『ラリホー』
相手を眠らせる呪文を使ってみて耐性を確かめようとすると呪文を唱えた途端にゾルトラークが何発もこちらに迫ってくる。
やはりボス相手に眠りや毒などの状態異常系が効かないのはお約束だったよ。
師匠のように呪文封じが効きやすいボスもいるようにボスにも状態異常が聞く場合があるのでその弱点となる状態異常を探し当てたいところだがフリーレンはそんなに悠長な隙を与えてはくれないらしい。
僕はフリーレンのゾルトラークに対抗するために2発のゾルトラークを使った。
『
僕の放ったゾルトラークがフリーレンのゾルトラークとぶつかり合い、一方的に魔法を凍結させる。
このゾルトラークは僕の改良型のゾルトラークシリーズの1つでゾルトラークにヒャド系……氷の魔法を混ぜ込むことによって周りの熱を瞬時に奪いマイナスの世界を展開することができる。その特性を活かしたゾルドラークは攻撃を防ぎながら攻撃でき、普通のゾルトラークなら1発で3発は防げる。
「……私が解析できて使えているならクヴァールの弟子の魔族が改良を加えれないはずがないと思っていたけどもここまでとは思っていなかったかな」
とはいえこのままじゃジリ貧だ…今回の勝利条件の違いがこの戦いを厳しくさせている。
フリーレンは僕とアウラさんの殺害
僕はアウラさんの逃亡andフリーレンの生存だ
個人的にも人は殺したくはないし勇者に聞きたいことがあるので仲間であるフリーレンを殺したら話をすることもできない。
だからこっちは全力で気絶させることに専念する。
『
今度はこっちから攻撃させてもらおう。
このゾルトラークはバギ系……風の魔法を混ぜることで空気を殺し真空を意図的に作り出す効果を持つ。
この魔法での狙いは一瞬でも隙を作るため、他のゾルドラークと比べても数倍速いこのゾルトラークで隙を生み出し、他の魔法を当てるつもりだったのだが、僕の期待を虚しく散らすように防御魔法で簡単に防がれてしまう。
貫通効果のあるゾルトラークを防ぐと言うことはそれ専用に防御魔法を創ったのかもしれない、魔力の流れを見るに当たった瞬間にゾルトラークの魔力が離散している。
魔力を分散させるタイプか打ち消すタイプだと考えたがおそらく前者だと思う。打ち消すには魔力量が少なすぎるしその魔法を使うのに時間がかかって僕のゾルトラークを防げていないはずだがらだ。
「ゾルトラークを知り尽くしているお前にゾルトラークは意味が無いな」
そう言うとフリーレンはふわふわと空中を漂う風船のように宙に浮き僕の真上を浮遊している。
これはまずいな…僕は空を飛ぶ術は持っていないぞ。
今まで使う機会なんて無かったから一度も練習したことすらない…ベタンで落下させるのもありだがいかんせん距離の調整が難しい、距離の調整に失敗すると自分ごと重圧に押し潰されることになる。
なんとかしようと考えているとフリーレンが杖をこちらに向ける。
『
フリーレンの杖先から神の裁きとも言える無数の落雷が僕に降り注ぐ。
マホカンタは間に合わない…回避できる範囲でもない、相殺するにはメラゾーマ級の魔法を2発撃たないと無理だろう。
だから賢い僕は考えた。
「自分の電撃を食いやがれ」
『ザバラーン』
樹々や草花を薙ぎ倒しながら僕に降り注ぐ落雷が僕に当たる瞬間にフリーレンの頭上から滝のように水が流れる。
僕はジュドラジルムに全身を焼かれながらうっすらと開いた目でフリーレンの方を見るとフリーレンも全身に焼け跡が残っており、苦痛の表情を浮かべている。
そう、僕が考えたのは水を使った感電だ。
水に電気が流れると言うのは水道水や海水などを使った時に含まれる不純物が電気を通すのであって純粋な水は絶縁体だから電気を通さないだろう。
ザバ系の水呪文は飲めるほどに不純物が少ないはずだがこんなにも電気を通したのは水に含まれる魔力を電導体として使い威力を高めながらフリーレンにも感電した。
しかしこちらもまずい…今まで魔力をかなり消費していた。
僕の魔力量はそこまで多いわけではない。
魔族の特性かは知らないが魔力回復が早いだけだ。
だからこのまま戦い続けると魔力切れでこちらが負けるから節約していかないと。
『ベホマ』
でも流石にこのダメージを負った状態で戦える相手じゃないことは理解しているのでベホマで完全回復をする。
焼け焦げた皮膚がどんどん剥がれていき内側から無傷の肌が姿を見せる。まるで脱皮のようだなと思いながらフリーレンの方を見ると流石にダメージがデカかったのかより高く飛び、僕では手が出せない場所にいる。
ふと僕は思いついた、本当に一か八かの賭けだがやってみる価値は十二分にあると思う。
フリーレンが次の魔法を使う前に発動する。
『模倣する魔法 ポップ』
『トベルーラ』
僕はダイの大冒険の魔法使いポップを模倣し、ポップの使っていた魔法を使う。
それはトベルーラ、本来ルーラは空を飛び瞬時に長距離を移動する魔法なのだがそれを応用した空中浮遊の魔法だ。
でもこの魔法は魔力消費が大きく長時間の使用には向いていない、だからやるとしたら短期決戦、つまり真っ直ぐ直線最短距離で飛んでいくことだ!
