妖精の尻尾と酒呑童子   作:月詠朧

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第8話です。

皆様のお陰で、日間ランキング6位になりました!
感謝してもし足りないです。
本当に有難うございます!!

次の目標は、目指せ日間ランキング1位!!


それでは、本編をどうぞ。


第8話  萃香、ハコベ山へ行く

 私は今ナツが破壊したハルジオン港を修理し終えて、宴会を開いているところである。

 

 既に宴会を開いてから6時間ほど経過しており、街の人間の殆どが酔っ払っていて、呂律が回っていない。

 そんな中、一人の老人が私に話しかけてきた。

 

「萃香さん、少しよろしいですか?」

「おん?なんだい?」

「いえ、少しお頼みしたいことがありまして・・・」

「あたしに頼み事ねぇ?あたしは基本的にギルドの仕事もほとんどしないから、頼み事を聞かないかもしれないよ?それでも良ければ話してごらん」

「ありがとうございます。頼み事というのは、ここからすぐ近くにあるハコベ山のに住むバルカンという凶悪なモンスターの討伐をお願いしたいのですが・・・」

 

 バルカンだって?アイツ、私がフェアリーテイルに入る前にすでにいたから、とっくに討伐されてるものだとばっかり・・・まだ討伐されてないのかい!?

 

「どうか、討伐してきてもらえませんでしょうか?」

 

 あー・・・昔の私が他人任せにした事で今まで被害が出てたんだろうなぁ・・・

 どうするかね?

 

「んー・・・街の女の子でも攫われたのかい?」

「そうなんです!私達も抵抗しているのですが、モンスターとの戦闘経験のあるものなどほとんど居ませんので・・・周辺のギルドにも討伐依頼を出しているのですが、一向に討伐完了の報告が届かないのです」

 

 はぁ・・・私の不始末だし、しょうが無い。

 

「わかったよ。依頼を受けよう。今回はまぁ、昔あたしがアイツを放置した事があったから、報酬はいいや」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

 宴会が途中なんだけどねぇ。受けちまったし、今から行ってくるか。

 

「あー、今から行ってくるけど、宴会はみんなで楽しんでおくれ!!」

 

 そう言い、私は霧散してハコベ山に向かった。

 

 

 

 

 ハコベ山。

 夏季でも山の中腹より上の方は、常に吹雪いているという極寒の地である。

 ハコベ山の麓に辿り着いた私は萃まり、歩いて山を登り始める。

 暫く行くと、地面に馬車の通った跡が残っていた。

 

「んん?誰かつい最近ここを通ったのかね?他のギルドだとめんどくさいなぁ。他のギルドだったら遠巻きに様子を見るかね」

 

 馬車の跡は、まっすぐ山に向かって伸びている。

 

「一応急いで行くとしよう。何があるかわからんしね」

 

 私は、馬車の跡を辿って急いで進んでいく。

 

 

 しばらく行くと馬車が引き返してきた。

 

「おや、馬車の運転手さんや。誰を乗せて山の上の方まで行って来たんだい?」

「ん?いやぁちょっとね。嬢ちゃんひとりかい?アレなら乗せて街まで行ってもいいよ?」

「いや、ハコベ山に用があってねぇ。もし運転手さんが乗せていた人たちが、ギルドの人達だとちょぉっとめんどくさいけど」

 

 そう言うと、運転手は首を傾げながら、答えてくれた。

 

「まぁ・・・そう言うなら別にいいんだがよ。乗せてた奴らだったな。フェアリーテイルの奴らだったよ」

 

 フェアリーテイルのメンバーか。なら別に遠巻きに様子を見る必要はないね。

 

「そうかい!ありがとう!」

「気をつけていくんだよ?この山にはバルカンってモンスターg「そいつを討伐しに来たんだよあたしは」ふぁ!?」

「まぁとりあえずありがとさん!またね~」

 

 手を軽く振り、馬車が来た方向へ軽く走る。

 

「あ、おい嬢ちゃん!?・・・行っちまった。大丈夫かな?」

 

 

 

 

 しばらく進むと人影を見つけた。

 お?人影と時計みたいのが見えてきたね。・・・ってありゃナツかい?

 

「しらねえで付いて来たのか?凶悪モンスター『バルカン』の討伐だ」

 

 ナツが討伐しに来たのかね?てか時計みたいなの何あれ?

