誤字脱字がめちゃくちゃ多いことを指摘されました。
なのでできればでよろしいのですが誤字脱字を発見した際は誤字報告を行っていただけると幸いです。
木が焼け、草も灰になり、土は死んだ。
そんな山の中で1人の魔族が大粒の涙を地面にこぼしながら、何もない空間で女神を模した首飾りを握っていた。
たった5年という魔族から見ればあまりにも短い時間の旅が彼女を確かに変えていた…魔族でありながら人の心を持ち、誰かを守るために戦い、言葉を騙すための武器ではなく通じ合うための手段として使った特異点のような魔族によって彼女の心が変えられていた。
彼女の流す涙に効果的価値など一切無く、ただ悲しみという刃で傷つけられた心の傷から流れ出ている血なのだ。
彼女自身もその涙に意味がないことを理解している。
理解しているけど流れる涙を抑えることは出来ず、子供のように泣いていた。
心を埋め尽くす実力不足からくる悔しさ、もう会えなくなった悲しみ、そしてマグマのように溢れ出てくる怒り。
しかし彼女はその怒りをエルフの魔法使いにぶつけることはしない。
確かに気絶している今なら確実に殺せる状況だろうが彼女はその腕を動かすことはしない。
なぜならその行為は死んでいった大切な友達との約束を破り、また昔の自分に戻ることを示すからである。
この5年間の思い出が彼女の脳内に駆け巡り、一瞬とも100年とも思えた5年とは違い今この状況で彼女の中では1秒が永遠に感じられるほど長かった。
涙で視界がぼやけ、聞こえる音もあたりが焼けていく音だけだ。
いつもの騒がしい動きに騒がしい声が全く見えないし聞こえない。
何度も鬱陶しく思えた無茶振りやウザ絡みさえも今では愛おしく思え、一段と心に痛みが走る。
始まりはいつも突然だ。
たまたま見かけた時に話しかけて魔法をかけられた。
そんな突然の出会いは突然の終わりを迎える。
何気ない日常の中で何気ない行動が友を死に追いやった、もしあの時に自分が強く止めていれば、もし自分の魔力量がエルフの魔法使いよりも多ければ………そんなもしもを何度も考えては過ぎ去った過去に未練を残し続ける自分が嫌いになっていく。
塵となって消えた友の姿、声、笑顔がフラッシュバックする。
低身長でクリーム色の髪をしていて、いつもうるさいくせに全く表情が変わらない中でたまに見せてくれたあの笑顔が脳に刻まれている。
そんな中で彼女は何度も願い続けていた。
(女神が本当にいるとするのならどうしてこの子が死ぬ運命なんかにしたのかと、もしも何かできるというのならこの子を……リーニエを蘇らせてください)
しかし何も起こらない。
天は人の味方であり魔族の味方をしないのは百も承知の上でも今は奇跡にしか頼るしか方法がなかった。
(私はどうなってもいい、あなたを信仰して人を殺さずに生きていたあの子に一度ぐらい奇跡が起きてもいいじゃない)
奇跡は……起きない。
それでも彼女は藁にも縋る思いで祈り続ける。
それから約5分……彼女の体感時間では何千時間にも思えた時、暗雲から雨が流れ出す。
手についた血を洗い落とし、涙が見えなくなり、燃えていた木々も鎮火される。
悲劇のドラマの主役かヒロインのように雨に濡れてもそこを動かない。
そして気づくと彼女の後ろに頭から血を流し、ゼェゼェと息を切らしたエルフの魔法使いが立っており、杖の先を彼女の後頭部に当てていた。
「一体何がお前をそこまで変えた……答えろ」
彼女は何も答えない…振り返ることも警戒することもせず、ただ祈り続けていた。
「なんで魔族がそんな涙を流せるんだ……お前たちの涙は騙すための武器であって悲しい時に出るものじゃないはずだ」
その質問にアウラは質問で返した。
「……あなたは誰かを大切に思ったことはあるかしら?
