モンスターがわからない場合検索してくれるとありがたい
その空間の裂け目から奴は現れた。
冷酷さを表すような青い身体、あらゆるものを破壊する巨大な棍棒、その棍棒を軽々と使う大きな肉体、頭に付いた白い角……
「……………バルザックだぁぁ!!」
ギガンテスだと思った?残念バルザックでした!!
いや本当にやばい……ギガンテスならまだアウラさん1人でも僕を守りながら勝てると思うけどバルザックは無理だよ!
とりあえず確認しなければならないことが一つだけある。
このバルザックが進化の秘法でバルザックになった個体なのか配合などにより生まれたバルザックなのか…とりあえず話しかけたらわかるか。
「こんにちは!デスピサロについてどう思いますか?」
よし!返事が返ってこないということはモンスターズ産の個体だろう……やばくね?
ジョーカーは色々と論外としてテリーのワンダーランドとかだと強かった思い出が……
そんなことを考えていると僕とアウラさん目掛けて図体に見合わない一回の跳躍で近づきながら巨大な棍棒を振り下ろす直前に僕は叫んだ。
「スラリン!!メダパニ!」
するとスラリンからあの電子音が聞こえ、バルザックの動きが止まる。
その後バルザックは何もない場所に攻撃をしたり自分を殴ったりして暴れている。
これはメダパニの相手を混乱させる効果だ。
「アウラさん…今のうちに天秤であの魔物を殺せますか?」
「一度試してみるわ……『
するとアウラさんが持つ天秤にバルザックから出た魂とアウラさんの魂がそれぞれの皿に乗る。
しかしいつもならどちらかに傾く天秤が微動だにしない。
「……もしかして魔力を持たない生物?そんな生物が……」
「いえ、多分違うと思いますよ。魔力を持たないというよりもこの世界の魔力じゃないだけだと思います」
これは僕の予想だ、ドラゴンクエストの世界にある魔力とこの世界にある魔力が名前は同じでも別物だとすれば納得がいく。
それに僕が魔法を模倣した時に消費魔力が多かったのも代用品の魔力でドラクエ魔法を無理やり再現したりこの世界に合わせて作り直されていると考えれば別物だということにも説明できる。
「………アゼリューゼって死体も操作できますよね?」
「できるわよ、それがどうかしたの?」
「僕にアゼリューゼをして身体を無理やり動かして戦ってください」
「えっ?」
「早くしてください、あの魔物にかかってる魔法が解けたら僕は確実に死にますよ。アウラさんは僕を運んで逃げる筋力はないでしょ?
それにあの魔物が現れた原因はわかりませんが確実に僕のせいだと思うので僕が倒さないといけない……」
「……はぁ、仕方ないわね…… 『
するとバルザックの魂がバルザックの体へと戻り、僕の魂が天秤に乗る。
体が自分の意思とは関係なくゆっくりと立ち上がる。
しかしアゼリューゼで支配されているはずなのに何故か意識もしっかりとしており、言葉を出すことができた。
「意識が奪われてないのですが……失敗しました?」
「わざと残してるのよ、じゃないと貴方の魔法が使えないじゃない」
それもそうか……正直言って武術だけでバルザックに勝てる気はしなかったから魔法が使えるのはありがたい。
体が勝手に動き出し呪文を勝手に唱える。
『マホトラ』
僕が使う気がなくともアウラさんが使わせたことによってアウラさんから魔力を奪ってしまう。
そういえば魔力も空っぽだったから補給しないといけないもんね。僕の魔力全回復までしようとしてもアウラさんの魔力は半分に届かないくらいだからアゼリューゼの効果も使えたままだ。
「私が肉体の操作をするから魔法のタイミングや使用する魔法は貴方が判断してくれる?」
「わかりました……リーニエ、行きまーす!!」
混乱が解けて何が起こったのかわかっていなさそうなバルザックに向けて走り出す。
体が勝手に走っていくという変な感覚が少し気持ち悪いが無視して呪文を唱えた。