 

「マカオー!!いるかー!!バルカンにやられちまったのかぁ!?」

 

 なるほどね。マカオがバルカンの討伐クエストを受けたは良いけど、帰ってこないから助けに来たとかそんな感じかねぇ。

 そんなことを考えていたら、山の上の方から猿が飛び出してきた。

 ナツに襲いかかった後、一目散に時計みたいなのに近寄っていく。

 

「人間の女だ!うほほ~♡」

 

 と、言ったかと思うと、時計を持ち上げて逃げていく。

 やっぱり昔と変わらず下品で低能だねあいつ。ってかアレの中に人間の女の子が入ってるの?

 とりあえずナツと一緒に追いかけて行こうかね。

 

「ナツぅ!何ボケっとしてんの!さっさと追いかけるよ!!」

「萃香!?なんでここにいr「いいから追いかけなァ!!」イエッサー!!」

 

 全く、何やってるんだか。

 

 ナツが遅いので、放っておいてバルカンを追いかけていく。

 しばらく追いかけると、すみかのような洞窟の前に出た。

 私は、とりあえず霧散しながら、洞窟の中に霧を充満させる。

 

 洞窟の中を確認すると、時計の周りをバルカンが変な踊りを踊りながらグルグルと回っていた。

 てかあの時計、喋ってるね。確か精霊にそんなのが居た気がするから、おそらくあの時計の中はルーシィだね。

 予想通り、時計が消えるとルーシィちゃんが毛布にくるまった状態で残された。

 

「ちょ、ちょっとホロロギウム!消えないでよぉ!!」

「時間ですので、ごきげんよう」

「延長よ!!延長!!ねぇってばぁ!!」

 

 そんなやりとりしてるぐらいなら、逃げるか倒す努力をしたほうがいいと思うよ?ルーシィ。

 案の定、バルカンが鼻息を荒くしながらルーシィに詰め寄ってる。

 ナツがすぐ来るし、私は危なくなるまでしばらく見学しよっと。

 

「うおおおおっ!!やっと追いついたぁぁぁ!!」

「ナツ!」

 

 あー、洞窟の床凍ってるから、そんな勢いで走ると・・・

 

「マカオはどk」

 つるん

「うお!?あがっ!ぐぉぉ!うげっ!」

 ドゴーン!

「ウボァー」

 

 見事に、三回転しながら洞窟の壁に激突したよアイツ。

 

「普通に登場できないのかしら・・・アイツは・・・」

「あっひゃひゃひゃひゃ♪ナツぅ、笑わせるなよぉ」

「え!?誰!?」

 

 誰とはひどいなぁ・・・

 

「おや、ついこの間助けてあげたのに、もう忘れてるのかい?」

 

 そう言いながら、霧を萃めて姿を現す。

 

「ひっ!?・・・って萃香さんか・・・びっくりしたぁ・・・」

「アハハハ♪びっくりした顔頂きました!っと、萃香でいいよ!」

「そ、そう?ところでなんで萃香もここにいるの?」

「なんでってあんた、アタシも妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導師だよ?」

「えぇぇぇぇぇ!?!?」

 

 なんだい、ギルドについてから教えてもらわなかったのかい。

 

「おいサル!マカオはどこだ!!」

 

 そんなことを話していたら、ナツがバルカンにマカオのことを聞き始めた。

 

「言葉わかるんだろ?マカオだよ!!人間の男だ」

「男?」

「そーだ!!どこに隠した!!」

「うわぁ!隠したって決めつけてるぅ!?」

 

 確かバルカンって、接収(テイクオーバー)が使えたはずだ。

 おそらく、マカオはこの猿だろう。面白そうだから黙ってるけどね♪

 と、考え事をしていたら、ナツが洞窟の壁に空いた穴から外に突き落とされた。

 確認しておいたけど、あそこの下って結構深いんだよねぇ。

 まーあの下の方からハッピーの気配がするし、大丈夫でしょ。

 さてと、あの猿がマカオなら、私がやることは簡単だね。

 能力で引剥がすか、物理的にイジメて引剥がすか。

 この間のハルジオンで暴れられなかったし、今回は物理的に引剥がそうかね。

 

「女!女!ってこのエロザル、ナツが無事じゃなかったらどーしてくれるのよ!!」

「あー、ルーシィ!気にしているところ悪いんだけど、私がやるからちょっと下がってもらっていいかな?」

「え?戦えるの萃香!?」

「アハハ!アタシは酒と喧嘩が大好きなのさ!!」

 