僕は空を飛んだ、鳥のように華麗ではなく、ヘリコプターのように安定性もなく、ドローンのように自由でもない。
例えるなら戦闘機、マッハ2.5の速度で真っ直ぐ迫ってくるF-15だ。
しかしフリーレンは僕が突っ込んでくることを予測していたのかフリーレンに届く前に魔法を使われた。
『
数千度の火炎が僕の肉体を包み込み、髪を爪を皮膚を内臓を焼き焦がし、体がじわじわと炭化する。しかし痛みは一切しない……いやめちゃくちゃ痛いが気にしている暇など無く僕は動きを一切止めることはしない。
超高速で炎の中を突っ切りながら拳を握ろうとするが腕が炭になっており力が全く入らないがそんなことは関係ない。
片方しか見えなくなった眼球でフリーレンを睨み、焼けた喉を無理やり使い大声をあげる。
「ぶっ飛びやがれ!!!」
大気圏に突入した隕石のように全身が燃えながら炭となり感覚が無くなっている右腕でフリーレンの顔面を捩じ込むよう回転を加えた拳で殴りつけるとフリーレンの顔がゆっくりと形を変える。
自分の拳が形を失いながらフリーレンを吹き飛ばし、遠くの地面に大きなクレーターを作りながら落下していく。
流石にあの勢いで殴ったら気絶は免れない……死んでいないことを祈ろう。
すると殴った方の腕がボロボロに崩れ去り、魔力が切れたせいで僕の体は重力に従い地面に落下していく。
よく見ると右腕だけじゃ無くて両足や脇腹も炭になっており崩れている。
回復する魔力も無ければ体を動かせる体力も無い。このまま落下する勢いで死ぬだろうな。
アウラさんは逃げ切れたかな……スラリンも無事かな?僕が死んだ後も幸せに生きていてほしいな、クラフトとの再会を約束したのに約束を守れないのは申し訳ないな、師匠とも一緒にお酒を飲む約束してたのに幽霊になったら飲めなくなっちゃうよ。
まずい、もうすぐで地面に落下してしまう。グッバイこの世、また来世で。
すると自分の体がふわりと誰かにお姫様抱っこされる。柔らかい腕に抱えられ、嗅ぎ慣れたいい匂いがするような気がする。
「……あ……ぅ…さ……」
「休みなさい、あなたは頑張ったわよ」
なんでアウラさんがここにいるんだろう……逃げたはずじゃ…スラリンもいるじゃん。
「貴方……体が……」
確かにどんどん霧みたいに消えていく感覚があるなぁ、これが本当の死亡か……いつも蘇生魔法をかけてから死んでいたから新鮮だな。
まるで夢みたいな人生だった、実際に夢だったのかもしれない。
目覚めたらいつものベッドの上でいつものように学校に行って帰ったらドラクエをしながらリンゴを食べる、楽しくも刺激のない生活を送る人生に戻る……嫌だな…もっとこの世界で生きたかった、もっとアウラさんと一緒に旅をしたかったな。
「…さ………なら…」
「リーニエ!リーニエ!!しっかりしなさい!!貴方が私を幸せにしてくれるのでしょう!
魔族の私が人を殺さなくても幸せになれる方法を見つけ出すって言ったのは貴方じゃない!!死なないでよ!」
僕はその言葉を聞いて人生に幕を下ろした。
完 猫ネコねこキャット先生の次回作にご期待ください。
(嘘です)
魔法のカッコについて、どちらがいいですかね?下のやつなら今までのも修正してきます
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『』
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