『ベタン』
バルザックの立っている地面にヒビが入り始める。
苦痛な表情で棍棒を支えにして立ちながらいつもの数倍の重力に耐えている。
このまま決めるか……できれば短期決戦で終わらせたいからな。
そのためにはもう少し体力を減らしておきたい……確実に『あの魔法』を当てるには至難の業だろうしね。
『マヒャド』
バルザックの足元に突然発生した氷がバルザックの足や尻尾までも凍らせていく。
これで魔法を当てる準備は整ったと思った瞬間にバルザックの周りに突如として魔力の帯が二つほど浮遊する。
「アウラさん!スラリンと一緒に僕の後ろに隠れてください!」
そう叫ぶと僕の体は引っ張られアウラさんの前に立つ。
これでいい…隙を作るには絶好のチャンスになったと思う。
バルザックがあの図体に見合わない魔法を使用してきた。
『ベギラマ』という呪文で僕たちを焼き尽くそうとしている。
だが、ドラクエの魔法という武器を使っている以上僕は負ける気がしない。
『マホカンタ』
僕の目の前に薄く透明な壁が出現する。
その壁はバルザックから飛んできたベギラマを180度綺麗に回転し、その太った肉体の腹にベギラマが当たった。
しかしバルザックは少しの痛みすらも感じていない。なぜならベギラマに対して無効にするほどの耐性を持っているからだ。
それに僕が凍らせた足に炎があたり溶けてしまう。
炎の中を涼しい顔で突き進み、僕に棍棒を振り下ろした。
魔法は反射されることをすぐに察したのだろう……頭いいな。
体が無理やり動かされ筋肉が悲鳴を上げながらも横へローリングすることでバルザックの攻撃を回避することに成功する。
しかしそれは悪手だった……バルザックの狙いは僕ではなくアウラさんだった。
おそらくアウラさんが僕の身体を操作していることに気づいたようだ。
『みがわり』
この特技は自分に攻撃を向けさせる効果を持つ……つまりアウラさんに振り下ろされた棍棒が方向を変えて僕にぶつけられる。
横払いされた棍棒に当たった僕は数メートル吹き飛び、水切りの石のように何度も地面を跳ね、身体中の骨がバキバキの折れる。
やっぱりバルザックは火力が高いな、回復している暇もないし次の攻撃が来る前に決めるしか勝ち目は無さそうだ。
しかも殴られた影響かアウラさんのアゼリューゼが解けて体が動かせない。
僕の方向へ鈍足ながらも走ってくるバルザックに向けて鉛とは比べものならないほどの重さに感じる右腕を必死に上げる。
『メラゾーマ』
巨大な火球が空中で発生し、停滞する。
『メラゾーマ』
先ほどと同じように火球が発生して先ほどの火球の横に停滞する。
バルザックは目前まで迫ってきており数秒でもミスれば僕は死ぬだろう。だが失敗する気は無い。
アウラさんが直線上にいないことを目視で確認した後最後の呪文を唱えた。
『メラガイアー』
そこに存在するだけで空気すらも焦がし尽くし辺りの生命を燃やすほどの圧倒的な熱量を持った巨大……超巨大な火球は先ほど出していた2つのメラゾーマを巻き込みながら鳥のような形となりバルザックに飛翔していく。
その姿はまるで不死鳥……フェニックスを思わせるような神々しさすら感じた。
メラガイアーはメラ系呪文の中で最も強い呪文だ。
そして今回はそのメラガイアーとメラゾーマを合体させ、メラガイアーを胴体に、メラゾーマを2つの翼としての役割を持たせて作り上げた。
「擬似カイザーフェニックス!!」
本来のカイザーフェニックスは1人の魔王の強すぎる魔力から放たれたメラゾーマが形を変えたもの。
それを擬似的に再現して作り上げたのがこの技だ。
本来ならその魔王を模倣すればいいと思うかもしれないが模倣しようとしても全身の穴という穴から血液が流れ出し、体の中で何十発と爆発が起こり、肉体だけでなく魂までもが危険を伝えてくるほどだった。
