妖精の尻尾と酒呑童子   作:月詠朧

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第2話です。
原作開始まで飛ばすといったな?
すまん。ありゃ嘘だった。

駄文ですが、読んでいただけると幸いです。

では、どうぞ~


第2話  萃香、クエストへゆく。

ギルド加入から半年がたったある日の事。

 

 

私は今ギルドの仕事(強制)で、かなり不機嫌だ。

ギルドの仕事でとある山の麓にある町にやってきた所である。

仕事内容は、山の中腹に住み着いている盗賊団の討伐でらしい。

 

「あー・・・面倒くさいなぁ。わたしは宴会と酒が飲めれば後は別に良いんだけれど」

 

マカロフ(マスター)曰く、ギルドに入ったのだから、たまには仕事をしろという事であった。

 

「まぁ、喧嘩ができるのならいいかな・・・少しは楽しませておくれよ?」

 

 

 

 

依頼人に説明を受け、山の中腹にあるという盗賊団のアジトを目指して山登り。

景色を肴に、酒を飲みつつ元気に山を登って行く。

 

「久々に景色を見ながら飲む酒は旨いねぇ♪」

 

さっきまでの不機嫌はどこへやら、上機嫌で目的地を目指して進んでいく。

 

しばらく進んだところで、視線を感じた。

 

(・・・んー?誰かに見られてるなー。盗賊の見回りかねぇ?)

 

能力で自身を少しだけ霧散し周囲を探る。

 

(ふむふむ。此処に居るのは二人か。すでに報告されてる、っと考えておいたほうがいいかな?

とりあえずコイツ等どうしようかな~?)

 

手頃な岩を見つけ、腰を掛けつつ酒を煽りながら思案する。

 

(このまま監視され続けるのもウザったいし、かと言って絡まれるのも嫌だし・・・

そうだ!確か萃香の能力って精神も集められたはずだし、意識も集めたり散らしたりできるかも!

意識を散らせば、気絶すると思うんだけど・・・どうかね?)

 

モノは試しと、見張っている盗賊達に能力を使って意識を散らして気絶させようとする。

しばらくして、ドサッドサッっと何かが倒れる音が聞こえてきた。

 

「成功したか・・・さて、そいじゃ持ってきたロープでコイツ等縛り付けておこうかね」

 

気絶させた二人を、適当な木に縛り付けていく。

 

「ウザったい視線も無くなったし、目的地も近いし、霧散してアジトに近づこうか」

 

盃に残っていた酒を飲み干し、霧散してゆく。

 

「折角妖怪になったんだ。ちょいと脅かしてからかって、その後、喧嘩と洒落込もう。

さぁ人間!楽しませておくれよ!」

 

そう言い残し。

その山には霧が溢れかえった。

 

 

 

 

 

 

 

所変わって盗賊団のアジト。

数人の盗賊たちが、思い思いにくつろいでいる。

そこに、見回りに出ていた手下の内一人が報告に戻ってきた。

 

「親分!」

「どうした?」

「見回りの際、酒を飲みながらこのアジトに近づいてくる幼女を見つけました!」

「幼女?ハハハハハッ!!何だお前寝ぼけてんじゃねーの?」

 

周りの奴らから笑い声と罵倒が聞こえてきた。

 

「いや、見回りに行ってた3人全員で確認したから間違いない。オレがアジトに連絡する役を押し付けられたのさ。一応、討伐に来た奴かもしれないからってね」

 

見張り役の言うことも一理ある。

 

「ふむ。討伐に来た奴なら返り討ちにしてとっ捕まる。それ以外だったとしてもとっ捕まえるぞ。

本当に幼女なら高く売れるだろうしな!」

 

親分と呼ばれた男がそう言うと、

 

「「「さすが親分!俺達に思いつかない事をを平然と思いつく!そこにシビれる憧れる!」」」

 

っと周りの手下たちが声を揃えて言い出した。

 

「うるさいぞお前ら!!そうと決まればお前ら!さっさと準備しろや!」

「「「ヘイッ!!」」」

 

親分の言葉に盗賊たちは、幼女を捕まえるための準備を始めだした。

 

 

 

 

ようやく準備が整うかといった頃合いに、盗賊たちのアジトである小屋は霧に包まれた。

 

「お、親分!突然霧がかかっちまいやした!」

 

異変に気がついた一人が狼狽えながら親分に報告した。

 

「ダニィ!?この時期この山に霧なんぞめったにかからんだろうが・・・えぇい、これから仕事ってのに運がねぇ!!」

「霧が晴れるまでは待機ですかい?」

「霧の中で動いて、崖から落ちでもしたら面倒だからな。とりあえず晴れるまでは待機だ!」

 

そんなことを喋っていると、小屋の中にまで霧が入って来た。

 

「お、おい!?どうなってるんだよこれ!?」

「戸締まりはしっかりしてあるんだろうな!?」

「も、もちろんっすよ親分!」

 

なら何で小屋の中まで霧が入ってくるのか?

