妖精の尻尾と酒呑童子   作:月詠朧

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第6話  ナツと接収姉弟と卵と猫

 S級昇格試験から1年と少し経ったある日の事。

 

 マカロフが出かけ先から帰ってきたと思ったら、なんと見た感じ11~12歳ぐらいの子供を拾ってきた。

 桜色の髪と白銀の鱗模様のマフラーが特徴的で、あのイグニールに育てられたというのだ。

 イグニールに育てられたとか、名前聞くまでもなくナツだよねぇ?

 

「うおぉぉぉ!!でっけーーー!!これが魔導師の集まるギルドなのかぁ!!」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)じゃ・・・」

「フェアリー・・・テイル?」

「妖精には尻尾があるのかないのか。もっとも本当にいるかどうかさえ誰にもわからない。だからこそ永遠の謎、永遠の冒険。そんな意味が込められておるのじゃ。」

 

 そんな話をしながらギルドの中に入ってきた二人。

 私はいつもの席に萃まり、いつものように酒を飲み始めた。

 ナツはマカロフから離れて、ギルドの中を見て回っている。

 そうこうしている内に、グレイ(パンツ一丁)がナツに絡み出した。

 またほぼ全裸で絡むのかいグレイくん・・・エルザの時もそうだったけど、パンツ一丁で絡むからなめられるんだよ?

 

「グレイ、服着てからやりなさいよ」

 

 ほら、カナが後ろで注意してるよ?聞いてあげなさい。

 あ、ほら。パンツ一丁な外見のことでバカにされた。

 

「んだとこの野郎!」

「うっせーんだよ!この変態野郎!!」

「「やんのかコラッ!?ッイデ!?!?」」

 

 あ、エルザが二人を殴って止めてる。まるでコントだね~

 

「やめろバカども。どうしてもやるというなら私が相手をするが?」

 

 おー、エルザも結構なプレッシャー出せるようになってきたねぇ。なかなかの魔力だ。

 

「ゲッ!エルザ!?お、俺はやめるぜ」

「なんだぁ?ビビってんのか!?俺はやるぜ!!」

「ふむ、とりあえず自己紹介だな。エルザだ、よろしくな」

「俺はナツ・ドラグニルだ!さぁやるぞ!!」

 

 結果は言うまでもなく。ナツ、ボッコボコ♪

 戦かった後、ナツとグレイは今後喧嘩をしないと約束させられていた。まぁナツは終わったあと敬語になってたし、エルザの前ではグレイとも喧嘩しないでしょ。たぶん。

 

「それとグレイ。いつも言っているだろうが!服を着ろ服を!!」

 

 約束させられた後、パンツ一丁を咎められてグレイもボコボコにされましたとさ。

 

 

 

 しばらくして。

 

「どうじゃ?ナツ。ギルドは楽しいか?」

「うん!気に入った!!俺ここに入りてぇ!!」

 

 ナツのギルド加入が決まった。騒がしくなりそうだねぇ。

 

 

 

 そこからさらに一年が経った。

 この一年の間にあったことといえば、ナツが誰にでも構わずけんかを売っていること。

 ミラジェーン、エルフマン、リサーナ達兄弟がギルドに加入したこと。

 そのミラジェーンがエルザをライバル視していて、よくドンパチやるようになったこと。

 その影響か、リサーナがナツとかと仲良くしていると、

 

「エルザ派の奴と仲良くしやがってぇ!!それでも私の妹かぁ!!ア゙!?」

 

 とか言って暴れるのでかんべんしてほしい限りである。

 後、エルザ派がどうのこうのって話を私に振るのをやめてほしい。私はどちらにつく気もないし、酒が飲めればギルドについて何も言うことがないんだから。

 酒が飲めればなんでもいい、って言ったらすっごいジト目で見られた。

 なにさ、なにさ?酒飲んでちゃいけないってか!?えぇ?

 

 

 彼女ら兄弟がギルドに入ってから、数週間後。

 

「卵だー!卵拾った!!」

 

 ナツが騒ぎながら、ギルドの中に入ってきた。

 結構大きな卵だね?なんの卵なのやら・・・

 

「卵だぁ?んなもん、一体どこで拾ってきたんじゃ?」

「東の森で拾ったんだ!!」

「何だよ、ナツにしちゃあ気が利くじゃねーか!みんなで食おうってか?」

「グレイ・・・服着なってば」

 

 カナも大変だねぇ。毎回注意してんのかい?

