちょうどデリオラの話も出たし、ちょうどいいから今アレを言ってしまおうか。

 

「あー、それね?デリオラ倒すつもりなんでしょ?」

「そうだが、それがどうかしたか?」

「いやね?このまま行くと、戦えずに終わりになりそうでね」

「なんだと?」

 

 私の言葉を聞いた零帝くんはなんのことだかわからないと、声を上げる。どうでもいいけどチョット喧嘩腰過ぎないかい?

 ちなみに私がデリオラの生命力が少ないとわかった理由は、能力(まほう)のおかげ。普通は封印されてる生物の生命力なんぞわからないもんねぇ。

 

「私が調べた感じ、デリオラの体力がもっても後4日ぐらいしかないっぽいんだよ。んで、もし良ければあたしがデリオラの封印を解いてもいいんだが、どうする?」

「は?」

 

 さて、それは何に対しての疑問なのかね?

 

「後4日はまだいい。だが、お前如きがデリオラの封印を解くだと?寝言は寝て言え」

 

 後4日は別にいいんだ?

 どうやら零帝さんにゃ封印を解いたげるってのが冗談に聞こえたらしい。

 んじゃ、今すぐ実践してあげましょうかね?

 

「ふむ、信じてないね?なら今から解いてやろう。別にいいだろう?ザルディ」

「ホホホ、萃香殿ならいますぐにでも出来るでしょうが、一応私にも準備というものがございましてな?できれば明日あたりにして欲しいのですが」

 

 ふむ、制御下に置くための準備がいるのかい。んじゃ明日にしようかね。

 ラミアの子らはやっぱり出来るのかって感じの顔してるねぇ。

 零帝くんはどうやらバカバカしいと思っているようだ。いくら仮面で顔を隠していても、雰囲気でばればれだよん?

 

「フン、勝手にしろ。俺は俺で封印解除の儀式を進める。そもそも後4日ぐらいしか持たないというのも信用できん。……それはそれとして、だ。スイカだったか?お前、この島に来る方法は何を使って来たんだ?」

「島に来た手段かい?それなら能力(まほう)を使って海を凍らせて、だが?」

「ッ!?つまりお前は氷の魔法を使うということか?」

「あたしの魔法は、氷の魔法じゃぁないよ。括りとしては失われた魔法(ロストマジック)でね?分類としちゃ無属性の魔法だねぇ。」

 

 ギルドに入ってしばらくし経った頃だったか、評議員の連中に魔法の詳細を調べられたことがある。なんでも、どの文献を調べても出てこない魔法を扱うので、危険度チェックとかその辺の調査に来たらしい。結局分かったことは無属性って事と、他の者には習得不可能って事ぐらい。どこでどうやって習得したのかも問い詰められたりしたけれど、そこはちょぉっと思考を散らして話を逸らしたし、適当なことを言ってある。

 そんな昔のことを思い出していたら、目の前の零帝くんが質問してきた。

 

「あの規模で海を凍らせておいて、氷の魔導師じゃないというのか!?」

「そうだよ?何らならちょいと見せてあげようか。それ」

 

 その言葉とともに周囲に霧散していく。すぐに私の体は霧になり周囲に溶け込んだ。

 

「っとまぁこんな具合に霧になったり」

 

 お次は最近巨大化してないしちょいと大っきくなってみようかね?

 周囲の霧を萃めていつもの3倍程度の大きさで姿を現してみた。

 

「巨大化してみたり、後はそうだねぇ……重力球でも作ってみようか」

 

 重力を集めて目の前に小さなブラックホールのようなものを作り出す。

 

「どうだい、引き寄せられるだろう?とまぁ、こんな風に色々と萃め、散らす事ができる魔法さ」

 

 目の前の重力球を消しながら聞いてみた。因みに大きいままだったりする。

 零帝くんは唖然として私を見上げまた質問。

 

「な、ならどうやって海を凍らせたんだ?」

「そんなのは簡単さね。海の熱を散らしたのさ」

 

 その言葉とともに目の前の海の熱を来たとき同様一気に散らす。一瞬で海は氷の大地に早変わりだ。

 

「ホッホッホッ、相変わらず恐ろしいまでに便利で強力な魔法でございますなぁ。わたしの魔法とは天地の差でございます」

 

 何を言うか。あんたの魔法だって十分便利な魔法だろう。時間を操る魔法とか、どこの瀟洒なメイド長だい?

 

「ま、わたしの魔法の説明はここまで。もう十分だろう?」

 

 その言葉とともに海を元に戻し、体のサイズも元に戻す。

 

「……あぁ、十分だ」

「あぃあぃ。あぁそうだ。後、明日封印を解いてしまっても構わんのだろう?」

「好きにしろ……」

「なに沈んでるんだい。あたしは氷の魔導師じゃぁないんだから、相手が自分より格上でもそんなに落ち込む必要はないだろうに。とりあえず明日戦闘準備だけはしときなよ?封印を解きはするが戦闘は全部君ら任せだからさ」

 

 あたしはその戦闘を見ながら酒を飲ませてもらうつもりなんでね。危なくなったら助けに入ってあげてもいいけど、さ。

 とりあえずは話しはコレで終わり。

 結局ラミアの子達はわたしに近づいてこないし、後は酒でも飲みながらこの何とも言えない儀式を眺めさせてもらおう。

 

 さて、明日が楽しみだねぇ。特等席でいい見世物が見れる。

 楽しい一日になりそうだ。

 

 

 

 

 

 後編に続く?

 




はい、中編(下)ですた。

デリオラの現状説明。
原作で氷が溶けた時点でデリオラさんは腕を振り上げ息絶えたので、体力がギリギリってことにしてみました。

因みに原作でナツたちがガルナ島へ訪れるちょうど5日前ぐらいのつもり。

次回こそ……後編に入りたいなぁ。

誤字脱字等ありましたらご報告お願い致します。
ご意見ご感想も大歓迎です。よろしくお願いします。



それからアンケートのお話。

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