盗賊たちがそんなことを考え始めた時、どこからか低く響いてくる様な声が聞こえてきた。

 

『あぁ、人間どもよ・・・誰に断って私の山に居るのか・・・この山は私のものぞ?』

「な、なにもんだ!?出てきやがれ!!」

 

突然聞こえてきた声にビクつきながら、盗賊の一人が叫んだ。

 

『何者も何も、私はこの山に住む妖怪。それと、私はすでに貴様らの前に居るぞ?』

「なんだと!?さてはこの霧はテメェの仕業か!?」

『仕業というよりも、この霧が私自身だ』

「嘘つくんじゃねえよ!さっさと出てきな!」

 

手下たちが狼狽える中、親分が言った。

 

『私は嘘が嫌いでね?嘘ではないんだがな。まぁいいだろう』

 

声がそう言った瞬間、小屋の開いていた広めのスペースに向かって霧が萃まりだす。

その光景を見た盗賊の一人が親分に縋るように近づきながら喋り出す。

 

「お、親分・・・これぁまずいんじゃ・・・?」

「ビビってんじゃねぇよ!こんな事が出来るのは魔導師ぐらいだ!!恐らくさっき見張りが見たっていう幼女が魔導師で、討伐に来たに違いない!」

 

そう強気にしゃべる親分だが、顔を真っ青にしながら震えている。

萃まってきた霧の中心に、2本の角の生えたシルエットが見え始めた。

 

「ほほほほほほら親分頭に角がついてますよ!やっばいですってこれ逃げましょうよ!!」

「う、うるさいぞ!モンスターなら倒すだけだ、大丈夫だ!問題ない!!」

 

喋っているうちにどんどん霧が萃まってゆく。

そして遂に霧が晴れ、一人の幼女が現れた。

 

「あひゃひゃひゃひゃ!人間たちよ!怖がってくれたかい?」

 

現れた幼女は、さも可笑しそうに笑いながらそう言い、酒を煽る。

 

「お、お前は!さっきこのアジトに向かってきていた奴!」

 

っと見回りに行っていた盗賊が指さしながら叫ぶ。

 

「おめぇなにもんだ?ツノがあるところを見ると・・・モンスターか?」

 

親分が持っていた剣を構えながら問いただす。

 

「あたしゃフェアリーテイルの魔導師さ!んぐっ・・ぷはっ・・麓の町からの依頼でねぇ、あんたらを討伐しに来たんだよ!」

 

酒を飲みながら質問に答える幼女に苛立ちを隠さずに、睨みつける。

 

「酒を飲みながらたぁずいぶん余裕じゃねぇか。酔っ払った状態で俺たち4人に勝てると思ってのかガキ!?」

 

そう言いながら手下に目配せし、幼女の四方向を囲む。

 

「さんざんコケにしてくれたんだ!テメェは必ずとっ捕まえて売ってやんよ!!行くぞお前ら!」

 

その言葉を合図に、盗賊たちは目の前の幼女に斬りかかった。

 

 

 

 

 

「アハハハハハ!いいねぇいいねぇ!!いいよあんた達!!