 

「冗談じゃねぇ!これは(ドラゴン)の卵だぞ!!孵すんだよ!!」

 

 おやおや、ナツはあの卵を孵すつもりかい?無理だと思うけどねぇ・・・

 

「見ろよ!このへんの模様とか、ドラゴンの爪みたいな模様だろ!!」

「そ、そーなのかー?」

 

 グレイが宵闇の妖怪みたいなことを言ってるね。

 

「つー訳でじっちゃん、ドラゴンを誕生させてくれ!」

「何を言うかバカモン。この世界に生命を冒涜するような魔法などありゃせんわ。生命は愛より生まれるもの。どんな魔法も愛には及ばぬ。」

 

 その言葉を聞いてナツがポカーンとしている。

 マカロフ、多分ナツにゃ早すぎるよ?

 

「大丈夫か?じっちゃん。何言ってるか全然わからねぇ。」

 

 ほらやっぱり。

 

「つまりだな。孵化させたければ一生懸命自分の力でやってみろっと言うことだ」

 

 そこにエルザがやってきた。

 どうでもいいけどずいぶん話し方が男前だねぇ。

 

「普段物を壊すことしかしてないからな。生命の誕生を学ぶにはちょうどいい機会だと思うぞ」

「「エルザ!!」」

「い・・・いたのか」

「き、今日も俺たち仲良くやってるぜ」

 

 エルザの登場にナツとグレイがおかしな動きをしながら、肩を組んで棒読みで喋ってるね。

 

「エルザが帰ってきただってぇ!?」

 

 エルザの名前を聞いてミラが反応したよ。あれかい?喧嘩するほど仲がいいとかそういう感じかね?ずいぶん嬉しそうな声を出してるじゃないか。

 

「この前の続きをやるよ!かかっておいで!!」

「姉ちゃん・・・・・・」

「またケンカするの~?」

 

 エルフマンもリサーナも大変そうだねぇ

 

「そういえばまだ決着がついてなかったな、ミラ」

 

 そう言って二人は取っ組み合いの喧嘩を始める。

 よく聞くと、くたばれエルザァ!!だとか、泣かすぞ!ミラジェーン!!だとか聞こえてくる。

 エルザよ。ナツとグレイに喧嘩をするなって言うなら自分もミラと喧嘩するのやめないとね?

 

「ねぇナツ!その卵私も一緒に育てていいかな?」

 

 リサーナは手伝うつもりか。またミラが暴れるねぇ。

 

「リサーナ手伝ってくれんのか!?」

「うん!なんだか面白そうだし!!卵育てるの」

 

 私も手伝おうかね。

 

「卵は育てるって言わないと思うよ?」

「あ、萃香!俺と戦え!!」

「はいはい今度ね。今はこの卵を孵すんだろ?」

「ハッ!そうだった!!」

「まったく・・・まぁあたしも手伝ってやるから頑張ってみな」

「って言ってもどうすれば卵って孵るんだ?」

「卵はね、温めるんだ。長いことかかるけど二人は頑張れるかい?」

「「もちろん!!」」

 

 仲がよろしいことで。

 

「っていうか温めるんなら俺の得意分野じゃねぇか!!」

 

 そう言って口から炎を卵にぶちまけるナツ。周りから叫び声が聞こえるからヤメろ。

 

「こらこら。ナツ、お前は卵を孵したいんだろう?そんな火力でやったらあっという間に茹で卵になっちまうよ。そんなに強くしちゃダメじゃないか。」

「そうだよ!そんなに強くしちゃったら焦げちゃう!!」

「そうか?」

「そうなの!!ここは私の魔法で!!接収(テイクオーバー)『動物の魂』(アニマルソウル)!!」

 

 そう言うと、リサーナは大きな鶏見たいな鳥に変身して卵を抱えた。

 なるほどなるほど。動物の因子を使ってその因子の動物に変身する魔法か。

 そういえば、ミラは悪魔因子を使って変身するんだっけ?

 その光景を見ていたエルフマンが、渋い顔をしている。

 

「おや?どうしたんだい、エルフマン?」

「・・・・・・リサーナも姉ちゃんも全身接収(テイクオーバー)使えんのに俺だけ使えねーんだよ。漢なのに。」

 

 最後の、漢なのにって関係あるのかね?

 

「あぁ、あんたら三人共同じ魔法を使うんだっけ?その内できるようになるさ」

 

 そうだねぇ。そのうちできるようになるでしょ。

 

「やれやれ・・・先が思いやられるねぇ・・・」

 

 そう私は呟きながら、酒を煽った。

 

 

 

 

 数日後。

 

「ナツとリサーナがドラゴンの卵温めてんだとよ」

「ドラゴンだぁ?んなもんいる訳ねーだろー」

「でもナツは昔、ドラゴンに育てられたとか言ってるぞ」

「あいつら公園の秘密基地みてーの作ってずっと卵孵しごっこやってるよ」

「あはははっ!ガキはいいねぇ」

 

 いつもの場所でいつものように酒を飲んでいると、そんな話が聞こえてきた。

 あ、ミラがその話聞いてプルプルしてる。

 これぁ荒れるね。逃げよーっと。

 私が霧散し退避すると、ギルドの中からテーブルがまっぷたつに割れる音と、ミラの怒号が聞こえてきた。

 

「まぁたぁエルザ派の奴と仲良くしやがってェェェ!!」

 

 前から思ってたけど、エルザ派って何さ?