無いのならこの気持ちはわからないわよ」
「…………」
フリーレンは困惑と恐怖に包まれる。
心の無い人の言葉を話せる魔物が愛を語る、その光景はフリーレンにとって未知のモノであり恐ろしいモノでもあった。
「あのクヴァールの弟子がお前も変えたのか……」
フリーレンはとある日のことを思い出しながら喋る。
数年前に勇者ヒンメルたちと旅をして腐敗の賢老クヴァールを封印した日の出来事だ。
あの日見た光景と今現在見ている光景が重なって見えている。
2人の魔族がリーニエという1人の魔族に愛を向けていた。
その事実がフリーレンの中にあった認識と常識を壊そうとしている。
そうしているとフリーレンに一つの考えが浮かび上がって来た。
もしも本当に心を持つ魔族がいるとして人間の仲間になったとしたら本人たちは望んでいなくとも魔族を信じてしまう人間が多くなり被害も増えていくことだろう。
その時にフリーレンは察する。
(リーニエと呼ばれていた魔族を早いうちに殺せていて良かった。あの魔族が他の魔族に心を持たせるなら本当に厄介だった…あと残っているのはアウラとクヴァールだ)
フリーレンは手に持っている杖に魔力を流し始める。
その量は防御魔法も使わずに密着しているアウラの頭程度なら軽々と消し炭にできるだろう。
アウラはその魔力に気づいていながらも動こうとしない。
「なぜ逃げようとも防ごうともしない」
「約束したからよ」
「約束?」
「……つい最近した約束……」
会話を続けながらも魔力は貯められ、いつでも魔法が撃てるまでになっている。
フリーレンが答えを聞く前に魔法を放った。
それは数十年後には一般攻撃魔法と呼ばれ、世界中の魔法使いが使った魔法……ゾルトラークだ。
しかしこれは
放出された魔力の塊とも言えるゾルトラークはアウラに…………当たることはなかった。その杖先は誰かによって天空に向けられ、発射されたゾルトラークは雲に届くことなく離散していった。
フリーレンの瞳には不可解なことが映る…殺したはずの魔族の少女が己の杖を掴みながら立っていたのだから。
「ただいま戻りました……死んでしまった情け無い僕を許してください」
「……遅いじゃない」
アウラだけは聞こえていた……フリーレンの魔法が発射される瞬間にスラリンから発された聞き慣れた電子音に。
スラリンがレベルで覚える魔法の一つ『ザオラル』
50%の確率で仲間1人を蘇生する呪文……そしてスラリンはその50%を引き当てた。
それはまさに奇跡の一雫…起死回生をそのままの意味で行ったわけだ。
「この距離なら回避はできないな!」
『バシルーラ』
その魔法はフリーレンに当たった瞬間…フリーレンが空高く飛んでいき一瞬で見えない距離まで移動していった。
リーニエはその光景を見届けた後後ろに倒れてしまうがアウラがそっと受け止め、膝枕のような状況になる。
「あ、アウラさん……ありがとうございます」
「…………」
「ちょ、痛いですって!その天秤の先についてる玉のようなものでぐりぐりしないでくださいよ」
「…………」
「あの、何か喋ってくれませんか?めちゃくちゃ怖いんですけど……」
めちゃくちゃ怒ってるな……流石に死んだのは怒られるな。
「……蘇ることも考えてたの?」
「いや偶然ですね、スラリンがザオラルを習得しているとは驚きでしたし、半分の確率に賭けるほどギャンブラーでもありませんよ」
そう言うとアウラさんの拳が僕の脇腹に思い切りぶつけられる。
「痛い!……もっと優しくしてくださいよ。
復活したとはいえ体はボロボロのままなんですから」
実は指先すらも動かせない……ホイミ系で回復しても治るのは身体の傷であって疲労なんかは取れないから回復しても意味が無さそうだ。
「今日は流石に疲れたので抱えて連れ帰ってください」
「お姫様抱っこでもすればいいかしら?」
「恥ずかしいので脇に抱えたりしてください」
「お姫様抱っこするわね」
「人の話聞いてます?」
そうやっていつものように戯れている。
たった1時間前の出来事が嘘のように思えてくるほどに今ある平穏を満喫していた。
しかし人生はそう簡単にいくものでもない……5年前のあの日のように嫌な気配を感じ取り、耳を澄ませる。
バキバキと何かにヒビが入っていく音……目の前に見えるひび割れた空間が音の原因だと一目で分かる。
これはまずい……おそらく僕の予想ではドラゴンクエストのモンスターが出てくる前兆だ。
しかし動こうと思っていても体は動かせない。
「アウラさん……警戒してください」
「あの空間のひびから何か出てくるの?」
「スラリンが出て来た時と同じ状況です……おそらく異世界の魔物が出て来ます。
スライムだったらいいですけど空間から感じる気配が明らかにスライムではありません」
そうすると空間のひびが完全に穴となり……ヤツがその顔を見せた。
UA10万突破ありがとう!!
魔法のカッコについて、どちらがいいですかね?下のやつなら今までのも修正してきます
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