 ルーシィが離れたのを確認してから、霧散しながらバルカンに近づいていく。

 

「ウホッ!女!女!」

「ちいっと憂さ晴らしのためにボッコボコにするけど、悪いね。マカオ!」

 

 そう言ってから、私はバルカンの横に一気に近づき、顔の前まで飛び上がりながら殴りかかる。

 バルカンはとっさの事に反応できずそのまま吹き飛び、壁にめり込み気絶した。

 

「もう終わりかい?やっぱりモンスターは弱くっていけないねぇ・・・ボッコボコにするって言ったけど、4回しか殴れなかったよ」

「へ!?あの一瞬で4回も殴ってたの!?」

 

 あーうー、不完全燃焼だー・・・酒のんで忘れよ。

 

 

 

 しばらくすると、ナツがハッピーと一緒に戻ってきた。

 

「よくも落としてくれたなぁぁ・・・あぶなかった・・・」

「お。おっそいおかえりだね、ナツ。もう終わっちまったよ」

「もう終わっちまったのかよ!つまんねー」

「つまんないって・・・っていうか気絶させちゃったけど、この猿にマカオさんの居場所聞くんじゃなかったの?」

「いやねぇ?多分だが、この猿がマカオだよ。バルカンってのは、接収(テイクオーバー)の魔法が使えてね?多分この猿はバルカンにとりつかれたマカオさね」

「そうなのか!?」

 

 そんな話をしていたら、サルがマカオに戻った。

 

「ほうらね?ってアタシが殴った以外の傷がひどいねぇ。治療しないとまずいかも」

 

 急いで持ってきた応急セットで治療を始める。

 しかし、脇腹の傷が深すぎて、持ってきた応急セットじゃどうにもなりそうもない。

 すると突然ナツがマカオの脇腹を焼き始めた。

 なるほどねぇ。傷口を焼いて止血するつもりか。

 

「今はこれしかしてやれねぇ!!我慢しろよ、マカオ!!」

「あぐあああああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 こりゃマカオの体力が持たいないね。

 どれ、能力使ってエネルギーをマカオに萃めようか。多少は助けになるはずだ。

 

「ふがっあっグッ・・・ハァハァ・・・な、なさけねぇ・・・ハァハァ・・・19匹は倒s「ハイハイ、病人はおとなしく寝てなってば」ゴフゥ!?」

 

 喋られるとせっかく集めたエネルギーを無駄遣いされるので、首の後を軽く叩いて気絶させた。

 

「ちょ!?何も殴ることないじゃない!」

「あん?ルーシィ、それで死んじまったら意味が無いだろう?」

「そ、そうだけどさぁ」

 

 それでもルーシィは納得がいかないようだ。まぁ無視するけどね!

 

 その後、傷口は塞ぐことができた。

 その過程で、マカオは目覚めては気絶してを繰り返したが、呼吸はしていたので大丈夫だろう。

 一応、ギルドに戻るまでは、能力を使ってエネルギーを萃めてあげよう。

 

 

 さて、バルカンの討伐は、無事マカオが達成したということにしておこう。

 私は最後の一匹を叩いただけだ。

 帰りの道中で聞いた話だと、マカオが一人でバルカンの討伐に来たのは、マカオの息子であるロメオが、マカオのことを馬鹿にされたのがきっかけらしい。

 今回、バルカンを19匹も討伐することに成功したのだし、自慢話をすることができるだろう。

 

 

 マカオをマグノリアの入り口まで送り届けた後、私は一人ハルシオンに行き、バルカン討伐完了の報告を行った。

 感謝されお礼をと言われたが、討伐したのは私ではないと告げた。が、無理やり酒30樽を渡された。

 報酬はいいって頼まれた時点で言ったのに・・・

 ってかこれ、私じゃなかったら持って帰れないぞ!!

 仕方なく、台車を借りて引きずりながら持ち帰り、もらって来たお酒で、宴会を開く私であった。

 

 

 

 

 

 

 次回へ続く。




ちょぉっと無理やり行かせてしまった気がする。

ハコベ山とかすごいですよね~
夏場なのに猛吹雪ですからね!あの山。
私としては寒いより暑いのほうが苦手なので、あの山の麓あたりで夏場は生活したいかも


ご意見ご感想、誤字脱字等ありましたらドシドシお申し付け下さい。

追記。
サブタイトルを変更いたしました。

追記2。
多少の変更と、編集をしました。
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