 エルザ派について頭を悩ませながら、私はギルドの屋根の上で酒を飲み始めた。

 

 

 

 翌日。

 何やらナツが騒いでいるねぇ。

 

「誰だ!盗んだ奴!!」

 

 話を聞いてみると、公園の秘密基地で寝ていて、起きたら卵がなくなっていたらしい。

 それをラクサス坊やとかエルザに、返せだの吐きだせだのと騒いでいるようだ。

 

「萃香!お前酒の摘みにって食ったんじゃねぇだろうな!?」

「はぁ?何いってんだい。あんな不味そうな卵食うわけないじゃないか。酒にも合わなそうだしさ」

 

 こんなやりとりをしていたら、ミラが一言。

 

「そんなこと言ってるけどさ。あんた自分で食ったんじゃないの?ナツ?」

 

 これにはナツも怒ったようで、ミラに飛びかかった。

 

「このやろう!」

「やんのかナツ!!手加減しねーぞコラ!!」

 

 まーたやってるよあいつら・・・

 こいつらの年代がギルドを引っ張るようになった時の事を考えるとちょっと鬱になりそうだね~

 とか考えていたら、考えを読んだのか、

 

「反発するのは認め合うからこそ。奴らにはお互いの顔がはっきりと映っておる。な~んも心配することなわい」

 

 っと、マカロフがニカッと笑いながらそう言った。

 喧嘩が止まり、ナツが涙声で「オレの卵・・・どこに行ったんだよ・・・」とつぶやいた。

 それを見たミラがかわいいなぁとか言い出したし。ミラはSっ気がつよいことで。

 リサーナも泣き出しそうななった時、エルフマンが卵を持って現れた。

 

「ナツ・・・リサーナ・・・ごめん!盗んだわけじゃねーんだ」

「卵!」

「エルフマン!?」

「二人だけで温めるのって大変かなって思って、夜・・・冷えるだろ?でもオレ、魔法うまく使えねーから、恥ずかしくて一人でこっそりやってたんだ」

 

 実は私が能力(まほう)で夜、卵の周りに熱を軽く集めて温めていたのだけれど。まぁいいか。

 卵が見つかったことと、エルフマンが手伝ってくれていたことに喜ぶナツと、リサーナ。

 その二人をよそに、ミラとエルザがお互いに疑ってただろ?っと喧嘩腰で話している。

 

 そんな時、卵にヒビが入った。

 

「う・・・生まれる!?」

「おおっ!!」

 

 その声に、ギルドのみんなが注目する。

 

「オイッ!どけよ!!」

「バカ!あんま押すな!!」

 

 興味が無いふりしていたくせに、生まれるとなったら集まってくるんかい?現金な奴らだねぇ。

 そんなことを思っていたら、卵の殻が割れ中から青い猫が飛び出してきた。

 

「「「猫ぉ!?!?」」」

「「わぁ!!」」

 

 飛び出してきた猫は背中に羽が生えているようで、ヨロヨロと飛んでいる。

 そのうちナツの頭に止まった。

 

「あい」

 

 あまりの可愛さに、さっきまで険悪だった雰囲気が明るくなった。

 

「見てナツ。さっきまでみんなカリカリしてたのに、あんなに嬉しそう。なんか幸せを呼ぶ青い鳥みたい。」

「幸せかぁ。じゃーこいつの名前は『ハッピー』だな!」

「あい」

 

 いい名前じゃないかい?ってかハッピーか。しかしこいつ、猫なのに卵から生まれたのかぁ・・・

 

「ドラゴンのハッピーだ!」

「あい」

「「「ドラゴンじゃねぇよ!!!!」」」

「えへへ・・・ドラゴンの絵にしちゃえ!」

 

 

 こうして、ドラゴン(笑)のハッピーがフェアリーテイルの仲間に加わった。

 

 

 

 

 

 次回へ続く。

 




あれ?
萃香とほとんど絡んでないよ!?
眠くて少しおかしな文章になってないか不安でしょうがない。

書いてからやっちまった感がすごいあった。
でも後悔はしていない。

あと、人数が増えてきて、会話が連続で続くと誰が喋ってるんだかちょっと分かりづらいですね~
精進せねば・・・

ご意見ご感想、誤字脱字報告(今回はマジで)よろしくお願いします。
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