だから半分の威力にもならないとはいえ擬似的なカイザーフェニックスを作り上げたのだ。
その擬似カイザーフェニックスは辺りの草木を全て焼き尽くし、その熱だけで僕の喉なども火傷にさせながらバルザックに当たった瞬間に全身が焼け焦げ、確実に殺した。
僕はその疲れからか今度こそ倒れてしまう。
肉体は後少しでも動けば四肢が千切れるだろう。
「今度こそ生きてるよね?」
アウラさんが話しかけてくれるが声も出せないので返事を返すことすらできない。
「声が出せないの?」
首を振ることもできないので瞬きで伝える。
「瞬きじゃわからないわよ」
そうは言われても今は瞬き以外何もできないのですが……
「とりあえず、これからは自分を大切にしなさい。私はこれでも七崩賢よ……1発ぐらいくらっても生きてるわよ」
ええー?ほんとにござるかぁ?アウラさんは紙耐久低火力のギミックボスタイプなんだしバルザックの一撃に耐えれる気がしないんだけど…
それに僕が回復させるまで勇者にやられた傷で数年間何もできなかった人なのにそんな強がりされてもな。
「心の中で私のこと馬鹿にした?」
まずい、心が読めるのか!!という冗談はさておきなんでわかった…
「なんでって顔してるわね。貴方との旅で磨かれた勘と経験よ」
勘と経験か……もしかして色々僕の秘密にも気づいてるのかな?
もしもそうだとしたら……
そんなことを考えていると嫌な予感がする。
僕は瞬きでアウラさんにこの事を伝え、アウラさんは察したのか周りを警戒する。
バルザックが実はまだ生きているのか!?可能性は十分にある。
死んで肉体がまだ残っていたのなら生きているはずだ……ドラゴンクエストのモンスターたちは死体が残らないから死体が残っているはずがない。
しかしアウラさんはそんなことを知るわけもないのでバルザックが死んだと思っている可能性がある。
確認しようするが首が動かなく、バルザックがいた方向を見ることすらできない。
アウラさんに瞬きで伝えようとしても細かいことは伝わらないし…めちゃくちゃピンチだ。
そう思っているとアウラさんが突然吹き飛び遠くへ飛ばされる。
いつも嫌な予感だけは当たるな。
バルザックが生きている。おそらく死にかけで時間があれば死ぬだろうがギリギリ生きている状態だ。
次は僕の番だ……流石に何もできない僕じゃ殺されるに違いない。
こんな短期間で2回も殺されるのは予想外だな……スラリンのMPも無さそうだから次は蘇生できないし確実に死ぬな。
バルザックから振り下ろされた棍棒が僕に当たる瞬間、僕の体に激痛が走りながらも横に転がり回避する。
アウラさんがアゼリューゼをかけ直し操作してくれたのだろう。
だとしたらこのチャンスを逃すわけにはいかない。もうメラでもなんでもいいから魔法を出せ!!
僕は魔力をめちゃくちゃな方法で放出し、何かはわからないが魔法が発動した。
すると僕とアウラさんが一瞬のうちに空中に飛び上がり別々の方向へ飛んでいく。
チラッと見えたがアウラさんはそこまでダメージにはなっていなそうだったし一緒に飛んで行ったスラリンが傷ついてたところを見るにスラリンがクッションになったおかげで大したダメージにはなってなさそうだ。
さて、バルザックは時間経過で死ぬとはいえボロボロの僕が1人でどこかへ移動してしまって生き残れるだろうか?
というか同時に別々の方向に飛んでいくルーラって聞いたことがないな……もしかして発動したのってパルプンテ………
「…………………生き残れますように」
緊張の糸が途切れ、僕は飛びながら気絶してしまった。
魔法のカッコについて、どちらがいいですかね?下のやつなら今までのも修正してきます
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『』
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