わたしは酒と喧嘩が大好きでね!さぁ派手に喧嘩と行こうじゃないか!アハハハハハハハハ!!」

 

そう笑いながら私は、一番近くにいた奴に足払いをし、倒れて来たところを頭を捕まえ叩きつける。

そいつは床を陥没させながら気絶した。

 

「な!?」

「呆けてないでドンドン来な!!」

 

盗賊の一人が我に返り、斬りかかってくる。

その剣を私は、軽くのけぞりながらヒラヒラと舞うように避け続ける。

 

「クソ!何で当たらないんだよ!」

「ほれほれ!もっとがんばんなよ!そんな鈍い動きじゃ当たりゃしないよ!!」

 

躍起になって斬りかかってくるが、大雑把になり逆に避けやすい。

後ろからもう一人も斬りかかってくるが、ヒラヒラと避ける。

 

「なんだいなんだい、そんなもんかい。そろそろコッチから仕掛けるよ!」

「「ッ!!」」

 

そう言うと、一瞬盗賊たちの動きが固まる。

その隙に私は目の前のヤツに頭突きを、後ろのやつに裏拳を叩き込む。

目の前のやつは額から血を流しながら倒れ伏し、裏拳を叩きこまれた奴は壁にめり込み動かなくなった。

 

「もうおわりかい?情けないねぇ・・・」

「オメェ・・・マジでなにもんだ?」

 

残った盗賊の親分が後ずさりながら聞いてきた。

 

「わたしはフェアリーテイルの魔導師だって言っただろう?」

「そうじゃねぇ!どう見ても人間じゃないその腕力!なんなんだお前は!」

 

ジリジリと後ずさりながら叫ぶ親分。

 

「ふむ。そんなに知りたいかい?それじゃぁ教えてやろう。」

そう言って私は、辺りに霧を出し始める。

 

「わたしは鬼の萃香!伊吹萃香だ!」

 

その言葉とともに、親分の横に分身体を作りだし、殴りつけた。

 

 

 

「・・・ったく、どいつもこいつも1発でダウンか。期待して損したね。」

 

盗賊たちを縛り終わり一箇所にまとめてから呟き、盃を取り出し酒を注ぐ。

 

「まぁちょっとは楽しかったし、ココに来るまでいい景色も見れたからね。よしとしようか」

 

そう言ってから盃の酒を煽る。

 

「ぷはぁ、やっぱり喧嘩の後の酒は旨いねぇ。これだから喧嘩はやめられないね!それじゃ、こいつら引きずって町まで戻るか。」

 

盗賊たちを縛っているロープで引きずりながら歩き出した。

 

「あ、私の正体の部分の記憶だけ能力使って散らしておこう。」

 

 

 

その後、盗賊たちを引き釣りながら下山し町の憲兵に盗賊たちを引き渡した後、報酬をもらう事になったのだが、私はその報酬を使ってその町で宴会を開いた。

能力を使って人の意識を集め、一日中宴会は続いた。

 

 

翌日、町の人に別れを告げてギルドに戻ってくると、マカロフに呼び出された。

何事かとマカロフのもとに行くと開口一番文句が飛んできた。

 

「萃香よ!評議会から苦情が来とるぞ!!」

「え?なんで?」

「お前さんが開いた宴会のせいであの町の食材の蓄えが7割が無くなったそうじゃ!それで、その食材の請求書が評議会に届いたということじゃ!」

「えー?それ私関係なくない?確かに宴会は開いたけれど、私はもらった報酬を使って材料を揃えて開いただけだよ?」

「む、むぅ・・・」

 

あの町の人ら、私が用意した分じゃ足りなくなって料理追加した挙句、その請求書を評議会に送ったのか!

たしかに能力で煽ったのは私だけど、勝手に追加されたのを私のせいにされても困るなぁ

 

「とりあえずそれだけかな?」

「そ、そうじゃな・・・文句を言ってすまんかった」

 

これからは宴会を開くとき、人の意識を集めるのはほどほどにしよう。

やめないけどね♪

 

 

その後、萃香が依頼に行く度に評議会から苦情(宴会の材料費で。)が来るそうで、マカロフが頭を抱えるのはまだ先の話。

ついでに萃香が依頼の後に宴会を開く事から、一部の人から宴会妖女なんて呼ばれることになるのも先の話である。

 

 

 

 

次回へ続く。

 




と、いう感じのお話でしたが如何でしょうが。
肉体と種族に魂が引かれてます。ずいぶん好戦的になってしまった。

盗賊の親分の横に出した分身ですが、通常サイズの半分ぐらいの大きさです。

最後に出てきた宴会妖女って呼ばれ方ですが意味は、
「宴会」を開く、「妖」精の尻尾の、幼「女」
って意味です。
この作品の主人公は、作者の中ではこんなイメージなのですよ。

ご意見ご感想、誤字脱字報告等どしどしお出しください。お待ちしておりますとも。

それでは次回までアリーヴェルチェ!
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